●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-10.Intro.1:1 ~ T-10.Intro.2:7

Text - Chapter 10



The Idols of Sickness
病の偶像



Introduction


1. Nothing beyond yourself can make you fearful or loving, because nothing is beyond you. 
  • beyond [bijɑ́nd] : 「〜の向こうに、〜を越えて」
  • fearful [fíərfl] : 「恐ろしい、怖い」
  • loving [lʌ́viŋ] : 「愛情のある、愛情に満ちた」
❖ "Nothing beyond yourself ~ "「あなた自身を越える何ものも、あなたを恐れさせたり、あるいは愛情に満ちた思いをさせたりすることは出来ない」。"because nothing is ~ "「なぜなら、何ものも、あなたを越えては存在しないからだ」。つまり、恐れを感じるのも愛を感じるのも、あなた自身が原因である。幻想に惑わされれば恐れを感じ、真実に目覚めれば愛を感じる。それを決めるのはあなただ。



Time and eternity are both in your mind, and will conflict until you perceive time solely as a means to regain eternity. 
  • eternity [itə́ːrnəti] : 「永遠、無限」
  • both [bóuθ] : 「両方ともに」
  • conflict [kənflíkt] : 「衝突する、争う、対立する」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する」
  • solely [sóulli] : 「もっぱら、ただ一人で、単に」
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • regain [rigéin] : 「〜を取り戻す、回復する」
❖ "Time and eternity ~ "「時間も永遠も、あなたの心の中に共にある」。"and will conflict ~ "「そしてあなたが、時間を、単に永遠を取り戻すための手段と知覚しない限り、時間と永遠はコンフリクトを起こすだろう」。永遠は実相、時間は幻想。幻想の時間を、ホーリー・スピリットは学びのための補助装置として利用する。幻想の時間を利用して実相の永遠を手に入れるのだ。時間は実在するとあなたが誤って知覚している限り、ホーリー・スピリットはあなたに永遠を教えることは出来ない。時間と永遠はあなたの心の中でコンフリクトし続ける。



You cannot do this as long as you believe that anything happening to you is caused by factors outside yourself. 
  • as long as : 「〜する限りは、〜である限りは」
  • happen [hǽpn] : 「起こる、発生する」
  • happen to : 「〜に発生する、〜に起こる」
  • cause [kɔ́ːz] : 「 〜を引き起こす、〜の原因になる」
  • factor [fǽktər] : 「要因、要素、原因」
  • outside [áutsáid] : 「〜の外に、〜の外側に」
❖ "You cannot do ~ "「〜する限り、あなたはこれが出来ない」。これというのは、時間を永遠に変えること。"as long as you ~ "「あなたに起こる何事も、あなた自身の外部にある要因によって引き起こされると信じている限りは、」時間を永遠に変えることは不可能だ。この宇宙もあなたの肉体もあなたの心が投影によって作ったものであり、あなたの外部に存在しているものではない。百何十億光年先まで広がる宇宙でさえ、あなたの心の中の出来事だ。実在するかのような実感がどんなに強烈に伴っていても、幻想は幻想に過ぎない。



You must learn that time is solely at your disposal, and that nothing in the world can take this responsibility from you. 
  • disposal [dispóuzl] : 「自由に使えること、処理」
  • at one's disposal : 「〜が自由に使える」
  • responsibility [rispɑ̀nsəbíləti] : 「責任、義務」
  • take from : 「〜から取る」
❖ "You must learn ~ "「あなたは、時間は単にあなたの自由になるものだと学ばなくてはならない」。時間は幻想。あなたの心が勝手に作り出した錯覚である。したがって、あなたは時間を自由に操れる(はずのもの)。"and that nothing ~ "「そして、この世界の何ものも、あなたからこの責任を取り上げることは出来ないと学ばなくてはならない」。この責任とは、時間を自由に操る責任。あなたに自由がある以上、その自由をどのように利用するか、あなたにはその責任がある。あなたはその責任を他者になすりつけることも、その責任を無視して逃避することも許されない。



You can violate God's laws in your imagination, but you cannot escape from them. 
  • violate [váiəlèit] : 「違反する、犯す、破る」
  • imagination [imæ̀dʒənéiʃən] : 「想像、創作力」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、脱出する」
  • escape from : 「〜から逃避する」
❖ "You can violate ~ "「あなたは、想像の中で、神の法を犯すことは出来る」。今、私達は実在しないこの世界、肉体、時空を幻想しているわけだから、神の法である真実からかけ離れて夢を見ていることになる。"but you cannot ~ "「しかし、あなたは神の法から逃れることは出来ない」。どんなに奇妙な幻想を夢に見ていても、実在する神の法の真実をねじ曲げることは出来ない。



They were established for your protection and are as inviolate as your safety.
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、達成する」
  • protection [prətékʃən] : 「保護、防御、防衛」
  • inviolate [inváiələt] : 「犯されていない、破られていない」
❖ "They were established ~ "「神の法は、あなたを守るために確立されたのであり、」"and are as ~ "「あなたの安全同様、神の法も犯され得るものではない」。神の法は真実の総体であり、叡智である。具体的にはホーリー・スピリットの思考システムのことだ。このホーリー・スピリットの思考システムがあなたをエゴの策略から守ってくれる。あなたの真実を防御してくれる。



