●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-3.III.6:1 ~ T-3.III.7:12

6. Right perception is necessary before God can communicate directly to His altars, which He established in His Sons.
  • right [ráit] : 「正しい、正当な、合っている、適切な」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
  • communicate [kəmjúːnikèit] : 「連絡する、通信する、伝える、伝達する」
  • directly [dəréktli] : 「直接に、まっすぐに、率直に、直接的に」
  • altar [ɔ́ːltər] : 「祭壇、聖餐台」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、設立する、制定する、成立させる」
❖ "Right perception ~ "「正しい知覚が、〜する前に必要とされる」。"before God can communicate ~ "「神が神の祭壇と直接コミュニケーション出来るようになる前に、」正しい知覚が必要とされる。あなたが、あなたの心の中の最も神聖で純粋な部分にある神の祭壇にたどり着き、ホーリー・スピリットを介して神とコミュニケーションを取るためには、まず最初に、あなたの知覚を修正しなくてはならない。"which He established ~ "「その祭壇は、神が神の子の(心の)中に作ったものである」。



There He can communicate His certainty, and His knowledge will bring peace without question. God is not a stranger to His Sons, and His Sons are not strangers to each other.
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確実、確実性、間違いないこと」
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を連れて来る」
  • peace [píːs] : 「平和、和平、安らぎ、平安、静けさ、静謐」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずに」
  • question [kwéstʃən] : 「質問、疑問、問い、質疑、課題、問題」
  • stranger [stréindʒər] : 「見知らぬ人、よそから来た人、よそ者、他人」
  • to each other : 「お互いに対して」
❖ "There He ~  "「その祭壇で、神は神の確信を伝えることが出来る」。" and His knowledge ~ "「そして、神の叡智は、疑問のない平和をもたらしてくれる」。叡智は神の真実の総体であり、疑問をもたれることも疑問を発することもない。だから、叡智は完全な平和をもたらしてくれる。"God is not ~ "「神は神の子にとって見知らぬ者ではなく、神の子同士もお互いに見知らぬ存在ではない」。神は神の子を神の延長上に創造した。いわば神は神の子の親である。赤の他人であるわけがない。神はたった一人の神の子を創造したのであり、神の子が神から分離した後に、神の子は自分自身を分裂させた。あなたと他者という区別は幻想であって、本当は自他一如である。赤の他人あるわけがない。



Knowledge preceded both perception and time, and will ultimately replace them. That is the real meaning of "Alpha and Omega, the beginning and the end," and "Before Abraham was I am."
  • precede [prisíːd] : 「 〜に先行する、〜の前に来る、 〜より重要である」
  • both [bóuθ] A and B : 「AもBも、ABいずれも」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • ultimately [ʌ́ltəmətli] : 「結局のところ、最後に、ついに」
  • replace [ripléis] : 「〜を取り替える、交換する、差し替える、置き換える」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
❖ "Knowledge preceded ~ "「叡智は、知覚と時間の両方に対して、より上位に位置する」。実相は幻想より上位に位置する。真実は虚偽に勝る。"and will ultimately ~ "「そして、叡智は、知覚と時間(を取り消して)それらと置き換わる」。叡智が確立すると、幻想の時間も知覚も必要なくなり、消滅する。"That is the real ~ "「それは『アルファでありオメガ、初めであり終わりである』、あるいは、『アブラハムの前に私がいる』という言葉の真の意味である」。神と共にあったとき、神の子の心は叡智そのものであった。しかし、神の子が神から分離するとき、神の子は叡智を神に投げ返してしまった。代わりに、幻想の知覚や時間を作り出しのである。しかし、叡智は失われたわけではない。神に投げ返したと思った叡智は、ちゃんと神の子の心の中に存在する。忘れ去られているだけだ。その叡智を思い出すこと、つまり叡智に回帰することが神の子の最終目的となる。神への回帰である。したがって、始めにあったものは叡智(神)であり、終わりに来るものも叡智(神)である。アルファでありオメガ、初めであり終わりであるものは叡智(神)なのだ。また、アブラハムより前に存在したものは叡智(神)であり、神の属性をすべて備えた神の子イエスである。
なお、"Alpha and Omega, the beginning and the end"という文章はヨハネの黙示録1:8、21:6、22:13の3箇所に登場する。また、"Before Abraham was I am"という文章はヨハネの福音書8:58に出てくる。参考までに、ここに載せておく。

