"A Course in Miracles (ACIM)"の"Text"の原文(英語)を精読していくワークショップです.
Title に, たとえば "T-26.IV.4:7"とありましたら, これは"Text"の"Chapter 26, Section IV, Paragraph 4, Sentence 7"という場所を示しています.


T-2.V.10:1 ~ T-2.V.10:7

10. Charity is a way of looking at another as if he had already gone far beyond his actual accomplishments in time.

  • as if : 「あたかも~かのように、まるで~であるかのように」
  • actual [ǽkt∫u(ə)l] : 「現実の、実際に起こった、事実上の、実際の」
  • accomplishment [əkɑ́mpli∫məmt] : 「才能、成就、偉業、成果、達成、完成」
❖ "Charity is ~ "「思いやりの気持ちとは相手をまるで~のように見る方法のことである」。"as if he had already gone ~ "「まるで彼が、時の流れの中で実際に達成した以上のこを、すでに達成したかのように」。"as if + 仮定法過去完了"は時制が主節(Charity is ~)より一つ古いことの仮定なので、ここでは過去の仮定となる。思いやりの気持ちとは相手を過大評価してやることだ、と言っている。その理由を次の文で述べている。なお、"in time"であるが、「 時間内に、間に合って、いつかは、そのうちに」などの意味があるのだが、ACIMでは「時間の流れのなかで」という意味合いで使っている。今後、何度も登場する言葉である。



Since his own thinking is faulty he cannot see the Atonement for himself, or he would have no need of charity.
  • faulty [fɔ́ːlti] : 「欠点のある、誤った、不完全な、欠陥のある」
❖ "Since his own thinking ~ "「彼の考えには欠陥があるので」"he cannot see ~ "「彼自身のための贖罪が(必要であると)わからない」。"or he would have ~ "「さもなくば、彼には思いやりの気持ちなど必要ないだろう」。つまり、彼は贖罪の必要性がわかっていないから、他者の思いやりの気持ちが必要だ、ということ。もう少し分析しよう。前文と関連している。ここに、私と相手のAがいるとしよう。Aは実際のところ、まだまだ未熟で、考え(thinking)に欠陥(faulty)をもっている。Aは贖罪が必要だとも思っていないし、贖罪自体に思いもよらない(cannot see the Atonement)。そこで私は、前文のように、Aを過大評価してやるのだ。きっとAは精神的にもっともっと進んでいて(gone far beyond)、贖罪を必要だと感じているに違いない、と思ってやる。Aのために何かをしてやろうと決める。それが"Charity"だと言っているのである。



The charity that is accorded him is both an acknowledgment that he needs help, and a recognition that he will accept it.
  • accord [əkɔ́ː(r)d] : 「一致させる、 認める、許容する」
  • both A and B : 「A も B も、AB いずれも」
  • acknowledgment [əknɑ́lidʒmənt] :「 認めること、承認、認識」
  • recognition [rèkəgní∫n] : 「認めること、認識、認定、承認」
  • accept [əksépt] : 「引き受ける、受諾する」
❖ "The charity that is ~ "「彼に合った思いやりの気持ちとは〜と〜である」。ここでの「彼」とは、贖罪を必要だと思ってもみない相手のこと。"both an acknowledgment ~ "「彼には助けが必要であると認めることと彼はその助けを受け入れてくれると認識することである」。贖罪の必要性を認識していない彼ではあるが、それは彼には必要なのだと思ってやることも思いやりの気持ち。また、きっと彼は助けを受け入れてくれるに違いないと信じることも思いやりの気持ち。



Both of these perceptions clearly imply their dependence on time, making it apparent that charity still lies within the limitations of this world.
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知力、認識、理解」
  • imply [implái] : 「暗に伝える、暗示する、ほのめかす」
  • dependence [dipénd(ə)ns] : 「依存、依存関係 」
  • apparent [əpǽr(ə)nt] : 「はっきり見える、明らかな、明白な」
  • lie [lái] : 「~のままである、~の状態にある」
  • within [wiðín] : 「~の中に、~以内で、~のうちに」
  • limitation [lìmitéi∫n] : 「制限、極限、限定」
❖ "Both of these perceptions "「これらの知覚はともに」。前文の"an acknowledgment"と"a recognition"のこと。"clearly imply their ~ "「はっきりと時間依存であることを暗示している」。" making it apparent that ~ "ここは分詞構文で、付帯状況。「that以下を明確にしている」。"that charity still lies ~ "「思いやりの気持ちはいまだこの世界の制限に縛られている」ということ。相手に贖罪の必要性を教えたり、相手の受け入れを信じたりする行為は、教えと学びの関係であるから時間依存である。つまり、時間をかけてゆっくり進行するものである。(瞬間的な、時間依存のない学びは啓示である。) 時間は学びの補助装置であったことを思い出すように。教えと学びの関係が完了すれば、それは消滅する。時間もしかりであった。したがって、思いやりの気持ちとは究極のものではなく、この世界の時間と空間の制限を受けたものである。思いやりの気持ちは、それが完成した時点で消滅する。と言うより、思いやりの気持ちは、この世界の時空の制限を超越した愛や慈悲に昇華する、考えた方がいいかもしれない。



I said before that only revelation transcends time. The miracle, as an expression of charity, can only shorten it.
  • revelation [rèvəléi∫n] : 「啓示、黙示、天啓 」
  • transcend [trænsénd] : 「超える、~を超越する、しのぐ」
  • shorten [∫ɔ́ː(r)tn] : 「短くする、短縮する、縮める」
❖ "I said before that"「私(イエス)は以前、that以下を言った」。"that only revelation ~ "「啓示のみが時間を超越する」。"The miracle, ~ "「思いやりの気持ちの表現としての奇跡は、時間を短縮するのみである」。短縮してくれるだけでもありがたい。しかし、最終目的は神との直接的コミュニケーション、啓示である。このレベルまで上昇すれば、もはや時間は消滅している。



It must be understood, however, that whenever you offer a miracle to another, you are shortening the suffering of both of you.
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「~を提供する、~を勧める、申し出る、提示する」
  • suffering [sʌ́f(ə)riŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難」
❖ "It must be understood, however ~ "「しかしながら、that以下は理解されなければならない」。"that whenever you offer ~ "「あなたが相手に奇跡を施す時はいつでも、あなたと相手の両方の苦痛を短縮しているのだと」。ここの"suffering"であるが、この世界の時間と空間の制限からくるところの苦痛。ACIMでは、我々が肉体の内に閉じこめられているのは、まさに牢獄に閉じこめられているようなものだという。



This corrects retroactively as well as progressively.
  • correct : 「訂正する、修正する、正す、補正する」
  • retroactively : 「以前にさかのぼって、遡及的に」
  • progressively : 「進行的に、進歩的に、前進的に、漸次」
❖ ここの"correct"は自動詞である。小さい辞書には他動詞のみで自動詞があるとは書いていない。ちょっと大きめの辞書には自動詞の項がある。"This corrects ~ "「これは、今からのことと同様、過去にさかのぼっても、訂正していくことになる」。ここの"This"は前文の"miracle"と考えるのが自然であろう。あるいは"charity"でも意味は通ずる。さらにさかのぼって"healing"と考えてやれば意味はさらに通りやすい。いずれ、もし"miracle"なら、なぜ"It"にしなかったのか、疑問が残るが、何かこの短い文章が後からとってつけらえれたように感じるのは私だけであろうか? 
 
 
 

T-2.V.8:1 ~ T-2.V.9:7

7. The fear of healing arises in the end from an unwillingness to accept unequivocally that healing is necessary.

  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
  • in the end : 「結局、ついに」
  • unwillingness : 「気が進まないこと、不本意」
  • accept [əksépt] : 「引き受ける、受諾する 」
  • unequivocally [ʌnikwívəkli] : 「明白に、はっきりと」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
❖ "The fear of healing ~ "「ヒーリングに対する恐れは結局のところ~から生じる」。"from an unwillingness ~ "「明白に~を受け入れたいと思わないことから」。何を? "that healing is necessary"「ヒーリングが必要なのだと」明白に受け入れようとしないことから。ヒーリングを施す側も、ヒーリングを受ける側も、ともにヒーリングの必要性に迫られた時、はじめて恐れを越えたヒーリングが成り立つ。



What the physical eye sees is not corrective, nor can error be corrected by any device that can be seen physically.
  • physical [fízikl] : 「物質の、物質的な、身体の、肉体の」
  • corrective [kəréktiv] : 「訂正の、修正の」
  • correct [kərékt] : 「~を訂正する、修正する、正す、補正する」
  • device [diváis] : 「機器、装置、道具、手段、仕掛け」
  • physically [fízik(ə)li] : 「物理的に、物質的に、肉体的に、身体的に」
❖ "What the physical ~ "「肉体的な目で見ているものは修正する(という作業を行う)ことはできない」。つまり、肉体レベルのものが精神レベルの矯正を行うことはできないということ。たとえば、いかにお金をいっぱいため込んでも、恐れも孤独も矯正することはできない。恐れや孤独は精神レベルの問題だから。さらに"nor can error be ~ "「過ちも矯正され得ない」何によって? "by any device that can ~ "「物理的に見ることのできるいかなる装置によっても」。心のレベルの過ちを物質レベルの物によって正すことはできないのだ。



