●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-19.II.7:1 ~ T-19.II.8:5

7. There is no stone in all the ego's embattled citadel that is more heavily defended than the idea that sin is real; the natural expression of what the Son of God has made himself to be, and what he is.

  • stone [stóun] : 「石、石材」
  • embattle [embǽtl] : 「戦闘隊形につかせる、要塞化する」
  • citadel [sítədl] : 「要塞、砦、城、拠り所」
  • heavily [hévili] : 「重く、重そうに、ひどく、激しく、濃密に」
  • defend [difénd] : 「〜を守る、防衛する」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、過失、罪業」
  • real [ríː(ə)l] : 「実在的な、実質的な、現実の、実際の、本物の」
  • natural [nǽt∫(ə)r(ə)l] : 「自然の、普通の、ありのままの」
  • expression [ikspré∫n] : 「表現、表出、表情、顔つき」
❖ "There is no stone ~ "「エゴの要塞化された砦の礎石の中で、罪は実在だという考えより、重く守られている礎石はない」。エゴはエゴの思考システムという要塞化された砦を守っているのだが、その中でも最も守りに力を入れている信条は、罪は幻想ではなく、実際に存在する現実だという信条である。"the natural expression ~ "「罪が実在するという信条は、神の子が、自分には罪があると、それが本当の自分だと、自分を作り変えた、その自然な表現である」。なんともへたな訳で申し訳ない。エゴが神の子には罪があると執拗に洗脳するので、神の子はそれを信じてしまったのである。あたかも自然な事のように、神の子は、生まれながら自分は罪深い存在だと、それが本当の自分なのだと思うようになったのだ。



To the ego, this is no mistake. For this is its reality; this is the "truth" from which escape will always be impossible.
  • mistake [mistéik] : 「誤り、ミス、過ち、手違い、誤解」
  • reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出、避難、逃げ道」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
❖ "To the ego ~ "「エゴにとって、罪の実在は誤りではない」。"For this is ~ "「なぜなら、これこそが、エゴの現実であるからだ」。罪が実在するという信条の上に、エゴの現実が成立しているのだ。罪の実在が崩れたら、エゴの現実も同時に崩壊する。"this is the "truth" from ~ "「これは、常に逃れ得ない、(エゴの)『真実』なのだ」。エゴにとって、神の子に罪があるという『真実』は、取り消し不能の事実である。



This is his past, his present and his future. For he has somehow managed to corrupt his Father, and change His Mind completely.
  • past [pǽst] : 「過去、昔」
  • present [préznt] : 「今、現在」
  • future [fjúːt∫ə(r)] : 「未来、将来」
  • somehow [sʌ́mhàu] : 「どうにかして、何とかして、ともかくも」
  • manage [mǽnidʒ] : 「何とかやり遂げる、やってのける、何とか〜する」
  • corrupt [kərʌ́pt] : 「堕落させる、腐敗させる」
  • change [t∫éin(d)ʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、全面的に、全く、徹底的に」
❖ "This is his ~ "「これがエゴの過去であり、今であり、未来である」。エゴの過去、今、未来、と訳したが、神の子の過去、今、未来と考えてもいい。次の文に"his Father"とあるので、この"his"は神の子と捉えた方がいいかもしれない。"For he has somehow ~ "「なぜなら、エゴは、どうにかして、父なる神を堕落させ、神の心を完全に変えようとしてきたのだから」。罪の実在性を主張して、神の意思に反抗し、ホーリー・スピリットの思考システムの堕落と崩壊を狙ってきたのだ。これが、エゴと、そして神の子の過去、今、未来の姿である。だが、その幻想性に気付かねばならない時が、今、来たのではないだろうか。



Mourn, then, the death of God, Whom sin has killed!
  • mourn [mɔ́ː(r)n] : 「嘆く、嘆き悲しむ、悼む、喪に服す、追悼する」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、死者」
  • kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」
❖ "Mourn, then, ~ "「ならば、罪が殺した神の死を悼(いた)みなさい」。もし、本当に罪が神を殺してしまったと思うなら、神の死を悼めばいい。だが、神が虚偽の幻想によって殺されることは不可能ではないか。



And this would be the ego's wish, which in its madness it believes it has accomplished.
  • wish [wí∫] : 「願い、望みの物、願望、希望」
  • madness [mǽdnəs] : 「狂気、熱狂、熱中」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • accomplish [əkɑ́mpli∫] : 「成し遂げる、果たす、成就する、達成する」
❖ "And this would ~ "「そうすることが、エゴの望みであったろうし、」"which in its madness ~ "「狂気の中で、エゴは、その望みを達成出来たと信じているのだ」。この狂気の世界を見て、神は死んだとエゴは信じているのである。なるほど、今の世界の混乱、堕落、狂気、殺し合いを見ていれば、エゴの自信も、さもありなんと思えてくるではないか。



