●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-6.VIII.1:1 ~ T-6.VIII.2:8

VIII. Be Vigilant Only for God and His Kingdom
神と神の王国にだけ注意を怠ることのないように



1. We said before that the Holy Spirit is evaluative, and must be. He sorts out the true from the false in your mind, and teaches you to judge every thought you allow to enter it in the light of what God put there. 
  • evaluative [ivæ̀ljuéitiv] : 「価値的な、評価的な」
  • sort out : 「区分する、区別する、選り分ける」
  • false [fɔ́ːls] : 「正しくない、誤った、偽りの」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する」
  • in the light : 「明るい所で、光の当たる所で」
❖ "We said before ~ "「私たちは以前、that以下と言った」。"that the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは評価的であり、またそうでなくてはならない」と以前言った。頭脳による理性的評価を捨て、評価のすべてをホーリー・スピリットに委ねよ、というのがイエスの主張。"He sorts out ~ "「ホーリー・スピリットはあなたの心の中の偽りから真実を選り分け、」"and teaches you ~ "「あなたに、あなたが(心に)入ることを許したすべての思考を判断するように教えている」。"in the light of what ~ "「神がそこに置いたものの光の元で、」あなたが思考を判断するようにと、ホーリー・スピリットは教えている。"in the light ~"の部分は、具体的に、神の叡知が発する光の元で、あるいは、神の愛が発する光の元で、と考えていいだろう。



Whatever is in accord with this light He retains, to strengthen the Kingdom in you. 
  • in accord [əkɔ́ːrd] with : 「〜と一致して、〜と調和して」
  • retain [ritéin] : 「〜を保有する、保つ、保持する」
  • strengthen [stréŋkθn] : 「〜を強くする、増強する」
❖ "Whatever is in ~ "「この光と調和するものは何でも、ホーリー・スピリットは保持する」。真実の総体である叡智の光と調和するものだけが真実であり、その他は虚偽であり幻想である。ホーリー・スピリットは真実だけを保持する。"to strengthen ~ "「あなたの心の中の王国を強化するために」。天の王国の真実を拡張し、王国を強化する。その王国はあなたの心の中にある。神の光の元で、美しく光るものだけを受け入れ、光を曇らすものは排除するのである。



What is partly in accord with it He accepts and purifies. But what is out of accord entirely He rejects by judging against. 
  • partly [pɑ́ːrtli] : 「一部分は、部分的に」
  • accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
  • purify [pjúərəfài] : 「〜を浄化する、きれいにする」
  • out of accordance with : 「〜と不調和で、〜と調和しない」
  • entirely [entáiərli] : 「全く、完全に、全体に」
  • reject [ridʒékt] : 「拒絶する、拒否する、拒む」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を裁く、〜に判決を下す」
❖ "What is partly ~ "「神の光と一部調和するものについては、ホーリー・スピリットはそれを受け入れ、浄化する」。"But what is ~ "「しかし、神の光とまったく調和しないものに対しては、ホーリー・スピリットは、(受け入れに反する)判断を下し、拒絶する」。ホーリー・スピリットはエゴの虚偽を排除する。



This is how He keeps the Kingdom perfectly consistent and perfectly unified. Remember, however, that what the Holy Spirit rejects the ego accepts. 
  • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
  • consistent [kənsístənt] : 「一貫した、矛盾しない」
  • unified [júːnəfàid] : 「統一された、統合された」
❖ "This is how ~ "「これはホーリー・スピリットが〜する仕方である」。"how He keeps ~ "「ホーリー・スピリットが王国を完璧に一貫性のあるものとし、完璧に統一されたものとして保持する」仕方である。"Remember, however ~ "「しかしながら、that以下を覚えておくように」。"that what the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットが拒絶したものを、エゴは受け入れるのだ」ということを覚えておくように。ホーリー・スピリットは、虚偽や幻想を排除し、天の王国における真実の一貫性を保つ。エゴは、その虚偽や幻想の中にあなたを閉じ込めておこうとする。



