●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-14.X.4:1 ~ T-14.X.5:8

4. Perhaps you have been aware of lack of competition among your thoughts, which even though they may conflict, can occur together and in great numbers.

  • perhaps [pə(r)hǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
  • aware [əwéə(r)] : 「気付いている、気が付いて、承知して、知って」
  • be aware of : 「〜を承知している、〜に気付いている、〜を知っている」
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • competition [kàmpətí∫n] : 「競争、争い」
  • among [əmʌ́ŋ] : 「〜の間に、〜のうちで、〜が一緒で」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思考、思索、熟考、考え、見解」
  • even though : 「〜であるけれども、〜であるにしても、〜にもかかわらず」
  • conflict [kənflíkt] : 「衝突する、争う、抵触する、対立する、矛盾する」
  • occur [əkə́ː(r)] : 「起こる、発生する、生じる、現れる、存在する」
  • together [təgéðə(r)] : 「一緒に、同時に」
  • great [gréit] : 「大きい、大きな、巨大な」
  • number [nʌ́mbə(r)] : 「数、数字、順位」
❖ "Perhaps you have been ~ "「多分あなたは、あなたの思考において、競合関係がないことに気づいている」。"which even though ~ "「そして、あなたの思考は、たとえコンフリクトを起こすかも知れないが、一緒に、多数同時に生じることが出来るのである」。難しい言い方をしているが、要するに、いろいろな思いがあなたの頭の中をよぎるであろうが、たとえその思いが正反対で衝突するようなものであっても、同時に多数の思いが衝突せずにあなたの頭の中を走り回っている、ということ。こういう現象はコンピューターでは起きない。脳の回路が柔軟なためか、脳は理性的に、クラッシュ(爆発)を起こさずに、多数の思考を同時に処理しようとするのである。たとえその結果がめちゃくちゃなものでも、何とか形を保って思考を続行する。



You may indeed be so used to this that it causes you little surprise.
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも」
  • be used to : 「〜に慣れている」
  • cause [kɔ́ːz] : 「〜を引き起こす、〜を…にもたらす」
  • surprise [sə(r)práiz] : 「驚き、予期しない驚き、驚くべきこと」
❖ "You may indeed be ~ "ここは"so ~ that ~ "の構文、「実際、あなたはあまりにもこのことに慣れているかも知れないので、」"that it causes you ~ "「あなたは、そんなことに驚きもしない」。あなたの頭の中でごちゃごちゃ考えることに慣れて、それを不思議とも思わない。



Yet you are also used to classifying some of your thoughts as more important, larger or better, wiser, or more productive and valuable than others.
  • classify [klǽsəfài] : 「〜を分類する」
  • important [impɔ́ː(r)t(ə)nt] : 「重要な、重大な、大切な」
  • larger : 「より大きい」
  • better : 「より良い」
  • wiser : 「より賢い」
  • productive [prədʌ́ktiv] : 「産出力のある、生産的な、生産力のある」
  • valuable [vǽljəbl] : 「役立つ、有益な、重要な、貴重な」
❖ "Yet you are also used to ~ "「しかしまた、あなたは、あなたのある思考を、他の思考より、より大きい、より良い、より賢い、より生産性がいい、より価値があるなどと、分類することにも慣れている」。ごちゃごちゃと考えているわりには、したたかに計算して、考えに優劣を付けることにも慣れている。



This is true of the thoughts that cross the mind of those who think they live apart.
  • be true of : 「〜についてもいえる、〜に当てはまる」
  • cross [krɔ́(ː)s] : 「〜を横断する、渡る」
  • live apart : 「別々に住む、別れて暮らす」
❖ "This is true of the thoughts ~ "「このことは、ばらばらに暮らしていると思っている者たちの心をよぎる思いについても当てはまる」。あなただけでなく、同胞もまた、ごちゃごちゃと考えているわりには、したたかに計算して、考えに優劣を付けることに慣れている。自他一如であるから、あなたが考えていることは他者も考えている。神の子の心は、一見、分裂しているかに見えるが、実相世界で眠りに陥っている心は単一の、一なる心(Mind)なのだ。



