●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-4.VI.3:1 ~ T-4.VI.4:4

3. You have very little trust in me as yet, but it will increase as you turn more and more often to me instead of to your ego for guidance. 
  • trust [trʌ́st] : 「信頼、信用」
  • have trust in : 「〜を信頼する、〜を信用している」
  • as yet : 「今のところは」
  • increase [inkríːs] : 「増える、増大する、大きくなる、強まる」
  • turn to : 「: 〜の方を向く」
  • instead of : 「〜の代わりに」
  • guidance [gáidns] : 「指導すること、助言」
❖ "You have very  ~ "「今のところ、あなたは私をほとんど信頼していないが、」"but it will ~ "「しかし、信頼は、〜しているうちに増大するであろう」。"as you turn ~ "「あなたが指導を求めて、エゴの代わりに私の方に、もっともっと振り向いてくれるうちに」。



The results will convince you increasingly that this choice is the only sane one you can make. 
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、効果」
  • convince [kənvíns] : 「確信させる、納得させる」
  • increasingly [inkríːsiŋli] : 「ますます、だんだんと」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • sane [séin] : 「正気の、分別ある」
❖ "The results will ~ "「その結果は、ますますあなたにthat以下を確信させるであろう」"that this choice ~ "「この選択は、あなたが為せる唯一の正気な選択である」と確信させる。実在もしない幻想のエゴを信頼するのではなく、実在する実相のイエスを信頼することが正しい選択だと確信できるようになる。



No one who learns from experience that one choice brings peace and joy while another brings chaos and disaster needs additional convincing. 
  • experience [ikspíəriəns] : 「経験、体験」
  • while [hwáil] : 「しかし一方」
  • chaos [kéiɑs] : 「無秩序、混乱、混沌」
  • disaster [dizǽstər] : 「災害、天災、災難、最悪のこと」
  • additional [ədíʃənl] : 「付加的な、補足的な」
❖ "No one who ~ "「that以下の経験をした者は誰でも、」"that one choice ~ "「一方の選択は平和と喜びをもたらし、他方、別の選択は混乱と災いをもたらす」という経験をした者は誰でも、"needs additional ~ "「更なる確信を必要としない」。確信をもって選択した後は、イエスの導きにしたがえばいい。迷う必要はない。



Learning through rewards is more effective than learning through pain, because pain is an ego illusion, and can never induce more than a temporary effect. 
  • reward [riwɔ́ːrd] : 「褒美、褒賞」
  • effective [iféktiv] : 「効果的な、有効な」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、苦痛」
  • induce [indjúːs] : 「〜を生じさせる、引き起こす」
  • more than : 「〜を超える、〜より多い」
  • temporary [témpərèri] : 「一時の、一時的な」
  • effect [ifékt] : 「効果、効力、結果、影響」
❖ "Learning through ~ "「褒美を通して学ぶことは、苦痛を通して学ぶことより、より効果的である」。"because pain ~ "「なぜなら、苦痛はエゴの錯覚であり、一時的な効果を生み出す以上のことはできないからだ」。苦痛を乗り越えてこの世の成功をものにしたとしても、それは一時的なこと。そんな成功は、はかない夢と消える。だから、エゴの支配に屈して苦と痛みの世界を学ぶより、幸せと平和を与えてくれるイエス(ホーリー・スピリット)の学びにしたがった方がいい。



The rewards of God, however, are immediately recognized as eternal. Since this recognition is made by you and not the ego, the recognition itself establishes that you and your ego cannot be identical. 
  • immediately [imíːdiətli] : 「すぐに、早急に、即座に、即刻」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「認める、〜を認識する」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、制定する、成立させる」
  • identical [aidéntikl] : 「全く同じ、同一の、等しい」
❖ エゴのもたらす効果は一時的だが、"The rewards of ~ "「しかし、神の褒美は永遠であるとすぐに認識される」。"Since this ~ "「この認識は、エゴではなくあなたによって為されるので、認識自体がthat以下を確立する」。"that you and ~ "「(本当の)あなたとあなたのエゴは同一であり得ない」ということを確立する。つまり、永遠を認識することは、本当のあなたは幻想のエゴなどではないことの証拠となる。



You may believe that you have already accepted this difference, but you are by no means convinced as yet. 
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに」
  • accept [əksépt] : 「受け入れる、承認する」
  • difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
  • by no means : 「決して〜ではない」
  • convince [kənvíns] : 「確信させる、納得させる」
  • as yet : 「今のところは」
❖ "You may believe ~ "「あなたはすでにこの違いを認めていると信じているかも知れない」。この違いとは、エゴの一時的な効果と神の永遠の褒美との違い。"but you are ~ "「しかし、あなたは今のところ、どうしても確信をもてないでいる」。確信がもてないので、ついつい、この世の成功を夢見てしまう。物欲に走ってしまう。真実を求める自分と、真実を疑う自分に分裂し、心の両面性に翻弄される。



