●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-18.IX.12:1 ~ T-18.IX.14:4

12. Love is not learned. Its meaning lies within itself. And learning ends when you have recognized all it is not.

  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内に」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
❖ "Love is not ~ "「愛は学べるものではない」。"Its meaning ~ "「愛のもつ意味は、それ自体の中にある」。愛の意味も不立文字であり、言葉で語れるものではない。"And learning ends ~ "「あなたが、愛ではないものすべてを認識し終えたとき、学びは終わるのである」。愛でないものとは、幻想そのもの。つまり、あなたが実相と幻想の区別が付けれるようになれば、あなたの学びは終了するのである。幻想世界から実相世界への目覚めである。目覚めた後、最後の架け橋を渡れば、そこは天の王国であり、学びの不要な世界である。なぜなら、叡智があなたに備わるからだ。厳密に言えば、忘れていた叡智を思い出すからだ。



That is the interference; that is what needs to be undone. Love is not learned, because there never was a time in which you knew it not.
  • interference [ìntərfíərəns] : 「干渉、妨害、障害、邪魔、支障、衝突」
  • undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
❖ "That is the interference ~ "「愛なきものが障害となっている」。幻想があなたの目覚めを妨害している。"that is what needs ~ "「取り消しにしなければならないのは、それである」。"Love is not ~ "「愛は学べるものではない」。"because there never ~ "「なぜなら、あなたが、愛を知らなかった時など、決してなかったのだから」。神が創造した神の子として、あなたは神の属性のすべてを継承した。したがって、真実の愛をあなたは受け継いだのであり、それが失われることはない。しかし、あなたは深い眠りの中で、そのことを忘れてしまったのである。忘れてはいるが、失ったのではない。あなたは真実の愛を知っているはずなのだ。つまり、神を知っているのだ。



Learning is useless in the Presence of your Creator, Whose acknowledgment of you and yours of him so far transcend all learning that everything you learned is meaningless, replaced forever by the knowledge of love and its one meaning.
  • useless [júːsləs] : 「役に立たない、無用な、無駄な、使い道のない、無益な」
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在、居ること」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
  • acknowledgment [æknάlidʒmənt] : 「認めること、承認、認識、受領確認、認知」
  • transcend [trænsénd] : 「超える、〜を超越する、しのぐ、〜に勝る」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、価値のない、無意味な、無価値の」
  • replace [ripléis] : 「〜を取り換える、交換する、差し替える、切り替える、置き換える、置換する 」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵、知見」
❖ "Learning is useless ~ "「あなたの創造主である神が存在する中では、学びは無用である」。天の王国では、学ぶ必要はない。"Whose acknowledgment ~ "ここは"so ~ that ~ "の構文、「神があなたを知っていること、そして、あなたが神を知っていること、そのことは、すべての学びを遥かに凌ぐものであるから、あなたが学んだすべては意味を失い、愛という叡智、叡智の唯一の意味によって、永遠に学びは置き換えられるのである」。非常に奥が深く難解である。学びの段階は、いわば感覚と理解と知識の世界である。幻想世界にあっては、それが認識の手段であり、同時に限界である。しかし、実相世界の天の王国は、もはや感覚や理解や知識の通用する世界ではない。純粋な想念と抽象の世界であるから、肉体的感覚や頭脳的理解、具体的な知識は、まったく通用しないのだ。しかし、誤解してはならない、それは、難しい世界ではない。まったく逆に、非常に単純で簡素な世界である。つまり、神と神の子が叡智をもって認識し合っているという、単純な世界である。言葉を変えれば、神と神の子が純粋な愛で結ばれているという、単純な世界である。しかし、その単純な心の融合が、幻想世界の学びのすべてを超越してしまうのだ。あたかも、神と神の子の叡智が融合し、核融合反応のように叡智は爆発的に拡張増大していき、叡智が実相世界全体を覆い尽くしてしまう。そこでは、もはや、叡智と愛の区別はなく、神と神の子の区別も失われる。もちろん、神と愛の区別もなくなってしまうのだ。純粋一元論世界の必然であり、究極的にたった一元に収斂する。つまり、ただ「神あり」の世界となるのである。



