●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-19.I.9:1 ~ T-19.I.10:6

9. To have faith is to heal. It is the sign that you have accepted the Atonement for yourself, and would therefore share it.

  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、自信、信念、確信」
  • heal [híːl] : 「癒える、治る、治す、治癒する、治療する」
  • sign [sáin] : 「表れ、兆し、兆候、印、標示、サイン、標識」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
  • therefore [ðéə(r)fɔ̀ː(r)] : 「それ故に、そのために、従って」
  • share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "To have faith ~ "「信じる気持ちを持つということは、ヒーリングすることである」。"heal"を自動詞ととらえて、「信じる気持ちを持つということは、癒されるということである」と捉えてもいいだろう。もともと、ヒーリングすることとヒーリングされることは同じことなのである。実相世界では、与えることと得ることは同じであることを思い出そう。"It is the sign that ~ "「それは、あなた自身のために贖罪を受け入れたことの印であり、」"and would therefore ~ "「したがって、あなたが贖罪を分かち合いたいと思っていることの印である」。信じる気持ちを持つということは、幻想を排除し、真実を受け入れる心を持つということである。過去においてあなたが抱(いだ)いてしまった罪の意識は幻想であると認識し、罪の意識から解放されるのである。これが、ACIMの贖罪である。しかも、自分の贖罪は自分だけにとどまることはない。他者の罪をも幻想として受け入れるのだから、他者の贖罪へも関与するのだ。こうして、あなたは同胞と贖罪を分かち合うことになる。



By faith, you offer the gift of freedom from the past, which you received.
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
  • past [pǽst] : 「過去、昔」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
❖ "By faith, you offer ~ "「信じる気持ちによって、あなたは、過去からの解放という贈り物を差し出すのである」。過去に抱いた罪の意識は幻想であると認識して、過去から解放されるのである。また、他者の過去も幻想と認識して、他者を過去から解放するのだ。"which you ~ "「そして、その贈り物は、あなたが受け取ったものでもあるのだ」。実は、過去からの解放という贈り物は、あなたが単独で作ったものではなく、すでにアセンションした先達の同胞から受け継いだものである。簡単に言えば、贖罪という贈り物は、ホーリー・スピリットを通して、あなたが受け取ったものなのである。だからこそ、今度はあなたが贖罪と解放という贈り物を、他の同胞達へ分け与えなくてはならない。実相世界の基本は、分かち合いである。それを忘れてはいけない。



You do not use anything your brother has done before to condemn him now.
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める、罵倒する」
❖ "You do not use ~ "「あなたは、あなたの同胞が過去になしたことを、今となって彼を非難するために使うことは出来ない」。あなたの信じる気持ちが、過去は幻想と認め、同胞を過去から解放したのだから、今さら、過去の行いを持ち出して同胞を非難することは出来ないのだ。出来ないというより、非難したいという気持ち自体が自然に消滅してしまうのだろう。実相世界には「非難」という概念はないからだ。



You freely choose to overlook his errors, looking past all barriers between yourself and him, and seeing them as one.
  • freely [fríːli] : 「自由に、のびのびと」
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • overlook [òuvə(r)lúk] : 「見て見ぬふりをする、見過ごす、大目に見る、許す、目をつぶる」
  • error [érə(r)] : 「誤り、間違い、ミス」
  • past [pǽst] : 「過ぎて、通り越えて、通り越して」
  • barrier [bǽriə(r)] : 「障害物、障壁、バリア」
  • between A and B : 「AとBの間の」
❖ "You freely choose ~ "「あなたは自由な気持ちをもって、同胞の過ちを見過ごすことを選択する」。幻想に過ぎないことを、取り立ててとやかく言うことはない。"looking past all barriers ~ "分詞構文、単純接続、「そして、あなたと同胞の間にあるバリアーをすり抜けて見ることが出来、あなたも彼も、誰もが単一であると見えてくるのである」。見かけ上は肉体というバリアーによって分離はしているが、信じる気持ちがそのバリアーを越えて同胞の心を見るとき、自分の心も他者の心も、神の子の心として単一であると分かってくる。分離という幻想が融けてくるのだ。同時に、心は再統一していく。



And in that one you see your faith is fully justified. There is no justification for faithlessness, but faith is always justified.
  • fully [fúli] : 「十分に、完全に、全く、すっかり、全体に」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「弁明する、正当化する」
  • justification [dʒʌ̀stəfikéi∫n] : 「正当化、正当とする理由」
  • faithlessness [féiθlisnis] : 「不実さ、不誠実さ、信仰心のなさ」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「常に、いつも」
❖ "And in that one ~ "「そして、この単一性の中で、あなたは、あなたの信じる気持ちが完全に正しかったのだ分かるのである」。心と心が結合し、単一の心となるとき、あなたが信じていた心の実在性、そして、肉体の幻想性が、正しい認識だったと理解出来るようになる。"There is no justification ~ "「信じる気持ちの欠如には、正当性の証明が訪れることはない」。"but faith is ~ "「しかし、信じる気持ちは、常に、正しいとわかるのである」。真実は、自らその姿を現すものだ。信じる気持ちは真実であるから、それは自ら正当であることを表現するのである。しかし、これを自己正当化と混同してはならない。真実の自己表現自体が、自分が正しいことを語っているのだ。