This is because they are in fundamental disagreement about everything, being in fundamental disagreement about what you are. 
  • disagreement [dìsəɡríːmənt] : 「意見の相違、食い違い」
  • in disagreement with : 「〜と意見が合わない」
  • fundamental [fʌ̀ndəméntl] : 「基本の、基礎の」
❖ "This is because ~ "「これが、because以下の理由である」。"because they are ~ "「エゴとホーリー・スピリットが、あらゆる点で根本的に食い違っており、」"being in fundamental ~ "「あなたが何であるかについても根本的に食い違ってる」理由である。エゴは、あなたは肉体をもった生物であると主張し、ホーリー・スピリットは、あなたは神が創造した神の子であると主張する。本来の神の子は一つの心として存在し、肉体をもたないだけでなく、分離も分裂もしていないと主張する。



The ego's beliefs on this crucial issue vary, and that is why it promotes different moods. 
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念」
  • crucial [krúːʃəl] : 「重大な、決定的な」
  • issue [íʃuː] : 「問題、論点、争点」
  • vary [véəri] : 「変わる、変化する、異なる」
  • promote [prəmóut] : 「進める、進展させる」
  • different [dífərənt] : 「相違する、異なる」
  • mood [múːd] : 「気分、気持ち、雰囲気」
❖ "The ego's beliefs ~ "「この重大な問題に関してエゴが信じていることはころころ変わる」。"and that is why ~ "「それが、エゴが異なった気分を促進する理由である」。エゴが信じるあなたは、攻撃するあなたであったり、嫉むあなたであったり、復讐心に燃えるあなただったり、悲観するあなただったり、ところころ変わる。その度に、戦闘ムードになったり、悲観ムードになったり、と気分もころころ変わる。



The Holy Spirit never varies on this point, and so the one mood He engenders is joy.
  • on this point : 「この点について」
  • engender [endʒéndər] : 「〜を生じさせる、引き起こす」
❖ "The Holy Spirit ~ "「この点において、ホーリー・スピリットは変わらない」。"and so the one ~ "「よって、ホーリー・スピリットの生み出すだた一つのムードは喜びである」。これは、今の自分を判断するのにとても役立つ。つまり、今自分が嬉しくて喜びに満ちているなら、心がホーリー・スピリットと共にいる瞬間だと判断していいし、逆に、恨みの気持ち、哀しみ、嫉妬、復讐したい気持ちを抱いているなら、心がエゴに支配されている瞬間だと判断すればいい。



He protects it by rejecting everything that does not foster joy, and so He alone can keep you wholly joyous.
  • protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
  • reject [ridʒékt] : 「拒絶する、拒否する、拒む」
  • foster [fɔ́ːstər] : 「〜を育てる、育成する」
  • alone [əlóun] : 「独りで、ただ〜だけで」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として」
  • joyous [dʒɔ́iəs] : 「うれしい、喜びに満ちた」
❖ "He protects it ~ "「ホーリー・スピリットは、喜びを育まないようなものなら何でも拒絶することで、喜びを守っている」。"and so He alone ~ "「よって、ホーリー・スピリットだけが、あなたを完全に喜びの中に留めておくことが出来るのだ」。喜びは真実であり、悲しみは幻想である。ホーリー・スピリットは幻想を排除し、真実を守る。



2. The Holy Spirit does not teach you to judge others, because He does not want you to teach error and learn it yourself. 
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁く」
❖ "The Holy Spirit does ~ "「ホーリー・スピリットはあなたが他者を判断することを教えはしない」。"because He does ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットは、あなたが誤りを教えてしまい、結果、自分で誤りを学んでしまうことを望まないからだ」。ホーリー・スピリットの思考システムが完全に定着するまでは、他者を評価したり、判断したりしたりすることは非常に危険だ。理性による評価判断はエゴのお家芸であることを思い出そう。



