●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-11.VIII.11:1 ~ T-11.VIII.13:3

11. Do not accept your brother's variable perception of himself for his split mind is yours, and you will not accept your healing without his. 
  • accept [əksépt] : 「認める、容認する、受け入れる」
  • variable [véəriəbl] : 「変わりやすい、変えられる」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、感じ方」
  • split [splít] : 「割れた、分割した、分裂した」
❖ "Do not accept ~ "「あなたの同胞の、彼自分自身に対する変わりやすい知覚を受け入れてはいけない」。"for his split ~ "「なぜなら、その同胞の分裂した心はあなたの心でもあり、同胞の心のヒーリングなくしては、あなたは、あなたのヒーリングも受け入れられないだろうからだ」。同胞の心は、ホーリー・スピリットの住む正しい部分と、エゴが支配する部分に分裂している。その分裂を良しとして受け入れてはいけない。なぜなら、自他一如によって、同胞の分裂した心はあなた自身の心でもあるからだ。したがって、あなたはあなたの心のヒーリングのみならず、その同胞の心のヒーリングも受け入れなくてはならない。つまり、神の子全体の分裂した心のヒーリングが必要なのだ。



For you share the real world as you share Heaven, and his healing is yours. 
  • share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」
❖ "For you share ~ "「なぜならあなたは、天の王国を分かち合うように実相の世界を分かち合っているからであり、」"and his healing ~ "「同胞の心のヒーリングは、あなたの心のヒーリングでもあるからだ」。実相世界では、心は分裂したままで存在することは出来ない。実相世界では、三位一体という言葉通り、神、ホーリー・スピリット、キリストとしての神の子が渾然一体として存在している。その渾然一体の存在が、天の王国、つまり実相世界を分かち合っている。その実相世界から眺めてみれば、同胞の心のヒーリングが直接あなたの心のヒーリングにつながることは、実は当たり前のことなのだ。なぜなら、彼とあなたを分離し区別することなど不可能なのだから。それが自他一如である。



To love yourself is to heal yourself, and you cannot perceive part of you as sick and achieve your goal. 
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を見抜く」
  • part [pɑ́ːrt] : 「一部、部分」
  • sick [sík] : 「病気で、病気の」
  • achieve [ətʃíːv] : 「成し遂げる、達成する」
  • goal [góul] : 「目標、目的」
❖ "To love yourself ~ "「あなた自身を愛することは、あなた自身をヒーリングすることである」。"and you cannot ~ "「あなたは、あなたの一部が病気であると知覚しながらあなたの目的を達成することは出来ない」。自分を愛する気持ちがあなたの心をヒーリングする。ところで、あなたとあなたの同胞は自他一如であって、あなたが自分を愛することは同胞を愛することであり、逆に同胞を愛することはあなた自身を愛することでもある。イエスが、自分を愛するように他者を愛せよ、と言ったのはそういう意味だ。自他一如によって愛を分かち合うことで互いに病をヒーリングしていくのである。もし、それがなければ、"and you cannot ~ "「あなたは、あなたの一部が病気であると知覚しながらあなたの目的を達成することは出来ない」ということになる。ここで言う「あなたの一部」とは、あなたの体の一部という意味ではなく、「あなたの同胞が」という意味。あなたと同体のあなたの同胞が病であるなら、あなたの目的、つまり神への回帰は果たせない、という意味になる。



Brother, we heal together as we live together and love together. Be not deceived in God's Son, for he is one with himself and one with his Father. 
  • together [təgéðər] : 「一緒に、同時に」
  • deceive [disíːv] : 「欺く、だます、裏切る」
  • be deceived in : 「〜を見損なう、〜に失望する」
❖ "Brother, we ~ "「兄弟よ、私たちが共に生き、共に愛していく中で、私たちは互いにヒーリングし合う」。"Be not deceived ~ "「神の子に失望してはいけない」。"for he is ~ "「なぜなら、神の子は自身として一つであり、父なる神とも一つなのだから」。父なる神から分離し、さらに自己分裂を起こした神の子を愚かな存在だとして失望することはない。神からの分離も、自己分裂も、それは夢の中の出来事であって、本当はそんなことは起きなかった。神の子は神の子として永遠に一つであり、父なる神とも永遠に共にいるのだから。



Love him who is beloved of his Father, and you will learn of the Father's Love for you.
  • be beloved [bilʌ́vid] of : 「〜に愛される」
  • learn [lə́ːrn] of : 「〜を知る」
❖ "Love him who ~ "「父なる神に愛される神の子を愛しなさい」。"and you will ~ "「そうすれば、あなたはあなたのためを思う父なる神の愛を知ることになるだろう」。



12. If you perceive offense in a brother pluck the offense from your mind, for you are offended by Christ and are deceived in him. 
  • offense [əféns] : 「攻撃、犯罪、違法」
  • pluck [plʌ́k] : 「〜をむしる、むしり取る、摘み取る」
  • offend [əfénd] : 「感情を損なう、気に障る」
  • be offended : 「〜に腹を立てる、〜で気分を害する」
❖ "If you perceive ~ "「もしあなたが、同胞の中に攻撃性を知覚したなら、」"pluck the offense ~ "「あなたの心の中の攻撃性を引き抜いてしまいなさい」。同胞が腹の立つことをしたら、あなたの心に芽生える仕返ししたい気持ちを摘み取ってしまいなさい。"for you are ~ "「なぜなら、あなたはキリストに腹を立てたのであり、キリストに失望したことになるからだ」。腹の立つことをした同胞は、心にキリスト(ホーリー・スピリット)を宿した神の子だ。したがって、同胞に腹を立てることはキリストに腹を立てることであり、同胞に失望することはキリストに失望することである。では、あなたはどうすればいいのか? 黙って赦してやればいい。赦すことで同胞を癒し、同胞を癒すことであなた自身も癒されるのだから。