2. God created nothing beside you and nothing beside you exists, for you are part of him. 
  • beside [bisáid] : 「〜の外に、〜を除いて」
  • exist [igzíst] : 「存在する、生きている」
❖ "God created ~ "「神は、あなたを除いてほかに何も創造しなかった」。"and nothing beside ~ "「したがって、あなたを除いてほかに、何ものも存在しない」。"for you are ~ "「なぜなら、あなたは神の一部なのだから」。"part of"には「〜の不可欠な要素である」という意味合いがあるので、「なぜなら、あなたは神の必須の一部であるから」というニュアンス。神は神の延長上に神の子を創造したのであり、いわば神の子は神の一部である。そして、神は神の子を創造することで愛という真実を拡張した。それ以外に神は何ものも創造していない。したがって、この世界も宇宙も神が創造したものではない。実在しない。神から分離した神の子が夢の中ででっち上げた幻想に過ぎない。



What except him can exist? Nothing beyond him can happen, because nothing except him is real. 
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
  • happen [hǽpn] : 「起こる、発生する」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の」
❖ "What except him ~ "「神を除いて、何が存在し得るか」。"Nothing beyond ~ "「神を除いて、何も起きない」。"because nothing ~ "「なぜなら、神を除いて何ものも現実ではないからだ」。神は実在し、神が実在する現実のすべてである。ここの『神』を『真実』に置き換えて読み直して見ると意味がはっきりするだろう。真実だけが実在し、真実以外に何も起きない。真実だけが現実だからだ。神は真実のすべてを包摂しており、不足はない。おそらく、神の現実は賑やかであり、愛と喜びに溢れ、静寂に包まれ平和であろう。



Your creations add to him as you do, but nothing is added that is different because everything has always been. 
  • creation [kriéiʃən] : 「創作物、創造」
  • add to : 「〜を増加させる、〜を加える」
  • different [dífərənt] : 「相違する、異なる」
❖ "Your creations ~ "「あなたが神に属しているように、あなたが創造したものも神に加わる」。神の一部であるあなたが創造し拡張したものは、神の領域からはみ出るものではなく、神の王国に加わる。"but nothing is ~ "「しかし、何か異なったものが加わるわけではない」。"because everything ~ "「なぜなら、すべては常にそこにあるからだ」。実相的創造は真実の拡張であって、異質なものを新たに作り出すことではない。なぜなら、真実のすべてはすでにそこにあるからだ。そのすべてを神は包摂している。したがって、神の子であるあなたは真実を神と分かち合って、真実を拡張増大させることで創造する。そこに喜びと平和が充ち満ちてくる。天の王国に命が溢れてくる。



What can upset you except the ephemeral, and how can the ephemeral be real if you are God's only creation and he created you eternal? 
  • upset [ʌpsét] : 「〜を動揺させる、狼狽させる」
  • ephemeral [ifémərəl] : 「はかない、短命の」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の」
❖ "What can upset you ~ "「はかない命を除いてその外に、あなたを動揺させるものがあるだろうか」。"and how can ~ "「そして、もし、あなたが神の唯一の創造物で、神はあなたを永遠として創造したのなら、どうしてはかない命は実在できるだろうか」。肉体としての命ははかない。死は必ず訪れる。しかし、変化流動し、時間に限りがあるものはすべて幻想である。肉体としての命は幻想だ。永遠不変の、神の実相においては、命は永遠で、死というもの存在しない。神はそのようにあなたを創造したのだ。つかの間の肉体的な命は、実相世界における永遠の命に比べたら、いったい如何ほどのものか。



Your holy mind establishes everything that happens to you. 
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • happen [hǽpn] : 「起こる、発生する」
❖ "Your holy mind ~ "「あなたの神聖な心が、あなたに起こるすべてを確立している」。さりげない一文であるが、重要な内容である。あなたの心があなたの現実を創り出す。心が夢を見て幻想空間に溺れることもあり、真実に目覚めて創造空間を泳ぐことも出来る。



Every response you make to everything you perceive is up to you, because your mind determines your perception of it.
  • response [rispɑ́ns] : 「応答、反応」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を把握する」
  • up to : 「〜次第で」
  • determine [ditə́ːrmin] : 「決定する、決心する」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、知見、感じ方」
❖ "Every response you ~ " 目的格の関係代名詞が2つ省略されているので注意しながら読むこと。つまり、"Every response that you make to everything that you perceive "として、「あなたが知覚するすべてに対してあなたがとるすべての反応は、」"is up to you"「あなた次第である」。"because your mind ~ "「なぜならば、あなたの心が、それに対するあなたの知覚を決定しているからだ」。硬い表現をしているが、要するに、あなたが何をどのように知覚し、どのように反応するか、すべてをコントロールしているのはあなたの心である、ということ。あなたが知覚するすべてのものを生み出しているのはあなたの心であり、知覚したものに対する反応もあなたの心が司っている。言い換えれば、あなたは見たいものを勝手に作り出し、それを現実だと称して、夢の中で悪戦苦闘しているだけなのだ。






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