13. Your relationship with your brother has been uprooted from the world of shadows, and its unholy purpose has been safely brought through the barriers of guilt, washed with forgiveness, and set shining and firmly rooted in the world of light.
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • uproot : 「引っこ抜く、根絶する、追い立てる、引き離す」
  • shadow [∫ǽdou] : 「影、暗がり、人影、陰」
  • unholy : 「神聖ではない、非神聖な」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • safely [séifli] : 「安全に、支障なく、無事に」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜を連れて行く」
  • through [θruː] : 「〜を通り抜けて、経て、〜の中を通って」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • wash [wɑ́∫] : 「洗う、洗濯する、洗い流す」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • shining [ʃáiniŋ] : 「光る、輝く、きらめく、明るい」
  • firmly [fə́ː(r)mli] : 「しっかりと、堅く、堅固に、きっぱりと、断固として」
  • root [rúːt] : 「〜を植え付ける、根付かせる」
❖ "Your relationship with ~ "「あなたの同胞との関係性は、影の世界から根こそぎにされ、」あなたがこの幻想世界で構築した特別な愛の関係性は、実相世界では神聖な関係性に質転換してしまう。"and its unholy purpose ~ "「特別な関係性のもっていた神聖とは言いがたい目的は、罪の意識のバリアーをすり抜けて、安全に持ち去られる」。パートナーと二人だけの閉鎖的な世界を作り、他者を排他して、互いに支配し隷属し合うという愛欲の世界を構築することが、特別な関係性の目的。それは、心の奥底に隠し持った罪の意識から逃避するために作られる関係性である。しかし、今や、その罪の意識が幻想に過ぎないと知ったのだから、罪の意識というバリアーを通り越して、あなたの関係性の目的は持ち去られ、神聖な目的に置き換えられるのである。"washed with forgiveness ~ "「それは、赦しをもって洗われ、」"and set shining and ~ "「輝きを取り戻して、光の世界に深く根付くこととなる」。つまり、神聖な関係性に質転換され、言い換えれば、赦しという行為によって浄化され、実相世界にふさわしい存在の関係性になるのだ。



From there it calls to you to follow the course it took, lifted high above the darkness and gently placed before the gates of Heaven.
  • follow [fɑ́lou] : 「〜に従う、追随する、追う、ついて行く」
  • course [kɔ́ː(r)s] : 「方向、コース、進路、路線、経過、進行」
  • lift [líft] : 「持ち上げる、引き起こす」
  • high [hái] : 「高く」
  • above [əbʌ́v] : 「上方に、上流に、上位に、上側で」
  • darkness [dɑ́ː(r)knəs] : 「暗さ、暗がり、暗闇」
  • gently [dʒéntli] : 「親切に、静かに、優しく、穏やかに」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • gate [géit] : 「入り口、門扉、ゲート、門」
❖ "From there it calls ~ "「その光の世界から、浄化された目的は、それが辿った道筋をあなたも辿るようにと、あなたに呼びかけるのだ」。あなたの特別な関係性は聖なる関係性に浄化されたのだから、あなた自身も浄化されて、神聖な存在となるようにと、あなたを促すのである。つまり、神聖な神の子として天の王国へ入るようにと呼びかけているのだ。"lifted high above ~ "分詞構文、先頭に"being"を補うといい、単純接続、「そしてあなたは、闇の世界の上に高く持ち上げられ、天の王国の扉の前にそっと置かれることになる」。いわゆる、あなたはアセンションするのである。



The holy instant in which you were united is but the messenger of love, sent from beyond forgiveness to remind you of all that lies beyond it.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • unite [junáit] : 「結合する、一体となる、一体化する、合体する」
  • messenger [més(ə)n(d)ʒə(r)] : 「メッセンジャー、電報配達人、使者」
  • sent [sént] : 「send の過去・過去分詞形」
  • send [sénd] : 「送る、送信する、発送する」
  • beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「〜を越えて、〜を過ぎて、〜の域を越えて、〜を超越して」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • remind [rimáind] : 「〜に思い出させる、〜に気付かせる」
❖ "The holy instant in ~ "「あなたが(同胞と)結合する聖なる瞬間は、愛のメッセンジャーである」。聖なる瞬間に、あなたと同胞は純粋な愛を知ることとなる。本当の愛はこうなのだと、知らされるわけだ。"sent from beyond forgiveness ~ "「その愛は、赦しを越えて、赦しの向こうにあるすべてをあなたに思い出させるために送られて来るのである」。聖なる瞬間はあなたに愛を伝える。それは、あなたが同胞を赦し、同胞があなたを赦したからこそ、聖なる瞬間が与えてくれた贈り物である。しかし、聖なる瞬間は最終目的ではなく、一つの通過点に過ぎない。それを越えたところに、本当の目的地はあり、愛は、聖なる瞬間が与えたと言うより、その世界から聖なる瞬間を通して送られて来たと言った方が正しい。だから、聖なる瞬間は愛のメッセンジャーなのである。