For some are reflections of Heaven, while others are motivated by the ego, which but seems to think.
  • reflection [riflék∫n] : 「反射、反映、現れ、しるし、兆候」
  • while [(h)wáil] : 「〜だが、〜とはいえ、しかし一方」
  • motivate [móutəvèit] : 「動機付けをする、動かす、刺激する」
❖ "For some are reflections ~ "「なぜなら、思いのいくつかは天の王国の反映であり、」"while others are ~ "「一方、他の思いはエゴに動機づけられているからだ」。"which but seems ~ "「そして、そのエゴは、(どうやら自分では)考えていると思っているらしい」。同胞を含め、あなたの思考を構成する数々の思いは、あるものは実相世界の反映で正しいものであり、またあるものはエゴに影響を受けた偽りの思いである。しかも、そのエゴは、自分では正しく思考していると思っている。このように、我々の思考はホーリー・スピリットとエゴの影響を受けているものであるから、多数の同胞たちの思考が似通ってくるのは当たり前である。さらに、ホーリー・スピリットとエゴの二元論的な思考にならざるを得ず、我々の思考はコンフリクトを起こし、ごちゃごちゃとまとまりを欠いてしまう。その状況を、頭脳としての理性が統御しようとするのだが、はなはだ限界があるようだ。



5. The result is a weaving, changing pattern that never rests and is never still.
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果」
  • weave [wíːv] : 「曲がりくねって進む」
  • pattern [pǽtə(r)n] : 「傾向、模様、パターン、型、形態」
  • rest [rést] : 「静止する、休む、休息する、休憩する」
  • still [stíl] : 「静止した、じっとした、動かない」
❖ "The result is a weaving ~ "「その結果、(思考は)曲がりくねり、ころころ変わるパターンを描き、休むこともなければ、じっととどまることもない」。瞑想を経験した人はわかるだろうが、思考を停止しようとしても、頭の中の雑多なおしゃべりはなかなか静まるものではない。しかも、その雑多なおしゃべりは、あっちに行ったりこっちへ飛んだり、まるでピンポン球のように落ち着きを完全に欠いている。



It shifts unceasingly across the mirror of your mind, and the reflections of Heaven last but a moment and grow dim, as darkness blots them out.
  • shift [∫íft] : 「変わる、移る、転換する」
  • cease [síːs] : 「終わる、やむ、止まる、停止する」
  • unceasing : 「絶え間ない、絶えない、ひっきりなしの」
  • unceasingly : 「絶え間なく、絶えず、ひっきりなしに」
  • across [əkrás] : 「〜を横切って、〜を横断して、〜にわたって、〜の全域で」
  • last [lǽst] : 「続く、存続する、持続する」
  • a moment : 「ちょっと、すぐに」
  • grow [gróu] : 「〜の状態になる、成長する」
  • dim [dím] : 「ぼやけた、ぼんやりとした、薄暗い」
  • darkness [dáː(r)knəs] : 「暗さ、暗がり、暗闇」
  • blot [blát] : 「〜に染みをつける、汚点をつける、〜を汚す」
  • blot out : 「覆い隠す、抹消する、削除する、消し去る」
❖ "It shifts unceasingly ~ "「思いは絶えずあなたの心の鏡をよぎって移り変わる」。"and the reflections of Heaven ~ "「天の王国を反映する思いがちょっとの間続いたと思うと、次の瞬間には、闇がその思いをかき消して、思いはぼやけてしまうのである」。



Where there was light, darkness removes it in an instant, and alternating patterns of light and darkness sweep constantly across your mind.
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間」
  • in an instant : 「一瞬のうちに」
  • alternating = alternate [ɑ́ːltə(r)nət] : 「代わりの、代わる代わるの、交互の、交代の」
  • sweep [swíːp] : 「サッと通る、吹き荒れる、まん延する、襲う」
  • constantly [kánst(ə)ntli] : 「絶えず、しきりに、絶え間なく、常に」
❖ "Where there was ~ "「光があったと思ったら、」"darkness removes ~ "「一瞬のうちに、闇が光をかき消してしまう」。本当は、闇は光を払拭出来ないのだが、光が消えて、闇が出現する、という意味合いである。"and alternating patterns ~ "「光と闇が代わる代わる交代するというパターンが、絶え間なくあなたの心に去来する」。ホーリー・スピリットの思考パターンとエゴの思考パターンがくるくると目まぐるしく行き来するのである。



