●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-18.II.3:1 ~ T-18.II.4:7

3. You do not find the differences between what you see in sleep and on awaking disturbing.

  • find [fáind] [SVOC] : 「〜であることが分かる、〜に気付く、〜と思う、〜と感じる」
  • difference [díf(ə)r(ə)ns] : 「違い、差異、相違」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間の」
  • awake [əwéik] : 「目が覚める、眠りから起きる」
  • disturbing [distə́ːrbiŋ] : 「心をかき乱すような、動揺させる、不安にさせるような」
❖ "You do not find ~ "「あなたは、〜の間の違いが心をかき乱すようなことはないと感じている」。動詞(V)"find"の目的語(O)が"the differences"、補語(C)が"disturbing"となっている。"between what you see ~ "「眠っていて見るものと、起きていて見るものの間の」違いが心をかき乱すことはないと感じている。我々は、夢と現実の違いを気にしていない。同様に、普段の生活においては、幻想と実相の違いが心を煩らわせることもない。



You recognize that what you see on waking is blotted out in dreams.
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • waking [wéikiŋ] : 「覚醒」
  • blot out : 「消し去る、完全にぬぐい去る、抹消する、削除する、覆い隠す」
❖ "You recognize that ~ "「あなたは、覚醒時に見るものが、夢の中では消されてしまうのを知っている」。現実がそのままの形で夢の中に入り込むことはない。夢の中で繰り広げられる騒動は現実ではなく、空想に過ぎない。たとえば、現実では、他者によって攻撃されたあなたは、夢の世界ではその事実がかき消され、あなたが他者を攻撃することになる。



Yet on awakening, you do not expect it to be gone. In dreams you arrange everything.
  • expect [ikspékt] : 「予期する、期待する、待つ、楽しみにする」
  • gone [gɔ́(ː)n] : 「go の過去分詞形」
  • arrange [əréin(d)ʒ] : 「整える、配置する、配列する、準備する、用意する、手配する、取り計らう」
❖ "Yet on awakening, you ~ "「しかし、起きているときは、あなたは、覚醒時に見るものを消したりしようとは思うまい」。消したり出来ないことを知っているからだ。しかし、"In dreams you ~ "「夢の中にあっては、あなたはあらゆるものをアレンジするのである」。夢の中で、あらゆるものを勝手に作り変え、配置替えするのだ。



People become what you would have them be, and what they do you order.
  • become [bikʌ́m] : 「~になる」
  • order [ɔ́ː(r)də(r)] : 「指図する、命令する」
❖ "People become what ~ "「(夢の中の)人々は、あなたがそうなって欲しいと思う者になる」。"and what they do ~ "「あなたは、夢の中の人々がなすべきことを命ずるのである」。夢の中で、登場する人物達は、あなたの操り人形となる。



No limits on substitution are laid upon you. For a time it seems as if the world were given you, to make it what you wish.
  • limit [límit] : 「限度、制限、極限」
  • substitution [sʌ̀bstətjúːʃən] : 「代用、代用品、置き換え、置換」
  • laid [léid] : 「lay の過去・過去分詞形」
  • lay [léi] : 「~を横たえる、~を置く」
  • for a time : 「当分、一時の間、当面は」
  • as if : 「あたかも~かのように、~と言わぬばかりに、~のように」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • wish [wí∫] : 「望む、祈る」
❖ "No limits on substitution ~ "直訳すると、「代用に対するいかなる制限も、あなたの上にはない」。つまり、あなたは無制限に代用出来る。現実の世界で叶わなかったことを、夢の世界で代用して叶えるのである。"For a time it seems ~ "「しばらくの間は、まるでこの世界が、あなたに与えられているかのように思え、あなたの望み通りに出来ると感じる」。



You do not realize you are attacking it, trying to triumph over it and make it serve you.
  • realize [ríːəlàiz] : 「~に気が付く、悟る、自覚する、実感するs」
  • attack [ətǽk] : 「~を襲う、~を攻撃する、~を非難する」
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • triumph [tráiəmf] : 「勝利を収める、成功する」
  • triumph over : 「〜を打ちまかす」
  • serve [sə́ː(r)v] : 「〜に仕える、〜のために働く」
❖ "You do not realize ~ "「あなたは、夢の世界を攻撃し、それを打ち負かして、あなたに仕えされようとしているのだと、知る由もない」。あなたは、夢の世界を独裁しようとしている。それがどんな形を取るにしても、独裁と支配は攻撃である。結局、あなたは夢の世界で何をしているのかというと、単にエゴに踊らされているのだ。エゴに唆(そそのか)されて、現実への復讐をしているのである。



