●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-14.XI.4:1 ~ T-14.XI.5:6

4. You who have not yet brought all of the darkness you have taught yourself into the light in you, can hardly judge the truth and value of this course.

  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜を持って行く、を連れて行く」
  • darkness [dáː(r)knəs] : 「暗さ、暗がり、暗闇」
  • taught [tɔ́ːt] : 「teach の過去・過去分詞形」
  • hardly [háː(r)dli] : 「ほとんど〜ない、とても〜ない」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁く、裁判する」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価」
❖ "You who have not yet ~ "「あなたがあなた自身に教えた闇のすべてを、まだあなたの心の中の光の中へ持って行っていないあなたは、」"can hardly judge ~ "「このコース(ACIM)の真実も価値もほとんど判断出来ないのだ」。"all of the darkness you have taught yourself"「あなたがあなた自身に教えた闇のすべて」とは、神を裏切って神から分離したことに対する罪の意識。さらに、神の罰を恐れ、その重圧から逃れるために自己を乖離し、幻想世界を投射した事実。あなたが深い眠りの中で夢見ている幻想のすべて。そのすべてを、あなたの心の最も神聖で、純粋な部分、光り輝く部分、ホーリー・スピリットとキリストが住まう部分に持って来ることさえ出来たなら、ホーリー・スピリットはそのすべてを取り消しにし、あなたは光の中で目覚め、実相世界に回帰できるのであるが・・・。その回帰を実現させてくれるのがこのACIMである。しかし、その真価も真実も、眠っているあなたには理解できない。



Yet God did not abandon you. And so you have another lesson sent from him, already learned for every child of light by him to whom God gave it.
  • abandon [əbǽndən] : 「捨てる、遺棄する、見捨てる、捨て去る」
  • another [ənʌ́ðə(r)] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • sent [sént] : 「send の過去・過去分詞形」
  • send [sénd] : 「送る、発送する、届ける、送信する」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み、前々から」
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、暗記する、覚える、習う、〜を知る、分かる」
❖ "Yet God did ~ "「しかし、神はあなたを見捨てたりしなかった」。"And so you have ~ "「そこで、あなたには、神から送られたまた別のレッスンがある」。"already learned for ~ "「そのレッスンは、光の子のすべてのためにすでに学ばれたものである」。"by him to whom ~ "「神がそのレッスンを与えた彼によって、」すでに学ばれたものである。さて、難解である。彼とは誰か? 神か、神の子か・・・。また、ACIMとは別のレッスンとは何か? 確かに、ここの"him"は、神かもしれない。しかし、文の内容から言って、イエス・キリストと考えるのが妥当であるように思えてくるのは私だけだろうか? 実相世界から見れば、すべては神に帰着し、神もイエスもホーリー・スピリットも神の子も同一の存在になってしまう。しかし、幻想世界の我々は、残念ながら、区別のつかないものをあえて区別して解釈しなくてはならない。そこで、文脈の真意からの逸脱を覚悟して、あえて次のように深読みしてみよう。神は神の子を見捨てなかった。このコースとは別のレッスンを与えた。ここまでは原文通りでいいだろう。それは、すべての光の子のために、神によってイエス・キリストに与えられたものであり、イエスによって学ばれたレッスンである。それは何か? 磔刑からの復活である。ACIMによると、磔刑に意味はない。復活こそが学ばれるべきレッスンのすべてである。本当は、イエスの復活というレッスンを通して、あの時点で、すべての神の子が真実に気付き、知るべきものであったはずだ。しかし、2000年の長きにわたって、神の子は眠りから目覚めようとはしなかった。そこで、神は、イエスの言葉を通してこのACIMを我々にレッスンとして与えた。だが、繰り返しになるが、レッスンの発端はすべてイエスの復活にある。極言すれば、ACIMのすべてはイエスの復活に隠されているのである。イエスが、我々すべての神の子のために学んだ復活を、真摯に学び返す時代がACIMによってもたらされたと言っていいのではないだろうか。イエスの復活は、正統派のキリスト教の教義には反するが、肉体の復活ではない。肉体は幻想であり無であることを、イエスは復活によって我々に知らしめたと見るべきだ。肉体が幻想であり実在するものでないことを受け入れれば、この世界が幻想であることの認識に、素直に直結する。この世界が幻想世界であることの動かぬ証拠となるのだ。では、なぜイエスは復活できたのか? それは、イエスが、自分は完全に無辜(むこ)であることを全身全霊で知ったからである。無辜(むこ)であるから死は無いと知ったのである。肉体もなく、死もなく、恐れも痛みさえも無いのだ。磔刑による死さえも幻想であり、復活だけが意味をもつ。完全なる無辜の神の子であると再自覚し、神の愛を全身に浴びた神の子として晴れ晴れと蘇生したのである。神の世界、実相世界、天の王国に回帰した、その晴れ姿であると言っていい。そして、神と合一し、神と一元一如になったその証拠と、そして、すべての神の子の運命を復活を通して学びとり、我々に晴れやかな笑顔で知らしめたのである。こういうとらえ方をしない限り、イエスの磔刑と復活は意味をもたない。それをとらえ損なうとACIMは意味をもたない。とらえ損なった結果が2000年間のキリスト教の不毛であったのだ。そう思えてきてしかたがない。