[Revelation 1:8 from King James Bible]
I am Alpha and Omega, the beginning and the ending, saith the Lord, which is, and which was, and which is to come, the Almighty.
神である主、今おられ、かつておられ、やがて来られる方、全能者がこう言われる「わたしはアルファであり、オメガである。」(新共同訳)

[Revelation 21:6 from King James Bible]
And he said unto me, It is done. I am Alpha and Omega, the beginning and the end. I will give unto him that is athirst of the fountain of the water of life freely.
また、わたしに言われた。「事は成就した。私はアルファであり、オメガである。初めであり終わりである。渇いている者には、命の泉から価なしに飲ませよう。」(新共同訳)

[Revelation 22:12~22:13 from King James Bible]
And, behold, I come quickly; and my reward is with me, to give every man according as his work shall be. I am Alpha and Omega, the beginning and the end, the first and the last.
見よ、わたしはすぐに来る。わたしは、報いを携えて来て、それぞれの行いに応じて報いる。わたしはアルファであり、オメガである。最初の者にして、最後の者。初めであり、終わりである。(新共同訳)

[John 8:58 from King James Bible]
Jesus said unto them, Verily, verily, I say unto you, Before Abraham was, I am.
イエスは言われた。「はっきり言っておく。アブラハムが生まれる前から『わたしはある。』」(新共同訳)



Perception can and must be stabilized, but knowledge is stable. "Fear God and keep His commandments" becomes "Know God and accept His certainty. "
  • stabilize [stéibəlàiz] : 「 安定させる、一定に保つ」
  • stable [stéibl] : 「しっかりした、安定した、断固とした、不変の」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する、守り続ける」
  • commandment [kəmǽndmənt] : 「戒律、命令、掟 」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • accept [əksépt] : 「認める、容認する、受け入れる、納得する」
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確実、確実性、間違いないこと」
❖ "Perception can ~ "「知覚は安定化出来るし、安定化させなければならない」。知覚は時間依存、空間依存であり、常に変化流動する。それを安定化させよ、ということ。"but knowledge ~ "「しかし、叡智は安定的である」。叡智は時空依存しない。すなわち変化せず、安定的である。"Fear God and ~ "「『神を恐れ、神の戒律を守れ』という言葉は『神を知り、神の確信を受け入れよ』となる」。『神を恐れ、神の戒律を守れ』という言葉は知覚によって把握された内容であり、それが叡智によって翻訳されると『神を知り、神の確信を受け入れよ』となる。これに限らず、聖書には、知覚によって把握され書かれた言葉が多々ある。それを叡智によって書き換える必要がある。これを怠ると、他者に対する迫害や攻撃を肯定するような原理主義が生まれる。
なお、"Fear God and keep His commandments"という文章は旧約聖書の伝道の書(コヘレトの言葉)12:13に出てくる。

[Ecclesiastes 12:13 from King James Bible]
Let us hear the conclusion of the whole matter: Fear God, and keep his commandments: for this is the whole duty of man.
すべてに耳を傾けて得た結論。「神を畏れ、その戒めを守れ。」これこそ、人間のすべて。(新共同訳)



