●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-19.IV.A.3:1 ~ T-19.IV.A.4:12

3. The Holy Spirit's purpose rests in peace within you. Yet you are still unwilling to let it join you wholly.

  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • rest [rést] : 「ある、置かれている」
  • in peace : 「平安に、安らかに、安心して、静かに、無事に」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内部に」
  • be unwilling [ʌnwíliŋ] to : 「〜することに気が進まない、〜することを嫌がる」
  • join [dʒɔ́in] : 「結合する、連結する、〜に加わる」
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
❖ "The Holy Spirit's purpose ~ "「ホーリー・スピリットの目的は、あなたの心の中に、ちゃんと無事にある」。"Yet you are still ~ "「しかし、あなたはまだ、その目的をあなたと完全に結合させることを嫌がっている」。ホーリー・スピリットの目的とは、神の子を幻想世界から実相世界に目覚めさせて、天の王国へ回帰させること。ホーリー・スピリットの神聖な目的は、あなたの心の中にちゃんとある。しかし、その目的に全面的に参加することを、あなたは渋っている。



You still oppose the Will of God, just by a little. And that little is a limit you would place upon the whole.
  • oppose [əpóuz] : 「反対する、反抗する、対抗する、敵対する」
  • by a little : 「ほんのわずか」
  • limit [límit] : 「限度、制限」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • whole [hóul] : 「全部、全体」
❖ "You still oppose ~ "「あなたはまだ、神の意思に、ほんの少し、反抗しているのだ」。"And that little is ~ "「そして、そのほんの少しが、あなたが全体に課している制限となるのだ」。ホーリー・スピリットの聖なる目的と調和することを渋るあなたは、そのことで、自分自身に制限を掛けているのだ。



God's Will is One, not many. It has no opposition, for there is none beside it.
  • opposition [ɑ̀pəzí∫n] : 「反対、敵対」
  • none [nʌ́n] : 「決して〜ない」
  • beside [bisáid] : 「 〜のそばに、〜の傍らに、〜の脇に」
❖ "God's Will is ~ "「神の意思は単一であり、多数あるものではない」。"It has no ~ "「神の意思は、敵対するものをもたない」。"for there is ~ "「なぜなら、神の意思をおいて、他に何も存在しないからだ」。実相世界の一元論が述べられている。実相世界は究極的に"God is"「神あり」の世界に収斂する。神のみが存在のすべてとなる。神の意思がすべてであり、その意思に対極する意思など存在しない。純粋一元論と言われる所以(ゆえん)である。



What you would still contain behind your little barrier and keep separate from your brother seems mightier than the universe, for it would hold back the universe and its Creator.
  • contain [kəntéin] : 「〜を含む、包含する」
  • behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に、〜の陰に」
  • barrier [bǽriə(r)] : 「障害物、障壁、バリア」
  • separate [sép(ə)rət] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す」
  • mighty[máiti] : 「強力な、力のある、巨大な、重大な」
  • universe [júːnəvə̀ː(r)s] : 「宇宙、万物、森羅万象、全世界」
  • hold back : 「制御する、阻止する、抑える、妨げる、阻害する」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
❖ "What you would still ~ "「あなたが、あなたの小さなバリアーの背後に今なお隠しており、あなたの同胞から分離しておこうとしているものは、宇宙よりも力強いかのように見える」。"for it would hold ~ "「なぜなら、それは、宇宙もその創造主も、阻害しているからだ」。あなたが隠し持っているものとは、平和に対する攻撃心、愛に対する憎悪、信頼に対する不信、融合に対する分離、等々、つまり、実相的真実に対する幻想的嫌悪である。実相が一元論であることに対して、あなたが隠し持っているものは二元論なのだ。エゴの思考システムと考えていい。エゴそれ自身を隠し持っていると思ってもいい。この抵抗勢力が宇宙の法、ひいては神の意思をブロックしている。あたかも、その力が神の力を凌ぐと錯覚されるほどに、強いのである。



This little wall would hide the purpose of Heaven, and keep it from Heaven.
  • wall [wɔ́ːl] : 「障壁、城壁、内壁、塀、壁」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "This little wall ~ "「この小さな障壁が、天の王国の目的を隠し、天の王国から遠ざけようとしている」。天の王国の目的とは、ホーリー・スピリットの神聖な目的、つまり、神の子を実相世界へ目覚めさせようとする目的である。あなたは、清濁合わせ持つ二元論的心のどこかで、実相世界に目覚めることに抵抗しているのだ。それが、小さい障壁である。



4. Would you thrust salvation away from the giver of salvation? For such have you become.
  • thrust [θrʌ́st] : 「押し付ける、押しやる、追い出す、強制する」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
  • away from : 「〜から離れて」
  • giver [gívə(r)] : 「与える人、贈与者、寄贈者」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
❖ "Would you thrust ~ "「あなたは、救いを与えてくれる者から、その救いを無理やり追い出してしまいたいと思っているのか」。"For such have ~ "「なぜなら、あなたはそうなったのだから」。ちょっと意味が判然としない部分なのだが、「あなたは自分では救われてしまったと思い込んでいるから」あるいは、「救いを追い出せるようになったと思い込んでいるから」といったニュアンスだろうか。いずれ、幻想世界から救い出してくれるキリストを、あなたは拒んでいるのだ。それは、この幻想世界にまだまだ魅力を感じているか、人の手を借りなくても、自分で自分を救い出せると思い込んでいるか、どちらかである。