8. Would you not rather that all this be nothing more than a mistake, entirely correctable, and so easily escaped from that its whole correction is like walking through a mist into the sun?
  • rather [rǽðə(r)] : 「〜を選ぶ、〜を好む」
  • nothing more than : 「〜にすぎない、〜でしかない」
  • mistake [mistéik] : 「誤り、ミス、過ち、手違い、誤解」
  • entirely [entáiə(r)li] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら」
  • correctable [kəréktəbl] : 「修正可能な、治療可能な」
  • easily [íːz(ə)li] : 「容易に、たやすく、苦もなく、あっけなく」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、脱出する、抜ける、免れる」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • correction [kərék∫n] : 「訂正、矯正、修正、是正、補正」
  • walking [wɔ́ːkiŋ] : 「歩くこと、ウオーキング、歩行、歩き方」
  • through [θruː] : 「〜を通り抜けて、経て、〜の中を通って」
  • mist [míst] : 「霧、かすみ、もや」
❖ しかし、"Would you not rather that ~ "「あなたは、むしろthat以下と考えることを選らばないでおれるだろうか」。"that all this be nothing ~ "「すべて、このことは誤り以上のものではない」と考えることを選らばないであろうか。"entirely correctable ~ "「何から何まで修正可能であり、」"and so easily escaped ~ "ここは"so ~ that ~ "の構文、「容易に脱出出来るものなので、修正作業全体は、霧の中を抜けて太陽のもとへ歩いて出て行くようなものなのだ」と考えることを選らばないであろうか。選ぶべきなのだ。それが真実だから。



For that is all it is. Perhaps you would be tempted to agree with the ego that it is far better to be sinful than mistaken.
  • perhaps [pə(r)hǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
  • tempt [tém(p)t] : 「〜を唆す、〜を誘惑する、〜する気にさせる」
  • agree [əgríː] with : 「〜に同意する、〜と仲良く暮らす、〜と一致する」
  • far better : 「ずっといい」
  • sinful [sínfl] : 「罪深い、邪悪な」
  • mistaken [mistéikən] : 「誤った、間違った、誤解した」
❖ "For that is ~ "「なぜなら、それは、それだけものに過ぎないのだから」。罪が現実に存在しているとか、神の意思を堕落させ殺してしまうとか言ってみても、所詮、幻想に過ぎない。夢の中の戯言(たわごと)だ。ざれ言を本気にすることはない。"Perhaps you would be ~ "「多分、あなたは、罪深いものである方が過ちよりずっとましであるというエゴに同意したい誘惑に駆られるかもしれない」。エゴはエゴで、執拗にあなたを誘惑するわけだ。過ちを認めて卑下するよりは、罪ありと宣言して尊大でいた方がましだ、という論理である。



Yet think you carefully before you allow yourself to make this choice.
  • carefully [kéə(r)f(ə)li] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に、じっくりと」
  • before [bifɔ́ː(r)] : 「〜の前に、〜に先立って、〜を前にして」
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する、可能にする」
  • choice [t∫ɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
❖ "Yet think you carefully ~ "「しかし、あなたがこの選択を自分に許す前に、注意深く考えなさい」。エゴの仕掛けた落とし穴に十分に気を付けなさい。



Approach it not lightly, for it is the choice of hell or Heaven.
  • approach [əpróut∫] : 「〜に近づく、〜に近寄る」
  • lightly [láitli] : 「軽率に、容易に、安易に、軽く、軽快に」
  • hell [hél] : 「地獄、ひどい体験、修羅場、生き地獄」
  • heaven [hévn] : 「天国、天」
❖ "Approach it not ~ "「そこに、軽々に近づいてはいけない」。"for it is the choice ~ "「なぜなら、それは、地獄を選ぶか、天を選ぶかの選択なのだから」。罪の実在を認めエゴを選択すれば、あなたの命は地獄行き。罪の幻想性を認識しホーリー・スピリットを選べば、あなたの命は天の王国に入れるだろう。地獄(hell)とは書かれているが、実相としての地獄など存在しない。地獄もまた、単なる幻想である。したがって、あなたの命は地獄行き、とは、あなたの命はますます幻想にのめり込んでいく、ということだ。幻想の深みにはまりたいのか、幻想から抜け出して、実在の天の王国へ回帰したいのか、重要な選択が、あなたに任されているのだ。
 
 
 

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