The fact that you believe you must escape from the ego shows this; but you cannot escape from the ego by humbling it or controlling it or punishing it.
  • escape [iskéip] : 「逃げる、脱出する」
  • humble [hʌ́mbl] : 「卑しめる、屈辱的な状態にする」
  • punish [pʌ́niʃ] : 「〜を罰する、〜を懲らしめる」
❖ "The fact that ~ "「あなたが、エゴから逃れなければならないと信じている事実が、このことを示している」。このこととは、前文の確信がもてないでいること。"but you cannot ~ "「しかし、エゴを卑しめてみても、コントロールしてみても、罰してみても、エゴから逃れることはできない」。夜見る夢の中のモンスターと夢の中で戦っても無意味なのだ。エゴの支配から抜け出す唯一の方法は、夢から覚めることである。エゴの幻想性を認識し、その幻想性を赦して受け入れ、受け流すのである。『何だ、夢じゃないか、夢なんかに関わるまい』と思えばいい。



4. The ego and the spirit do not know each other. The separated mind cannot maintain the separation except by dissociating. 
  • know each other : 「親しくなる、知り合いである」
  • maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する」
  • except [iksépt] : 「〜以外は、〜を除いては」
  • dissociate [disóuʃièit] : 「引き離す、解離する、分離する」
❖ "The ego and ~ "「エゴとスピリットは互いに知り合いではない」。二者は、その志向が対立するだけでなく、存在のレベルが違い過ぎるために接点がほとんどない。"The separated ~ "「分離した心は、乖離することを除いてその分離を維持できない」。昔の東西冷戦時代をイメージすればいい。東西に分裂した世界は、思想の乖離を是としたまま関係を断って、分離した世界を維持するしかない。同様に、今のあなたの心の状態は、エゴに支配された部分とホーリー・スピリットの宿る部分に分裂し、冷戦状態を維持している状態だ。乖離状態(dissociating)に甘んじて生きているのが今のあなただ。袋小路に陥っている。



Having done this, it denies all truly natural impulses, not because the ego is a separate thing, but because you want to believe that you are. 
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、拒む、拒絶する」
  • truly [trúːli] : 「全く、本当に」
  • natural [nǽtʃərəl] : 「自然の、ありのままの」
  • impulse [ímpʌls] : 「衝動、衝撃」
❖ "Having done ~ "「これが起きると、」つまり、乖離が起きると、"it denies all ~ "「心は真の意味での自然な衝動を否定してしまう」。神の子が神から分離した後、神への裏切りを罪と感じ、神の罰を恐れ、罪と罰の恐れに耐えきれなくなって自己を乖離しエゴという別人格を作り上げた。つまり、乖離とは真の世界を捨てて幻想の世界に逃げ込み、自身をエゴと同一視することである。したがって、「真の意味での自然な衝動」とは、真の世界に目覚めようとする衝動、スピリットと同一化しようとする衝動、神それ自体を求める衝動のこと。それを、あなたは否定している。"not because the ~ "「エゴが分離したものであるからではなく、」エゴが神から分離して実在する存在だからという理由ではなく、"but because you ~ "「あなたが、自分が分離したものと信じたいがためである」。あなたが神から分離して独立した存在だと信じたいがためである。つまり、真の自然な衝動を抑圧しているのは、分離したエゴではなく、分離を信じ込もうとするあなた自身である、ということ。あなたが乖離を引き起こし、あなたが自身を抑圧しているのである。



The ego is a device for maintaining this belief, but it is still only your decision to use the device that enables it to endure.
  • device [diváis] : 「機器、装置、道具、手段」
  • maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する」
  • decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心」
  • enable [enéibl] : 「〜を可能にする、〜に可能性を与える」
  • endure [endjúər] : 「耐える、持ちこたえる、持続する」
❖ もちろん、確かに、"The ego is ~ "「エゴはこの種の信じ込みを維持するのに適した装置ではある」。神の子が自己を乖離して作り上げたエゴだから、あなたの否定的な信念のすべてをエゴに投影して、責任のすべてをエゴのせいに出来るのだ。エゴに支配権を明け渡し、あなたはエゴを偶像化して崇めるだけでいい。エゴは格安な装置である。"but it is still ~ "「しかし、信じ込みを維持させ得るものは、エゴという装置を使うと決めた、唯一あなた自身の決定である」。責任をエゴになすりつけたと言え、エゴを選択した責任はあなたにある。逆に言えば、あなたが選択を変えれば、あなたはエゴの支配から解放され得る。
 
 
 



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