●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-10.IV.3:1 ~ T-10.IV.4:10

3. The Sonship cannot be perceived as partly sick, because to perceive it that way is not to perceive it at all. 
  • sonship [sə́nʃɪp] : 「息子であること」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する」
  • partly [pɑ́ːrtli] : 「一部分は、ある程度は、部分的に」
  • that way : 「そのように、あのように」
  • at all : 「全く〜ない、少しも〜ない」
❖ "The Sonship cannot ~ "「神の子は、その一部だけが病気であると知覚されることは不可能だ」。"Sonship"は、神の子であるということ。"Son of God"と同じだと思っていい。一部の神の子だけが病んでいて、他の神の子は病んでいない、などということはない。この世にあっては分裂して存在しているかのように知覚される神の子であるが、本来は単一の存在なので、一部の神の子だけが病んでいるということは不可能だ。"because to perceive ~ "「なぜならば、神の子をそのように知覚することは、全く知覚していないことだからだ」。神の子を分裂したものと知覚している限り、真実を見損なっている。正しいヴィジョンをもって知覚してはいない。



If the Sonship is One, it is One in all respects. Oneness cannot be divided. 
  • respect [rispékt] : 「個所、観点、視点」
  • in all respects : 「あらゆる点で、すべての点で」
  • oneness [wʌ́nnis] : 「単一性、同一性、統一性」
  • divide [diváid] : 「〜を分割する、〜を分裂させる」
❖ "If the Sonship ~ "「もし、神の子が単一であるなら、」"it is One in ~ "「神の子はあらゆる点で一つである」。"Oneness cannot ~ "「一つであるものは分割できない」。神の子は実相世界で単一の存在だ。この世で神の子が多数存在しているかのように見えるのは、この幻想世界の錯覚だ。私達が個性をもって存在しているかに見える多数の肉体は幻想である。純粋一元論の実相世界にあっては、一なるものは分割出来ない。



If you perceive other gods your mind is split, and you will not be able to limit the split, because it is the sign that you have removed part of your mind from God's Will. 
  • split [splít] : 「割れた、分割した、分裂した」
  • be able to : 「〜することができる、〜が可能である」
  • limit [límit] : 「制限する、制限をかける」
  • split : 「割ること、分割、分裂」
  • sign [sáin] : 「表れ、兆し、印」
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る」
❖ "If you perceive ~ "「もし、あなたが、他の神々を知覚するなら、あなたの心は分裂していることになる」。神の子が単一なら、当然、神も単一である。その他の神の存在を信じているなら、幻想から目覚めているとは言えない。心は分裂したままだ。"and you will ~ "「そして、あなたは、その分裂に歯止めをかけることが出来なくなるだろう」。"because it is ~ "「なぜならば、それはthat以下を示しているからだ」。"that you have ~ "「あなたは、あなたの心の一部を神の意思から追い出してしまった」ことを示しているからだ。神は単一であって、分割出来ない。それにも関わらず、他の多くの神々を認めることは(If you perceive other gods)、その原因があなたの心にあること、しかも、その心が分裂していることを意味している(your mind is split)。なぜなら、もし心が単一なら、単一の神しか認識できないからだ。心は実相世界では単一であった。しかし、今、多くの神々を知覚し、心の分裂をあらわにしていることは、その心が実相を離れ、幻想の世界に漂っていることを意味している。また、"God's Will"「神の意思」とは実相そのものである。あなたは自分の心の一部を神の意思である実相からはぎ取って(you have removed part of your mind from God's Will)、幻想の世界に追いやってしまった。その結果、分裂を夢に見ることとなり、夢である分裂に歯止めがかけれなくなってしまった(you will not be able to limit the split)。



This means it is out of control. To be out of control is to be out of reason, and then the mind does become unreasonable. 
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • control [kəntróul] : 「支配、統制、制御」
  • out of control : 「制御不能で、制御が利かない」
  • reason [ríːzn] : 「理性、理知、分別、正気」
  • out of reason : 「道理に合わない、不合理で」
  • unreasonable [ʌ̀nríːznəbl] : 「理性を欠いた、理性のない」
❖ "This means it ~ "「これは、心が制御不能に陥っていることを示している」。これとは、心の分裂に歯止めがかけれないこと。"To be out of ~ "「制御不能に陥っているということは、理知を欠いた状態であるというこで、」"and then the mind ~ "「そして、心はまさに非理知的になってしまう」。ここで言う"reason(理知)"とは、肉体的な頭脳による理性的判断という意味合いではなく、真実を真実として正しく見極めることの出来る心の状態という意味合い。幻想と実相の見境をはっきりとつけることが出来る心のこと。



By defining the mind wrongly, you perceive it as functioning wrongly.
  • define [difáin] : 「〜を定義する、明確にする」
  • wrongly [rɔ́ːŋli] : 「誤って、間違って、不正に」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「働く、機能する」
❖ "By defining the ~ "「心を誤って定義することで、」"you perceive it ~ "「あなたは、その心が誤って機能しているのを知覚する」。心を誤って定義するとは、心が神から分離することが可能で、さらに心は無数に分裂できると思い込むこと。その結果、心は神から分離し、さらに自己分裂し、多くの神々を奉ずるようになった。エゴの思考システムを信奉する心は、まさに誤って機能しているのだ。その誤って機能している心を、あなたは自分の本当の心だと知覚している。しかし、ACIMは、それは夢の出来事だと言う。幻想の世界にあって、心は誤って機能し、様々な悪夢を見ているだけだと主張する。