As long as you believe in what your physical sight tells you, your attempts at correction will be misdirected. The real vision is obscured, because you cannot endure to see your own defiled altar.
  • As long as : 「~さえすれば、~する限り」
  • attempt [ətém(p)t] : 「 試み、企て、計画」
  • misdirect :「 誤って教える、誤った指導をする、誤った方向に行く」
  • obscure [əbskjúə(r)] : 「~を暗くする、見えなくする、~を曖昧にする」
  • endure [end(j)úə(r)] : 「耐える、持ちこたえる、持続する 」
  • defile [difáil] : 「汚す、不潔にする」
  • altar [ɔ́ːltə(r)] : 「祭壇、聖餐台」
❖ "As long as you believe in"「あなたが〜を信じている限りにおいて」。何を? "what your physical sight ~ "「あなたの肉体的な視力があなたに告げること」を信じている限り、"your attempts at correction ~ "「修正作業におけるあなたの試みは誤った方向に導かれるだろう」。"The real vision ~ "「真のヴィジョンは曖昧にされる」" because you cannot ~ "「なぜなら、あなたはあなた自身の祭壇が汚されているのを見るに耐えないから」。あまりにも汚れた祭壇、荒廃した心を直視する勇気と、それを修正する力があるなら、自力で困難を乗り越えられるだろうが、我々凡人は恐れと不安を抱いて現実から目をそらしてしまう。せっかく心の目で見ることができたというのに、恐れのあまり、再び肉体の視力に立ち戻ってしまう。真のヴィジョンはますます曖昧になってしまうのだ。



But since the altar has been defiled, your state becomes doubly dangerous unless it is perceived.
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • doubly [dʌ́bli] : 「二重に」
  • dangerous [déin(d)ʒ(ə)rəs] : 「 危険な、物騒な」
❖ "But since the altar ~ "「祭壇が汚されたままなので、あなたの立場は、祭壇が知覚されない限り二重に危険である」。祭壇は汚れたままで、したがって、贖罪が放棄された形になり、心は曇り、真のヴィジョンが見えなくなる、という二重の危険にさらされる。



8. Healing is an ability that developed after the separation, before which it was unnecessary.
  • ability [əbíləti] : 「能力、才能、できること」
  • develop [divéləp] : 「発展する、成長する、発育する」
  • separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居」
unnecessary [ʌnnésəsèri] : 「不必要な、無用な、不要な、なくてもいい」
❖ "Healing is an ability ~ "「ヒーリングは神との分離後に発達した能力である」。" before which it was ~ "「それ以前はヒーリングは不必要であった」。アダムとイブの楽園追放を思い浮かべるといい。追放前は罪の意識がないからヒーリングは必要ない。楽園追放後、神との分離を経て、無意識の中に罪悪感が住みついて、ヒーリングが必要になったのである。誤解ないように言っておくが、ACIMのいうヒーリングは、我々が日常使う癒しという意味でのヒーリングとはニュアンスが違う。ACIMでは、幻想から目覚めさせ、心を正常な状態にもっていくことがヒーリングである。それには贖罪が欠かせず(なぜなら、無意識の罪が諸悪の根源になっているから)、加えてHoly Spiritの助力が必要となる。ACIMのヒーリングという概念をとり扱うときは、ヒーリングを肉体レベルでとらえるのではなく、心のレベルで考えなければならない。



Like all aspects of the belief in space and time, it is temporary. However, as long as time persists, healing is needed as a means of protection.
  • aspect [ǽspekt] : 「様子、外見、局面、状況、側面」
  • temporary [témp(ə)rèri] : 「一時の、一時的な、暫定の」
  • persist [pə(r)síst] : 「断固として貫く、存続する、持続する」
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • protection : 「擁護、予防、防御、防備」
❖ "Like all aspects of ~ "「空間と時間の信念のすべての側面と同様」つまり、空間と時間を信じていることとまったく同様に、ということ。" it is temporary"「ヒーリングも一時的なものである」。必要がなくなればヒーリングも消える。"However, as long as time ~ "「しかしながら、時間が執拗に続く限り、ヒーリングは防御の一手段として必要とされる」。時間は学びのための補助装置であった。したがって、時間が続くとは、まだ学びが完了していないことを意味する。学びが必要な限り、ヒーリングも必要とされる。ただし、それは、学びのための補助装置としてではなく、防御の一手段として必要とされる。egoの思考システムにどっぷりつかっていたために、心の祭壇は荒廃している。それをヒーリングで修復していかねばならない。それ自体もヒーリングの防御性であるが、Holy Spiritの思考システムに移行した後にもegoからの誘惑、攻撃は続く可能性があるので、それからも心を防御しなくてはいけない。さらに、ヒーリングは個人のみのためにあるだけでなく、他者をもヒールすることが要求される。なぜなら、すべてのmindが神に回帰し、一つのMindにならなくてはならないから。



This is because healing rests on charity, and charity is a way of perceiving the perfection of another even if you cannot perceive it in yourself.
  • rest[rést] on : 「~に基礎を置く、~を当てにする、~にある」
  • charity [t∫ǽrəti] : 「慈善、思いやり、心配り、心遣い」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「理解する、悟る、知覚する」
  • perfection [pə(r)fék∫n] : 「完全、完成 」
  • another [ənʌ́ðə(r)] : 「もう一つ、もう一人」
❖ "This is because healing ~ "「このことはヒーリングが思いやりの気持ちに基礎を置いているからである」。ヒーリングは自分だけのためではない。他者をも巻き込むものである。"charity"を「思いやりの気持ち」と訳してみたが、これには読者百人百様の違ったとらえ方があろう。基本的には、他者に向けられる気持ち、心、愛、そいういったところか。"and charity is a way of ~ "「思いやりの気持ちとは、たとえ自分自身の中に完全性が見つからなくても、相手の完全性を知覚する手段である」。幻想の中で我々は、罪の意識を無意識の奥底に隠し持ち、自分自身が完全性からほど遠いものと錯覚しているが、真のヴィジョンから見れば、我も他者もすべて神の子として完全であると、ACIMは言う。



Most of the loftier concepts of which you are capable now are time-dependent.
  • lofty [lɔ́(ː)fti] : 「高位の、高貴な、気高い、高尚な、崇高な」
  • concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、コンセプト、考え方、構想」
  • be capable of : 「~の能力がある、~の才能がある、~ができる 」
❖ 関係代名詞whichの先行詞は"the loftier concepts"であり、whichの前のofは"are capable of"のofである。"Most of the loftier concepts ~ "「今あなたがもち得るより高尚な概念のほとんどは時間に依存したものである」。この幻想の世界で我々は高級な概念から低級な概念まで、いろいろな概念を持ち合わせているが、その高級な概念さえ、時間依存の概念であって、永遠の概念からはほど遠い。おそらく"Charity"さえも。ところで、時間依存の概念とはどういうことか? 釈迦はこの世が変化に基づいていること、すなわち無常であることを悟った。これが時間依存である。時間があるから変化し、無常であるのだ。たとえば高尚な概念として愛をあげよう。我々の高尚な愛さえ、常に変化し、衰える。まさに時間依存の概念である。対して、神の愛は変化しない。時間依存のない愛である。つまり、永遠の愛、と言えるわけだ。



Charity is really a weaker reflection of a much more powerful love-encompassment that is far beyond any form of charity you can conceive of as yet.
  • weak [wíːk] : 「弱い、劣っている、力がない、脆弱な」
  • reflection [riflék∫n] : 「反射、影、反映、反射光、反響」
  • encompass [enkʌ́mpəs] : 「~を包み込む、網羅する、含む」
  • encompassment : 「包み込むこと」
  • conceive[kənsíːv] of :「~を考え出す、~を想像する、~を心に描く」
  • as yet : 「今(まで)のところは」
❖ "Charity is really "「思いやりの気持ちさえ実際は弱々しい反映に過ぎない」。何の反映? "of a much more powerful ~ "「より力強い、愛を包含するものの」。それってどんなもの? "that is far beyond any form ~ "「今、あなたが抱ける思いやりの気持ちのいかなる形をもはるかに越えた」愛を包含するもの。"charity you"この中間に関係代名詞thatを補ってやるといい。"you can conceive of charity"の形で意味をとること。ところで、"powerful love-encompassment"は、まさに、無常を超越した永遠の愛、聖霊の愛、神の愛を表現した言葉ではないだろうか? それに比べれば、我々の"Charity"はそれの弱々しい反映に過ぎないように見えるかも知れない。しかし、決して無益だなどとは言ってはいない。



Charity is essential to right-mindedness in the limited sense in which it can now be attained.
  • essential [isén∫l] : 「絶対必要な、絶対不可欠な、必須の」
  • sense [séns] : 「意味、意義」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する」
  • attain [ətéin] : 「達成する、実現する、手に入れる、獲得する」
❖ "Charity is essential ~ "「思いやりの気持ちは正しい心にとって必須である」。"in the limited sense"「限られた意味で」。"in which it can now ~ "先行詞は"right-mindedness"「正しい心の中において、今は、思いやりの気持ちが達成される」つまり、簡単に言うと、思いやりの気持ちが生まれてくる正しい心、ということ。正しい心とはHoly Spiritの思考システムに則った心のことで、本来そこからは永遠不変の愛、慈悲が生まれてくるのだが、"Charity"という時間依存の気持ちもその心から生じる。その意味では制限されたものと言える(in the limited sense)。しかし、"Charity"という気持ちがなかったら、より次元の高い愛には到達できないので、したがって、"Charity"は正しき心にとって必須(essential)なものである。
 
 
 