This lesson shines with God's glory, for in it lies his power, which he shares so gladly with his Son.
  • shine [∫áin] : 「輝く、光る」
  • glory [glɔ́ːri] : 「栄光、称賛、名誉、誇り、壮観、荘厳」
  • lie [lái] : 「ある、横たわる、寝る、横たわっている」
  • share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • gladly [glǽdli] : 「喜んで」
❖ "This lesson shines ~ "「このレッスンは神の栄光とともに輝いている」。神の愛、神の真実とともに輝きを放っている。"for in it lies ~ "「なぜならその中に、神のパワーがあるからだ」。"which he shares ~ "「そのパワーを、神は神の子と、喜んで分かち合っている」。神はパワーを独り占めしない。神は神の子に神の属性のすべてを継承させ、そのすべてを分かち合っているのである。それは、神の喜びである。



Learn of his happiness, which is yours. But to accomplish this, all your dark lessons must be brought willingly to truth, and joyously laid down by hands open to receive, not closed to take.
  • learn of : 「〜を知る」
  • happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
  • accomplish [əkámpli∫] : 「成し遂げる、果たす、成就する、達成する」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜を連れて行く、〜を持って来る」
  • willingly [wíliŋli] : 「喜んで、進んで、積極的に、快く」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • joyously [dʒɔ́iəsli] : 「喜んで、嬉しげに、楽しげに」
  • laid [léid] : 「lay の過去・過去分詞形」
  • lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
  • lay down : 「下に置く、横にする、横たえる」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
❖ "Learn of his ~ "「神の幸せを知りなさい」。"which is ~ "「その幸せはあなたの幸せでもあるのだ」。"But to accomplish ~ "「しかし、それを果たすには、あなたの闇のレッスンのすべてを、真実の元へと喜んで持って行かなくてはならない」。幻想の世界で学んだレッスンのすべてを、実相世界の光に当てなくてはならない。虚偽の闇を真実の光で払拭するためにだ。"and joyously laid ~ "「そして、喜びをもって、真実を受け取るために両手を広げ、闇のレッスンを真実の下へ置かなくてはならない」。"not closed ~ "「真実を手にするために、両手を閉じるのではなく」。



Every dark lesson that you bring to him who teaches light he will accept from you, because you do not want it.
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
❖ "Every dark lesson that ~ "「あなたが、光を教えてくれるホーリー・スピリットの元へ持って行く闇のレッスンのすべてを、」"he will accept ~ "「ホーリー・スピリットはあなたから受け取ってくれるだろう」。"because you ~ "「なぜなら、闇のレッスンなど、あなたは望んでいないからだ」。あなたに不必要なものを、ホーリー・スピリットは安全に処理してくれる。あなたの手に余るものは、ホーリー・スピリットに任せてしまえばいいのだ。ACIMの絶対他力性が見受けられるカ所である



And he will gladly exchange each one for the bright lesson he has learned for you.
  • exchange [ikst∫éin(d)ʒ] : 「〜を交換する、〜を両替する」
  • bright [bráit] : 「輝く、輝いている、るい、晴れた」
❖ "And he will gladly ~ "「そうすれば、ホーリー・スピリットは、闇のレッスンを、あなたのために知っている輝くレッスンと喜んで交換してくれるだろう」。簡単に言えば、闇のエゴの思考システムを、ホーリー・スピリットの思考システムと入れ替えてくれるわけだ。



Never believe that any lesson you have learned apart from him means anything.
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
❖ "Never believe that any ~ "「ホーリー・スピリットから離れてあなたが学んだいかなるレッスンも、何らかの意味があるなどと信じてはいけない」。ホーリー・スピリットから離れて学んだレッスンは真実からかけ離れているから、意味を持たないのだ。エゴの思考システムを学んでも意味がない。そんなものは信じるに足りない。捨ててしまえ、ということになる。



