●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-5.I.5:1 ~ T-5.I.6:6

5. The Holy Spirit is the Christ Mind which is aware of the knowledge that lies beyond perception. 
  • be aware of : 「〜に気付いている、〜を知っている」
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵」
  • lie [lái] : 「寝る、横たわっている」
  • beyond [bijɑ́nd] : 「〜の向こう側に、〜を越えて」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
❖ "The Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは、知覚を超えたところにある叡智を知っているキリストの心のことである」。"which"も"that"も関係代名詞、主格。キリストの心とは、神の子を幻想から救う役割を担った心のこと。簡単に言えば、愛に溢れたスピリットである。叡智は愛の光を放つ。光は闇を駆逐し、神の子を無明の世界から救う。



He came into being with the separation as a protection, inspiring the Atonement principle at the same time. 
  • come into being : 「生じる、発生する、出現する」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、離脱」
  • protection [prətékʃən] : 「擁護、防御、防衛、守ること」
  • inspire [inspáiər] : 「吹き込む、呼び起こす、引き起こす」
  • atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い」
  • principle [prínsəpl] : 「原則、原理、法則」
  • at the same time : 「同時に、一緒に、加えて」
❖ "He came into ~ "「ホーリー・スピリットは、(神の子が神から)分離するとき、(神の子を)守るために、出現した」。神の子が神から分離し、この幻想世界を偽創造したとき、神は神の子を幻想から救うためにホーリー・スピリットを神の子の下(もと)に遣わした。"inspiring the Atonement ~ "分詞構文、単純接続、「そして、ホーリー・スピリットは同時に、贖罪の原理を吹き込んだのである」。ホーリー・スピリットは、神の子の罪の意識は幻想であり、それを認識して受け流し、幻想を赦すことで、罪という幻想を消滅させるという贖罪の原理を神の子に教える。



Before that there was no need for healing, for no one was comfortless. The voice of the Holy Spirit is the Call to Atonement, or the restoration of the integrity of the mind. 
  • comfortless [kʌ́mfərtlis] : 「慰めにならない、わびしい」
  • restoration [rèstəréiʃən] : 「復元、復旧、回復、修復」
  • integrity [intégrəti] : 「完全性、全体性、誠実、高潔」
❖ "Before that there ~ "「それ以前は、ヒーリングの必要はなかった」。それ以前とは分離以前のこと。"for no one ~ "「なぜなら、誰も心の痛みなどなかったからだ」。"The voice of ~ "「ホーリー・スピリットの声は贖罪を求めての呼びかけ、あるいは、心の完全性の回復を求めての呼びかけである」。



When the Atonement is complete and the whole Sonship is healed there will be no Call to return. But what God creates is eternal. 
  • complete [kəmplíːt] : 「全部そろった、完全な、全部の」
  • return [ritə́ːrn] : 「元に戻ること、返ってくること」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の」
❖ "When the Atonement ~ "「贖罪が完了し、神の子全体がヒールされたとき、回帰への呼びかけはなくなるだろう」。この回帰とは、神からの分離に対して、神の下へ回帰すること。神の子が贖罪を通して幻想から目覚めたとき、神から分離したと思っていたことは単なる夢だったと気付く。もはや、神への回帰を呼びかける必要はなくなるのだ。"But what God ~ "「しかし、神が創造するものは永遠である」。ホーリー・スピリットの回帰への呼びかけがなくなったとは言え、ホーリー・スピリットが消滅してしまったわけではない。神によって創造されたホーリー・スピリットは永遠の命をもって健在だ。ホーリー・スピリットとあなたは同化するのである。



The Holy Spirit will remain with the Sons of God, to bless their creations and keep them in the light of joy.
  • remain [riméin] : 「とどまる、残る」
  • bless [blés] : 「祝福する、〜を賛美する」
❖ "The Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは神の子の下にとどまり、」"to bless their ~ "「神の子が創造したものを祝福し、それらを喜びの光の中に保つだろう」。"to bless"は不定詞、副詞的用法。神の子が創造したものとは、あなたの愛や喜びや平和、等々のこと。実相的真実の拡張が創造であって、その延長線上にあなたが愛を拡張したなら、それが、神の子であるあなたが創造したもの。



