●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-15.V.4:1 ~ T-15.V.5:8

4. Because of guilt, all special relationships have elements of fear in them.

  • because of : 「〜のために、〜のせいで」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • special [spé∫l] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • element [éləmənt] : 「成分、要素」
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
❖ "Because of guilt, all special ~ "「罪の意識があるせいで、すべての特別な関係は、その中に、恐れの要素を持っている」。神の子の心の分離分裂を促進する特別な関係は、分離を孕(はら)んでいるゆえに罪の意識を囲いこんでいる。なぜなら、神を裏切って神からの分離したことで罪の意識を抱き、その罪の意識に耐えきれなくなって、神の子は自己を乖離し、心を分裂させたのだから。そして、その罪の意識は、いずれ神によって罰せられるだろうという恐れにつながるのである。



This is why they shift and change so frequently. They are not based on changeless love alone.
  • shift [∫íft] : 「変わる、移る、転換する」
  • change [t∫éin(d)ʒ] : 「変わる、変化する、変遷する」
  • frequently [fríːkwəntli] : 「頻繁に、しばしば、たびたび、やたらに、しきりに」
  • be based on : 「〜に基づいている」
  • changeless [tʃéindʒlis] : 「変化のない、不変の」
  • alone [əlóun] : 「独りで、単独で」
❖ "This is why they shift ~ "「これが、特別な関係がたびたび変化変動する理由である」。特別な関係がその内側に隠し持つ罪の意識と恐れから目先をそらすために、常時、変化するのである。"They are not based on ~ "「特別な関係は、不変の愛だけに基づいているのではない」。"changeless love"「変化しない愛」とは、つまり、実相世界の永遠不変の愛のこと。特別な関係は、実相世界の愛とは無縁である。結局、幻想世界の、単なる夢の出来事に過ぎないのだ。だから、節操なくころころと変わるのである。



And love, where fear has entered, cannot be depended on because it is not perfect.
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
  • enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • depend [dipénd] on : 「〜に頼る、〜を当てにする」
  • perfect [pə́ː(r)fikt] : 「完璧な、完全な」
❖ "And love, where fear ~ "「恐れが入り込んだ愛は、完全ではないので、頼りにならない」。ここの"perfect"は、実相世界の愛のように、対極概念を持たない純粋な、という意味合い。



In His function as Interpreter of what you made, the Holy Spirit uses special relationships, which you have chosen to support the ego, as learning experiences that point to truth.
  • function [fʌ́ŋ(k)∫n] : 「職務、役割、機能、作用、働き」
  • interpreter [intə́ː(r)prətə(r)] : 「通訳者、解釈者、解説者、通訳」
  • chosen [t∫óuzn] : 「choose の過去分詞形」
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • support [səpɔ́ː(r)t] : 「〜を支える、支援する、援助する、支持する」
  • learning [lə́ː(r)niŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • experience [ikspí(ə)riəns] : 「経験、体験、見聞」
  • point to : 「〜を指し示す、〜に向かせる」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "In His function as ~ "「ホーリー・スピリットには、あなたが作ったものを翻訳し直すという役割があるが、そのホーリー・スピリットは、あなたがエゴを支持する選択をしたことで成立した特別な関係を、真実に向かわせるための学びの経験として利用するのである」。文章が長いので、区切りながら読むこと。要点を言えば、ホーリー・スピリットは、あなたが作った特別な関係を、頭ごなしに否定したりしない。その、エゴを支持する、ということは分離を促進する特別な関係を、再解釈して学びのためのデバイスに変え、真実の愛に基づく真実の関係に昇華させるのである。ちょうど、幻想である時間を学びの補助装置としてホーリー・スピリットが利用するのと同じ構図である。



Under His teaching, every relationship becomes a lesson in love.
  • under [ʌ́ndə(r)] : 「〜に基づいて、〜の下で」
❖ "Under His teaching ~ "「ホーリー・スピリットの教えのもとでは、すべての関係は、愛を学ぶレッスンになるのである」。もちろん、ここの愛は、実相世界の愛のことで、嫌悪や憎悪といった対極概念をもたない純粋な、そして完全、平等な愛のこと。神の愛と言い直してもいい。



5. The Holy Spirit knows no one is special. Yet He also perceives that you have made special relationships, which He would purify and not let you destroy.
  • special [spé∫l] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
  • also [ɔ́ːlsou] : 「〜もまた、同様に、また」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • purify [pjú(ə)rəfài] : 「〜を浄化する、きれいにする、〜を清める、〜を純正にする」
  • destroy [distrɔ́i] : 「破壊する、崩壊させる、〜を滅ぼす」
❖ "The Holy Spirit knows ~ "「ホーリー・スピリットは、誰ひとりとして特別なことはないと知っている」。"Yet He also perceives ~ "「しかし、ホーリー・スピリットは、あなたが特別な関係を作ってしまったこともまた、知っている」。"which He would ~ "「そして、その特別な関係をホーリー・スピリットは浄化するのであって、あなたにその特別な関係を破壊させたりはしない」。幻想世界の愛を破壊するこなく、それを実相世界の愛へと昇華させようとするのである。夢の中の愛を、現実の愛とするのである。



