●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-7.V.4:1 ~ T-7.V.5:10

4. Healing only strengthens. Magic always tries to weaken. Healing perceives nothing in the healer that everyone else does not share with him. 
  • strengthen [stréŋkθn] : 「〜を強くする、強化する」
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、常に」
  • try [trái] : 「努める、試みる」
  • weaken [wíːkn] : 「弱める、弱体化させる」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • healer [híːlər] : 「治療する人、ヒーラー」
  • share [ʃέər] : 「〜を分かち合う、共有する」
❖ "Healing only ~ "「ヒーリングはただ強めるだけだ」。心のコンフュージョンを正していくのだから、心も強化され、それに伴って肉体も強くなっていく。"Magic always ~ "「魔術はいつも弱めようと試みる」。肉体自体の病を弱めることで病を治そうとするので、魔術はいつも弱めることしか考えていない。"Healing perceives ~ "直訳すると、「ヒーリングは、ヒーラーの中に、他のすべての人たちが彼と分かち合うことがないものは何も知覚しない」。ヒーリングは、ヒーラーとヒーリングされる人との間で心のコミュニケーションをとることである。したがって、思いを分かち合うのであり、分かち合われないものはヒーリングの補助装置として利用できないのだ。分かち合いは拡張と増強を促すことを思い出そう。したがって、"Healing only strengthens"「ヒーリングはただ強めるだけだ」となるわけである。



Magic always sees something "special" in the healer, which he believes he can offer as a gift to someone who does not have it. 
  • special [spéʃəl] : 「特別な、独特の、特別の」
  • offer [ɔ́ːfər] : 「ささげる、提供する」
❖ "Magic always sees ~ "「魔術はいつも、ヒーラーの中に何か『特別』なものを見ている」。"which he believes ~ "「それを、魔術は、持っていない者に贈り物として差し出すことが出来ると信じている」。魔術は、ヒーラーが何か特別なパワーをもっていると思っている。その特別なパワーを他者に与えて、病を治すものだと考えている。しかし、本物のヒーラーは、何か特別な才能(パワー)をもっているわけではなく、何かを他者に与えることもない。



He may believe that the gift comes from God to him, but it is quite evident that he does not understand God if he thinks he has something that others lack.
  • quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に」
  • evident [évidənt] : 「明白な、明らかな」
  • lack [lǽk] : 「〜を欠く、〜が欠けている、足りない」
❖ "He may believet ~ "「彼は、神から彼へ贈り物がやって来たと信じているかもしれない」。彼とは、魔術を信じる偽のヒーラーと思えばいい。また、贈り物とは、他者にはない何か特別なもの、特別な才能、特別なパワー。"but it is quite ~ " ここは"it ~ that ~ "の構文、「もし、彼(ヒーラー)が、他者が持っていない何かを持っていると思っているのなら、彼は神を理解していないのはまったく明白である」。神の完全平等性を思い出そう。贈り物を誰かに与え、同時に誰かには与えない、そんな不平等を神は許さない。神は誰にでもすべてを与えている。神の属性のすべてを誰にも与えている。だから、特別なものなど、誰の中にもない。



5. The Holy Spirit does not work by chance, and healing that is of him always works. Unless the healer always heals by him the results will vary. 
  • by chance : 「偶然に、たまたま」
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、効果、成果」
  • vary [véəri] : 「変わる、変化する」
❖ "The Holy Spirit does ~ "「ホーリー・スピリットは、偶然に委ねて働くことはない」。"and healing that ~ "「したがって、ホーリー・スピリットのものであるヒーリングは常に有効である」。"Unless the healer ~ "ここの"him"はホーリー・スピリットであるととらえて、「ヒーラーが常にホーリー・スピリットによってヒーリングしない限り、」"the results will ~ "「結果はまちまちになってしまうだろう」。ヒーラーがホーリー・スピリットの助力のもとにヒーリングするならば、つまり、ホーリー・スピリットのコミュニケーションを通して心のヒーリングするならば、結果は一定して好成績を納めるだろう。なぜなら、ホーリー・スピリットは、一か八か偶然を頼りにヒーリングを行うわけではないからだ。ヒーラーがホーリー・スピリットの助力を受けないときは、その結果は偶然に左右されて、うまくいったり失敗したりと、一定しない。



