●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-30.V.7:1 ~ T-30.V.8:6

7. When brothers join in purpose in the world of fear, they stand already at the edge of the real world.
  • join [dʒɔ́in] : 「加入する、参加する、交わる、一緒になる」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • at the edge [édʒ] of : 「〜の縁に」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
❖ "When brothers join ~ "「恐れの世界にあって、同胞が目的に加わったとき、彼らはすでに、実相世界の入り口に立っているのだ」。恐れと苦の幻想世界にあっても、もしあなたの同胞が、あなたと共に天の王国へ回帰する目的を共有することが出来れば、そのことだけでも、あなたと同胞は実相世界の入り口に立っていると言えるのだ。



Perhaps they still look back, and think they see an idol that they want.
  • perhaps [pərhǽps] : 「たぶん、もしかすると」
  • look back : 「振り返って見る」
  • idol [áidl] : 「アイドル、偶像、崇拝される人、神像」
❖ "Perhaps they still ~ "「たぶん、同胞は、まだ後ろを振り返り、求める偶像を見ていると思っているかも知れない」。実相世界への回帰という目的を共有したものの、幻想世界とその世界で求めていた偶像に未練を感じて、後ろを振り返ることがあるかも知れない。



Yet has their path been surely set away from idols toward reality.
  • path [pǽθ] : 「道、小道、細道、進路、方針」
  • surely [ʃúərli] : 「疑いなく、しっかりと、確かに、確実に」
  • set [sét] : 「定める、配置する、設定する」
  • away from : 「〜から離れて」
  • toward [təwɔ́ːd] : 「〜の方へ、〜に向かって、〜に向いて」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
❖ "Yet has their path ~ "「しかし、彼らの進むべき道は、偶像から遠く離れ、実相へと確実に向かっている」。偶像に未練は残るものの、後戻りはもう出来ない。偶像から遠く離れ、つまり、幻想を後にして、ひたすら実相へと向かうだけだ。



For when they joined their hands it was Christ's hand they took, and they will look on Him Whose hand they hold.
  • join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、連結する」
  • took [túk] : 「take の過去形」
  • look on : 「〜を見る」
  • hold [hóuld] : 「〜を手に持つ、握る」
❖ "For when they joined ~ "「なぜなら、彼らが手に手を取り合うとき、その手はキリストの手であり、」"and they will look on ~ "「彼らは、握った手の持ち主であるキリストを目撃するであろうからだ」。実相世界に回帰するという目的の下に結びついた同胞達は、互いが互いを救い合うという、相互救済の関係を構築している。したがって、あなたを救い出す同胞はあなたにとってキリストであり、あなたが救い出す同胞にとっては、あなたがキリストとなるのである。互いに取り合った手は、キリストの手なのだ。



The face of Christ is looked upon before the Father is remembered.
  • face [féis] : 「顔、顔色」
  • remember [rimémbər] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
❖ "The face of Christ ~ "「父なる神が思い出される前に、キリストの顔が目撃されることになる」。神の子が天の王国で一緒に暮らしていた神を思い出すには、その前に、自分がキリストであり、他者もキリストであることを認識して、互いに幻想から救われる必要がある。



For He must be unremembered till His Son has reached beyond forgiveness to the Love of God.
  • unremembered : 「記憶されていない、想起不能の」
  • till [tíl] : 「〜まで」
  • reach [ríːtʃ] : 「届く、達する、及ぶ」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
❖ "For He must be unremembered ~ "「なぜなら、キリストは、神の子が赦しを越えて神の愛に到達するまでは、思い出されることがなかったに違いないからだ」。確かに、幻想世界に暮らす私たちは、自分がキリストであり、他者もまたキリストなのだという認識を持ったことがない。幻想を赦し、幻想を消滅させて、つまり、赦しを超越し、その先の神の愛に到達するには、自分がキリストなのだと自己認識する必要がある。



Yet is the Love of Christ accepted first. And then will come the knowledge They are One.
  • accept [æksépt] : 「引き受ける、受諾する、受け入れる」
  • first [fə́ːrst] : 「一番目に、最初に」
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵、知見」
❖ "Yet is the Love of ~ "「しかし、まず初めに、キリストの愛が受け入れる」。なにはさておき、ます第一に、キリストの愛を受け入れる必要がある。つまり、自分が実相世界に救われることを強く求め、救いをもたらすキリストの愛を希求しなくてはならない。"And then will come ~ "「そして、次に、彼らは一つなのだという叡智が来ることになるのだ」。そして、気がつけば、自分がキリストであり、同胞もまたキリストなのだという叡智、つまり、神の子とキリストは一つなのだという叡智がやって来るのである。もちろん、キリストはホーリー・スピリットの一側面であるから、神の子は、ホーリー・スピリットとも、また同体なのだ。



8. How light and easy is the step across the narrow boundaries of the world of fear when you have recognized Whose hand you hold!
  • light [láit] : 「軽い、軽快な」
  • easy [íːzi] : 「やさしい、容易な、簡単な」
  • step [stép] : 「足の運び、ステップ、歩み、一歩」
  • across [əkrɑ́s] : 「〜を横切って、〜を横断して、〜の向こう側に」
  • narrow [nǽrou] : 「狭い、小さい」
  • boundary [báundəri] : 「境界、限界、限度」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
❖ "How light and easy ~ "「あなたが、自分は誰の手を握っているのか認識し出来れば、恐れの世界の狭い境界を越えて行くステップが、どんなに軽やかで容易なことであろう」。恐れと苦の幻想世界を後にして、つまり、幻想世界と実相世界の境界を越えて、天の王国へ回帰するとき、あなたが手を取っている相手は同胞であり、キリストであると知ったとき、あなたの歩みは軽やかになり、道のりの克服は容易である。



