●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-12.II.1:1 ~ T-12.II.2:10

 
II. The Way to Remember God

神の思い出し方
 
 
1. Miracles are merely the translation of denial into truth. If to love oneself is to heal oneself, those who are sick do not love themselves.
  • merely [míə(r)li] : 「ただ単に、単に」
  • translation [trænsléi∫n] : 「翻訳、通訳、言い換え、訳」
  • denial [dinái(ə)l] : 「否定、拒否、拒絶、否認」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理」
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
❖ "Miracles are merely ~ "「奇跡とは単に、否定されたことを真実なるものに翻訳する作業である」。"If to love oneself ~ "「もし、自分自身を愛することが自分自身をヒーリングすることであるなら、」"those who are sick ~ "「病気である者は自分自身を愛しているとは言えまい」。ここい言う病気は肉体的な病気と考える必要はない。幻想の世界を信じていること自体が言わば病気であるのだから。



Therefore, they are asking for the love that would heal them, but which they are denying to themselves.
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する、〜を要する」
  • deny A to B : 「BにAを与えない」
❖ "Therefore, they are asking ~ "「したがって、病気である者は、彼らをヒーリングする愛を求めているのである」。"but which they are ~ "「しかし、彼らは自分自身に愛を与えることを拒んだのである」。病気は愛を求めるサインである。愛を求めていながら、それを拒むという自己矛盾を起こしている。



If they knew the truth about themselves they could not be sick. The task of the miracle worker thus becomes to deny the denial of truth.
  • task [tǽsk] : 「任務、職務、仕事」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • denial [dinái(ə)l] : 「否定、拒否、拒絶、否認」
❖ "If they knew the truth ~ "仮定法過去、「もし彼らが、彼ら自身についての真実を知っているなら、」"they could not ~ "「彼らは病気にはなり得まい」。彼ら自身についての真実とは、彼らが愛を求めているにかかわらず、愛を拒絶していること。"The task of the miracle worker ~ "「こうして、ミラクル・ワーカーの仕事は、真実の拒絶を否定することとなる」。愛を求め、しかし愛を拒絶する同胞の、かたくなな心を開いてあげることが奇跡につながる。真実の拒絶を否定することも愛の一つの形である。



The sick must heal themselves, for the truth is in them. Yet having obscured it, the light in another mind must shine into theirs because that light is theirs.
  • obscure [əbskjúə(r)] : 「〜を暗くする、見えなくする、覆い隠す、曖昧にする」
  • shine [∫áin] : 「輝く、光る」
❖ "The sick must heal ~ "「病気の者は自分自身をヒールするに違いない」。"The sick"は"the + (形容詞)"の形で、「〜な者、〜なこと」。"for the truth is ~ "「なぜなら、真実が彼らの中にあるからだ」。が、手助けは必要だ。"Yet having obscured ~ "分詞構文、理由、「しかし、その真実を曖昧にしているので、」"the light in another ~ "「他者の心の中の光が彼らの心の中を照らさなくてはならない」。"because that light ~ "「なぜなら、その光は彼らのものであるからだ」。心の光は分かち合われることで初めて意味を持つ。互いに互いの心を照らし合うのである。その意味では、あなたの心の光は彼の光でもある。曖昧だった真実を光が照らし、真実を明らかにしてくれる。それがヒーリングでなくて何だろう。



2. The light in them shines as brightly regardless of the density of the fog that obscures it.
  • brightly [bráitli] : 「明るく、晴れやかに、輝いて」
  • regardless [rigɑ́ː(r)dləs] : 「〜にかかわらず、〜に関係なく」
  • regardless of : 「〜にかかわらず」
  • density [dénsəti] : 「密度、密集状態、濃さ、濃度」
  • fog [fɔ́(ː)g] : 「霧、靄、濃霧」
❖ "The light in them ~ "「彼らの中の光が明るく輝き出す」。"regardless of the density ~ "「光を覆い隠す濃い霧にもかかわらず」明るく輝き出す。