However unholy the reason you made them may be, He can translate them into holiness by removing as much fear as you will let Him.
  • however [hauévə(r)] : 「どんなに〜でも、いかに〜であろうとも」
  • unholy : 「不信心な、不敬な、不道徳な」
  • translate [trænsléit] : 「〜の形を変える、〜を翻訳する、解釈する、見て取る」
  • holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
❖ "However unholy the reason ~ "「たとえ、あなたが特別な関係を作った理由が神聖なものでなかったとしても、」"He can translate them into ~ "「ホーリー・スピリットは、〜することで、それらを神聖なものへ翻訳することが出来るのである」。神聖でないものを神聖なものへ質転換してくれる。"by removing as much ~ "「あなたが恐れをホーリー・スピリットに委ねた分だけ、それを除去することで」。幻想世界に囚われたあなたがどんなにあがいても、あなた一人では、特別な関係を昇華し、実相世界の神聖な関係に質転換することは出来ない。絶対他力によって、ホーリー・スピリットにその仕事を委ねるべきなのだ。



You can place any relationship under His care and be sure that it will not result in pain, if you offer Him your willingness to have it serve no need but His.
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
  • care [kéə(r)] : 「世話、介護、手入れ、配慮、注意」
  • sure [∫úə(r)] : 「確信して、確信している、固く信じている」
  • result [rizʌ́lt] : 「生じる、起こる、終わる、帰着する、〜の結果となる」
  • result in : 「〜をもたらす、〜に終わる」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛、苦痛、骨折り、苦労」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • willingness [wíliŋnis] : 「意欲、いとわずにすること、やる気」
  • serve [sə́ː(r)v] : 「〜を供給する、〜に役立つ」
  • serve a need : 「要求を満たす」
❖ ここは後ろから解釈しよう、"if you offer Him your ~ "意訳すると、「もしあなたがホーリー・スピリットに、いかなる関係をも改善したいというホーリー・スピリットの要求を満たしたいと思うあなたの気持ちをホーリー・スピリットに差し出したなら、」つまり、ホーリー・スピリットの要求を快く受け入れて、あなたが作った関係をホーリー・スピリットに委ねるなら、という意味。"You can place any relationship ~ "「あなたは、どんな関係をも、ホーリー・スピリットの介護下に置くことが出来、」"and be sure that ~ "「その関係が決して痛みに終わることはないという確信を得ることが出来るのだ」。幻想の関係は、遅かれ早かれ崩壊し、心の痛みに帰結する。しかし、幻想の関係をホーリー・スピリットが実相の真の関係に昇華してくれることで、関係は崩壊することなく、結果、心の痛みにつながることはない。



All the guilt in it arises from your use of it. All the love from His.
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
  • use [júːs] : 「使うこと、利用、使用、役立つこと、効用」
❖ "All the guilt in it ~ "「特別な関係の中にある罪の意識のすべては、あなたがそれを利用することから生じる」。非常に難し言い方をしているが、要するに、あなたが特別な関係を利用することで得られるものは罪の意識だけだ、ということ。"All the love ~ "「ホーリー・スピリットがあなたの特別な関係を利用すれば、愛が生じる」。あなたが特別な関係をホーリー・スピリットに委ねてしまえば、ホーリー・スピリットはその特別な関係を使って、あなたに真の愛を教えてくれる、ということ。



Do not, then, be afraid to let go your imagined needs, which would destroy the relationship. Your only need is His.
  • afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって」
  • be afraid to do : 「〜するのを怖がる、怖がって〜しない」
  • imagine [imǽdʒin] : 「想像する、思う、心に描く、推測する、仮定する」
  • destroy [distrɔ́i] : 「破壊する、崩壊させる、〜を滅ぼす」
❖ "Do not, then, be afraid ~ "「よって、あなたが必要だと想像したことを手放すことを恐れてはいけない」。あなたは特別な関係を自分には必要だと想像した。なぜなら、こんなに自分が孤独なのは他者との関係が希薄なせいだと思い、特別な異性と特別な感情を作り出せれば、孤独は解消すると想像したからだ。しかし、その思いもホーリー・スピリットに委ねてしまえ、と言っている。"which would destroy ~ "「あなたが想像した必要性は、関係を破壊してしまうだろう」。必要だと思って作った関係でも、必要ないと思う時が来れば、簡単に崩壊してしまう。浮世の色恋沙汰は流れて消えてゆくものである。"Your only need ~ "「唯一あなたが必要とすることは、ホーリー・スピリットが必要とすることである」。短い文章だが意味は深い。つまり、ホーリー・スピリットが必要と感じることだけを、あなたは必要とすべきだ、という意味である。ホーリー・スピリットは実相世界に実在する真の愛があなたには必要だと思っているのだから、あなたは実相世界の真の愛を必要とすべきなのだ。幻想世界の、おもちゃの愛に満足するようではいけない。
 
 
 

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