T-2.V.6:1 ~ T-2.V.7:8

6. It should be emphasized again that the body does not learn any more than it creates.

  • emphasize [émfəsàiz] : 「~を強調する、重視する、力説する」
❖ "It should be ~ "「that以下は再び強調されてしかるべきだ」。"that the body does not ~ "ここの"not A any more than B"は「AでないのはBでないのと同じ、Bでないのと同様にAでない」という意味。「肉体が学ばないのは、肉体が創造しないのと同じ」。簡単に、肉体は学びもしなければ創造もしない、と訳していい。肉体は学びのための補助装置であって、学ぶ本体ではない。しかし、ここで、肉体はりっぱに創造するではないか、という反論があろう。たとえばバレーは肉体の芸術で、芸術は創造だと。この反論こそが" level confusion"「レベル感覚の混乱」であろう。心のレベルで考えよう。肉体は幻想であった。幻想の肉体が創造らしきものを行っても、結果はやはり幻想である。幻想の中の創造は、夜の夢の中で創造するようなもので、真の創造とは言えない。しかし、誤解してはいけない。ACIMは決してそれを否定しているのではない。つまり、たとえば、バレーは肉体の芸術であるから創造ではない、意味がない、などと言っているのではない。あるレベルで考えた時、バレーは芸術として立派な創造である。しかし、別のレベルでバレーを語る時、それは、やはり幻想の一つであるということなのだ。したがって、真にバレーが芸術で創造であるには肉体を越えなければならないということ。レベルをはき違えてはならない。ここをあいまいにしてしまうと、肉体は幻想で意味がなく幻だから、たとえ他者を殺しても、それさえ幻想だ、というような、どこぞのカルト教団が主張する「とんでも原理」になってしまう。ACIMはきっぱりと「とんでも原理」のカルト教団を否定している。ACIMが自学自習を根本に据えているのにはきちんとした理由があるのだ。集(つど)うのはいい、しかし、群れるな、ということだ。群れると教祖という偶像が生まれる。ACIMは偶像を否定する。



As a learning device it merely follows the learner, but if it is falsely endowed with self-initiative, it becomes a serious obstruction to the very learning it should facilitate.
  • merely [míə(r)li] : 「ただ単に、単に」
  • falsely [fɔ́ːlsli] : 「偽って、不誠実に、不当に」
  • endow [endáu] : 「授ける、与える」
  • self-initiative[iní∫ətiv] : 「自主性、自己先導」
  • serious [sí(ə)riəs] : 「まじめな、真剣な、本気の、重大な、深刻な」
  • obstruction [əbstrʌ́kən] : 「障害(物)、妨害(物)、邪魔」
  • facilitate [fəsílətèit] : 「容易にする、手助けする、促進する」
❖ "As a learning device ~ "「学びのための補助装置として、肉体は学ぶ者に付き従う」。"but if it is falsely ~ "「しかし、肉体が誤って自主性を与えられたら、それは深刻な障害となる」何にとっての障害か? "to the very learning"「まさに学びにとっての」。"it should facilitate"関係代名詞thatを頭に付けて、「肉体が手助けすべき」学び。肉体が心の制御を無視して暴走することを諌(いさ)めている。



Only the mind is capable of illumination. Spirit is already illuminated and the body in itself is too dense.
  • be capable[kéipəbl] of : 「~ができる」
  • illumination : 「照明、明るくすること」
  • dense [déns] : 「濃密な、密度の高い、濃い」
❖ "Only the mind is ~ "「心のみが光り輝くことができる」。"Spirit is already illuminated ~ "「スピリットはすでに光り輝いているが、肉体自体は密度が濃過ぎて輝くことはできない」。難解である。ACIMには光のエピソードを記述している箇所があり、人は、霊性が高まれば、色々な場面で、科学では説明できない光を見たり光を発したりするという。したがって、ここの記述はそのまま率直に受け入れて、心が光を発する現象を引き起こしたり、凡人には見えないが、スピリットはすでに光を発している、ととらえよう。しかし、肉体は密度が高く、したがって振動数が低く、光の現象を引き起こすことはできない。俗に言うオーラという光現象との関連は不明である。不明ではあるが、オーラが肉体から発するととらえるべきではなく、むしろ心、スピリットからの光であるととらえた方がいいのかもしれない。



The mind, however, can bring its illumination to the body by recognizing that it is not the learner, and is therefore un-amenable to learning.
  • un-amenable [əmíːnəbl]: 「素直に従わない、手に負えない、扱いにくい」
❖ "The mind, however ~ "「しかしながら、心は肉体に光をもたらすことができる」。"by recognizing that"「that以下を認識することで」。"that it is not the learner ~ "「肉体は学ぶ者ではなく、したがって学ぶことは手に負えない」と認識することで。肉体はあくまでも学びのための補助装置である。しかし、肉体が学びのための補助装置としてきちんと機能していれば、心は肉体に光をもたらす。肉体は自ら光り輝くことはできないが、心の光で満たされることになる。



The body is, however, easily brought into alignment with a mind that has learned to look beyond it toward the light.
  • easily [íːz(ə)li] : 「容易に、たやすく、苦もなく」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • alignment : 「 位置合わせ、整列、1列に並んだもの、配置、配列」
  • into alignment with : 「~と1列に並んで」
  • beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「~の向こう側に、~を越えて、~を過ぎて」
  • toward [tɔ́ː(r)d] : 「~の方へ、~に向かって、~に向いて」
❖ "The body is, however ~ "「しかし、肉体は容易に心と並列させられ得る」。肉体が心とシンクロナイズ、同調するということ。その心を説明して"that has learned to look ~ "「肉体を越えて光を見ることを学んだ」心。前文で、心が肉体に光をもたらすとあった。光を受けた肉体は心と同調する。霊性高き心は肉体を肉の塊(かたまり)と見ない。肉体を透過して、光を受けて輝く肉体の、その光を見るのだ。



7. Corrective learning always begins with the awakening of spirit, and the turning away from the belief in physical sight.
  • Corrective [kəréktiv] : 「訂正の、修正の」
  • awaken [əwéikn] {自他動}: 「目を覚まさせる、目覚める、呼び起こす」
  • turn away from : 「~から目を背ける、~から目を離す」
  • physical [fízikl] : 「物質の、物質的な、身体の、肉体の」
  • sight [sáit] : 「視界、景色、見解、視覚、視力」
❖ "Corrective learning ~ "「(心の)修正にかかわる学びは、常に、スピリットに目覚め、肉体的な視覚で見ることを止めることから始まる」。肉体的な視覚とは、肉眼で見ることであり、肉体第一主義的な思考であり、物質至上主義的な思想のこと。



This often entails fear, because you are afraid of what your spiritual sight will show you.
  • entail [entéil] : 「~を伴う、必要とする、引き起こす」
  • spiritual [spírit∫u(ə)l] : 「精神の、霊的な、崇高な、精神的な」
❖ "This often entails fear ~ "「これはしばしば恐れを伴う」。"because you are afraid of "「なぜなら、あなたは恐れるからだ」何を? "what your spiritual sight ~ "「あなたの霊的な視覚があなたに見せるもの」を恐れるから。前文に引き続き、egoの思考システムからHoly Spiritの思考システムに移行する際の人々の戸惑い、恐れについて述べている。簡単に言うと、たとえば、それまでの物質至上主義から精神主義的な生活に移行すれば、金銭や食物に対する欲望(物欲)が減少し、生活はどんどん質素になっていく。こんな少ないお金で本当に生活できるだろうかとか、高価なおしゃれをしなくなった自分を周りの者はどう思うだろうかと、いろいろ心配してしまう。"spiritual sight"「霊的視覚」は形あるものを見る力ではない。形あるものの根底にある精神性、霊性を見抜く視力である。したがって、形あるものは単なる象徴で、偶像で、幻想であると認識する力でもあるだ。



I said before that the Holy Spirit cannot see error, and is capable only of looking beyond it to the defense of Atonement.
  • error [érə(r)] : 「誤り、間違い、ミス」
  • be capable of : 「~の能力がある、~の才能がある、~ができる 」
  • beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「~の向こう側に、~を越えて」
  • defense [diféns] : 「防衛、防御」
❖ "I said before that "「私は前にもthat以下を言った」。"that the Holy Spirit cannot ~ "「聖霊は過ちを見ることはできず、その過ちを越えて贖罪を守ることのみを見ることができる」。"ego"は過ちを探し出す。過ちを我々に見せつけて罪の意識を増大させ、恐れを抱かせる。しかし、"the Holy Spirit"は過ち探しなどしない。聖霊は常に我々の味方である。そして、我々が"Mind"に再統一できるように、贖罪の後押しをしてくれる。



There is no doubt that this may produce discomfort, yet the discomfort is not the final outcome of the perception.
  • doubt [dáut] : 「疑い、疑念、疑惑 」
  • produce [prəd(j)úːs] : 「~を作り出す、生産する、製造する」
  • discomfort [diskʌ́mfə(r)t] : 「不快、不安、辛苦」
  • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
perception [pə(r)sép∫n] : 「 知覚、認知、知力、認識、理解」
❖ "There is no doubt tha"「that以下は疑いない」。"that this may produce ~ "「このことは不快を生み出すかも知れない」。"yet the discomfort is ~ "「しかし、不快さは知覚の最終結果ではない」。肉体、物質主義的なegoの思考システムから、霊性、精神主義的なHoly Spiritの思考システムへ移行するのだから、不安もあり恐れも、不快さもあろう。しかし、それは始めだけ。知覚、認識がシフトした最終結果は決して不快なものでもなく、不安も恐れも消える。



When the Holy Spirit is permitted to look upon the defilement of the altar, he also looks immediately toward the Atonement.
  • permit [pə(r)mít] : 「許可する、許す、認める、容認する」
  • defilement [difáilmənt] : 「汚すこと」
  • altar [ɔ́ːltə(r)] : 「祭壇、聖餐台」
  • immediately [imíːdiətli] : 「すぐに、すぐさま、早急に、即座に、即刻」
❖ "When the Holy Spirit is ~ "「聖霊が汚された祭壇を見ることを赦された時、聖霊はすぐに贖罪の方を振り返る」。Holy Spiritに祭壇を見てよいと許可を出すのは我々である。つまり、egoを捨て、聖霊に身を委ねる許可をだす、と思えばいい。許可された聖霊は我々の心の祭壇が荒れ果て汚されているのを目撃する。そこで、聖霊はすぐに贖罪の準備にとりかかるのである。



