●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-8.IX.8-1 ~ T-8.IX.9:8

8. You have surely begun to realize that this is a very practical course, and one that means exactly what it says. 
  • surely [ʃúərli] : 「確かに、必ず、きっと」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する」
  • practical [prǽktikl] : 「実用的な、実践上の、現実的な」
  • course [kɔ́ːrs] : 「課程、講座、コース」
  • mean [míːn] : 「 〜を意味する」
  • exactly [igzǽktli] : 「正確に、厳密に」
❖ "You have surely ~ "「あなたはきっと、このACIMが非常に実践的なコースであり、その言わんとすることを正確に示しているコースだと理解し始めているだろう」。



I would not ask you to do things you cannot do, and it is impossible that I could do things you cannot do. 
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、あり得ない」
❖ "I would not ~ "「私は、あなたが出来ないことをあなたに要求しようとは思わない」。"and it is ~ "「そして、あなたが出来ないことを私が出来るということもあり得ない」。



Given this, and given this quite literally, nothing can prevent you from doing exactly what I ask, and everything argues for your doing it. 
  • given [gívn] : 「〜と仮定すると、〜を考えると」
  • quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に」
  • literally [lítərəli] : 「文字どおりに、そっくりそのまま」
  • prevent [privént] : 「妨げて〜させない」
  • prevent A from doing : 「Aが〜するのを妨げる」
  • argue [ɑ́ːrgjuː] : 「〜と主張する、〜を説得する」
  • argue for : 「〜に賛成だ」
❖ "Given this, and ~ "「これが正しいなら、これがまったく文字通り正しかったら、」イエスが出来ることなら何でもあなたは出来るのだから、"nothing can prevent ~ "「何ものも、私の言ったことをそのままあなたが行うのを妨げることは出来ない」。妨げるものがあるとしたら、それはあなた自身の思い込みだけだ。"and everything ~ "「それどころか、すべてが、あなたがそれを行うことに賛成する」。あなたの同胞も、ホーリー・スピリットも、キリストも、そして神も、あなたの救いの実践に賛同してくれる。



I give you no limits because God lays none upon you. When you limit yourself we are not of one mind, and that is sickness. 
  • limit [límit] : 「限度、制限、限界」
  • lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する」
❖ "I give you ~ "「私はあなたに限界というものを与えない」。あなたのパワーは無制限である。"because God lays ~ "「なぜなら、神はあなたの上に限界というものを一つも置かなかったからだ」。"When you limit ~ "「あなたがあなた自身に限界を設けたときは、」あなたが、自分は出来ないと思い込んでしまったなら、"we are not ~ "「私たちは、もはや一つの心だとは言えない」。"and that is ~ "「そして、それこそが病なのだ」。キリスト(ホーリー・スピリット)から心が離れたとき、それこそが病んだ心なのだ。



Yet sickness is not of the body, but of the mind. All forms of sickness are signs that the mind is split, and does not accept a unified purpose.
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、現れ」
  • sign [sáin] : 「表れ、兆し、兆候」
  • split [splít] : 「割れた、分裂した」
  • accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
  • unified [júːnəfàıd] : 「統一された、統合された」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、意向」
❖ "Yet sickness is ~ "「しかし、病とは肉体的なものではなく、心に関わることである」。心が肉体的な病を生み出す。"All forms of ~ "「いかなる形の病でも、それは、心が分裂してることを示す印であり、」"and does not ~ "「心が、統一された目的を受け入れていない印である」。統一された目的とは、分離分裂した心を再統一して、その一なる心が神へ回帰すること。



9. The unification of purpose, then, is the Holy Spirit's only way of healing. 
  • unification [jùːnəfikéiʃən] : 「統一、結合、単一化」
❖ "The unification of ~ "「したがって、統一された目的は、ホーリー・スピリットの、唯一のヒーリング方法である」。ホーリー・スピリットのヒーリング法は分離分裂した心を再結合することである。再統一された心は必然的に神に向かい、神への道を歩み始めるから、病も癒える。これを自然治癒と言わずに何と呼ぼう。



This is because it is the only level at which healing means anything. 
  • level [lévl] : 「水準、レベル、段階」
❖ "This is because ~ "「これは、そのレベルが、ヒーリングが何らかの意味をもつ唯一のレベルであるからだ」。レベルという言い方をしているが、心が再統合して、統一した目的をもつレベルという意味であろう。分離分裂した心が病という現象を具現化する。それをヒーリングするには心の分離分裂を解消しなくてはならない。そのレベルが唯一、ヒーリングのレベルとなる。肉体のレベルではないのだ。心のレベルなのである。より具体的には次の文。



