●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-11.VI.1:1 ~ T-11.VI.2:6

VI. Waking to Redemption
贖罪への覚醒



1. It is impossible not to believe what you see, but it is equally impossible to see what you do not believe. 
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない」
  • equally [íːkwəli] : 「等しく、同様に、一様に」
❖ "It is impossible ~ "ここは、"It ~ not to ~ "の構文、「あなたが見たものを信じないのは不可能であるが、」"but it is equally ~ "「しかし、あなたが信じてもいないことを見ることも同様に不可能である」。信じているものが目に見えるのであって、目に見えるということは、あなたがそれを信じているからだ。たとえば、この現実(幻想世界)をあなたは目にしているから、それはあなたがこの現実(幻想世界)を信じていることを示している。この世界が実在すると信じているから、世界が圧倒的にリアルなものとしてあなたの目に飛び込んでくる。



Perceptions are built up on the basis of experience, and experience leads to beliefs. 
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、感じ方」
  • built [bílt] : 「buildの過去、過去分詞形」
  • build up : 「築き上げる、作り上げる」
  • on the basis [béisis] of : 「〜に基づいて」
  • experience [ikspíəriəns] : 「経験、体験、見聞」
  • lead to : 「〜につながる、結局〜となる」
❖ "Perceptions are ~ "「知覚は経験に基づいて構築される」。"and experience ~ "「そして、経験は信念へと結びつく」。私達の常識では、知覚に基づいて経験が構築されているように考えられるが、ACIMの論はその逆である。経験が知覚を制御している。経験は信念を形作るから、結局、信念が知覚を制御していることになる。あると信じるものが、そこにあるように見える。



It is not until beliefs are fixed that perceptions stabilize. In effect, then, what you believe you do see. 
  • until [əntíl] : 「〜する時まで」
  • fix [fíks] : 「癒す、直す、修正する」
  • stabilize [stéibəlàiz] : 「安定する、固定する」
  • in effect : 「事実上、実際には」
❖ "It is not until ~ "ここは"It ~ that ~ "の構文、「信念が修正されるまで、知覚が安定することはない」。"In effect, then ~ "「そこで、実際、あなたはあなたが信じているものを見るのだ」。



That is what I meant when I said, "Blessed are ye who have not seen and still believe," for those who believe in the resurrection will see it. 
  • meant [mént] : 「mean の過去・過去分詞形」
  • blessed [blésid] : 「恵まれた、祝福された」
  • ye [jíː] : 「汝、あなたがた」
  • resurrection [rèzərékʃən] : 「復活、蘇生」
❖ "That is what ~ "「これは、私が〜と言った時、私が意味したことである」。"Blessed are ye ~ "「見ずして、なお信じている汝は幸いなれ」と言った時。"for those who ~ "「なぜなら、復活を信じている者が復活を見るだろうからだ」。"Blessed are ye ~ "これはヨハネの福音書20:29に登場する。疑い深いトマスとイエスのやり取りの有名な場面である。参考までに載せておく。

[John 20:27~20:29 form King James Bible]
Then saith he to Thomas, Reach hither thy finger, and behold my hands; and reach hither thy hand, and thrust it into my side: and be not faithless, but believing. And Thomas answered and said unto him, My LORD and my God. Jesus saith unto him, Thomas, because thou hast seen me, thou hast believed: blessed are they that have not seen, and yet have believed.