7. If you attack error in another, you will hurt yourself. You cannot know your brother when you attack him. Attack is always made upon a stranger.
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する 」
  • error [érər] : 「誤り、間違い」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つ、もう一人」
  • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける、 〜に損害を与える」
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、以前からずっと、常にいつでも」
  • stranger [stréindʒər] : 「見知らぬ人、よそから来た人、よそ者、他人」
❖ "If you attack ~ "「もしも、あなたが他者の中の誤りを攻撃したなら、あなたは自分自身を攻撃することになるであろう」。ACIMは自他一如の思想である。あなたが他者を攻撃するとき、実相的には、あなた自身を攻撃していることになる。"You cannot know ~ "「あなたが同胞を攻撃しているうちは、あなたは同胞を知ることは出来ない」。"Attack is always ~ "「攻撃はいつも見知らぬ他人に向けてなされる」。あなたが見知らぬ他人だと思って他者を攻撃しているうちは、その他者があなたと同じ神の子であることも、自他一如であることも知ることは出来ない。



You are making him a stranger by misperceiving him, and so you cannot know him. It is because you have made him a stranger that you are afraid of him.
  • misperceiving : 「誤って知覚すること」
  • be afraid of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
❖ "You are making ~ "「あなたは、同胞を誤って知覚することで彼を見知らぬ他人にしている」。"and so you ~ "「そして、そのために、あなたは同胞を知ることは出来ない」。"It is because ~ "「あなたが同胞を恐れるのは、あなたが同胞を見知らぬ他人にしてしまったからである」。



Perceive him correctly so that you can know him. There are no strangers in God's creation.
  • correctly [kəréktli] : 「正しく、正確に、正確に言えば 」
  • so that : 「〜できるように」
  • creation [kriéiʃən]: 「創造、創作、創作物、作品」
❖ "Perceive him ~ "「あなたが同胞を知ることが出来るように、同胞を正しく見なさい」。"There are no ~ "「神の創造した者に見知らぬ他人など一人もいない」。神はたった一人の神の子を創造したのだから、見知らぬ他人は存在しない。



To create as He created you can create only what you know, and therefore accept as yours. God knows His children with perfect certainty.
  • create [kriéit] : 「創造する、作り出す」
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • accept [əksépt] : 「引き受ける、受諾する 」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「申し分がない、完全な、完璧な」
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確実、確実性、間違いないこと」
❖ "To create as ~ "「神が創造したように創造するなら、あなたはあなたの知っているものだけを創造出来る」。"and therefore ~ "「そして、それゆえ、あなたのものだと受け入れられる」。"God knows His ~ "「神は神の子を完璧な確信をもって知っている」。神が完璧な確信をもって神の子を創造したように、あなたも完璧な確信をもって創造しなさい、ということ。そうすれば、神が神の子を愛するように、あなたもあなたの創造したものを愛せるだろう。なぜなら、あなたはそれを「知っている」から。
あなたは夢の中で同胞を作り出している。いわば、幻想レベルではあるが、同胞を創造しているのだ。だから、神のように確信をもって同胞を創造するなら、あなたは、神が神の子を愛するように同胞を愛せるはずだ。そして、愛することこそ、同胞を知ることなのである。



He created them by knowing them. He recognizes them perfectly. When they do not recognize each other, they do not recognize Him.
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認める、認識する、認知する、承認する」
  • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に、すっかり、全く」
  • each other : 「お互いに」
❖ "He created ~ "「神は神の子を知ることで創造した」。したがって、"He recognizes ~ "「神は神の子を完璧に認識している」。"When they ~ "「神の子が互いに互いを認識しないとき、彼らは神をも認識しない」。一連の文章で、創造と正しい認識と愛が、同一直線上に並んでいることがわかる。むしろ、同じことだと思った方がいい。とにかく、この同一直線上の先に、自他一如という悟りがあり、神の子は一体なのだという認識がある。
神への回帰は、分裂した神の子がたった一人で天の王国へ回帰することではない。神への回帰には、分裂した神の子の心が一つになり、互いに正しく認識し合いながら神との直接のコミュニケーションをとることが求められる。そこに啓示(revelation)がある。
 
 
 



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