●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-5.Intro.2:1 ~ T-5.Intro.3:8

2. To be wholehearted you must be happy. If fear and love cannot coexist, and if it is impossible to be wholly fearful and remain alive, the only possible whole state is that of love. 
  • wholehearted [hóulhάːrtid] : 「心から」
  • coexist [kòuiɡzíst] : 「共存する、同時に存在する」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、できない」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体的に」
  • fearful [fíərfl] : 「恐ろしい、怖い」
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである」
  • alive [əláiv] : 「生存して、生きていて」
❖ "To be wholehearted ~ " 不定詞、副詞的用法(〜するために)、「心からという状態であるには、あなたは幸福でなければならない」。他者に対して心から何かをしてあげたいという思う気持ちになるには、あなた自身が実相的に幸せでなければならない。"If fear and ~ "「もし、恐れと愛が共存できなかったら、」"and if it is ~ "「そして、もし、完全に恐れを抱き、しかも(同時に)生きていることが不可能であるならば、」"the only possible ~ "「唯一可能で完全な状態とは、愛の状態である」。二者択一と考えれば理解しやすいだろう。つまり、恐れを選ぶか愛を選ぶか、完全な恐怖を選ぶか生存を選ぶか・・・。当然、正気な心は愛を選ぶだろう。なぜなら、愛の状態こそ、唯一可能な全的状態なのだから。



There is no difference between love and joy. Therefore, the only possible whole state is the wholly joyous. 
  • difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
  • between [bitwíːn] : 「間で、間に」
  • Therefore [ðéərfɔ̀ːr] : 「それ故に、従って」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、あり得る」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
  • state [stéit] : 「状態、情勢、状況 」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として」
  • joyous [dʒɔ́iəs] : 「うれしい、喜びに満ちた」
❖ "There is no ~ "「愛と喜びの間に違いはない」。"Therefore, the only ~ "「それゆえ、唯一の可能な全的状態とは完全な喜びの状態である」。ここで使われている"whole"とか"wholly"は「全的な」とか「完全に」という意味であるが、欠けたところのないという意味を越えて、傷のない、無垢な、純粋な、無辜(むこ)な、等々の意味合いが込められている。



To heal or to make joyous is therefore the same as to integrate and to make one. 
  • integrate [íntəgrèit] : 「結合する、統合する」
❖ ここに出てくる"To heal"、"to make"、"to integrate"はすべて不定詞の名詞的用法。"To heal or ~ "「ヒーリングすること、あるいは喜びを作り出すことは、したがって、統合すること、一つになることと同じである」。統合する、一つにするとは、分裂した心を再統合すること。単一の心が複数に分裂していて、それを再統合するのである。神から分離した神の子は、分離を象徴する形で、自らの心を分裂させた(と幻想した)。その幻想を消滅させ、元通りの単一の心に戻すのである。



That is why it makes no difference to what part or by what part of the Sonship the healing is offered. Every part benefits, and benefits equally.
  • make no difference : 「違いがない 」
  • offer [ɔ́ːfər] : 「申し出る、提供する」
  • benefit [bénəfit] : 「得をする、利益を得る」
  • equally [íːkwəli] : 「平等に、公平に、差別なく」
❖ "That is why ~ "「それ(今述べたこと)が、why以下の理由である」。"why it makes ~ "「ヒーリングが神の子のどの部分に施されるか、あるいはヒーリングが神の子のどの部分によって施されるか、そこに違いはない」。その理由は、分裂した心が再統一されるから。"Every part benefits ~ "「すべての部分が恩恵を被り、平等に恩恵が与えられる」。あなたがヒーリングの恩恵を被ることは、他者が恩恵に浴することと等しい。あなたが他者にヒーリングの恩恵を与えれば、それはあなたの利益となる。これが聖書に書かれている『黄金律』である。