Nothing he perceives can induce fear. Everything that results from spiritual awareness is merely channelized toward correction.
  • induce [ind(j)úːs] : 「~を生じさせる、引き起こす、誘発する」
  • result [rizʌ́lt] : 「生じる、起こる」
  • awareness [əwéə(r)nəs] : 「認識、自覚、気付いていること」
  • merely [míə(r)li] : 「ただ単に、単に」
  • channelize = channel [t∫ǽnl] : 「道を開く、~を導く 」
  • correction [kərék∫n] : 「訂正、矯正、修正、是正、補正」
❖ "Nothing he perceives"「聖霊が知覚するものは何でも恐れを生じさせる可能性はない」。聖霊は恐れという悪夢から我々を目覚めさせてくれるのだから。"Everything that results ~ "「霊的認識から生じるすべては、ただ単に修正へと導かれるものである」。正しき心へ回帰することも、聖霊の思考システムに移行することも、心の祭壇を修復することも、最初の仕事は修正(correction)である。



Discomfort is aroused only to bring the need for correction into awareness.
  • Discomfort [diskʌ́mfə(r)t] : 「不快、不安、辛苦」
  • arouse [əráuz] : 「誘発する、喚起する」
❖ (我々の)認識の中に修正を持ち込む必要があることから、不快さが生じるだけだ、と言っている。前にも述べたが、我々は基本的に保守主義者であって、環境の変化に対して不安と危惧を抱く。ましてや、認識という精神の根幹にかかわる環境がegoからHoly Spiritへ移行するのだから、たとえ認識が正される知っていても、不安や不快さは禁じえないだろう。しかし、それもつかの間のことだ。一時期を過ぎれば、不安も不快さも消え去って、より良い環境で暮らすことになろう。
 
 
 

T-2.V.4:1 ~ T-2.V.5:6

4. The healer who relies on his own readiness is endangering his understanding. You are perfectly safe as long as you are completely unconcerned about your readiness, but maintain a consistent trust in mine.

  • rely [rilái] : 「頼る、当てにする」
  • readiness [rédinəs] : 「用意ができていること、準備ができていること」
  • endanger [endéin(d)ʒə(r)] : 「~を危険にさらす、危うくする」
  • perfectly [pə́ː(r)fik(t)li] : 「 完全に、完ぺきに、申し分なく」
  • as long as : 「~さえすれば、~する限り」
  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、全面的に、全く」
  • unconcerned : 「むとんちゃくな、心配しない、無関心な」
  • maintain [meintéin] : 「 ~を保持する、維持する、保つ、堅持する」
  • consistent [kənsíst(ə)nt] : 「一貫性のある、首尾一貫した、矛盾しない」
  • trust [trʌ́st] : 「信頼、信任、信用」
  • mine [máin] : 「私のもの」
❖ " The healer who ~ "直訳すると「自分自身の用意ができていることを頼りにするヒーラーは自身の理解を危険にさらす」。直訳ではまったく意味が通らない。分析しよう。"readiness"であるが、何の準備か? ここは前文を引き継いで「奇跡を行える状態になったこと」あるいは「ヒーリングできる状態になったこと」ととらえて間違いないだろう。"readiness"の前に"his own"とあるから、「自分自身でそう判断した」「独断した」というニュアンスが感じられる。次に"understanding"である。何に対する理解か? ここも単純に「奇跡やヒーリングに対する理解、認識」ととらえよう。すると全体の意味合いは「自分が奇跡を行う準備が整ったと自己判断し、それを頼りにする者は、奇跡の理解を歪めていることになる」。奇跡は単独の行為ではない。もっと正確に言うと、我々凡人が単独で行えるものではない。そこには我々を助けてくれる"Holy Spirit"が常に介在してくれるのだ。自分が奇跡を行うことができるようになったとか、ヒーリングできるようになったと自己判断し、自分の力のみので奇跡、ヒーリングがなせると過信してしまえば、それはとりもなおさず慢心につながる。判断を誤る原因になる。さて、先に進もう。"You are perfectly safe"「あなたは完全に安全である」"as long as you are ~ "「あなたが、自分は奇跡を行う準備が整ったかどうかに完全に無頓着である限りにおいて」。"but maintain a consistent ~ "「しかし、私(イエス)に対して一貫した信頼を保持している限りにおいて」。"mine"は"my readiness"のこと。イエスは聖霊として奇跡を行える状態にあり、同時に奇跡を行う人々を助ける力がある。その聖霊としてのイエスを信頼し、信頼を維持し、自分は一人で奇跡を行うことができるなどと慢心になることを避け、奇跡に対して虚心坦懐になれ、と言っているのである。



If your miracle working inclinations are not functioning properly, it is always because fear has intruded on your right-mindedness and has turned it upside down.
  • inclination [ìnklənéi∫n] : 「傾斜、傾き、~したい気持ち、意向、好み」
  • function [fʌ́ŋ(k)∫n] : 「 働く、機能する」
  • properly [prɑ́pə(r)li] : 「適切に、適当に、正確に、正しく」
  • intrude [intrúːd] : 「侵入する、入り込む、立ち入る」
❖ "If your miracle working inclinations ~ "「もし、あなたの奇跡を行う傾向が正しく機能していなかったら」。つまり、いつ、どこで、誰に、どんな風に、奇跡をなしたいか、その傾向が狂っていたら、という意味。極端な例を挙げれば、あいつを奇跡で呪い殺してやろう、というような狂った傾向をもつかも知れない。"it is always because ~ "「それは、常に、恐れがあなたの正しき心に侵入して、心を上下逆転させるからである」。心を上下逆転させるとは、事の重大さのオーダーをひっくり返してしまったり、事の善悪を取り違えたりすること。人の心を狂わせるのは常に恐れなのである。



All forms of not-right-mindedness are the result of refusal to the Atonement for yourself.
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き 」
  • refusal [rifjúːzl] : 「拒絶、拒否」
  • Atonement : 「贖罪」
❖ "All forms of not-right-mindedness"「正しからざる心のすべての形は」。つまり、「過ちの心がどんな形をとって表われても」という意味。"are the result of refusal ~ "「それは、あなたにとっての贖罪を拒否している結果である」。贖罪、罪を償うのであるが、その罪は我々の無意識の深層に存在する。したがって、贖罪を拒否するとは、無意識の罪の存在を否定することであって、まさに"ego"の思うつぼである。正しからざる心とは、したがって、egoの思考システムにどっぷりつかった心ということになる。



If you do accept it, you are in a position to recognize that those who need healing are simply those who have not realized that right-mindedness is healing.
  • accept [əksépt] : 「受け入れる、容認する」
  • position [pəzí∫n] : 「位置、場所、立場、見解、見方」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「 ~を認める、認識する、認知する」
  • those who : 「~する人々 」
  • simply [símpli] : 「簡単に、ありのままに、あっさりと」
  • realize [ríːəlàiz] : 「~に気が付く、悟る、自覚する」
❖ "If you do accept it,"「あなたが贖罪を(断固)受け入れるなら」。"you are in a position ~ "「あなたはthat以下を認識する位置にいると言える」。どんな認識かというと"that those who need healing are simply ~ "「ヒーリングが必要な人たちは、単に、正しき心がヒーリングそのものだということに気が付いていない人たちのことである」。悪しき心はegoの思考システムにどっぷりつかった心と言ったが、正しき心は、Holy Spiritの思考システムを取り入れた心、となる。



5. The sole responsibility of the miracle worker is to accept the Atonement for himself. This means you recognize that mind is the only creative level, and that its errors are healed by the Atonement.
  • sole [sóul] : 「 唯一の、独占的な、たった一つの、単独の」
  • responsibility [rispɑ̀nsəbíləti] : 「責任、義務、責務」
  • creative [kriéitiv] : 「創造力のある、創造的な、独創的な」
❖ "The sole responsibility ~ "「奇跡を行う者の唯一の責任は自分に対する贖罪を受け入れることである」。"This means you recognize that ~ "「このことは、あなたがthat以下を認識していることを意味する」。それは"that mind is the only creative ~ "「心は唯一の創造レベルであり、心の過ちは贖罪によって癒される」ということ。心が、神の拡張性、すなわち創造性の延長線上に存在するのだから、心が唯一の創造レベルであることになる。肉体は幻想であり、どんなに創造性豊かに見えても、それは幻想の中の見せかけの創造性である。



Once you accept this, your mind can only heal. By denying your mind any destructive potential and reinstating its purely constructive powers, you place yourself in a position to undo the level confusion of others.
  • deny A B : 「AにBを与えない」
  • destructive [distrʌ́ktiv] : 「破壊的な、破壊主義的な」
  • potential [pətén∫(ə)l] : 「可能性、見込み、潜在性、潜在力、潜在能力」
  • reinstate [rìːinstéit] : 「~を元に戻す、回復する、復帰させる 」
  • purely [pjúə(r)li] : 「純粋に、単に、きれいに」
  • constructive [kənstrʌ́ktiv] : 「建設的な、積極的な、発展的な 」
  • place [pléis] : 「~を置く、設置する、取り付ける」
  • undo [ʌndú] : 「~を元に戻す、元どおりにする、取り消す 」
  • confusion [kənfjúːʒ(ə)n] : 「混乱状態、混乱させること、あいまい」
❖ "Once you accept this ~ "「あなたがひとたびこれを受け入れれば、あなたの心は癒すことのみできる」。"By denying your mind ~ "「あなたの心に破壊的な潜在能力を与えず、純粋に建設的な力を回復することによって、あなたは他者のレベル感覚の混乱を取り消せる位置にあなた自身を置くことになる」。硬い表現だが、要するに、心が破壊的でなく建設的であれば、他者のレベル・コンフュージョンを取り消せるということ。



The message you then give to them is the truth that their minds are similarly constructive, and their miscreations cannot hurt them.
  • message [mésidʒ] : 「伝言、メッセージ」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理」
  • similarly [sím(ə)lə(r)li] : 「同様に、類似して、同じように」
❖ "The message you ~ "「彼らに与えるメッセージは真実である」。どのような真実かを接続詞that以下に示している。"that their minds are similarly ~ "「彼らの心も同様に建設的であり、誤創造が彼らを傷つける可能性はない」という真実。一人の心が建設的になり、正しい心を回復すると、まるでシンクロナイズするかのように他者の心もヒーリングされて、建設的な正しい心となる。