5. You have one test, as sure as God, by which to recognize if what you learned is true.
  • test [tést] : 「テスト、試験、検定、検査、試金石」
  • sure [∫úə(r)] : 「信頼できる、当てになる、確信している」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • if : 「〜かどうか」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "You have one ~ "「あなたには一つの試金石がある、神と同じくらい確実な試金石である」。"by which to recognize ~ "「それによって、あなたが学んだことが本当なのかどうか認識するためである」。



If you are wholly free of fear of any kind, and if all those who meet or even think of you share in your perfect peace, then you can be sure that you have learned God's lesson, and not your own.
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • be free of : 「〜がない、免除されている」
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
  • of any kind : 「いかなる種類の」
  • meet [míːt] : 「〜に会う、〜と会合する、〜と接触する」
  • think of : 「〜のことを考える」
  • share in : 「〜を分かち合う、〜を共有する」
  • perfect [pə́ː(r)fikt] : 「完璧な、完全な」
  • sure [∫úə(r)] : 「確信して、確信している、固く信じている」
❖ "If you are wholly free ~ "「もしあなたが、いかなる種類の恐れからも完全に自由であり、」"and if all those who ~ "「そして、あなたに出会った人たち、あなたのことを思う人たちが、あなたの完璧な平和を分かち合えるのなら、」"then you can be sure ~ "「その時こそ、あなたはthat以下を確信することが出来るのだ」。"that you have ~ "「あなたは、決してあなた自身のレッスンではなく、神のレッスンを学んだのだ」と確信することが出来る。恐れから完全に自由になるには、自分が完全に無辜(むこ)であるという認識がなければならない。それは、自分が幻想世界の住人ではなく、実相世界の住人であることの認識に結びつく。つまり、自分が神と共に実在している事実を認識することである。



Unless all this is true, there are dark lessons in your mind that hurt and hinder you, and everyone around you.
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • hurt [hə́ː(r)t] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える」
  • hinder [híndə(r)] : 「妨げる、妨害する、邪魔する、遅らせる」
  • around [əráund] : 「〜の周りに、〜の周囲に」
❖ "Unless all this ~ "「このことが本当のことにならない限り、」"there are dark lessons ~ "「あなたも、あなたの周りの者も傷つけ、邪魔立てする闇のレッスンが、あなたの心の中に存在することになる」。あなたが恐れから完璧に自由にならない限り、あなたの心の中には、自分には罪があるという意識が、闇のレッスンの結果として存在する。逆に、自分が完全に無辜(むこ)であると知ったとき、あなたはどんな恐れからも解放される。



The absence of perfect peace means but one thing: You think you do not will for God's Son what his Father wills for him.
  • absence [ǽbs(ə)ns] : 「不足、欠乏、欠如、欠席、不在、留守」
  • will : 「〜を望む、意図する、命ずる、決意する」
❖ "The absence of ~ "「完全な平和が欠如していることは、たった一つのことを意味する」。それは、"You think you ~ "「父なる神が神の子のためを思って望んでいることを、あなたは神の子のためを思って望んでいないと考えている」ことである。神は神の子の完全無辜性を知っているし、神の子にそれを知って欲しいと望んでいる。しかし、あなたがあなた自身の無辜性を知りたいと望んでいないから、あなたには完全な平和が欠如しているのである。



Every dark lesson teaches this, in one form or another.
  • form [fɔ́ː(r)m] : 「形、外形、構造、姿、体つき、外見」
  • another [ənʌ́ðə(r)] : 「もう一つの、もう一つ、別の、ほかの」
  • in one form or another : 「あれやこれやの、どのような形にせよ」
❖ "Every dark lesson ~ "「すべての闇のレッスンは、いろんな形で、このことを教えている」。神が神の子のために望んでいることを、あなた自身は望んでいないと、闇のレッスンは教えるのである。つまり、あなたは神を裏切った罪作りな人間であって、無辜性からはほど遠いと闇のレッスンはあなたに教える。お分かりのように、闇のレッスンの指導者はエゴである。



And each bright lesson with which the Holy Spirit will replace the dark ones you do not accept, teaches you that you will with the Father and his Son.
  • bright [bráit] : 「輝く、輝いている、光っている、明るい、晴れた」
  • replace [ripléis] : 「〜を取り換える、交換する、差し替える」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
❖ "And each bright lesson ~ "「ホーリー・スピリットが、あなたの容認しない闇のレッスンと入れ替えに交換してくれる輝くレッスンの一つ一つは、」"teaches you that ~ "「あなたに、父なる神と神の子と共にあなたも望んでいるのだと、教えてくれるのである」。あなた自身も、神や神の子同様、無辜であると知ることを望んでいるのだと、ホーリー・スピリットの輝くレッスンは教えてくれる。
 
 
 

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