Yet healing itself is consistent, since only consistency is conflict-free, and only the conflict-free are whole. 
  • consistent [kənsístənt] : 「一貫性のある、矛盾しない」
  • consistency [kənsístənsi] : 「一貫性、整合性」
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「摩擦、葛藤、軋轢」
  • -free : 「〜のない、〜が含まれていない」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
❖ "Yet healing itself ~ "「しかし、ヒーリング自体は一貫性がある」。魔術に毒されない限り、ヒーリング自体には一貫性がある。"since only consistency ~ "「なぜならば、一貫性だけがコンフリクト・フリーだからであり、コンフリクト・フリーのものだけが完全であるからだ」。魔術に毒されない限り、つまり、エゴの方向を向かない限り、ヒーリングは一貫してホーリー・スピリットの方向を向いている。エゴのささやきが介入しないから、コンフリクトを起こすことはない。ホーリー・スピリットの方向を常に向いていることで一貫性が保たれ、一貫性があるからコンフリクト・フリーである。コンフリクト・フリーであるから、完全(whole)なのだ。



By accepting exceptions and acknowledging that he can sometimes heal and sometimes not, the healer is obviously accepting inconsistency. 
  • accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
  • exception [iksépʃən] : 「例外、除外」
  • acknowledge [əknɑ́lidʒ] : 「認める、承認する」
  • obviously [ɑ́bviəsli] : 「明らかに、はっきりと」
  • inconsistency [ìnkənsístənsi] : 「一貫性のないこと、矛盾」
❖ "By accepting exceptions ~ "「例外を容認し、時にはヒールでき、時にはヒールできないということを受け入れるようでは、」"the healer is ~ "「そのヒーラーは、明らかに一貫性のなさを容認している」。たまにエゴの方向を向いてしまって、ヒーリングがうまくいかないときがあるなら、それは一貫性があるとは言えない。



He is therefore in conflict, and is teaching conflict. Can anything of God not be for all and for always? 
  • in conflict : 「矛盾して、対立して」
  • for always : 「いつも、永久に」
❖ "He is therefore ~ "「そういうヒーラーはコンフリクトを起こしている」。"and is teaching ~ "「その結果、コンフリクトを教えていることになる」。"Can anything of ~ "「神の創造したものが、万人のため、いつでも、ということが不可能であろうか」。つまり、一貫性が不可能だということがあり得ようか、ということ。神が創造した神の子にとって、一貫性のあるヒーリングが不可能だということはない。



Love is incapable of any exceptions. Only if there is fear does the idea of exceptions seem to be meaningful. Exceptions are fearful because they are made by fear. 
  • be incapable of : 「〜ができない」
  • only if : 「〜の場合に限り」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、重要な」
  • fearful [fíərfl] : 「恐ろしい、怖い」
❖ "Love is incapable ~ "「愛はどんな例外も作ることが出来ない」
。"Only if there is ~ "「恐れがあるときだけ、例外という考え方が意味あり気に見える」。"Exceptions are ~ "「例外が恐ろしいのだ」。例外は恐れである。"because they are ~ "「なぜなら、例外は恐れによって作られるからだ」。ホーリー・スピリットの助力を得た心のコミュニケーションは、一貫したヒーリングを生み出す。結局、それは愛である。ホーリー・スピリットに支えられた実相的な愛である。実相的な愛は、誰かを愛し、誰かを愛さないという愛ではない。誰かをヒーリングし、誰かをヒーリングしないという愛ではない。実相的な愛は例外を作ることはなく、完全に平等である。なぜなら、実相的な愛はすべての神の子が単一であることを知っているからだ。自他一如を知っている愛が他者に恐れを抱く道理はない。実相的な愛は恐れを排除し、したがって、例外を作ることはない。なぜなら、例外は恐れを回避するために作り出されるものだからだ。



The "fearful healer" is a contradiction in terms, and is therefore a concept that only a conflicted mind could possibly perceive as meaningful.
  • contradiction [kὰntrədíkʃən] : 「自己矛盾、不両立」
  • term [tə́ːrm] : 「用語、言葉、言い回し、表現」
  • concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、考え方」
  • possibly [pɑ́səbli] : 「もしかすると」
❖ "The "fearful healer" is ~ "「『恐れをいだくヒーラー』とは、表現として自己矛盾している」。ヒーラーとは恐れを抱かない人のことであるから、『恐れをいだくヒーラー』という表現は矛盾している、ということ。本当のヒーラーは愛の人であって、例外を作り出す恐れの人ではない。"and is therefore ~ "「そして、『恐れをいだくヒーラー』という表現は、that以下の概念を表している」。"that only a conflicted mind ~ "「コンフリクトを起こした心だけが、もしかすると、それを意味ありと知覚するかもしれない」概念である。『恐れをいだくヒーラー』という表現は自己矛盾的であるが、コンフリクトを起こした正気ではない心には意味あり気に見えるかも知れない、ということ。前文もそうだが、恐れという言葉を憎しみに置き換えてみると意味が通りやすいかもしれない。憎しみの根底には恐れがあるからだ。







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