He would hardly be consistent if He allowed you to strengthen what you must learn to avoid. 
  • hardly [hɑ́ːrdli] : 「ほとんど〜ない、とても〜ない」
  • consistent [kənsístənt] : 「一貫した、矛盾しない」
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する」
  • avoid [əvɔ́id] : 「避ける、回避する、逃れる」
❖ "He would hardly ~ "「ホーリー・スピリットは一貫性を保つのが困難になってしまうだろう」。" if He allowed ~ "「もし、ホーリー・スピリットが、あなたが避けることを学ばねばならないことを強化してしまうことを許したなら」。つまり、あなたは、評価判断は避けなければならないものとして学ばなくてはならないのに、それを自分に許してしまえば、逆にエゴを強化してしまうことになる。ホーリー・スピリットの指導に抵抗する力が生じてしまって、ホーリー・スピリットの指導の一貫性が危うくなる。



In the mind of the thinker, then, He is judgmental, but only in order to unify the mind so it can perceive without judgment. 
  • judgmental [dʒʌdʒméntl] : 「判断の、断定的な」
  • in order to : 「〜するために」
  • unify [júːnəfài] : 「統一する、一体化する」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力」
❖ "In the mind ~ "「思考する者の心の中では、ホーリー・スピリットは判断的である」。"but only in ~ "「しかし、それは、心が判断なしで知覚できるように心を統一させるためである」。ホーリー・スピリットは、あなたに代わって評価判断する。それを行っても間違いを犯さないような思考システムが出来上がっているからだ。あなたは、評価判断が必要な際には、ホーリー・スピリットにそれを委ねればいい。



This enables the mind to teach without judgment, and therefore to learn to be without judgment. 
  • enable [enéibl] : 「〜ができるようにする」
❖ "This enables the ~ "「こうして、心が判断抜きで教えることが出来るようになる」。"and therefore to learn ~ "「したがって、判断抜きで存在することを学べる」。誤解してはいけないのは、判断が不正な行為だと言っているのではない。夢の中で判断することが誤っているということだ。たとえば、夢の中にモンスターが出てきてあなたを攻撃したとしよう。あなたは夢の中でモンスターと戦って自分を守ろうと判断する。その判断が誤りなのだ。そこであなたは、モンスターに対処する方法をホーリー・スピリットに委ねるのである。ホーリー・スピリットは、夢から目覚めるのが一番良い方法だとあなたに教えてくれるだろう。



The undoing is necessary only in your mind, so that you will not project, instead of extend. 
  • undoing : 「解くこと、取り消し」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の」
  • so that : 「〜できるように 」
  • project [prədʒékt] : 「〜を投影する、投射する」
  • extend [iksténd] : 「広げる、拡張する、拡大する」
❖ "The undoing is ~ "「取り消しはあなたの心の中だけに必要となる」。"so that you will ~ "「あなたが、拡張する代わりに投影することがないようにするため」。神の子の心が神の下(もと)にあったとき、真の創造の一環として、心は愛や喜びを分かち合い、拡張していた。しかし、心が神から分離した後、心は真の創造を忘れ、知覚し判断する能力を得た結果、それを外部に投影するようになってしまった。たとえば、他者の行為を知覚し、悪いと判断すれば、心の外に悪人を作り出す、という具合だ。ところが、判断をホーリー・スピリットに委ねてしまえば、何を見たとしても、善悪の判断を放棄したのだから、何一つ投影する必要がなくなってしまうのだ。判断放棄が赦しにつながり、赦しが幻想(投影)の取り消しにつながる。



God Himself has established what you can extend with perfect safety. Therefore, the Holy Spirit's third lesson is:

        Be vigilant only for God and His Kingdom.
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、設立する、制定する」
  • safety [séifti] : 「安全、安全性」
  • vigilant [vídʒələnt] : 「油断がない、気を配っている」
❖ "God Himself has ~ "「神自らが、あなたがまったく安全に拡張できるものを確立した」。それは、次の文から神の王国であることがわかる。"Therefore, the Holy Spirit's ~ "「それゆえ、ホーリー・スピリットの第三のレッスンは、」"Be vigilant only ~ "「神と神の王国にだけ注意を怠ることのないように」。つまり、常に真実だけに集中し、真実だけにアンテナを向けよ、ということ。真実だけが安全に拡張できるのだ。






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