●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-7.X.1:1 ~ T-7.X.2:7

X. The Confusion of Pain and Joy
痛みと喜びの混同




1. The Kingdom is the result of premises, just as this world is. 
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末」
  • premise [prémis] : 「前提、仮定、根拠」
❖ "The Kingdom is ~ "「王国は前提の結果である」。"just as this ~ "「ちょうど、この世界がそうであるように」。この世界が成立する前提とは、神からの分離と考えていいだろう。そこから類推すれば、天の王国が成立する前提とは、神と神の子が一体であること、神と神の子が創造を分かち合って真実を拡張すること、となるだろう。



You may have carried the ego's reasoning to its logical conclusion, which is total confusion about everything. 
  • carry [kǽri] : 「〜を運ぶ、〜を持っていく」
  • reasoning [ríːzəniŋ] : 「論法、推論、論理的思考」
  • logical [lɑ́dʒikl] : 「論理上の、論理的な」
  • conclusion [kənklúːʒən] : 「結論、決定、結果」
  • total [tóutl] : 「全部の、全体の、全面的な」
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、混同」
❖ "You may have ~ "「あなたは、エゴの論法を論理的結論にまでもって行ったのかもしれないが、」" which is total ~ "「それは、すべてにおいて、完全な混乱である」。エゴの論法とは、"tiny mad idea"「ほんの小さな狂った考え」のことだろう。つまり、神が神の延長上に神の子を創造し、神の属性のすべてを神の子が継承しているなら、神の子は神なしで神のように存在できるはずだ。神が自らの王国を創造したように、神の子も自らの世界を創造できるはずだ。こういう考えを論理的結論までもって行った、つまり、実行したのだ。神からの分離である。こうして神の子はこの幻想世界を自ら創造したのだが、その世界は分離を象徴する二元論世界であるから、相反する想念や対立概念が錯綜し合う混乱の世界となった。そもそも、神なしで神のように創造できるという考え自体が混乱であり、狂っている。なぜなら、創造の根源的なソースは神であって、決して神の子ではない。神が神の子を創造し、神の子は神と創造を分かち合って真実を拡張するだけなのだ。神の子は神と同様の根源的なソースにはなり得ない。子が親を生むことは不可能なのだ。



If you really saw this result you could not want it. The only reason you could possibly want any part of it is because you do not see the whole of it. 
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末」
  • reason [ríːzn] : 「理由、原因、根拠」
  • possibly [pɑ́səbli] : 「もしかすると、ひょっとしたら」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
❖ "If you really ~ " 仮定法過去、現在の事実と反したことを仮定する、「あなたが本当に、この(エゴの論理的)結果を見たならば、あなたはそれを見たいとは思わないであろう」。神からの分離によって偽創造したこの幻想世界の実体を目の当たりにしたなら、目を覆いたくなるはずだ。"The only reason ~ "「ひょっとして、その結果の一部でもかいま見たいとあなたが思うなら、その理由は、」"it is because you ~ "「エゴの結果全体を見ていないからだ」。エゴの論理的結論の全体像を見てしまったら、決してそんなことは望むはずもない、ということ。この幻想世界にあってあなたは物欲的な幸せを追い求め、真実を見ようとしていないが、エゴの論理的結論である実体、罪と罰に恐れ、苦と痛みに苛まれる現実を見てしまったら、この幻想世界から解放されたいと思うはずだ。



You are willing to look at the ego's premises, but not at their logical outcome. 
  • be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果」
❖ "You are willing ~ "「あなたは、エゴの前提を見てみたい気はあるだろうが、」"but not at their ~ "「エゴの論理的結果までは見たいとは思うまい」。エゴの論理を弄ぶことには興味を持つかもしれないが、それが行き着く結末までは手に入れようとしないだろう。



Is it not possible that you have done the same thing with the premises of God? 
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、あり得る」
  • same thing : 「〜と同じこと」
❖ "Is it not possible ~ "「that以下の可能性はないのか」。"that you have done ~ "「あなたが、神の前提に対しても同様のことをしていた」可能性はないのか。天の王国を成立させる前提、すなわち、神と神の子が一体となり、創造を分かち合って真実を拡張するという論を、あなたは興味を抱いたかもしれないが、実行してこなかった可能性は十分にある。