If you give no power to the fog to obscure the light, it has none. For it has power only if the Son of God gives power to it.
  • obscure [əbskjúə(r)] : 「〜を暗くする、見えなくする、覆い隠す、〜の輝きを奪う」
❖ "If you give no power ~ "「もしあなたが、光を覆い隠す霧にパワーを与えないなら、」"it has none"「霧は何のパワーももたない」。"For it has power ~ "「なぜなら、神の子が霧にパワーを与えない限り、霧はパワーをもち得ないからだ」。幻想に過ぎない霧が存在することを信じることで霧にパワーを与え、霧はますます濃くなる。しかし、霧の存在を否定することで、霧は消え去る。



He must himself withdraw that power, remembering that all power is of God.
  • withdraw [wiðdrɔ́ː] : 「引っ込める、取り消す、取り下げる」
❖ "He must himself withdraw ~ "「神の子は自ら、そのパワーを引っ込めるに違いない」。"remembering that all ~ "分詞構文、単純接続、「そして、すべてのパワーは神に属するものだと思い出すのだ」。幻想に与えてしまったパワーを、間違いだと気付いて引っ込めてしまえば、幻想は雲散霧消する。パワーは神の実相の世界に属するものであるから、実相において使わなくては意味がないのだ。そのことを、神の子は思い出すだろう。



You can remember this for all the Sonship. Do not allow your brother not to remember, for his forgetfulness is yours.
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する」
  • forgetfulness [fərɡétfəlnis] : 「忘れっぽいこと、健忘症」
❖ "You can remember ~ "「あなたはすべての神の子のために、これを思い出すことができる」。これとは、すべてのパワーが神に属していること。"Do not allow your brother ~ "「あなたの同胞が思い出さないことを許してはならない」。つまり、同胞もまた思い出すことができるようにさせなさい、ということ。"for his forgetfulness ~ "「なぜなら、同胞が忘れているということはあなたが忘れていることだから」。自他一如。あなたが思い出すことで同胞も思い出す。同胞が忘れることであなたも忘れる。



But your remembering is his, for God cannot be remembered alone. This is what you have forgotten.
  • forgotten [fə(r)gɑ́tn] : 「forget の過去分詞形」
  • forget [fə(r)gét] : 「〜を忘れる、見落とす」
❖ "But your remembering ~ "「しかし、あなたが思い出すことは、あなたの同胞が思い出すことでもある」。"for God cannot be ~ "「なぜならば、神は、単独では思い出され得ないからだ」。神は神の子全体が思い出すべきものであって、あなた一人が単独で思い出すようなものではない。"This is what you ~ "「これは、あなたが忘れてしまっていることである」。



To perceive the healing of your brother as the healing of yourself is thus the way to remember God. For you forgot your brothers with him, and God's Answer to your forgetting is but the way to remember.
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • way [wéi] : 「方法、やり方、手段」
❖ "To perceive the healing ~ "「このように、あなたの同胞をヒーリングすることはあなた自身をヒーリングすることであると知覚することは、神を思い出す方法でる」。神を思い出すとは、真実なる実相を思い出すことであって、幻想に捕らわれた病をヒーリングすることにつながる。"For you forgot your ~ "「なぜならば、あなたはあなたの同胞を神と共に忘れていたからであり、」神が忘れていたとは、ACIM特有の主客混交的表現である。神があなたの同胞を忘れていたとは、その同胞が神を忘れていたことを意味する。"and God's Answer ~ "「あなたが忘れていたことに対する神の答えは、思い出す方法であるから」。神を思い出すとは、実相を思い出すこと、あるいは自分が神の子であることを思い出すことである。濃い霧が心を覆って、あなたの同胞はそのことを忘れていた。あなたが心の光を彼に投げ掛けることで、濃い霧は晴れ上がり、彼はあなたと共に神を思い出すのである。心の光は、したがって、神の愛と考えても、神への愛と考えても、あるいは同胞への愛、自分自身への愛と考えてもいいだろう。あるいは、真実を知りたいと思う意思そのものである。
 
 
 

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