Yet it is through forgiveness that it will be remembered.
  • through [θruː] : 「〜を通り抜けて、経て、〜を通じて、〜の手を経て」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
❖ 赦しを越えると言ったのだか、"Yet it is through ~ "ここは"it ~ that ~ "の強調構文、「しかし、赦しを通してこそ、それは思い出されるのだ」。ACIMの赦し(forgiveness)は、たとえば、他者があなたに何か悪いことをしたときに、いいいよいいよ許しあげるよ、と言ってやることではない。そもそも、他者と見えるものは幻想であって、本当は自他一如、あなたと同じ単一存在なのだと認識して、その行為自体も幻想に過ぎないと受け入れてしまうことなのである。言うは易いが、これが非常に難しい。難しいから、我々はなかなかアセンション出来ないでいるわけだ。学びが必要だというのは、そういうことなのである。つまり、幻想を幻想として認識出来るようになるための学びである。



14. And when the memory of God has come to you in the holy place of forgiveness you will remember nothing else, and memory will be as useless as learning, for your only purpose will be creating.
  • memory [mém(ə)ri] : 「記憶、記憶力、思い出」
  • else [éls] : 「そのほかの」
  • useless [júːsləs] : 「役に立たない、無用な、無駄な、使い道のない」
  • learning [lə́ː(r)niŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • create [kriéit] : 「〜を創造する、生み出す、創り出す」
❖ "And when the memory ~ "「そして、赦しという神聖な場において、神の記憶があなたに蘇った時、」"you will remember ~ "「あなたは神以外の何ものも思い出せないだろう」。実在は神(あるいは、実相世界それ自体)のみだと知ったのだから、その他の幻想は思い出す価値さえない。"and memory will be ~ "「そして、記憶さえも、学び同様、何の役にも立たなくなるだろう」。"for your only purpose ~ "「なぜならば、あなたの唯一の目的は創造することであるからだ」。実相世界で、あなたは創造するのである。愛、喜び、平和、美、等々を創造するのである。創造とは、分かち合い拡張増大させることだと言ってもいい。あるいは、融合し、結合し、単一の存在として生まれ変わることだ言ってもいい。それが、あなたの最終目的である。神と神の子とホーリー・スピリットの三位が一体となる、その三位一体が、神と神の子とホーリー・スピリットの三者の最終目的である。つまり、一元論実相世界の完成、それである。



Yet this you cannot know until every perception has been cleansed and purified, and finally removed forever.
  • until [ʌntíl] : 「〜までは(…しない)、〜になってやっと…」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • cleanse [klénz] : 「清める、浄化する、〜を洗浄する、清潔にする」
  • purify [pjú(ə)rəfài] : 「〜を浄化する、きれいにする、〜を清める」
  • finally [fáin(ə)li] : 「ついに、最後に、最終的に」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Yet this you cannot ~ "「しかし、あなたは、〜するまでは、このことを知ることは出来ない」。"until every perception ~ "「すべての知覚が浄化され純化され、最終的に、永遠に取り去られるまでは、」このことを知ることは出来ない。肉体的な感覚、知覚が、それは幻想を生み出す源になっているから、それが浄化され、最終的に取り去られて叡智に質転換して初めて、あなたはすべてを知ることが出来るのである。



Forgiveness removes only the untrue, lifting the shadows from the world and carrying it, safe and sure within its gentleness, to the bright world of new and clean perception.
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
  • untrue : 「虚偽の、真実でない、不誠実な、不正確な」
  • lift [líft] : 「解除する、取り除く、撤廃する」
  • sure [∫úə(r)] : 「確信して、確信している、固く信じている」
  • gentleness [dʒéntlnis] : 「優しさ、穏やかさ」
  • bright [bráit] : 「輝かしい、華やかな、きらびやかな、明るい」
  • clean [klíːn] : 「汚れていない、混じりけがない」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
❖ "Forgiveness removes ~ "「赦しは、真実ではないものだけを取り除く」。赦しは幻想を取り除く。"lifting the shadows ~ "「世界から影を取り除き、〜へと、それを運んでいく」。"safe and sure ~ "意訳する、「赦しのもっている優しさのなかで、安全にかつ、確実に、運ばれるのだが、」"to the bright world ~ "「新しく澄んだ知覚の、輝かしい世界へと、」それを運んでいく。赦しが幻想を解除し、新しい知覚の世界、実相世界へと幻想を持ち去る。幻想が消滅し、新しい世界が開けてくるのだ。



There is your purpose now. And it is there that peace awaits you.
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • await [əwéit] : 「〜を待つ、待ち受ける、待望する」
❖ "There is your ~ "「今や、そこにあなたの目的がある」。赦しは最終目的ではないが、今は、あなたの目的は赦しを実行し、新しい世界に目覚めることである。"And it is there ~ "「そこにこそ、平和があなたを待っているのだ」。赦しを実行すれば、あなたの心は平和で包まれるだろう。幻想が解放されるのだから、心は軽くなるのだ。視界も開け、視野は明るくなる。
 
 
 

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