By affirming this you release the mind from over evaluating its own learning device, and restore the mind to its true position as the learner.
  • affirm [əfə́ː(r)m] : 「断言する、肯定する、確約する 」
  • release [rilíːs] : 「~を解放する、自由にする、放つ」
  • evaluate [ivǽljuèit] : 「~の値を求める、~を評価する」
  • restore [ristɔ́ː(r)] : 「元に戻す、回復させる、修復する」
  • learner : 「学習者、初学者、学ぶ者」
❖ "By affirming this"「このことを肯定的に断言することで」。"you release the mind from ~ "「あなたは〜から心を解放する」。"over evaluating its own ~ "「心自体が学びのための補助装置であることを過大評価してしまうことから」。"and restore the mind ~ "「そして、心を、学ぶ者としての正しい位置に戻す」。自身の解放と他者の解放が同時進行することは、学ぶことと教えることが同一現象であることを示唆している。肉体も学びのための補助装置であり、これを過大評価することも避けなければならない。同時に、心も学ばねばならない。この世に生を受けた目的は学びのためなのだ。
 
 
 

T-2.V.2:1 ~ T-2.V.3:5

2. Magic is the mindless or the miscreative use of mind. Physical medications are forms of "spells," but if you are afraid to use the mind to heal, you should not attempt to do so.

  • mindless : 「愚かな、思慮のない 」
  • miscreative : 「誤った創造の」
  • medication : 「薬剤、医薬品、薬物療法、薬物治療」
  • spell [spél] : 「呪文、魔法」
  • afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって」
  • attempt [ətém(p)t] : 「試みる、企てる」
❖ "Magic is the mindless ~ "「魔術は愚かなこと、あるいは心のもっている創造力を誤って使うことである」。"Physical medications ~ "「物理的な療法は呪文の一形態である」。"but if you are afraid ~ "「しかし、心をヒーリングのために使うことを恐れているのなら」"you should not attempt ~ "「あなたはそうすることを試すべきではない」。奇跡もヒーリングも、恐れのない心でなされねばならない。恐れを取り除くとこ、これが第一歩である。



The very fact that you are afraid makes your mind vulnerable to miscreation.
  • vulnerable [vʌ́ln(ə)rəbl] : 「弱い、脆弱な」
❖ "The very fact that ~ " thatは接続詞、「あなたが恐れている、まさにその事実が」"makes your mind vulnerable ~ "「あなたの心を誤創造に対して脆弱にしている」。恐れが心をひるませ、歪めてしまう。そこに誤創造が忍び込み、たとえば病気を形成してしまう。



You are therefore likely to misunderstand any healing that might occur, and because egocentricity and fear usually occur together, you may be unable to accept the real Source of the healing.
  • be likely to : 「~しそうである」
  • misunderstand [mìsʌ̀ndə(r)stǽnd] : 「誤解する、取り違える」
  • occur [əkə́ː(r)] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
  • egocentricity : 「自己中心(性)」
  • unable [ʌnéibl] : 「~することができない」
  • accept [əksépt] : 「認める、容認する、受け入れる」
  • Source [sɔ́ː(r)s] : 「もと、源、起点、出所、出典」
❖ "You are therefore likely ~ "「それゆえ、あなたは、どんなヒーリングが起きても、それを誤って理解しそうである」。"and because egocentricity ~ "「そして、自己中心性と恐れとは普通一緒に起こるので、」" you may be unable to ~ "「ヒーリングの真の源を受け入れることができないかもしれない」。"egocentricity"を「自己中心性」と訳したが、ACIMの"ego"はかなり特殊な意味をもっている。したがって、ここでは「エゴの思考システム」ととらえた方がいいだろう。"ego"は"Holy Spirit"の対立概念で、我々の関心を幻想に縛りつけようとする。したがって「自己中心性と恐れとは普通一緒に起こる」とは、恐れを抱けばますます幻想にのめり込んで攻撃性が増していき、心を歪め、さらなる幻想を生み出していく、と解釈しておこう。egoは恐れも攻撃性も外部に投影して、それがあたかも真に存在するかのように見せる。我々の目はますます真実を見ることができなくなり、ヒーリングの真の源(the real Source)、すなわち心、聖霊、神の存在を受け入れがたくしてしまうのだ。



Under these conditions, it is safer for you to rely temporarily on physical healing devices, because you cannot misperceive them as your own creations.
  • rely [rilái] : 「頼る、当てにする」
  • temporarily [tèmpərér(ə)li] : 「一時的に、仮に、当座のところ」
  • misperceive : 「誤った知覚をする」
❖ "Under these conditions"「このような状況下では」"it is safer for you to rely ~ "「あなたにとって物理的な治療機器に一時的に頼る方が安全である」。"because you cannot "「なぜなら、物理的な治療機器を自分の創造物だと誤知覚する可能性はないから」。現代医療の利用も一理あり。恐れを抱いた状態では心のヒーリングは難しい。まずは、現代医療を利用して症状を改善し、恐れがなくなった段階で、真のヒーリングを行えばいい。



As long as your sense of vulnerability persists, you should not attempt to perform miracles.
  • As long as : 「、~する限りは、~である限りは、~する以上は」
  • sense [séns] : 「感覚、意味、良識、分別」
  • vulnerability : 「攻撃されやすさ、もろさ、脆弱性」
  • persist [pə(r)síst] : 「存続する、持続する」
  • attempt [ətém(p)t] : 「試みる、企てる」
  • perform [pə(r)fɔ́ː(r)m] : 「~を行う、実行する」
❖ "As long as your sense ~ "「脆弱さの感覚が持続しているうちは、奇跡をなそうとするべきではない」。脆弱さは恐れから生じる。したがって、恐れを抱いているうちは奇跡をなそうとするべきではない。



3. I have already said that miracles are expressions of miracle-mindedness, and miracle-mindedness means right-mindedness.
  • expression [ikspré∫n] : 「表現、 表示、発現」
❖ "I have already said that"「私(イエス)はすでにthat以下について語った」。"that miracles are expressions ~ "「奇跡は奇跡を求める心の表われであり、奇跡を求める心とは正しさを求める心の表われである」。"miracle-mindedness"も"right-mindedness"もACIMの造語である。"miracle-mindedness"は「奇跡を求める心」「奇跡志向の心」「奇跡を受容する心」「奇跡に立脚した心」等々、そんな意味合いであろう。



The right-minded neither exalt nor depreciate the mind of the miracle worker or the miracle receiver. However, as a correction, the miracle need not await the right-mindedness of the receiver.
  • neither [níːðə(r)] : 「どちらの~も~でない」
  • exalt [igzɔ́ːlt] : 「~を高める、~を褒める、称賛する、あがめる」
  • depreciate [dipríː∫ièit] : 「見くびる、軽視する」
  • receiver [risíːvə(r)] : 「受取人、受領者、受信者」
  • await [əwéit] : 「~を待つ、待ち受ける、待望する」
❖ "The right-minded neither ~ "「心正しき者は奇跡を行う者と受ける者の心を称賛もしなければ見くびることもない」。過大評価も過小評価もせず、あるがままを受け入れる。つまり、価値判断しない、ということ。"However, as a correction, ~ "「しかし、心を正すという意味で、奇跡は、奇跡を受ける側の心の正しさを待つことは必要ない」。奇跡は心を正してくれるので、奇跡を受ける側がすでに心正しき状態でなくてもいい。



In fact, its purpose is to restore him to his right mind. It is essential, however, that the miracle worker be in his right mind, however briefly, or he will be unable to re-establish right-mindedness in someone else.
  • In fact : 「実は、内実は、要するに、つまり」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向」
  • restore [ristɔ́ː(r)] : 「元に戻す、回復させる、修復する」
  • essential [isén∫l] : 「絶対必要な、絶対不可欠な、必須の」
  • briefly [bríːfli] : 「つまり、短く、簡単に、手短に言えば」
❖ "In fact, its purpose ~ "「事実、奇跡の目的は正しい心に修復することである」。" It is essential, however, ~" ここは"It is ~ that + 仮定法現在"の典型的な形になっている。"be"の前に"should"を補ってやれば意味が通りやすい。「しかし、奇跡を行う者は心正しい状態でいることが必須であり、しかし、端的に言って、そうでなかったら、他の者の心を正しい状態にすることはできないであろう」。奇跡を受ける側は未だ心正しい状態でなくてもいいのだが、奇跡を行う側は心正しい状態でいなくてはならない。そうでなければ他者の心を奇跡で正すことはできない。ところで、なぜ、他者の心を正す必要があるか? 神から分離したmindは散り散りに分裂し、個別化、あるいは個性化してしまった。しかし、本来はたった一つの"Mind"であったのだ。したがって、神の元へ回帰するには私一人でも、あなた一人でも不十分である。すべてのmindが神に回帰し、そこで"the One"すなわち"Mind"にならなくてはいけない。
 
 
 

T-2.V.1:1 ~ T-2.V.1:11


V. The Function of the Miracle Worker


奇跡を行う者の機能



1. Before miracle workers are ready to undertake their function in this world, it is essential that they fully understand the fear of release.
  • be ready[rédi] to : 「いつでも~できる、すぐに~できる」
  • function [fʌ́ŋ(k)∫n] : 「機能、作用、働き」
  • essential [isén∫l] : 「絶対必要な、絶対不可欠な」
  • fully [fúli] : 「 十分に、完全に、全く」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと」
❖ "Before miracle workers are ~ "「奇跡を行うものがこの世界における彼らの機能を理解する準備ができる前に」" it is essential that ~ "「解放に対する恐れを十分に理解することが必須である」。ACIMは、第一になさねばならないことは恐れからの解放である、と訴える。ここでは、その恐れからの解放がさらなる恐れを生む可能性に触れている。



