●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-28.III.6:1 ~ T-28.III.7:5

6. God builds the bridge, but only in the space left clean and vacant by the miracle.
  • build [bíld] : 「建てる、建造する、構築する、架設する」
  • bridge [brídʒ] : 「橋、橋梁、桟橋」
  • space [spéis] : 「空間、スペース、場所」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、ある状態のままにしておく」
  • clean [klíːn] : 「汚れていない、きれいな、空っぽの」
  • vacant [véikənt] : 「空いている、空の、空虚な」
❖ "God builds the bridge ~ "「神は、奇跡によってきれいにされ、空(から)にされた場所にだけ、橋を架ける」。神の子同士の隔たり、ギャップに、神は橋を架けてそのギャップを埋めてくれるのだが、それは、ギャップがきれいにされ、空の状態になったときだけである。



The seeds of sickness and the shame of guilt He cannot bridge, for He can not destroy the alien will that He created not.
  • seed [síːd] : 「種子、種」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • shame [ʃéim] : 「恥、恥かしさ、不名誉」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • bridge [brídʒ] : 「〜に橋を架ける、橋渡しをする、埋める」
  • destroy [distrɔ́i] : 「破壊する、崩壊させる」
  • alien [éiliən] : 「性質の異なる、異質な、縁もゆかりもない」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
  • create [kriéit] : 「〜を創造する、〜を創り出す」
❖ "The seeds of sickness ~ "「(そのギャップに)病の種や罪への羞恥心があるようでは、神は橋を架けることが出来ない」。"for He can not ~ "「なぜなら、神は、神が創造したものではない異質の意思を破壊することは出来ないからだ」。神は、あくまでも神の子の自由意思、自主性を重んじている。神の子が、神の子同士の隔たりの間に、病への種や罪の意識に対する羞恥心など、幻想に対する憧れを引きずっているようでは、たとえ神でも手出しは出来ないのだ。幻想に対する憧れは、神にとっては異質な意思であり、神の子がその異質な意思を持っている限り、神はそれを尊重して、破壊するようなことはしない。



Let its effects be gone and clutch them not with eager hands, to keep them for yourself.
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
  • clutch [klʌ́tʃ] : 「つかむ、握る、つかみ取る、ひったくる」
  • eager [íːɡər] : 「切望している、熱心な、熱望している」
❖ "Let its effects be ~ "「(異質な意思がもたらす)その結果を手放しなさい」。幻想への憧れを放棄しなさい。"and clutch them ~ "「そんな結果をあなた自身のために保持しようとして、その熱い手でしがみつこうとしてはいけない」。あなたが、幻想を保持しようと情熱を燃やすようでは、神はあなたに橋を架けてやることは出来ないのだ。



The miracle will brush them all aside, and thus make room for Him Who wills to come and bridge His Son's returning to Himself.
  • brush [brʌ́ʃ] aside : 払いのける、無視する
  • make room for : 「〜のためのスペースをあける、〜に席を譲る」
  • will [wíl] : 「〜を望む、意図する、命ずる、決意する」
  • return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る、返還する」
❖ "The miracle will ~ "「奇跡が、そんな意思をすべて払拭してくれるだろう」。"and thus make room ~ "「こうして、神が、神の子が神自身の元へ回帰出来るための橋を架けにやって来ようとする余地を、奇跡は作ってくれるのである」。神の子同士の隔たりの間に存在した異質な意思という雑物を、奇跡が払拭してくれるのである。つまり、幻想への憧れを断ちきり、実相に目覚めさせてくれるのだ。溝がクリーンになれば、神がやって来て橋を架けてくれる。その橋を渡って、神の子は神の元へ回帰出来るのである。



7. Count, then, the silver miracles and golden dreams of happiness as all the treasures you would keep within the storehouse of the world.
  • count [káunt] : 「〜を数に入れる、勘定に入れる、考慮する」
  • silver [sílvər] : 「銀製の、銀色の、銀の」
  • golden [góuldn] : 「金の、金色の、金製の、黄金の」
  • happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
  • treasure [tréʒər] : 「宝、富、宝物、財宝、貴重品、重要なもの、財産」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
  • storehouse [stɔ́ːrhàus] : 「倉庫、貯蔵所、宝庫」
❖ "Count, then, the silver ~ "「そこで、銀の奇跡と金の幸せな夢だけを、この世界の倉庫に保管しておきたいとあなたが望む宝物のすべてとして数に入れておきなさい」。病や痛みや、人との隔たりやギャップや、憎しみや嫉妬、怒り、敵意、悲しみ、苦しみ、そういった幻想を捨てて、銀色に輝く奇跡や、金色に輝く幸せなど、実相的な真実だけを自分の宝物として大切に保持しなさい。



