●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-30.IV.5:1 ~ T-30.IV.6:6

5. Appearances deceive because they are appearances and not reality. Dwell not on them in any form.
  • appearance [əpíərəns] : 「外観、外見、見掛け、容姿、風貌」
  • deceive [disíːv] : 「欺く、惑わす、だます、裏切る」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
  • dwell [dwél] : 「住む、居住する、存在する」
  • dwell on : 「〜をくよくよ考える、こだわる、思案する」
  • in any form [fɔ́ːrm] : 「いかなる種類のものであれ」
❖ "Appearances deceive ~ "「見掛けというものは、〜なので、人を欺く」。"because they are appearances ~ "「見掛けは外観に過ぎず、実相ではないので、」人を欺く。目に見えたままが真実を表しているのではない。見掛けは嘘をつく。"Dwell not on them ~ "「見掛けがどんな形をとろうとも、それにこだわってはいけない」。この幻想世界には、羊の顔をしたオオカミもいる。もうけ話には気をつけよ、と言うではないか。



They but obscure reality, and they bring fear because they hide the truth.
  • obscure [əbskjúər] : 「〜を暗くする、曖昧にする」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "They but obscure ~ "「見掛けは、実相を曖昧にし、」見掛けは、真実を覆い隠し、"and they bring ~ "「真実を覆い隠すので、見掛けは、恐れを運んでくる」。羊の見掛けだけでは、その人が良い人間かどうかわからない。もしかしたらオオカミかも知れないと、人は恐れを抱くのだ。見掛けとは幻想であって、羊のような顔をした偶像でもオオカミの偶像かも知れない。不安と不信が恐れを運んでくる。



Do not attack what you have made to let you be deceived, for thus you prove that you have been deceived.
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • prove [prúːv] : 「証明する、〜となる、〜であると分かる」
❖ "Do not attack what ~ "「あなたが自分を欺(あざむ)こうとして作り上げたものを攻撃してはいけない」。"for thus you prove ~ "「なぜなら、そうすれば、あなたは欺かれてしまったことを証明したことになるからだ」。欺かれたことを認めれば、怒りが込み上げてきて攻撃してしまうのである。ならば、どうするか? 見掛けは、受け流してしまうに限る。なぜなら、見掛けは幻想だからだ。



Attack has power to make illusions real. Yet what it makes is nothing.
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • power [páuər] : 「力、能力、勢力」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • real [real] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
❖ "Attack has power ~ "「攻撃は、幻想をリアルにしてしまうパワーをもっている」。本気で攻撃すると、攻撃対象も本気なものに、リアルなものになってしまう。お化けを見てお化けを恐れ、お化け攻撃すると、その人にとってお化けは現実のものとなる。思いは現実化するのだ。本当だと思うと、それは本当になってしまう。"Yet what it makes ~ "「しかし、攻撃が作り出すものは、無に過ぎない」。幻想がどんなにリアルでも、そこには何もない。攻撃が作り出すリアルな幻想もまた、無に過ぎない。



Who could be made fearful by a power that can have no real effects at all?
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
❖ "Who could be made ~ "「現実的な影響力をまったくもたないパワーによって、いったい誰が恐ろしい思いにさせられるだろうか」。幻想は、どんなにリアルでも、現実的な影響力はない。そんなものを恐れる必要はない。偶像を恐れる必要などないのだ。偶像は、張り子のトラである。中身は空っぽで、無なのだ。夜見る夢に登場するモンスターも、どんなに恐ろしくても夢に過ぎない。あなたに影響を与えるようなパワーなど持ってはいない。



What could it be but an illusion, making things appear like to itself?
  • appear [əpíər] : 「〜のように見える、〜と思われる」
❖ "What could it be ~ "「現実的な影響力をまったくもたないパワーは、幻想でなくて何だろうか」。"making things appear ~ "「幻想は、それ自体であるかのように見せ掛けているのだから」。つまり、幻想は見せ掛けだけなのだから、ということ。見掛けがそれらしいくても、中身は無である。



Look calmly at its toys, and understand that they are idols which but dance to vain desires.
  • calmly [kάːmli] : 「静かに、落ち着いて」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
  • toy [tɔ́i] : 「おもちゃ、玩具」
  • idol [áidl] : 「アイドル、偶像、崇拝される人、神像」
  • dance [dǽns] : 「ダンスする、舞う、踊る」
  • dance to : 「〜にあわせて踊る」
  • vain [véin] : 「無駄な、無益な、無価値な、空虚な」
  • desire [dizáiər] : 「欲望、欲求、願望、念願」
❖ "Look calmly at ~ "「幻想のおもちゃを、心静かに見てみなさい」。"and understand that ~ "「そうすれば、おもちゃは、無益な欲望にあわせて踊る偶像だと理解出来るだろう」。おもちゃと偶像を入れ替えて解釈した方がいいかもしれない。つまり、偶像は、無益な欲望に躍らされているおもちゃに過ぎない、ということ。



Give them not your worship, for they are not there. Yet this is equally forgotten in attack.
  • worship [wə́ːrʃip] : 「崇拝、礼拝、賛美、敬愛」
  • equally [íːkwəli] : 「等しく、同様に、一様に」
  • forgotten [fərɡάtn] : 「forget の過去分詞形」
  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、見落とす」
❖ "Give them not ~ "「偶像など、崇拝してはいけない」。"for they are ~ "「なぜなら、偶像はそこに存在してはいないのだから」。偶像は幻想であって、無である。無であるから存在さえしていない。"Yet this is equally ~ "「しかし、このことは、攻撃しているときは、等しく、忘れてしまうものなのだ」。偶像を崇拝しているときも、偶像が存在しないことを忘れているのだが、攻撃しているときも同様に、偶像が存在していないことを忘れている。