Otherwise they may unwittingly foster the belief that release is imprisonment, a belief that is already very prevalent. This misperception arises in turn from the belief that harm can be limited to the body.
  • Otherwise [ʌ́ðə(r)wàiz] : 「さもなければ、そうでなければ」
  • unwittingly [ʌ̀nwítiŋli] : [知らずに、うっかり、無意識に]
  • foster [fɔ́(ː)stə(r)] : 「~を育てる、育成する、助成する、助長する」
  • imprisonment [impríznmənt] : 「投獄、禁固、監禁」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに~済み」
  • prevalent [prév(ə)lənt] : 「広く行き渡った、流行した、流行している」
  • misperception : 「誤解、誤知覚」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
  • in turn : 「入れ替わりに、立ち代わって、交代で、次々に」
  • harm [hɑ́ː(r)m] : 「害する、阻害する、傷つける」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
❖ "Otherwise they may ~ "「さもなくば、知らず知らずのうちに、解放は投獄だという信念を育ててしまいかねない」。さらにその信念を補強して" a belief that is ~ "「すでに広く蔓延している信念である」。"This misperception arises ~ "「この誤った知覚は次々に起こる」どこから? "from the belief that ~ "「傷つけられるのは肉体に限定され得るという信念」から起こる。人は、今いる環境がたとえ十全でなくても、より良い環境へ移行するよりも、その環境の中に止まっていたがるものだ。その意味で、人は保守的である。改革への逡巡は、下手に改革して以前より環境が悪化しはしないかという恐れである。解放からの恐れもしかり。解放を求めて投獄されるより、奴隷の身分に止まっていた方が安全だと考える。さて、「誤った知覚は、傷つけられるのは肉体に限定され得るという信念から起こる」とはどういいうことだろう? 逆を考えよう。つまり、「肉体は傷つけられ得ないという知覚は真実である」。これは正しいか? 正しいのである。なぜなら、肉体は幻想であるから。夢の中で傷つけられたと思っても、夢から覚めればどこにも傷はない。同様に、幻想の中で肉体が傷つけられたように見えても、真の存在は無傷のままなのである。イエスは十字架に架けられて死んだ。しかし、それは幻想の出来事であって、イエスは傷つけられもせず、死にもしなかった。それがイエスの復活の意味である。



That is because of the underlying fear that the mind can hurt itself. None of these errors is meaningful, because the miscreations of the mind do not really exist.
  • underlying : 「基礎をなす、内在する、第一の、下に横たわる」
  • meaningful : 「意味のある、意味深長な、重要な」
  • hurt [hə́ː(r)t] : 「~を傷つける、 ~に損害を与える」
  • miscreation : 「誤創造」
  • exist [igzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
❖ "That is because of ~ "「それは、心が心自体を傷つけ得るという恐れが内在しているからである」。"None of these errors ~ "「これらの過ちはどれも意味をなさない」。これらの過ちとは、肉体のみが傷つけられ得るとか、心が心を傷つけ得るとか、そういった誤った知覚のこと。なぜ、意味をなさないかというと"because the miscreations of ~ "「なぜなら、心が誤創造したものなど、実際、存在しないから」。どういうことか? 小文字のmindは神から分離した心のことである。より正確に言うと、神から分離したと思い込んでいる心である。よって、この心は、確実に神の拡張性の線上に存在するものである。神は誤創造しない。よって、心も誤創造しないのである。誤創造できないのだ。つまり、心によって誤創造されたものなど存在しない。なお、もちろん、心が心自らを傷つけることもできない。なぜなら、神が傷つけられ得ないのと同様だから。もっとも、我々は、心が傷ついたと感じることはある。しかし、それは幻想の肉体に付属する幻想の感情にすぎない。夢から目覚めれば、きっと夢の中で傷ついた心は無傷のまま完全性を取り戻していることだろう。



This recognition is a far better protective device than any form of level confusion, because it introduces correction at the level of the error.
  • recognition [rèkəgní∫n] : 「認めること、認識、認定、承認」
  • protective [prətéktiv] : 「保護する、保護用の、保護の 」
  • confusion [kənfjúːʒ(ə)n] : 「混乱状態、混乱させること、あいまい」
  • introduce [intrəd(j)úːs] : 「~を導入する、取り入れる」
  • correction [kərék∫n] : 「訂正、矯正、修正、是正」
❖ "This recognition"心が誤った創造なぞしない、という認識。その認識は"is a far better protective ~ "「レベル感覚の混乱のいかなる形よりはるかに優れた保護装置である」。いったいどういうことか? "level confusion"「レベル感覚の混乱」は、簡単に言えば、心のレベルと肉体のレベルを混同することである。病気を考えればいい。本来、病気は心の歪みによるものだが、肉体レベルに発症するので肉体レベルの治療を第一に考えてしまう。しかし、それは真のヒーリングではない。真のヒーリングは心のレベルで行われるものである。確かにレベル感覚の混乱を収拾することは必須であり、そのことによって心の機能が正常になり、外部からの攻撃に対して防御機構が作動する。しかし、その認識より「この認識の方がより優れた防衛の補助装置だ」と言っている。それは前文に書かれた"the miscreations of the mind do not really exist"の部分である。「心によって誤った創造をなされたものは実際、存在しない」。心は誤創造しないのである。したがって、たとえば、病気は心の創造物ではない。心が病気を創造するという誤認識、心の歪みが、幻想としての病気を造り出しているのだ。心が誤認識を捨てて、歪みを正し、神の拡張の延長線上に存在することを知れば、心は外部からのあらゆる攻撃に対して、その傷を受けることはない。これこそ、攻撃性のない真の防御だと言いたいのである。さて、本文に戻ろう。"because it introduces correction ~ "「なぜなら、それ(This recognition)は、過ちが犯されたレベルにおいて、修正を取り入れるからだ」。つまり、たとえば、病気を肉体レベルでヒーリングするのではなく、心のレベルでヒーリングする。なぜなら、病気は心のレベルで起きた現象だから。しかも、実際は、心の歪みを矯正するのものでもない。心は誤創造しないと正しく認識し、心の歪みは幻想の産物だと正しく認識することなのだ。さらに、その正しい認識を受け入れることができれば、この病んだ世界が神の創造したものではないと、断言できるのである。なぜなら、神は誤創造できないからである。



It is essential to remember that only the mind can create, and that correction belongs at the thought level. To amplify an earlier statement, spirit is already perfect and therefore does not require correction.
  • essential [isén∫l] : 「絶対必要な、絶対不可欠な、必須の」
  • amplify [ǽmplifài] : 「~を増幅する、拡大する、~を詳述する」
  • statement [stéitmənt] : 「声明、メッセージ、陳述、述べたこと、発言」
  • require [rikwáiə(r)] : 「~を必要とする、求める」
❖ "It is essential to remember that ~ "「that以下を思い起こすことは絶対必要である」。"that only the mind can ~ "「心だけが創造でき、そして、修正は思考のレベルに属している」。思考のレベルとは、もちろん、心のレベルのこと。ACIMは思考が頭脳でなされているとは認めない。形あるものはすべて幻想で、心が外部に投影したシンボルに過ぎない。頭脳もシンボルに過ぎない。"To amplify an earlier statement"「前に述べたことを強調すれば」。"spirit is already perfect ~ "「スピリットはすでに完璧であり、したがって、修正を必要としない」。心は誤創造しない、心の歪みは幻想だ、と認識した心こそがスピリットだと理解できる。mindからspiritへの移行が感じ取れる。



The body does not exist except as a learning device for the mind. This learning device is not subject to errors of its own, because it cannot create.
  • except [iksépt] : 「~を除いて、~以外に」
  • device[diváis] : 「機器、装置、道具」
  • subject [sʌ́bdʒikt] : 「主題、題目、教科、対象、被写体」
肉体は、心にとって学びのための補助装置である以外に存在の余地はない、と言っている。"This learning device is not ~ "「この学びための補助装置は、それ自体の過ちの対象ではない」。"because it cannot create"「なぜなら、それは創造できないのだから」。さて、どういうことか? "subject"を「原因」ととらえたらどうであろうか? 学びのための補助装置とは肉体のことであるから、「肉体は肉体の過ちの原因ではない」となる。つまり、肉体の過ちとは、たとえば病気であるから、「肉体は肉体の病気の原因ではない」となる。なぜなら"because it cannot create"「肉体は創造できないから」。ACIMはあくまでも肉体を幻想であると主張する。幻想は創造することはできない。たとえそれが病気であっても。



It is obvious, then, that inducing the mind to give up its miscreations is the only application of creative ability that is truly meaningful.
  • obvious [ɑ́bviəs] : 「明らかな、明白な」
  • induce [ind(j)úːs] : 「~を促す、誘導する、人に勧めて~させる」
  • give up : 「あきらめる」
  • application [æ̀plikéi∫n] : 「適用、応用、活用、利用」
  • ability [əbíləti] : 「 能力、才能、できること」
  • meaningful : 「意味のある、意味深長な、重要な」
❖ "It is obvious, then, that ~ "「よって、that以下は明白である」。" inducing the mind ~ "「心に誤創造を諦めさせることは」" is the only application of creative ability"「唯一の創造的能力の応用である」。"that is truly meaningful"「真に意味のある」応用である。非常に固い文章であるが、要するに、心は実際、誤創造できないのだから、誤創造する気持ちを諦めさせよう、というのだ。心は神の拡張の延長線上にあるのだから、その延長線から外れるようなこと(すなわち誤創造)はギブアップしてもらわねばならない。そして、神の拡張の延長線上にあることは、とりもなおさず、真に意義ある創造性の応用なのではあるまいか。なぜなら、神の拡張は創造そのものであるから。
 
 
 

T-2.IV.5:1 ~ T-2.IV.5:6

The value of the Atonement does not lie in the manner in which it is expressed. In fact, if it is used truly, it will inevitably be expressed in whatever way is most helpful to the receiver.