Peace could no more depart from you than from God. Fear not this little obstacle. It cannot contain the Will of God.
  • no more A than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
  • depart [dipɑ́ː(r)t] : 「出発する、旅立つ」
  • depart from : 「〜から離れる」
  • fear [fíə(r)] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • obstacle[ɑ́bstəkl] : 「障害物、妨害物、邪魔」
  • contain [kəntéin] : 「〜を含む、包含する、収容できる、〜が入っている」
❖ "Peace could no more ~ "「平和があなたから分離出来るものでないことは、平和が神から切り離せないのと同じである」。"Fear not this ~ "「こんな小さな障害を恐れてはいけない」。"It cannot contain ~ "「そこには、神の意思が入ることなど出来ないのだから」。あなたが作った障害は、神の意思とは無関係だ。したがって、実相的ではなく、永遠不変に存続するものではない。幻想に過ぎないのだ。恐れるに足りるものではない。ただの夢だ。



Peace will flow across it, and join you without hindrance. Salvation cannot be withheld from you. It is your purpose.
  • flow [flóu] : 「流れる、自由に動く」
  • across [əkrɑ́s] : 「〜を越えて、〜を渡って、〜を横切って」
  • join [dʒɔ́in] : 「結合する、連結する、加わる、加入する」
  • hindrance [híndr(ə)ns] : 「妨害、邪魔、障害物、邪魔者」
  • without hindrance : 「スムーズに、支障なく、妨げることなく」
  • withhold [wiðhóuld] : 「与えないでおく、〜を抑える、差し控える」
❖ "Peace will flow ~ "「平和は、障害を越えて溢れ出すだろう」。"and join you ~ "「そして、何の支障もなく、あなたと一緒になるのだ」。おや、平和はあなたから外に溢れ出すのではなかったか、と思われたかも知れない。ACIMは自他一如であり、平和があなたから溢れ出して同胞に届くことと、同胞から溢れ出して、あなたを満たすことは、同じことなのだ。与えることと得ることは同じであることを思い出そう。一見、主客が転倒しているように思われるかも知れないが、ACIMでは、そもそも主客という区別は存在しない。"Salvation cannot be ~ "「救いは、あなたに与えられずにはおけない」。"It is your ~ "「それは、あなたの目的であるのだ」。救いはあなたの目的であり、神の意思であるから、必ず実現するのである。もっと明瞭に言えば、実相世界ではすでに、それは実現している。すでに実現し事実となっている救いを、この幻想世界が追体験しているだけだ。つまり、ビデオテープを見ているようなものである。もっとも、どのテープを見るかは、あなたの選択次第なのだが。



You cannot choose apart from this. You have no purpose apart from your brother, nor apart from the one you asked the Holy Spirit to share with you.
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
  • share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "You cannot choose ~ "「あなたは、救いという目的以外に選択することは出来ない」。"You have no purpose ~ "「あなたは、あなたの同胞と無関係な目的を持つことは出来ないし、」"nor apart from ~ "「あなたがホーリー・スピリットに、分かち合うように頼んだ目的以外の目的を持つことも出来ないのだ」。あなたと同胞とホーリー・スピリットが渾然として一体化し、同じ目的に向かって進んでいるのである。それが、実相的事実であって、それ以外は幻想である。そして、その目的が果たされることも、実相世界では既成事実として確立している。あなたは、この幻想世界で、もはや実相世界で成立している事実をただ演ずるだけでいいのだ。



The little wall will fall away so quietly beneath the wings of peace.
  • fall [fɔ́ːl] : 「倒れる、滅びる、壊れる、砕ける、崩壊する」
  • quietly [kwáiətli] : 「静かに、音もなく」
  • beneath [biníːθ] : 「〜の真下に」
  • wing [wíŋ] : 「翼、羽根」
❖ "The little wall ~ "「小さい壁(障壁)は、平和の翼の下で、音もなく崩壊していくだろう」。幻想の障壁は、平和という実相の元、消滅していくのだ。



For peace will send its messengers from you to all the world, and barriers will fall away before their coming as easily as those that you interpose will be surmounted.
  • send [sénd] : 「送る、送り出す、〜を使いにやる」
  • messenger [més(ə)n(d)ʒə(r)] : 「電報配達人、使者、使い走り」
  • easily [íːz(ə)li] : 「容易に、たやすく、苦もなく、あっけなく」
  • interpose [ìntə(r)póuz] : 「〜を間に入れる、差し挟む」
  • surmount [sə(r)máunt] : 「乗り越える、克服する、突破する、脱する」
❖ "For peace will ~ "「なぜなら、平和は、あなたから全世界へと平和の使者を送り出すからである」。あなたを源として、平和は全世界に伝播していくのである。"and barriers will ~ "「そして、バリアーは、使者がやって来る前に、〜と同じくらい簡単に崩壊していくだろう」。"as easily as those ~ "「あなたが差し挟んだ障壁が簡単に乗り越えられると同じくらい簡単に、」バリアーは崩壊していくだろう。どんなに堅牢に見えても、幻想の末路はこんなものだ。霧が晴れるように、黒雲が消えるように、幻想は音もなく消滅してくのである。「使者がやって来る前に」と、断り書きがあるが、使者がやって来てわざわざ取り壊さなくても、バリアーはその前に自己解体してしまう、という意味合いであろう。
 
 
 

Archive

Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp

アクセスカウンター