それから、トマスに言われた。「あなたの指をここに当てて、わたしの手を見なさい。また、あなたの手を伸ばし、わたしのわき腹に入れなさい。信じない者ではなく、信じる者になりなさい。」トマスは答えて、「わたしの主、わたしの神よ」と言った。イエスはトマスに言われた。「わたしを見たから信じたのか。見ないのに信じる人は、幸いである。」(新共同訳)



The resurrection is the complete triumph of Christ over the ego, not by attack but by transcendence. 
  • complete [kəmplíːt] : 「完全な、全面的な」
  • triumph [tráiəmf] : 「勝利、大成功」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • transcendence [trænséndəns] : 「超越、卓絶」
❖ "The resurrection ~ "「復活は、エゴに対するキリストの完全な勝利である」。"not by attack ~ "「その勝利は、攻撃によってではなく、超越によってもたらされた」。"by transcendence"「超越によって」とは、「この幻想の世界を超越することによって」、ととらえてもいいだろうし、エゴの攻撃と逆のことを示すから、「幻想の世界を赦すことによって」ととらえてもいいだろう。



For Christ does rise above the ego and all its works, and ascends to the Father and his Kingdom.
  • rise above : 「〜の上にそびえる、〜から超然としている」
  • ascend [əsénd] : 「上がる、登る、上昇する」
❖ "For Christ does ~ "「なぜなら、キリストは、エゴとエゴの為す業の上に立ったのであり、」"and ascends to ~ "「父なる神と王国へと、キリストは昇って行ったのだから」。キリストは天の王国へアセンションした。エゴの支配する幻想世界から目覚めて、神の実相世界へ昇った。



2. Would you join in the resurrection or the crucifixion? Would you condemn your brothers or free them? 
  • join [dʒɔ́in] : 「加わる、参加する」
  • join in : 「〜に加わる、〜に参加する」
  • crucifixion [krùːsəfíkʃən] : 「磔刑、十字架刑」
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める」
  • free [fríː] : 「〜を自由にする、解放する」
❖ "Would you join ~ "「あなたは復活に加わりたいのか、それとも磔刑に加わりたいのか」。"Would you condemn ~ "「あなたはあなたの同胞を非難したいのか、それとも解放してやりたいのか」。エゴかホーリー・スピリット、そのどちらを選択するのか。



Would you transcend your prison and ascend to the Father? These questions are all the same, and are answered together. 
  • transcend [trænsénd] : 「超える、〜を超越する」
  • prison [prízn] : 「監獄、監禁、幽閉」
  • question [kwéstʃən] : 「質問、問題、問い」
  • all the same : 「全く同じで、全く同様で」
  • answer [ǽnsər] : 「〜に答える」
  • together [təgéðər] : 「一緒に、同時に」
❖ "Would you transcend ~ "「あなたは、幽閉状態を超えて、父なる神の下(もと)へと昇って行きたいと思わないのか」。"These questions ~ "「これらの問い掛けはすべて同じであって、同時に答えられるものである」。



There has been much confusion about what perception means, because the word is used both for awareness and for the interpretation of awareness. 
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、混同、混乱状態」
  • both [bóuθ] A and B : 「AもBも両方」
  • awareness [əwéərnəs] : 「認識、気付いていること、意識性」
  • interpretation [intə̀ːrprətéiʃən] : 「解釈、説明、解説」
❖ "There has been ~ "「知覚が何を意味するかということに関して、大いに混乱がある」。"because the word ~ "「なぜなら、言葉というものは、あなたの意識したものに対しても、意識したものの解釈にも使われるからだ」。たとえば、赤い花を見て、あなたはカラーとしての赤を知覚する。と同時に、赤い花を解釈して、花の美しさを知覚することにもなる。いったい自分は赤を知覚したのか花の美しさを知覚したのか、知覚の混乱が生じることになる。またたとえば、同胞の行為を見て、敵と知覚するか神の子と知覚するか、これもまた知覚とその解釈によって混乱が生じる。



Yet you cannot be aware without interpretation, for what you perceive is your interpretation.
  • aware [əwéər] : 「気付いている、承知して」
❖ "Yet you cannot ~ "「しかし、あなたは解釈なしに知ることは出来ない」。"for what you ~ "「なぜなら、あなたが知覚したものが、あなたの解釈なのだから」。知覚がその人の信念に依存するように、知覚はあなたの解釈に依存する。言い換えれば、この世界においては純粋知覚はあり得ない。







Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp

アクセスカウンター