4. God's laws will keep your mind at peace because peace is his will, and his laws are established to uphold it. 
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規」
  • at peace : 「平和に、安らかに」
  • will [wíl] : 「意志、精神力」
  • establish [istǽbli∫] : 「確立する、達成する」
  • uphold [ʌphóuld] : 「守る、支える、維持する」
❖ "God's laws will ~ "「神の法は、あなたの心を平和に保ってくれるだろう」。"because peace is ~ "「なぜなら、平和は神の意思だからだ」。"and his laws ~ "「そして、神の法は、神の意思を支えるために制定されている」。"uphold it"の"it"は「神の意思」。神は、神の子の心が安らかで平和であるようにと願っている。それが心の本来の姿であり、神はそのように神の子を創造した。神の意志が現実化した。その創造の根底に流れる原理が神の法であり、言い換えるなら、神の愛そのものである。



His are the laws of freedom, but yours are the laws of bondage. 
  • his : 「彼の、彼のもの」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、独立」
  • bondage [bɑ́ndidʒ] : 「緊縛、隷属性、束縛」
❖ "His are the laws ~ "「神の法は自由の法である」。"His"は"God's laws"のこと。神の法(神の愛)は神の子を幻想から解放する。"but yours are ~ "「あなたの法は束縛の法である」。あなたの法とは、あなたが自分のために規定した行動規範のようなもの。エゴの思考システムのことだ。これを信奉することで、あなたは幻想世界に縛られている。真実に目覚めることが出来ない。



Since freedom and bondage are irreconcilable, their laws cannot be understood together. 
  • irreconcilable [irékənsàiləbl] : 「和解できない、共存できない」
❖ "Since freedom ~ "「自由と束縛は和解できるものではないので、」"their laws cannot ~ "「神の法とあなたの法は、一緒に理解されることは不可能だ」。簡単に言えば、ホーリー・スピリットの思考システムとエゴの思考システムは共存できないということ。



The laws of God work only for your good, and there are no other laws beside his. 
  • good [gúd] : 「利益、幸福、ためになること」
  • beside [bisáid] : 「〜の外に、〜を除いて」
❖ "The laws of God ~ "「神の法は、あなたのためになるようにだけ機能する」。あなたの心が平和になるように機能するのみ。そして、そのような法は、"and there are ~ "「神の法を除いて、外にない」。エゴの法は、この世のあらゆる苦と痛みをあなたに強いる。



Everything else is merely lawless and therefore chaotic. Yet God himself has protected everything he created by his laws. 
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • lawless [lɔ́ːləs] : 「無法の、不法な、非合法の」
  • chaotic [keiɑ́tik] : 「無秩序状態の、混沌とした」
  • protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
❖ "Everything else is ~ "「(神の法以外の)他のすべての法は、法などいう代物(しろもの)ではなく、それゆえ、混沌としている」。本当の法は秩序を導くが、偽の法は秩序を乱す。"Yet God himself ~ "「しかし、神自身は、神の法によって、神が創造したすべてのものを保護してくれる」。神の法は神の子を保護し、その他の法は神の子の誤りとその罪を糾弾する。誤りと罪を宣言することでそれを現実化し、罰への恐れを抱かせて神の子を脅迫する。



Everything that is not under them does not exist. "Laws of chaos" is a meaningless term. 
  • exist [igzíst] : 「存在する、生存する」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「価値のない、無意味な」
  • term [tə́ːrm] : 「語、言葉、用語」
❖ "Everything that is ~ "「神の法の下(もと)にないものはすべて、存在さえしない」。実相に存在するものはすべて神の法の下にある。その実相の神の法の下にないものは、実相的に存在していない。つまり、幻想世界のはかない夢だ。""Laws of chaos" is ~ "「『混沌の法』という言葉は、意味のない語である」。秩序を生み出すものが法であるから、混沌を生み出す法は言葉として矛盾をはらむ。矛盾を抱えた言葉に意味はない。



Creation is perfectly lawful, and the chaotic is without meaning because it is without God. 
  • creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、創作物」
  • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
  • lawful [lɔ́ːfl] : 「法的に認められた、正当な」
  • chaotic [keiɑ́tik] : 「無秩序状態の、混沌とした」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義」
❖ "Creation is perfectly ~ "「創造は完全に法的に正当である」。創造は神の法に準じている。"and the chaotic ~ "「混沌としたものは意味がない」。"the chaotic"は "the + (形容詞)"の形で、「〜なもの、〜な人」。"because it is without ~ "「なぜなら、混沌としたものは神をもたないからだ」。実相世界に混沌は存在しない。混沌は幻想世界の、支離滅裂な夢に過ぎない。したがって混沌は、意味もなければ、神のあずかり知らぬことである。



You have "given" your peace to the gods you made, but they are not there to take it from you, and you cannot give it to them.
  • take [téik] : 「取り込む、手に入れる」
❖ "You have "given" your ~ "「あなたは、あなたの平和を、あなたが作った神々に『与えて』しまった」。"but they are ~ "「しかし、その神々は、あなたからその平和を受け取るために、そこに存在しているわけではない」。"and you cannot ~ "「したがって、あなたは自分の平和を神々に与えることは出来ない」。あなたが作った神々は、怒れる神であり、裁く神であり、復讐する神である。当然、あなたはその神々に心の平和を奪われてしまった。低く見積もった言い方をするなら、あなたは心の平和を自ら『与えて』しまったのだ。しかし、その神々は実相の世界に実在する神々ではない。単なる幻想、夢である。あなたの平和を受け取る実体などない。したがって、あなたは心の平和をその実体のない神々に与えてしまうことなど本当は不可能なのだ。つまり、あなたが心の平和を与えてしまった、あるいは奪われてしまったと感じるのは、これもまた幻想なのだ。あなたは夢の中で、夢の平和を、夢のモンスターに奪われたに過ぎない。






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