  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価」
  • lie [lái] : 「横たわる、寝る、位置する」
  • manner [mǽnə(r)] : 「行儀、態度、やり方、仕方、方法」
  • express [iksprés] : 「~を表現する、言葉で表現する、言い表す」
  • In fact : 「事実(上)は、実は、内実は、要するに、つまり」
  • truly [trúːli] : 「正確に、偽りなく、心から、誠実に、正直に」
  • inevitably [inévətəbli] : 「必然的に、必ず、不可避的に、必至で」
  • whatever [(h)wʌtévə(r)] {関係形容詞}: 「どんな~が~でも」
  • receiver [risíːvə(r)] : 「受取人、受領者、受信者」
❖ "The value of the Atonement ~ "「贖罪の価値は~にはない」。どこにないかというと"in the manner in which ~ "「それが表現される仕方の中に」。贖罪がどう表現されようと、その中には贖罪の価値そのものはない。"In fact, if it is ~ "「事実、それが誠実に使われるなら」贖罪が心からなされたなら、ということ。"it will inevitably be expressed in ~ "「それは必然的に~の形で表現されるであろう」。"whatever way is ~ "「どんな方法であれ、受け手にとって最も助けとなる方法で」。ACIMでの贖罪は、無意識の中で感じている罪悪感を払拭することだ。罪悪感は、神からの分離にもとづく罪から発生している。それを払拭するには、幻想から目覚めなくてはならない。その目覚め方は人それぞれで、時も場所も、その内容も異なる。つまり、贖罪の表現の仕方は人それぞれである。しかし、贖罪の価値はその違いにあるのではない。心からの贖罪であるなら、方法がどんなものであれ、贖罪の受け手である我々の一番の助けになるはずなのである。



This means that a miracle, to attain its full efficacy, must be expressed in a language that the recipient can understand without fear.
  • attain [ətéin] : 「達成する、実現する、手に入れる、獲得する」
  • full [fúl] : 「最大限の、徹底した、完全な」
  • efficacy [éfikəsi] : 「有効性、効き目、効能、効果」
  • language [lǽŋgwidʒ] : 「言語、言葉 、言葉遣い」
  • recipient [risípiənt] : 「受取人、受け手、受信者」
❖ 前文を受けて"This means that "「このことはthat以下を意味している」。"a miracle, to attain ~ "「最大限の効果を手にするには、奇跡は~な言葉で表現されなければならない」。関係代名詞thatを用いて"language"を説明している。"that the recipient can ~ "「受け手が恐れを抱かずに理解できる」言葉。もちろん、ここでの「言葉」は比喩である。恐れを抱かせないような奇跡であるべきだ、と言っている。目覚めはゆっくりの方がいいというのも同じ理由。奇跡も贖罪も、その障害になっているのは我々が抱く恐れなのである。



This does not necessarily mean that this is the highest level of communication of which he is capable. It does mean, however, that it is the highest level of communication of which he is capable now.
  • not necessarily [nèsəsér(ə)li] : 「必ずしも~でない」
  • communication [kəmjùːnikéi∫n] : 「コミュニケーション、通信、連絡、交信」
  • be capable[kéipəbl] of : 「~の能力がある、~ができる 」
❖ 前文を受けて"This does not necessarily mean that "「このことは必ずしもthat以下を意味しているわけではない」。"that this is the highest level ~ "「これは、彼ができる(可能性のある)コミュニケーションの最高レベルである」ということを意味している(要求している)わけではない。"It does mean, however, that ~ "「しかし、それはthat以下を意味している」。"that it is the highest level ~ "「今現在、彼ができるコミュニケーションの最高レベルである」ということを意味している(要求している)。さて、いったいどういうことか? 奇跡も贖罪も我々凡人一人の手におえるものではない。ACIMでは、そのとき"Holy Spirit(聖霊)"が助けてくれるという。そのとき、我々は聖霊と意思を疎通されること(communication)を求められるが、その能力には個人差、レベル(level)の差がある。たとえば、聖霊は、我々に人や本との偶然の出会いを提供し、我々にメッセージを送るという。しかし、我々にそれを受け止める能力がないと、そのメッセージを見過ごしてしまうのだ。この文章では、たとえ完璧なコミュニケーションがとれないとしても、今できる最善を尽くすべきだと言っている。ところで、コミュニケーションの最高レベルは神とのコミュニケーションであり、啓示(revelation)と呼ばれる。



The whole aim of the miracle is to raise the level of communication, not to lower it by increasing fear.
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
  • aim [éim] : 「的、狙い、目標、目的」
  • raise [réiz] : 「引き上げる、~を育てる」
  • lower [lóuə(r)] : 「下げる、低くする」
  • increase [inkríːs] : 「増える、増大する、大きくなる 」
❖ "The whole aim of ~ "「奇跡の全目的はコミュニケーションのレベルを上げることである」。"not to lower it ~ "「恐れを増大させてコミュニケーションのレベルを下げることではない」。奇跡は、最終的に、神とのコミュニケーションができるまでに、そのレベルを上げてくれる。それまでは聖霊が我々につきあってくれる。聖霊の精妙なメッセージを聞き逃さないようにしなければならない。また、赦しを通じて聖霊に精妙なメッセージを送らなくてはならない。
 
 
 

T-2.IV.4:1 ~ T-2.IV.4:10

All material means that you accept as remedies for bodily ills are restatements of magic principles. This is the first step in believing that the body makes its own illness.

  • material [mətí(ə)riəl] : 「物質の、物質的な」
  • means [míːnz] : 「 手段、方法」
  • accept [əksépt] : 「引き受ける、受諾する、認める、容認する」
  • remedy [rémədi] : 「治療薬、医薬品、治療、療法、医療 」
  • bodily[bɑ́d(ə)li] : 「身体上の、肉体の 」
  • restatement [ristéitmənt]: 「再表示、更新」
  • principle [prínsəpl] : 「原則、原理、公理、原論」
❖ "All material means that ~ "「身体的病気の療法としてあなたが受け入れた物質的な方法は、魔法原理を再宣言しているようなものだ」。ACIMでは、病気は、心の歪み、心の過ちに起因するとしている。したがって、病気を物理的に治す行為は、病気の表面をつくろって真の原因を隠す行為に過ぎない。それを「魔術原理」と称したのである。"This is the first step ~ "「これは、肉体がそれ自身の病を作り上げると信じてしまう第一歩である」。幻想の肉体が創造することはできない。たとえそれが病気であっても。ところで、以前にも書いたが、ACIMは現代医療を受けてはならないと言っているのではない。病気の真の原因とメカニズムをきちんと理解せよ、と言っているのである。



It is a second misstep to try to heal it through non-creative agents. It does not follow, however, that the use of such agents for corrective purposes is evil.
  • misstep : 「踏み誤り、つまずき」
  • agent [éidʒ(ə)nt] : 「薬剤、媒介物、物質、動作主、動因」
  • follow [fɑ́lou] : 「~に続く、~の次に来る、後ろからついて行く」
  • corrective [kəréktiv] : 「訂正の、修正の」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向」
  • evil [íːvl] : 「悪い、害を与える、邪悪な」
❖ "It is a second misstep ~ "「病気を創造性の欠けるもので治そうとするのは第二の過ちである」。熱が出たので解熱剤をのむという行為は、熱の原因を治療することではないので、その意味では創造的ではない。熱が下がっても病気自体が治るわけではないから。しかし、何度も言うが、ACIMはそれを否定し、避けるべきだ、と言っているのではない。いわば、補助装置として利用するなら、それに越したことはない。"It does not follow, however ~ "「しかし、that以下のことが後に続くわけではない」。that以下が結論である、というわけではない。" that the use of such agents ~ "「正す目的のためにそのようなものを使うことは悪い」というわけではない。簡単に言えば、病気を治したいから薬を飲むのは悪くない、ということ。しかし、もちろん、それだけでは十分ではない。心の問題を解決しなくてはならないのだ。



Sometimes the illness has a sufficiently strong hold over the mind to render a person temporarily inaccessible to the Atonement. In this case it may be wise to utilize a compromise approach to mind and body, in which something from the outside is temporarily given healing belief.
  • sufficiently [səfí∫ntli] : 「十分に、足りて」
  • hold over : 「~への支配力」
  • render [réndə(r)] : 「~にならしめる、~にする」
  • temporarily [tèmpərér(ə)li] : 「一時的に、仮に」
  • inaccessible : 「 手の届かない、近づき難い、アクセスできない」
  • wise [wáiz] : 「賢い、博学の」
  • utilize [júːt(ə)làiz] : 「利用する、活用する、役立たせる」
  • compromise [kɑ́mprəmàiz] : 「 妥協、譲歩」
  • approach [əpróut∫] : 「近づくこと、近づく方法、やり方、扱い方」
❖ "Sometimes the illness has ~ "「しばしば、病気は心に対して十分に強い支配力をもつ」。どれだけ強いかというと、不定詞"to render"を使って形容している。「一時的に人が贖罪にアクセスできなくする」くらい強い支配力。"inaccessible"は補語で、render+人+補語(形容詞)の形で「人を~な状態にする」となる。 "In this case ~ "「この場合、心と体に対して妥協的なアプローチ(の方法)を利用した方が賢明かもしれない」。ここのitは仮主語で不定詞"to utilize"が本主語。"in which something from ~ "関係代名詞whichの先行詞は"a compromise approach"。よって、ここは"something from the outside is temporarily given healing belief in a compromise approach"の意味を考えればいい。"healing belief in a compromise approach"「妥協的アプローチを信じるヒーリング信念」どういうことか? たとえば、この薬は病気にきっと効くに違いないと信じていること。この場合の「薬」が"something from the outside"「外部からの何か」に相当する。外部からの薬が病気に効くという信念(healing belief)を与えられているわけだ。しかし、薬が病気に効くという信念は「妥協的(compromise)」なことである。なぜなら、病気の真の原因は心の歪みであり、薬は症状を軽減できたとしても根本の治療をもたらすものではないからだ。したがって、薬の効果は一時的なもの(temporarily)となる。薬によって症状が治ったら、心の真のヒーリングをなさなければならない。