6. God honored even the miscreations of his children because they had made them. 
  • honor [ɑ́nər] : 「〜に敬意を払う、尊敬する」
❖ "God honored even ~ "「神は神の子が誤って創造したものでさえ誇りに思った」。"because they had ~ "「なぜなら、彼らがそれを作ったからだ」。神の子はこの幻想世界を偽創造した。それさえも、神は誇りに思った。偽創造された世界に敬意を表したのではなく、たとえ誤った使い方であっても、創造する力、つまり神の属性を利用したことを讃えたのだ。なぜなら、そこに神の子の救いの道が開かれるからだ。



But he also blessed his children with a way of thinking that could raise their perceptions so high they could reach almost back to him. 
  • bless [blés] : 「祝福する 、〜を賛美する」
  • raise [réiz] : 「上げる、つり上げる、〜を育てる」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、知見、見識、感じ方」
  • reach [ríːtʃ] : 「〜に達する、〜に至る、〜に届く」
❖ "But he also ~ "「しかし、神は、また、神の子を祝福した」。"with a way of ~ "「〜のような考え方をして」祝福した。"thinking that ~ "「神の子の知覚を、神の下にほとんど届くくらいに高く引き上げようとする考え方をして、」神の子を祝福した。神の子は過ちを犯すこともあったが、神はそれを裁いて罰することはせずに、むしろ誇らしくさえ思ったのは、彼らを祝福することで、神の下にまで届くような高みに彼らの知覚を高めてやろうと思ったからだ。



The Holy Spirit is the Mind of the Atonement. He represents a state of mind close enough to One-mindedness that transfer to it is at last possible. 
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、象徴する、示す」
  • transfer [trǽnsfər] : 「移動、移転、移送」
❖ "The Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは贖罪の心である」。"He represents ~ "「ホーリー・スピリットは、一なる心に十分近い心の状態を表している」。"that transfer to ~ "ここの"that"は"so that"の略、「〜するように、〜できるように」、「一なる心に移行することがついには可能となるように」。神からの分離後、神の子の心は分裂に分裂を重ね、多数の小さな"mind"になった。しかし、神への回帰が果たされたとき、神の子の心は再統一され、一つの大きな心"Mind"になる。その鍵を握るのが贖罪である。罪を含めて、幻想を幻想と認識し、受け入れて受け流し、赦してしまうのである。赦された幻想は自然消滅する。これが贖罪であって、それを主導してくれるのがホーリー・スピリット。つまり、あなたがホーリー・スピリットの心を持てば、贖罪は果たされて幻想は消滅し、心の分離分裂という幻想も消えてなくなる。



Perception is not knowledge, but it can be transferred to knowledge, or cross over into it. 
  • transfer [trænsfə́ːr] : 「移動する、移る、転勤する、転任する」
  • cross over : 「クロスオーバーする、領域を越える」
❖ "Perception is not ~ "「知覚は叡智ではないが、」"but it can ~ "「知覚は叡智に移行させられ得る」。"or cross ~ "「あるいは、叡智の領域にクロス・オーバーできる」。知覚は幻想を感受し、その情報を基に頭脳は幻想を実在するものと判断する。夜見る夢の内容を現実だと錯覚するようなものだ。そういう知覚と頭脳の勘違いが修正され、幻想を幻想として、真実を真実として見抜くことが出来るようになったとき、その視力がヴィジョンである。ヴィジョンは真実を見通すことが出来、その真実の総体が叡智である。



It might even be more helpful here to use the literal meaning of transferred or "carried over," since the last step is taken by God.
  • literal [lítərəl] : 「文字どおりの、文字の」
❖ "It might even ~ "「ここで〜を使うのはより手助けになるだろう」。"to use the ~ "「『移行させられる』とか『〜を越えて運ばれる』といった言葉の意味を用いることは」手助けになるだろう。つまり、受動態で表現したのは適切だ、ということ。"since the last ~ "「なぜなら、最後のステップは神によってなされるから」。神によってなされるから、受動態の表現が適切だ。神によってとあるが、もちろん神の使者であるホーリー・スピリットがあなたを主導してくれる。あなたがホーリー・スピリットを選択し、ヴィジョンを得ることをホーリー・スピリットに委ねれば、あなたが自ら主導することなく(受動的に)、ヴィジョンは得られる。
 
 
 



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