3. You are being blessed by every beneficent thought of any of your brothers anywhere. You should want to bless them in return, out of gratitude. 
  • bless [blés] : 「〜を祝福する、〜を賛美する」
  • beneficent [bənéfisnt] : 「慈悲深い」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考」
  • anywhere [énihwèər] : 「どこでも、どこにも」
  • in return : 「お礼に、お返しに」
  • gratitude [ɡrǽtətjùːd] : 「感謝、感謝の気持ち」
  • out of gratitude : 「感謝して、感謝の気持ちから」
❖ "You are being ~ "「あなたは、〜によって祝福されている」。
"by every beneficent ~ "「〜の、すべての恩恵多き思いによって」祝福されている。"of any of ~ "「どこにでもいるあなたの同胞の」恩恵多き思いによって祝福されている。"You should want ~ "「あなたは、お返しに、あるいは恩返しとして、同胞を祝福したいと望むべきだ」。



You need not know them individually, or they you. The light is so strong that it radiates throughout the Sonship and returns thanks to the Father for radiating his joy upon it. 
  • individually [ìndəvídʒuəli] : 「個人的には、個々に」
  • radiate [réidièit] : 「放射される、発せられる」
  • throughout [θruːáut] : 「〜の至るところに、〜の間中 」
  • radiate [réidièit]  : 「放射する、発する」
❖ "You need not ~ "「あなたは個人的に彼らを知っている必要はないし、彼らもあなたを個人的に知っている必要はない」。"The light is ~ " ここは"so ~ that ~ "の構文、「光があまりにも強いので、神の子全体をあまねく照らす」。"and returns thanks ~ "「そして、その光は神に感謝の気持ちを返す」。"for radiating his ~ "「神が喜びを神の子の上に放射してくれたことに対して」感謝の気持ちを神に返す。ここでは恩恵や感謝の気持ちを光にたとえて表現しているのだが、ACIMは光を比喩として用いているのではなく、実在として扱っている。真実は、肉眼では見えない実相的な光を放つ。神は神の愛の延長上に神の子を創造したので、神の子は神の愛を属性としてもっている。愛は真実であり、したがって光を放つ。神の子が『光の子』と呼ばれる所以(ゆえん)である。あなたも他者もともに神の子であるから、真実なる心はすべての同胞の上に光を放つ。そして、神が愛(光)を与えてくれたことに神の子は感謝するのだ。



Only God's holy children are worthy channels of his beautiful joy, because only they are beautiful enough to hold it by sharing it. 
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • worthy [wə́ːrði] : 「〜に値する、〜するに足りる」
  • channel [tʃǽnl] : 「チャネル、通信路、経路」
  • enough to do : 「〜するのに十分な」
❖ "Only God's holy ~ "意訳する、「神聖なる神の子だけが、神の美しい喜びを受信するチャンネルを持つにふさわしい」。あなたの心の最も純粋で神聖な部分に神の祭壇があって、そこが神との交信を司るチャンネルになっている。ホーリー・スピリットが宿る場所である。"because only ~ "「なぜならば、神の子だけが、神の喜びを分かち合うことでその喜びを保持するに足る十分な美しさをもっているからだ」。



It is impossible for a child of God to love his neighbor except as himself. That is why the healer's prayer is:
Let me know this brother as I know myself.
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、できない」
  • neighbor [néibər] : 「隣人、同胞、仲間」
  • prayer [préər] : 「祈り、祈りの言葉 」
❖ "It is impossible  ~ "ここは"it ~ to ~"の構文、「〜を除いて、神の子にとって隣人を愛することは不可能だ」。"except as ~ "「ただし、彼自身として愛することは除いて」。つまり、神の子は隣人を自分と同じように愛することしかできない、ということ。自分を愛するように隣人を愛せよ、ということ。"That is why ~ "「それが、ヒーラーの祈りが次のような言葉である理由だ」。"Let me know~ "「私が自分を知るように、この同胞を知ることが出来ますように」。『知る』を『愛する』に置き換えれば、意味が容易にわかる。つまり、「私が自分を愛するように、この同胞を愛すことが出来ますように」。
 
 
 



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