Your creations are the logical outcome of his premises. His thinking has established them for you. They are exactly where they belong. 
  • creation [kriéiʃən] : 「創作物、創造、創作」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、達成する」
  • exactly [igzǽktli] : 「正確に、厳密に」
  • belong [bilɔ́(ː)ŋ] : 「属する、所属する」
❖ "Your creations are ~ "「あなたが創造したものこそ、神の前提の論理的結果である」。あなたが神とともに真実を分かち合い、真実を拡張することこそ創造であって、神と一体であるという前提が創造に結実するのだ。"His thinking has ~ "ここの"them"は迷うところであるが、"his premises"と考えて、「神の思いが、あなたたのために、前提を確立した」。つまり、あなたが創造できるように、神が思いやりをもって前提を確立した、ということ。"They are exactly ~ "「あなたが創造したものは、まさに、あるべき場所にある」。あなたが創造したものは幻想の世界にあるのではなく、神の世界、心の世界にある。



They belong in your mind as part of your identification with his, but your state of mind and your recognition of what is in it depend on what you believe about your mind. 
  • identification [aidèntifəkéiʃən] : 「同一化、同定」
  • state [stéit] : 「状態、情勢、状況」
  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証」
  • depend on : 「〜によって決まる、〜次第である」
❖ "They belong in ~ "「あなたが創造したものは、神との同一化の一部として、あなたの心に属している」。あなたが神と一体となって真実を拡張して創造したものは、天の王国の一部としてあなたの心の中に属する。。"but your state ~ "「しかし、あなたの心の状態や、心の中に何があるかという認識は、あなたがあなたの心について何を信じているかによって決まる」。あなたがエゴに支配された心を信じている限り、あなたの心の中に天の王国は見えない。



Whatever these beliefs may be, they are the premises that will determine what you accept into your mind.
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念」
  • premise [prémis] : 「前提、仮定」
  • determine [ditə́ːrmin] : 「決定する、決心する」
  • accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
❖ "Whatever these ~ "「これらの信念が何であっても、」あなたの心について何を信じたとしても、"they are the premises ~ "「それらは、あなたがあなたの心に何を受け入れるかを決定する前提である」。エゴを受け入れればエゴを前提とし、ホーリー・スピリットを受け入れればホーリー・スピリットが前提になる。その前提次第で、あなたはエゴの思考システムによって行動するか、ホーリー・スピリットの思考システムによって行動するか決まる。



2. It is surely clear that you can both accept into your mind what is not there, and deny what is. 
  • surely [ʃúərli] : 「疑いなく、確実に、必ず」
  • both A and B : 「AもBも、ABどちらも」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する」
❖ "It is surely ~ "「that以下は確かに明らかである」。"that you can ~ "「あなたが、心の中にないものを心の中に受け入れることも、心の中にあるものを拒否することも、どちらも出来る」というのは確かに明らかだ。ありもしないエゴを受け入れることも、あなたの心に宿るホーリー・スピリットを拒絶することも出来る。あなたには自由意志による選択の権利が与えらている。



Yet the function God himself gave your mind through his you may deny, but you cannot prevent. It is the logical outcome of what you are. 
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き、効用」
  • prevent [privént] : 「防ぐ、防止する、阻む」
  • logical [lɑ́dʒikl] : 「論理上の、論理的な」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果」
❖ "Yet the function ~ "「しかし、神自身が神の心を通してあなたの心に与えた機能を、あなたは拒否できるかもしれないが、」"but you cannot ~ "「しかし、あなたは拒みきれるものではない」。"It is the logical ~ "「それは、本当のあなたであることの、論理的結果であるからだ」。本当のあなたとして生きているなら、あなたは紛れもない神の子だから、神が与えた機能を拒むことは出来ない。なぜなら、あなたが神の前提によって生きるなら、それこそ論理的な結果であるからだ。



The ability to see a logical outcome depends on the willingness to see it, but its truth has nothing to do with your willingness. 
  • ability [əbíləti] : 「能力、才能」
  • depend on : 「〜によって決まる、〜次第である」
  • willingness [wíliŋnis] : 「意欲、やる気」
  • have nothing to do with : 「〜と関係がない」
❖ "The ability to see ~ "「論理的結果を見る能力は、それをみたいと思う気持ち次第なのだが、」"but its truth ~ "「しかし、論理的結果の真実性は、あなたの意欲には関係がない」。あなたが論理的結果を見たいと思おうが思うまいが、それはあなたの自由な選択に関わることであって、結果の真実性が変化するわけではない。



Truth is God's Will. Share his will and you share what he knows. Deny his will as yours, and you are denying his kingdom and yours.
  • share in : 「〜を分かち合う、〜を共有する」
❖ "Truth is ~ "「真実は神の意思である」。"Share his ~ "「神の意思を分かち合いなさい」。"and you share ~ "「そうすれば、あなたは、神の知っていることを分かち合うことになる」。"Deny his will ~ "「あなたの意思ではないとして神の意思を否定してみなさい」。"and you are ~ "「そうすれば、あなたは、神の王国もあなたの王国も否定していることになる」。






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