God's Son needs no defense against his dreams. His idols do not threaten him at all.
  • defense [diféns] : 「防衛、防御」
  • against [əɡéinst] : 「〜に逆らって、〜にそむいて、反抗して」
  • threaten [θrétn] : 「〜を脅す、脅迫する」
❖ "God's Son needs ~ "「神の子は、自分の夢に対して防御する必要はない」。夢は幻想であり、存在していないのだから、夢に対して防御する必要はまったくない。"His idols do not ~ "「神の子のもつ偶像は、神の子をまったく脅かすことはない」。偶像は幻想であり夢に過ぎないから、神の子は自分が描いた偶像によって脅かされる必要はないのだ。



His one mistake is that he thinks them real. What can the power of illusions do?
  • mistake [mistéik] : 「誤り、判断上の間違い、ミス、過ち」
❖ "His one mistake is ~ "「神の子のただ一つのミスは、偶像がリアルであると思い込んでいることである」。夢を現実と勘違いして、偶像を恐れ、偶像を攻撃してしまうのである。これが唯一のミスだ。"What can the power ~ "「幻想のもつパワーは、いったい何が出来るだろうか」。幻想には、そもそも、何かをなすようなパワーなど持ってはいない。実相的なパワーを持っていなから、幻想は幻想なのである。夢の中のモンスターがどんなに吠えても、あなたに危害を加えることは出来ないのだ。



6. Appearances can but deceive the mind that wants to be deceived.
  • appearance [əpíərəns] : 「外観、外見、見掛け、容姿、風貌」
  • deceive [disíːv] : 「欺く、惑わす、だます、裏切る」
❖ "Appearances can but ~ "「見掛けというものは、欺(あざむ)かれたいと願う心だけを欺くことが出来るのだ」。見掛けに騙されたいと無意識のうちに願っている心が、見掛けに騙されるのである。幻想があなたを騙すのではない。あなたが幻想に騙されたいと願っているのだ。あなたは、騙しを自作自演しているのである。



And you can make a simple choice that will forever place you far beyond deception.
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • make a simple choice : 「簡単に選ぶ」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
  • far beyond [bijάnd] : 「〜をはるかに超えて」
  • deception [disépʃən] : 「だますこと、欺くこと、詐欺」
❖ "And you can make ~ "「あなたは、騙しからはるかに遠い場所にあなたを永遠に置いてくれる単純な選択をすることが出来る」。あなたの選択次第で、あなたは永遠に幻想に騙されないようになれるのだ。つまり、幻想に騙されたりしないぞ、と単純に心を決めればいい。騙されたいと望む弱い心を正せばいい。幻想ではなく、実相を信じる選択をすればいいのだ。



You need not concern yourself with how this will be done, for this you cannot understand.
  • concern [kənsə́ːrn] : 「〜に関係する、〜と関係がある、〜にかかわる、気遣う」
  • concern oneself with : 「〜に関心を持つ」
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
❖ "You need not concern ~ "「どうすれば、こんなことが出来るか、あなたはそれに関心をもつ必要はない」。"for this you ~ "「なぜなら、あなたは、それを理解出来ないだろうからだ」。幻想に騙されたないという選択をし、そう決心するだけでいい。その後のことは、ホーリー・スピリットがちゃんとやってくれる。実相的な手続きは、今のあなたには理解出来ないだろうから。ACIMの絶対他力性である。何から何まで、自分で完結しなくていいのだ。あなたには出来ないからだ。そんなときは、すべてをホーリー・スピリットに委ねてしまえばいい。他力する必要があるのだ。



But you will understand that mighty changes have been quickly brought about, when you decide one very simple thing; you do not want whatever you believe an idol gives.
  • mighty [máiti] : 「強力な、力のある、巨大な、重大な」
  • change [tʃéindʒ] : 「変化、変更、移行、交換」
  • quickly [kwíkli] : 「すぐに、速く」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring about : 「〜をもたらす、〜を引き起こす」
  • decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な」
  • whatever [hwʌtévər] : 「〜するのは何でも」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
❖ "But you will understand ~ "「あなたが〜したとき、あなたは、大きな変化が速やかにもたらされたと理解するだろう」。"when you decide one ~ "「あなたが、とても単純な一つのことを決心したとき、」あなたは理解するだろう。その単純なこととは、"you do not want whatever ~ "「偶像が与えてくれるとあなた信じるものは何でも、あなたは欲していない」という単純な決心。偶像は幻想であって、存在さえしていない。そんな偶像が与えてくれるものも、もちろん幻想であって、存在していないのだ。そんな見掛けだけのものなど、あなたは欲しくもないと決心すればいい。



For thus the Son of God declares that he is free of idols. And thus is he free.
  • declare [diklέər] : 「〜を宣言する、断言する、言明する、表す、示す」
  • be free of : 「〜がない、〜が免除されている 」
❖ "For thus the Son of God ~ "「なぜなら、こうして神の子は、偶像から解放されたと宣言出来るのだから」。"And thus is ~ "「こうして、神の子は自由になるのである」。幻想を欲しない自分を決心し、そうすることで、幻想の偶像から解放される。実相へと解放され、自由をものにするのである。もちろん、そこへ導いてくれるのは、ホーリー・スピリットである。
 
 
 


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