The door is open, not to thieves, but to your starving brothers, who mistook for gold the shining of a pebble, and who stored a heap of snow that shone like silver.
  • thieves [θíːvz] : 「thief の複数形」
  • thief [θíːf] : 「泥棒、窃盗犯、こそ泥、盗人」
  • starving [stάːrviŋ] : 「飢えた、飢えて死にそうな、餓死しそうな」
  • mistook [mistúk] : 「mistake の過去形」
  • mistake [mistéik] for : 「勘違いをする、人違いする」
  • shining [ʃáiniŋ] : 「光る、輝く、きらめく、明るい」
  • pebble [pébl] : 「小石」
  • store [stɔ́ːr] : 「〜を蓄える、保管する、保存する、格納する」
  • a heap [híːp] of : 「山ほどある〜、たくさんの〜、大盛りの〜」
  • snow [snóu] : 「雪」
  • shone [ʃóun] : 「shine の過去・過去分詞形」
  • shine [ʃáin] : 「輝く、光る」
  • like [láik] : 「〜に似た、〜のような、〜のように」
❖ "The door is open ~ "「扉は開かれている」。"not to thieves ~ "「盗人に対して開かれているのではなく、あなたの飢えた同胞に対して、扉は開かれているのだ」。"who mistook for ~ "「飢えた同胞は、輝く小石を金と間違え、銀のように輝く雪の塊を蓄えておいたのである」。この世界における名誉や地位や金銭、出世、優越性、特別性、色欲、物欲、食欲、等々、それらは金色に輝く石ころに過ぎず、銀色に輝く雪の塊に過ぎない。価値などないのだ。いくらため込んでも、心の飢えは満たされない。しかし、そんな同胞を救う扉が、目の前に開かれているのである。



They have nothing left behind the open door. What is the world except a little gap perceived to tear eternity apart, and break it into days and months and years?
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
  • behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に、〜の陰に」
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • tear [tέər] : 「〜を引き裂く、むしり取る、分裂させる、裂く」
  • eternity [itə́ːrnəti] : 「永遠、無限」
  • apart [əpάːrt] : 「離ればなれで、バラバラに、別々に、粉々に」
  • break [bréik] : 「壊す、割る、折る、破る」
❖ "They have nothing ~ "「開いた扉の、その後ろには、彼らは何も残さない」。金色に輝く石ころや銀色に輝く雪の塊を、飢えた同胞はすべて捨てて、実相への扉を股いたのだ。振り返ると、そこにあったはずの金色に輝く石ころや銀色に輝く雪の塊は消えて跡形もない。幻想は消滅したのだ。幻は消えたのだ。"What is the world except ~ "「この世界は、永遠をバラバラに引き裂き、それを年と月と日に壊したものとして知覚される小さなギャップ以外の何だと言うのだろうか」。実相世界の永遠性をバラバラに引き裂いて時間を幻想し、年と月と日に分解した世界が、この幻想世界である。しかし、その世界も、実相世界を隔てる小さなギャップに過ぎない。そのギャップをクリーンにすれば、神は橋を架けてくれる。あなたは永遠の実相世界に入って行けるのである。



And what are you who live within the world except a picture of the Son of God in broken pieces, each concealed within a separate and uncertain bit of clay?
  • picture [píktʃər] : 「絵、像、絵画」
  • broken [bróukn] : 「壊れた、故障した、損傷している」
  • piece [píːs] : 「一片、一つ、一部、断片」
  • conceal [kənsíːl] : 「隠す、隠匿する、秘密にする」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
  • uncertain [ʌnsə́ːrtn] : 「不確かな、不明確な、不確実な」
  • bit of : 「少しの〜、ちょっとの、少量の〜、1個の、一片の〜」
  • clay [kléi] : 「粘土、土、泥」
❖ "And what are you ~ "「そして、この世界に生きるあなたは、バラバラに断片化された神の子の絵であり、分離した不確かな土くれの中に閉じこめられた者以外の、いったい何者であろうか」。神の子は、神から分離した後、自らを分離分裂させ、多数の神の子を偽創造した。それが、バラバラの断片にされた神の子の絵(a picture of the Son of God in broken pieces)という意味である。神の子は、神を裏切ったという罪の意識と、神からの復讐に対する恐れを抱き、それに耐えきれずに自己を乖離した。分離を象徴する肉体を作り出し、その肉体に心を閉じこめて、肉体こそが自分であると主張したのだ。分離した不確かな土くれの中に閉じこめられた者(each concealed within a separate and uncertain bit of clay)とは、肉体の中に閉じこめられた自己、という意味合いである。
 
 
 



Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp

アクセスカウンター