●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-30.I.4:1 ~ T-30.I.5:5

4. (2) Throughout the day, at any time you think of it and have a quiet moment for reflection, tell yourself again the kind of day you want; the feelings you would have, the things you want to happen to you, and the things you would experience, and say:

If I make no decisions by myself, this is the day
that will be given me.
  • throughout [θruːáut] : 「〜の至るところに、〜の間中」
  • at any time : 「いつでも、常に、いつ何時、どんな時にも」
  • think of : 「〜のことを考える」
  • quiet [kwáiət] : 「静かな、静粛な、平穏な、穏やかな」
  • moment [móumənt] : 「瞬間、現在、時、時期」
  • reflection [riflékʃən] : 「省察、内省、沈思、熟考」
  • tell [tél] : 「言う、告げる、教える、伝える」
  • again [əɡéin] : 「再び、かさねて」
  • kind [káind] : 「種類、質、性質、本質」
  • feeling [fíːliŋ] : 「感情、気持ち、感触、感覚、意識、感じ」
  • happen [hǽpn] : 「起こる、発生する」
  • experience [ikspíəriəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
  • decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
  • by oneself : 「自分だけで、一人で、独りで、独力で」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "Throughout the day ~ "「一日を通じて、常に、そのことに思いを馳せ、静かな内省の時間を持ち、」そのこととは、自分では決定せず、ホーリー・スピリットの声に耳を傾けるということ。"tell yourself again ~ "「再び、あなた自身に、どんな一日を望むか、聞きなさい」。"the feelings you ~ "「どんな感覚を持ちたいのか、」"the things you ~ "「あんたにどんなことが起こって欲しいのか、」"and the things ~ "「どんなことを、あんたは経験したいのか、そして、次の言葉を声に出して見なさい」。"If I make no decisions ~ "「もし私が、自分だけで決定しないなら、そんな一日が今日として与えられる」。あなたは、あなたの望みをホーリー・スピリットに伝え、それを知ったホーリー・スピリットは、あなたに最適な一日を、無限の可能性を記録したホログラムから選び取って、あなたに与えてくれるのだ。



These two procedures, practiced well, will serve to let you be directed without fear, for opposition will not first arise and then become a problem in itself.
  • procedure [prəsíːdʒər] : 「手順、手続き、手段、やり方」
  • practice [prǽktis] : 「〜を練習する、〜を実行する、順守する、実践する」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜に役立つ、〜を果たす」
  • direct [dirékt] : 「〜を方向づける、命令する、指図する」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖 」
  • opposition [ὰpəzíʃən] : 「反対、敵対」
  • first [fə́ːrst] : 「初めて、最初に、そもそも、まず」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題、疑問、難問、難題」
  • in itself : 「それ自体、本質的に」
❖ "These two procedures ~ "「この二つの手順は、それをよく練習すれば、あなたを恐れることなく導いていく役割を果たしてくれる」。この二つの手順とは、自分では決定しないということと、どんな一日にしたいか自問して、ホーリー・スピリットの答えを聞くということ。"for opposition will ~ "「なぜなら、反対のものが初め現れて、次にそれ自体が問題化するということがなくなるからだ」。頭脳による理性的価値判断においては、初めに二つのものを比較する。AとアンチA(opposition)を比較して、より価値の高いものを決定とする。ところが、この判断によって選ばれたものは、往々にして行き詰まり、問題を起こす(become a problem in itself)。理性的価値判断は、目先の優劣だけを評価するものであって、未来を見通した決定ではないからだ。蛇足になるが、深読みするなら、ACIMは、弁証法を否定しているのである。弁証法は、この幻想世界の法であって、実相世界の法ではない。



5. But there will still be times when you have judged already.
  • still [stíl] : 「まだ、今でもまだ、いまだに」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜に裁定を下す」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
❖ "But there will still ~ "「しかし、まだ、すでに判断してしまったという時があるだろう」。自分では判断しないと決めていながら、ついつい、いつもの癖で、理性的判断をしてしまうことがある。たとえば、悪いのはアイツで、自分は悪くないなどと思ってしまうのだ。