The little sanity that still remains is held together by a sense of order that you establish.
  • sanity [sǽnəti] : 「正気、健全さ」
  • remain [riméin] : 「残る、残存する、とどまる、滞在する」
  • hold together : 「まとめる、団結させる」
  • sense [séns] : 「感覚、感覚能力、良識、分別、道理」
  • order [ɔ́ː(r)də(r)] : 「秩序、道理、序列」
  • establish [istǽbli∫] : 「確立する、達成する、樹立する」
❖ "The little sanity that ~ "「残存するわずかの正気さが、あなたが確立した秩序感覚のおかげで、保持されている」。あなたの頭脳的な理性が秩序を保とうとして、かろうじて正気を維持している。



Yet the very fact that you can do this, and bring any order into chaos shows you that you are not an ego, and that more than an ego must be in you.
  • very [véri] : 「まさに、まさしく、極めて、大変」
  • fact [fǽkt] : 「事実、現実、真実、実際、真相」
  • bring [bríŋ] : 「〜を連れて来る、〜を持って来る」
  • chaos [kéiɑs] : 「無秩序、混乱、混沌」
  • more than: 「〜を超える、〜より多い、〜を上回る、〜より大きい」
❖ "Yet the very fact that ~ "「しかし、あなたがそう出来るという、そして、混沌の中に秩序を持ち込めるという、まさにその事実が、あなたに、あなたは(単なる)エゴではないのだということ、」"and that more than ~ "「そして、エゴ以上のものがあなたの心の中にあるに違いないということを示しているだ」。エゴ以上のものとは、もちろん、ホーリー・スピリットのこと。



For the ego is chaos, and if it were all of you, no order at all would be possible.
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
  • possible [pásəbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る、なし得る」
❖ "For the ego is chaos ~ "ここは仮定法過去、「なぜなら、エゴは混沌であり、もし、エゴがあなたのすべてであったら、」"no order at all ~ "「秩序はまったく不可能であるからだ」。わずかな正気さとわずかの秩序ではあるが、それがあるということは、エゴに完全には支配されていない証拠である。あなたに理性があり、さらに大切なことは、あなたの心にホーリー・スピリットが住んでいる、という証拠である。



Yet though the order you impose upon your mind limits the ego, it also limits you. To order is to judge, and to arrange by judgment. Therefore it is not your function, but the Holy Spirit's.
  • though [ðóu] : 「〜にもかかわらず、たとえ〜でも、〜とはいえ」
  • impose [impóuz] : 「強いる、課す、負わす、かける、与える」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
  • order [ɔ́ː(r)də(r)] : 「〜を順序付ける、整える、整理する、〜を命令する、命じる」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を審判する、審査する」
  • arrange [əréin(d)ʒ] : 「〜をきちんと並べる、整える、配置する、配列する」
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
  • function [fʌ́ŋ(k)∫n] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
❖ "Yet though the order you ~ "「しかし、あなたがあなたの心に与えた秩序がエゴを制限するとはいえ、」"it also limits ~ "「エゴもまた、あなたを制限する」。"To order is ~ "「秩序を与えるということは、判断することであり、判断によって配列することである」。"Therefore it is not ~ "「したがって、それはあなたの役割ではなく、ホーリー・スピリットの役割なのである」。あなたは理性的判断によって、かろうじて秩序を保っているが、本来、判断とはあなたが下すべきものではなく、ホーリー・スピリットに任せるべきものである。なぜなら、実相世界から乖離したあなたには、理性を超えた正しい判断を下すだけの力量がないからである。叡智を忘れてしまったのだ。この点を間違えると、理性至上主義に陥ってしまうだろう。
 
 
 

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