The re-establishing of meaning in a chaotic thought system is the way to heal it. 
  • re-establishing : 「再確立、再樹立」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
  • chaotic [keiɑ́tik] : 「無秩序状態の、混沌とした」
❖ "The re-establishing ~ "「混沌とした思考システムにおける意味の再確立こそが、病を癒す方法である」。難解である。まず、渾沌とした思考システム(a chaotic thought system)とは、エゴの思考システムのことだと考えていいだろう。その中では肉体の意味も、心の意味も、まったく真実からかけ離れて混乱している。したがって、まず、それらの意味を再確認し、再確立しなくてはならない。では、渾沌とした思考システムの中で考え方を再確立するのか、と言えば、それは違う。それを捨てるのである。エゴの混乱した思考システムを捨て、ホーリー・スピリットの思考システムを導入することで、肉体や心の真の意味が再確立される。それこそがヒーリングの方法だ、と言っているのである。心の分離分裂を解消することがヒーリングであったが、それは現象としてのヒーリング。より根本的な、いわば抽象的なレベルでヒーリングをとらえれば、それは考え方の変革、つまり、思考システムの完全なチェンジを意味するのである。ホーリー・スピリットの思考システムを採用すること、それがヒーリングである。



Your task is only to meet the conditions for meaning, since meaning itself is of God. 
  • task [tǽsk] : 「仕事、任務、職務」
  • condition [kəndíʃən] : 「条件、前提」
  • meet the condition : 「条件を満たす」
❖ "Your task is ~ "「あなたの仕事は、意味にとっての条件を満たすことだけである」。"since meaning ~ "「なぜなら、意味自体は神のものだからである」。真の意味が意味を持つ条件、すなわち思考システムを整えることがあなたの仕事。ホーリー・スピリットの思考システムを採用することがあなたの仕事となる。新しい意味(真実)を創り出すことではない。ところで、真の意味とは、真実であるがゆえに神の領域に属する。つまり、真実なる意味は神のものである。その真実の意味を育むホーリー・スピリットの思考システムも、もちろん、神の領域のものである。つまり、神の思考システムと呼んでもいい。神の意志、神の計画、突き詰めれば、神の愛である。



Yet your return to meaning is essential to his, because your meaning is part of his. 
  • return [ritə́ːrn] : 「帰ること、元に戻ること」
  • essential [isénʃəl] : 「絶対不可欠な、必須の」
❖ "Yet your return ~ "「しかし、あなたが(真実の)意味に回帰することは、神にとって必須である」。"because your ~ "「なぜなら、あなたの意味は神の意味の一部であるからだ」。ここも難解である。あなたが真実の意味に回帰することとは、あなたがホーリー・スピリットの思考システムに回帰することを意味している。これはホーリー・スピリットにとっても神にとっても必須のことである。なぜなら、あなたという存在は、ホーリー・スピリットの思考システムを採用し、それを利用して終わるものではないからだ。神の思考システムは、いわば叡智を乗せる器のようなものであり、その器を支える3本の足がとりもなおさずホーリー・トリニティ(三位一体)である。神の子というあなたの存在を除いては、叡智の器は瓦解するのである。その意味で、あなたという存在の意義は単独で存在するのではなく、神の一部として存在している。



Your healing, then, is part of his health, since it is part of his wholeness. He cannot lose this, but you can not know it. 
  • health [hélθ] : 「健康、保健、健全」
  • wholeness [hóulnis] : 「全部そろっていること、完全であること」
❖ "Your healing, then ~ "「したがって、あなたのヒーリングは、神の健全さの一部である」。"since it is part ~ "「なぜなら、それは、神の全体性の一部であるからだ」。"He cannot lose ~ "「神にとってこれを失うことは出来ないが、」"but you can ~ "「あなたはそれを知っている可能性は少ない」。叡智を支える器の三本足の一つがあなたの存在である。その一つが崩れても叡智は崩壊する。神の健全はあなたの健全にかかっている。あなた無しでは、神の完全性は成立しないのだ。もっと素朴な言い方をするなら、神は神の子を無制限に愛しているのだから、その愛を神の子が無制限に受け取らなくては神の愛は完成しないことになる。



Yet it is still his will for you, and his will must stand forever and in all things.
  • will [wíl] : 「意志、精神力」
  • stand [stǽnd] : 「立っている、有効である」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Yet it is still ~ "「しかし、それはなお、神のあなたに対する意志である」。あなたがヒーリングされ、神と共にホーリー・トリニティの一翼をしっかり担って欲しいという望みであり、意志。"and his will ~ "「そして、神の意志は永遠に、そしてすべてのものの中に立っているに違いない」。神はすべての神の子を無制限に愛している。神の子がこの幻想世界で苦と痛みを感じているのだから、すべての神の子をそこから救ってあげようという神の意志である。






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