Now the answer will provoke attack, unless you quickly straighten out your mind to want an answer that will work.
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
  • provoke [prəvóuk] : 「〜を引き起こす、招く、起こさせる、誘発する」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて、もし〜でなければ」
  • quickly [kwíkli] : 「すぐに、速く」
  • straighten [stréitn] : 「整える、整備する、整理する、〜のひずみを取る」
  • straighten out : 「〜を正す」
  • work [wə́ːrk] : 「正常に機能する、うまくいく」
❖ "Now the answer will ~ "「そうすれば、あなたが〜しない限り、答えは攻撃性を生み出してしまうだろう」。"unless you quickly ~ "「答えが正しく機能するようにと、あなたの心を素早く修正しない限り、」答えは攻撃性を生み出してしまうだろう。ACIMの修業が未熟な我々は、ついつい、自分で理性的な価値判断をしてします。たとえば、アイツと自分はどちらが正しく、どちらが誤っているか、と価値評価(善悪判断)してしまうのだ。そんな理性頼みの心をすぐに修正しないと(quickly straighten out your mind)、たとえば、アイツが悪いという答えを出してしまい、その答えがその人に対して攻撃性をもつことになる(the answer will provoke attack)。理屈を言えば次のようになる。幻想世界は二元論世界であって、あらゆる要素が二極に分離させられる。頭脳的理性判断が一つの事象を二極に分離するのだ。一つのAを、+Aと-Aに分離する。すると、そこに力のベクトルが生み出され、どちらかが他方を攻撃するという力学が出来上がるのだ。たとえば、実相的な純粋で神聖な愛は、本来対立概念を持たないが、そこに頭脳的理性判断が介入してくると、愛を価値評価し、二つの両極端に分離して、愛に対する憎悪という対立概念を生む。そこに愛と憎悪の力学が生じ、憎悪は愛を攻撃することになるのである。



Be certain this has happened if you feel yourself unwilling to sit by and ask to have the answer given you.
  • certain [sə́ːrtn] : 「確信している、確実な、確かな、確信して」
  • feel [fíːl] : 「感じがする、感じる」
  • unwilling [ʌnwíliŋ] : 「気が進まない、不本意の、嫌がる、嫌々ながらの」
  • sit by : 「傍観する、黙って見ている」
  • ask [ǽsk] : 「〜を求める、〜を頼む、依頼する」
  • have : 「〜を〜の状態にする」
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
❖ "Be certain this has ~ "「もしあなたが、静かに座って、与えられる答えが欲しいと頼む気持ちになれないときは、こんなことが起きていると確信しなさい」。心が平穏であり、ホーリー・スピリットに答えを求めているときは、あなたの心は実相的な状態にある。そうでない時は、心は幻想的な状態にあり、ややもすれば頭脳的理性に頼って判断しようとし、心に攻撃心が芽生え始める。



This means you have decided by yourself, and can not see the question.
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
  • by oneself : 「自分だけで、一人で、独りで、独力で」
  • question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
❖ "This means you ~ "「これは、あなた自身によって決定し、問題をよく見ることが出来ないことを意味する」。頭脳的理性に依存しようとしているときは、たとえば、アイツが悪いか自分が悪いか、それがあなたにとって問題なのではなく、善悪の価値判断をしようとしていること自体が問題なのだ。問題の本質が見えていないのである。自分が実相に立って物事を見ているのか、幻想に騙されて物事を見ているのか、その見極めが大切なのだ。



Now you need a quick restorative before you ask again.
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
  • quick [kwík] : 「迅速な、速い、即座の、素早い」
  • restorative [ristɔ́ːrətiv] : 「回復させるもの、気付け薬、強壮剤」
  • before [bifɔ́ːr] : 「〜する前に、〜より前に、〜より先に」
❖ "Now you need a quick ~ "「あなたが再び疑問を呈する前に、素早い効き目の気付け薬が必要である」。頭脳的理性に対して、どっちが正しくどっちが誤っているか問いかける前に、幻想から目覚めるための気付け薬が必要だ。目が覚めれば、あなたは自分で判断、決定すること放棄して、ホーリー・スピリットに答えを求めるようになるだろう。結局、ここでは、ホーリー・スピリットを全面的に信頼し、ホーリー・スピリットに絶対他力せよ、と教えているのである。自力で幻想世界から解放されることは不可能なのだ。なぜなら、眠りがあまりにも深いからだ。だから、実相世界に目覚める方法を知っているホーリー・スピリットに、絶対的に、つまり、完全に信頼して、すべてを任せてしまう、他力してしまう、これに限るのである。
 
 
 


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