Within your hand is everything you need to walk with perfect confidence away from fear forever, and to go straight on, and quickly reach the gate of Heaven itself.
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜のうちに」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「完全な、完璧な」
  • confidence [kάnfədəns] : 「信頼、信用、信任、確信、自信」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • go straight [stréit] on : 「一直線に進む、真っすぐに行く、直進する」
  • quickly [kwíkli] : 「すぐに」
  • gate [géit] : 「入り口、門扉、ゲート、門」
❖ "Within your hand is ~ "「あなたの手の中には、恐れから永遠に遠く離れて、完璧な確信をもって真っすぐに歩いて行き、天の王国自体の扉に早く行き着くために必要なすべてのものがある」。天の王国にたどり着くために必要な確信を与えてくれ、道案内をしてくれるのは、手を繋いでいるキリストである。



For He Whose hand you hold was waiting but for you to join Him.
  • wait [wéit] : 「じっとしている、待つ」
❖ "For He Whose hand ~ "「なぜなら、あなたが手を握っているその人は、あなたがその人と結合するのを待っていたからだ」。あなたが手を握っているキリストは、あなたがキリストの存在に気付き、あなたがキリストと一体であることを認識してほしいと願っていたのだ。



Now that you have come, would He delay in showing you the way that He must walk with you?
  • now that : 「今や〜だから、〜からには」
  • delay [diléi] : 「〜を遅らせる、延期する、滞らせる」
❖ "Now that you ~ "「今や、あなたはここまでやって来たのだから、」"would He delay ~ "「キリストがあなたと共に歩まねばならない道をあなたに示すことを、キリストは遅らせてしまいたいなどと思うだろうか」。あなたがキリストの存在に気付き、キリストと一体であることを認識したあなたに、キリストは、歩むベき道を早く教えてやりたいのだ。



His blessing lies on you as surely as His Father's Love rests upon Him.
  • blessing [blésiŋ] : 「祝福、恵み、賛意」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • surely [ʃúərli] : 「確かに、確実に、必ず、きっと、間違いなく」
  • rest [rést] : 「ある、置かれている」
❖ "His blessing lies ~ "「父なる神の愛がキリストの上に存在しているのと同じくらい確実に、キリストの祝福はあなたに注がれている」。天の王国に回帰しようと決心したあなたを、キリストは祝福し、愛し、喜んでいる。それは、神の愛に匹敵するほどである。



His gratitude to you is past your understanding, for you have enabled Him to rise from chains and go with you, together, to His Father's house.
  • gratitude [ɡrǽtətjùːd] : 「感謝、感謝の気持ち、報恩の念」
  • past [pǽst] : 「〜を過ぎて、越えて」
  • understanding [ʌ̀ndərstǽndiŋ] : 「理解、理解力、知力」
  • enable [enéibl] : 「〜を可能にする、できるようにする」
  • rise [ráiz] : 「立ち上がる、起立する」
  • chain [tʃéin] : 「鎖、束縛」
  • together [təɡéðər] : 「一緒に」
❖ "His gratitude to you ~ "「キリストがあなたに感謝していることは、あなたの理解を越えている」。"for you have ~ "「なぜなら、あなたが、キリストを鎖の束縛から立ち上がらせ、あなたと共に歩むことを可能にし、共に、父なる神の家に行けるようにしてくれたからだ」。あなたがキリストを束縛から解放し、天の王国へと同伴してくれることにキリストが感謝するという記述に、主客が逆転しているのではないかと思われるかもしれない。それは、次のような事情による。神の子が神から分離し、幻想世界という束縛の世に暮らすことになった神の子であるが、神は分離した神の子を放棄することなく、ホーリー・スピリットを神の使者として幻想世界に遣わせ、神の子の心の中に住まわせた。なぜなら、神は、この幻想世界と一切の関わりを持たないからであり、関わりを持てないからなのだ。神は、幻想世界を知らない。なぜなら、神は、幻想世界を想念することで、神の純粋性を汚すことが出来ないからだ。そこで、幻想世界を知っているホーリー・スピリットに、神の思いを託して、神の子を助ける役割を与えたのだ。そのホーリー・スピリットは、神の子の心の中に住みながら、いわば、神の子と一緒に、この幻想世界に束縛されることとなったのである。しかし、今、神の子であるあなたが、キリストの存在に気付き、あなたがキリストであることを認識して、神の世界に回帰しようとしている姿を見て、キリストに変容したホーリー・スピリットは、あなたがキリストをこの幻想世界から連れ出してくれることを、あなたに感謝するのである。ホーリー・スピリットとキリストと神の子の3者が登場して、少々ややこしいのだが、ホーリー・スピリットが救いに徹したとき、ホーリー・スピリットはキリストに変容する、あるいはキリストと名を変えると思えばいいし、ホーリー・スピリットを心に抱く神の子も、同胞を救うとき、キリストに変容する、あるいはキリストと名を変えると思えばいい。結局、神の子とホーリー・スピリットとキリストは同体なのだ。一体なのである。
 
 
 


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