This is because the last thing that can help the non-right-minded, or the sick, is an increase in fear. They are already in a fear-weakened state. If they are prematurely exposed to a miracle, they may be precipitated into panic.
  • last thing : 「最後にすること、最もしそうにないこと」
  • increase [inkríːs] : 「増加、増大、増進」
  • weaken [wíːkn] : 「弱める、弱体化させる」
  • prematurely [prìːmət(j)úə(r)li] : 「時期を早めて、時期尚早に 」
  • expose [ikspóuz] : 「さらす、浴びせる、暴く」
  • precipitate [prisípitèit] : 「急に引き起こす、促進する、勃発させる」
❖ 前文を受けて"This is because ~ "「これは~だからである」。"the last thing that can help the non-right-minded, or the sick"ここまでが主語。「正しからざる心、すなわち病気の、最も助けにならないものは」。それは"is an increase in fear"「恐れの増大である」。"They are already in ~ "ここのTheyは一般の人といいうこと。「人はすでに恐れで萎縮した状態にある」。"If they are prematurely ~ "「もしも、彼らが時期尚早に奇跡にさらされたら、パニックに陥るかも知れない」。時間をかけ、恐れを取り除いてから奇跡に触れるべきだ、ということ。時間が学びの補助装置であることの一端がうかがえる。



This is likely to occur when upside-down perception has induced the belief that miracles are frightening.
  • be likely to : 「~しそうである」
  • occur [əkə́ː(r)] : 「起こる、発生する、生じる」
  • upside-down : 「逆さまの、混乱した」
  • induce [ind(j)úːs] : 「~を生じさせる、引き起こす、誘発する」
  • frightening : 「恐ろしい、ゾッとするような、肝をつぶすような」
❖ "This is likely to ~ "「これは起こりやすい」。どんな時に? "when upside-down perception ~ "「混乱した知覚が、奇跡は恐ろしいものだという信念を引き出した時」。本来、奇跡は恐れからの解放であるが、それが恐ろしいと感じているうちは奇跡にさらすべきではない、と言いたいのだ。ACIMでは、目覚めはゆっくりな方がいい、と言われている。
 
 
 

T-2.IV.3:1 ~ T-2.IV.3:13

3. Only the mind can create because spirit has already been created, and the body is a learning device for the mind. Learning devices are not lessons in themselves.

  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに~済み」
  • learning : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • device [diváis] : 「機器、装置、道具」
  • lesson [lésn] : 「レッスン、けいこ、教訓、教え」
❖ "Only the mind can create "「心だけが創造できる」。なぜなら"because spirit has ~ "「スピリットはすでに創造されてあるし、肉体は心にとって学びのための装置にすぎないから」。"Learning devices ~ "「学びのための装置はそれ自体の中には学びの要素は含まれていない」。学ぶ主体はあくまでも心。実在の心は幻想の肉体を学びの補助装置として使う。時間も学びのための補助装置であったことを思い出そう。学びが完了すれば、肉体も時間も消滅する。なぜ? 不必要になるから。幻想が消滅すればおのずから時空も消滅する。



Their purpose is merely to facilitate learning. The worst a faulty use of a learning device can do is to fail to facilitate learning.
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い」
  • merely [míə(r)li] : 「ただ単に、単に」
  • facilitate [fəsílətèit] : 「容易にする、手助けする」
  • worst [wə́ː(r)st] : 「最も悪い、最悪の」
  • faulty [fɔ́ːlti] : 「欠点のある、誤った、不完全な、欠陥のある」
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
❖ "Their purpose is ~ "ここの"Their"は前文の"Learning devices"のこと。「学びのための補助装置の目的は単に学びを手助けすることである」。"The worst a faulty use ~ "ここの"a faulty"の前に関係代名詞"that"を補ってやる。直訳すると「学びの補助装置の誤った使い方がやることで最悪のことは学びの手助けに失敗することである」。つまり、学びのための補助装置が学びのためにならなかったら最悪だ、ということ。



It has no power in itself to introduce actual learning errors. The body, if properly understood, shares the invulnerability of the Atonement to two-edged application.
  • introduce [intrəd(j)úːs] : 「~を紹介する、~を導入する」
  • actual [ǽkt∫u(ə)l] : 「現実の、実際に起こった、現在の」
  • properly [prɑ́pə(r)li] : 「適切に、適当に、正確に、正しく」
  • share [∫éə(r)] : 「~を分ける、分かち合う、共有する」
  • invulnerability [invʌlnərəbíləti] : 「傷つかないこと、影響されないこと、弱さがないこと」
  • Atonement [ətóunmənt] : 「贖罪」
  • two-edged : 「両刃の、諸刃の」
  • application [æ̀plikéi∫n] : 「適用、応用、活用、利用」
❖ "It has no power ~ "ここの"It"は前文の"learning device"のこと、また不定詞"to introduce"は形容詞的用法で、"power"を修飾する。「学びの補助装置自体は、実際に過ったことを学ばせる力はない」。過ったことを学んでしまうのは心であって、補助装置に過ぎない肉体には学ぶという主体性ははい。もちろん、過ったことを学んでしまうように誘導することもできない。"The body, if properly understood, shares ~ "「肉体は、もし適切に理解されるなら、贖罪のもっている傷つけられることのない強さを分かちもっている」。何に対する強みかというと"to two-edged application"「両刃の応用」に対して。さて、非常に難解な文章である。まず、", if properly understood,"は分詞構文で、", if being properly understood,"というように"being"を補えば理解しやすい。"shares the invulnerability of the Atonement"の部分だが、直訳すると意味がぼやける。意訳すると「贖罪同様、弱いところはない」「贖罪と同様に抵抗力がある」とすると通りがよい。何に対する抵抗力かというと"to two-edged application"「両刃の応用」。何のことか? T-2.II.4:8を見ていただきたい。"The Atonement thus becomes the only defense that is not a two-edged sword. It can only heal."ここにヒントがある。両刃の応用とは、防御(defense)に応用されることと、攻撃(attack)に応用されること、の2つ。贖罪には攻撃性はなく、防御専門であった。つまり、贖罪は攻撃性の応用に対して抵抗力があるのである。攻撃性を拒否する力がある。したがって、本文は、肉体も、正しく理解されるなら、攻撃性を排除する力があるぞ、と言いたいのだ。幻想の肉体を考えるときは映画を連想すればいい。スクリーン上に映し出された凶暴な戦士は、はたして我々を攻撃することができるか? 彼はスクリーン上で攻撃しているだけで、見ている我々を攻撃することはできない。しかし、我々は彼の映像を見て、戦争という攻撃性のむなしさを学ぶことはできる。彼は学びの補助装置になっているのだ。



This is not because the body is a miracle, but because it is not inherently open to misinterpretation. The body is merely part of your experience in the physical world. Its abilities can be and frequently are over evaluated.
  • inherently [inhí(ə)r(ə)ntli] : 「生得的に、本質的に」
  • misinterpretation [mis・intə̀ː(r)prətéi∫n] : 「誤った解釈、誤解、誤訳 」
  • experience [ikspí(ə)riəns] : 「経験、体験」
  • ability [əbíləti] : 「能力、才能、できること」
  • frequently [fríːkwəntli] : 「しばしば、高い頻度で、頻繁に、たびたび」
  • be open to : 「受けやすい、~を招きやすい、~に無防備である」
  • evaluate [ivǽljuèit] : 「~を評価する、値踏みする、査定する」
❖ "This is not because ~ "ここの"This"は「肉体が攻撃性に対して抵抗力があること」、「これは肉体が奇跡だからではない」。しかし" but because it is not~ "「肉体は元来、誤った解釈を受けることはないからである」。どういう意味だろう? この場合「肉体を解釈する」という意味を考えればよい。はたして、それは可能か? 彼の身長が175センチであることを解釈できるか? 彼女の体重が45キロであることを解釈できるか? たしかに、評価はできる。190センチの身長はずいぶん高い。85キロの体重は太り過ぎ。また、説明もできる。親からの遺伝で身長が高いとか、食べ過ぎで体重が増え過ぎたとか。しかし、175センチも45キロも解釈はできないのである。本文に戻ろう。使われている言葉は"misinterpretation"(誤解釈)であって"misunderstanding"(誤認識)ではないことに注意。ここでは、あくまでも解釈ができる、できないの問題だ。肉体は解釈も誤解釈も、その対象になれないのである。では、心はどうか? 彼女が悲しみで打ちひしがれているとする。彼女の悲しみを解釈できるか? できるのである。彼女は愛する人を失ったから悲しんでいると解釈できる。誤解釈かも知れない。彼女は、実は財布をなくしてしまい泣いているだけかもしれない。こんなところでどうだろう。さて、先に進もう。" The body is merely part of ~ "「肉体は物理世界における単なる経験の一部に過ぎない」。もちろん物理世界はACIMでは幻想の世界だ。よって、言い換えれば、肉体は幻想の世界で知覚される幻影の一つだ、となる。"Its abilities can be ~ "「肉体の能力は過大に評価され得るし、しばしば過大に評価されている」。くどいようだが、肉体は単なる幻想である。



However, it is almost impossible to deny its existence in this world. Those who do so are engaging in a particularly unworthy form of denial.
  • However [hauévə(r)] : 「けれども、しかしながら」
  • almost [ɔ́ːlmoust] : 「ほとんど、九分どおり、大体」
  • impossible [impɑ́