10. Faith is the opposite of fear, as much a part of love as fear is of attack. Faith is the acknowledgment of union.
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「正反対の、逆の、あべこべの、対照的な」
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
  • as much : 「ちょうどそれだけ、等しい、等しく」
  • as much A as B : 「Bと同じくらいに A、Bと同じ量のA、Bするだけの量のA」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • acknowledgment [æknάlidʒmənt] : 「認めること、承認、認識、受領確認、認知、自認」
  • union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
❖ "Faith is the opposite ~ "「信じる気持ちは、恐れる気持ちと正反対である」。信じる気持ちに疑いはないから、恐れもない。"as much a part of love ~ "「それは、攻撃にとって恐れがその一部であると同じように、信じる気持ちは愛の気持ちの一部なのだ」。攻撃と恐れは表裏一体である。恐ろしいから攻撃するのだ。同様に、信じる気持ちと愛は表裏一体。愛する気持ちがあればこそ、信じるのである。親が我が子を100%信じることを考えれば、その気持ちの裏側に、確かな愛があることがわかるだろう。そのことである。"Faith is the acknowledgment ~ "「信じる気持ちは、結合の受け入れなのである」。他者の心の実在を信じることは、他者を愛しているがゆえである。あなたと同胞は、信じ合うことで愛し合い、心が結合していくのである。その心の結合を、あなたも同胞も受け入れるのだ。



It is the gracious acknowledgment of everyone as a Son of your most loving Father, loved by him like you, and therefore loved by you as yourself.
  • gracious [gréi∫əs] : 「恵み深い、慈悲深い、優しい、上品な、優雅な」
❖ "It is the gracious acknowledgment ~ "「愛によって信じるとは、あなたの最愛の父なる神の、その神の子として、すべての者達を丁重に受け入れることである」。"loved by him ~ "分詞構文、理由、「なぜなら、彼らはあなたと同様に神に愛されているからであり、」"and therefore loved ~ "「そして、あなた自身を愛するように、あなたによって愛されているからだ」。だんだん、あなたと同胞の区別がつかなくなって来ているのが分かると思う。神にとって、あなたも同胞も、共に同じ神の子として同一なのだ。したがって、神の愛によって愛されるあなたも同胞も、互いに自分たちが同じ存在であることが分かってくるのだ。分離が解消してく過程である。つまり、愛が分離を解消し、同一の単一存在として融合していくのである。



It is his love that joins you, and for his Love you would keep no one separate from yours.
  • join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、連結する、合わせる、つなぐ」
  • separate [sép(ə)rət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
❖ "It is his love that ~ "「あなたと同胞を結びつけるものは、神の愛である」。あなたと同胞を結びつけるとは、絆を結ぶという範疇にとどまることなく、正に単一、単体として融合することを意味する。"and for his Love ~ "「そして、神の愛ゆえに、あなたは、誰一人として、あなたの愛から遠ざけようなどとしないのだ」。神の愛を信じているから、あなたはあなたの愛も神の愛と同じでなければならないと知るのだ。だから、あなたも、神と同じように、すべての同胞に惜しみなく愛を注ぐことになる。それが、一番自然なことだからである。




Each one appears just as he is perceived in the holy instant, united in your purpose to be released from guilt.
  • each one : 「各自」
  • appear [əpíə(r)] : 「〜のように見える、〜と思われる」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • unite [junáit] : 「〜を結合させる、一つにする、結び付ける」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ、離す」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
❖ "Each one appears just ~ "「誰もが一人一人、ちょうど、聖なる瞬間に知覚されたように見えるのだ」。愛を分かち合う姿は、幻想世界から実相世界へと目覚める聖なる瞬間における姿にそっくりだ。真実に触れた者の表情は、誰もが一緒なのだ。純粋で神聖である。"united in your purpose ~ "分詞構文、理由、「罪の意識から解放されるという、あなたの目的において結ばれたのであるから」。罪の意識を幻想として受け入れ、贖罪を果たして、過去から解放されるという、あなたの目的に、みんなが賛同するのである。その目的下に、あなたと同胞達は団結し、そして心を融合させていく。その表情は晴れやかであり、聖なる瞬間の、その表情と同じだ。



You see the Christ in him, and he is healed because you look on what makes faith forever justified in everyone.
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、自信、信念」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「弁明する、正当化する」
❖ "You see the Christ ~ "「あなたは、同胞の中にキリストを見る」。もちろん、それは同胞の姿でもあり、同胞という鏡に映ったあなた自身の姿でもある。"and he is healed ~ "「同胞はヒールされるのである」。"because you look on ~ "「なぜなら、あなたは、信じる気持ちを、誰もの中で、永遠に正当とするものを見ているからである」。さて、何を言おうとしているのだろう? "what makes faith forever ~ "ここは「キリスト」のことである。つまり、あなたはキリストを、誰もの心の中に見えるようになったのである。つまり、正しい姿を見ることが出来るようになったので、あなたが正しい心を受け入れた、その相手の心はヒールされるのだ。では、キリストを説明している"what makes faith forever ~ "はどういう意味だろう。すべての人たちの心の中にあって、信じる気持ちが永遠に正当であると証言してくれる人、といった意味合いであろう。真実の証言者として、キリストは誰もの心の中に住んでいるのだ。あなたの心の中の、最も神聖で最も純粋な部分にホーリー・スピリットは住んでおり、同時にキリストも住んでいる。キリストとホーリー・スピリットを同一と考えても、別個のものと考えてもいい。所詮、実相世界ではすべてが単一存在に収斂するので、ホーリー・スピリットもキリストも、神の子も神も、究極、一なる存在に行き着くのだ。「神あり」、ただそれだけの世界である。一元論世界の必然である。
 
 
 

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