4. Dreams are perceptual temper tantrums, in which you literally scream, "I want it thus! "And thus it seems to be.
  • perceptual [pə(r)sépt∫u(ə)l] : 「知覚の、知覚による」
  • temper [témpə(r)] : 「気分、機嫌、気質、気性、性質」
  • tantrum [tǽntrəm] : 「かんしゃく、不機嫌、立腹」
  • literally [lít(ə)rəli] : 「文字どおり、事実上、本当に、まさに」
  • scream [skríːm] : 「鋭い叫び声を上げる、金切り声を出す、悲鳴を上げる」
  • thus [ðʌ́s] : 「このようにして、こんなふうに」
❖ "Dreams are perceptual ~ "「夢は、知覚的なかんしゃく気質である」。難しい言い回しであるが、要するに、現実の生活における抑圧に対して、それを相殺すべく夢を見るのである。つまり、抑圧されたことを解放しようと、夢に映像的な(知覚的な)復讐劇を見るのである。その心的状況はヒステリック(かんしゃく気質的)である。"in which you literally ~ "「その夢の中で、あなたは文字通り、『私は(世界が)こうなって欲しいのだ』と叫ぶ」。"And thus it ~ "「そして、夢の世界は、そうなったかに見えるのである」。



And yet the dream cannot escape its origin. Anger and fear pervade it, and in an instant the illusions of satisfaction is invaded by the illusion of terror.
  • escape [iskéip] : 「逃げる、ずらかる、脱出する、抜ける、免れる」
  • origin [ɔ́(ː)ridʒin] : 「源、起源、語源、原因、原点、基点、始点」
  • anger [ǽŋgə(r)] : 「怒り、憤り」
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
  • pervade [pə(r)véid] : 「 ~全体に普及する、行き渡る、広がる、はびこる」
  • in an instant : 「一瞬のうちに」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • satisfaction [sæ̀tisfǽk∫n] : 「満足、充足、喜び」
  • invade [invéid] : 「侵攻する、攻め入る、~に入り込む」
  • terror [térə(r)] : 「恐怖」
❖ "And yet the dream ~ "「しかし、夢は、その起源から逃れることは出来ない」。夢の起源は抑圧であり、怒り、恐れ、悲しみ、嫉妬、絶望、等々の悪感情が抑圧にまとわりつく。"Anger and fear pervade it ~ "「怒りと恐れが、夢の起源に蔓延している」。"and in an instant ~ "「そして、一瞬のうちに、満足したと思えた幻想は、恐怖という幻想によって攻め立てられるのである」。



For the dream of your ability to control reality by substituting a world that you prefer is terrifying.
  • ability [əbíləti] : 「能力、才能、できること、手腕」
  • control [kəntróul] : 「支配する、抑える、コントロールする、制御する」
  • reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
  • substitute [sʌ́bstət(j)ùːt] : 「~を代わりにする、代用する、置き換える」
  • prefer [prifə́ː(r)] : 「~を好む、むしろ~の方を好む、~の方を選ぶ」
  • terrifying [térəfàiiŋ] : 「非常に恐ろしい、恐ろしい、怖い」
❖ "For the dream of your ~ "「なぜなら、あなたの好み通りの世界に置き換えることで、現実をコントロール出来る力があなたにあると思い込む夢は、恐ろしいからだ」。世界を支配、独裁出来るという思いは恐ろしいものだ。自分にそれが可能だと思われる以上、他人にもそれが可能だと認めることになる。したがって、複数の独裁願望者達が死闘を繰り返す結果となるわけだ。規模を小さくして、特別な関係性の中に限定しても、パートナーの愛を独占支配しようとする心理は変わらない。特別な関係性もまた、あなたの勝手な夢に過ぎないのだ。



Your attempts to blot out reality are very fearful, but this you are not willing to accept.
  • attempt [ətém(p)t] : 「試み、企て」
  • blot out : 「抹消する、削除する、消し去る」
  • fearful [fíə(r)fl] : 「恐ろしい、怖い」
  • be willing to : 「~する意思がある、進んで~する」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
❖ "Your attempts to blot out ~ "「現実を消し去ろうとするあなたの試みは、非常に恐ろしいものだ」。現実逃避は恐ろしいものである。"but this you are ~ "「しかしあなたは、そうだということを認めようとしない」。あなたにとって、現実より夢の世界の方が居心地がいいからだ。たとえ夢の世界が攻撃と恐怖の世界であっても、現実の孤独と罪の意識よりはましだと思っている。



And so you substitute the fantasy that reality is fearful, not what you would do to it. And thus is guilt made real.
  • substitute [sʌ́bstət(j)ùːt] : 「~を代わりにする、代用する、置き換える」
  • fantasy [fǽntəsi] : 「想像、空想、幻想、白日夢」
  • reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
  • fearful [fíə(r)fl] : 「恐ろしい、怖い」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
❖ "And so you substitute ~ "「そこであなたは、現実は恐ろしいものだという空想を持ち出して(真実の)代用とするのである」。"not what you would ~ "「自分が現実に対してしようとしていることは恐ろしいことではなく、」現実の方が恐ろしいものだという空想を持ち出して(真実の)代用とするのである。恐ろしいのは幻想ではなく実相の方だという空想を抱くのだ。"And thus is guilt ~ "「こうして、罪の意識は現実化する」。夢の起源である現実の孤独と罪の意識から逃れるために、あなたは空想の世界、夢の世界へ逃避するのだが、それがかえって、孤独や罪の意識を現実化してしまう。なぜなら、孤独や罪の意識に対して正直に対峙するなら、それさえも実は幻想だと気付くはずだからだ。実相への目覚めを拒否し続ける限り、孤独も罪の意識も消滅することなく、あなたにとって現実のものとして重くのしかかるのである。
 
 
 

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