Heal in Christ and be not offended by him, for there is no offense in him. 
❖ "Heal in Christ ~ "「キリストに腹を立てずに、キリストの中でヒーリングしなさい」。"for there is ~ "「なぜなら、キリストの中には攻撃性は全くないのだから」。同胞が腹の立つようなことをあなたにしたなら、それはエゴの仕業であって、攻撃性のないキリストには無関係である。無関係なキリストに腹を立てるのは筋違いだ。そんなことをせずに、エゴに騙された同胞を黙って赦してやって、互いに癒されるべきである。



If what you perceive offends you, you are offended in yourself and are condemning God's Son whom God condemneth not. 
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める」
  • -eth : 「三人称単数現在形の動詞の語尾につける」
❖ "If what you ~ "「もし、あなたが知覚したものがあなたの感情を損なうのなら、」"you are offended ~ "「それは、あなたがあなた自身に腹を立てていることになり、神が非難するはずもない神の子を、あなたが非難していることになる」。



Let the Holy Spirit remove all offenses of God's Son against himself and perceive no one but through his guidance, for he would save you from all condemnation. 
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、除去する」
  • offense [əféns] : 「攻撃、犯罪、違法」
  • guidance [gáidns] : 「助言、指導」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
  • condemnation [kὰndemnéiʃən] : 「激しい非難、糾弾」
❖ "Let the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットに、神の子自身に対する攻撃性をすべて排除してもらい、」"and perceive ~ "「ホーリー・スピリットの助言を通してのみ知覚するようにしなさい」。"for he would ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットこそが、すべての非難からあなたを救ってくれるからだ」。あなたを攻撃する同胞を静かに赦し、その後はホーリー・スピリットの指示に従えばいい。ホーリー・スピリットは同胞の中の攻撃性も、あなたの中の攻撃性も、神の子にふさわしくないものをすべて排除してくれる。したがって、エゴの観点からではなく、ホーリー・スピリットの観点に
立ってすべてを知覚すべきなのだ。そうすることで、攻撃や非難というエゴの思考システムから自らを救い出すことが可能となる。もちろん、ホーリー・スピリットが救いを主導してくれる。



Accept his healing power and use it for all he sends you, for he wills to heal the Son of God, in whom he is not deceived.
  • accept [əksépt] : 「認める、容認する、受け入れる」
  • send [sénd] : 「送る、派遣する」
❖ "Accept his ~ "「ホーリー・スピリットのヒーリングのパワーを受け入れなさい」。"and use it ~ "「そして、ホーリー・スピリットがあなたの下(もと)へ送ってくるすべての人に、そのパワーを使いなさい」。"for he wills ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットは神の子をヒーリングしたいと望んでいるし、」"in whom he ~ "「ホーリー・スピリットは神の子に失望などしていないのだから」。あなたが他者をヒーリングできるのは、あなたの中に宿るホーリー・スピリットのヒーリング・パワーがあるからだ。つまり、ホーリー・スピリットは神と同じレベルの愛を持っているのだ。ホーリー・スピリットは神の子であるあなたを愛しているから、その愛であなたをヒーリングしたいと望んでいるし、他の同胞をあなたに送って、その同胞をもヒーリングしたいと思っている。あなたはホーリー・スピリットの愛でヒーリングされるだろうし、ホーリー・スピリットもそう思っているから、神の子に失望などしていない。



13. Children perceive frightening ghosts and monsters and dragons, and they are terrified. 
  • frightening [fráitniŋ] : 「恐ろしい、ゾッとするような」
  • ghost [góust] : 「幽霊、亡霊」
  • monster [mɑ́nstər] : 「怪物、モンスター」
  • dragon [drǽgn] : 「竜、大蛇」
  • terrify [térəfài] : 「脅かす、怖がらせる、恐れさせる」
❖ "Children perceive ~ "「子供は、恐ろしい亡霊やモンスターやドラゴンを知覚するものであるし、」実際、"and they are ~ "「子供は恐れている」。夜見る悪夢に怯える子供を想像すればいい。同様のことが、この幻想世界で生きている神の子に起きている。



Yet if they ask someone they trust for the meaning of what they perceive, and are willing to let their own interpretations go in favor of reality, their fear goes with them. 
  • trust [trʌ́st] : 「信用する、信頼する」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義」
  • be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する」
  • interpretation [intə̀ːrprətéiʃən] : 「解釈、説明、解説」
  • favor [féivər] : 「恩恵、世話、好意」
  • in favor of : 「〜に賛成して、〜に味方して」
❖ "Yet if they ~ "「しかし、もし子供が、誰か信頼できる者に彼らが知覚したものの意味を訊ねたなら、」"and are willing ~ "「そして、子供が、彼らの解釈を現実に即して手放してしまおうと思うなら、」"their fear goes ~ "「それと一緒に、子供の恐れも消えていくのである」。恐れているモンスターは夢の存在であって、現実には存在しないものだと解釈してやることで、子供のモンスターに対する恐れは消え去る。



When a child is helped to translate his "ghost" into a curtain, his "monster" into a shadow, and his "dragon" into a dream he is no longer afraid, and laughs happily at his own fear.
  • translate [trænsléit] : 「解釈する、見て取る」
  • curtain [kə́ːrtn] : 「カーテン、幕」
  • shadow [ʃǽdou] : 「影、人影、陰」
  • no longer [lɔ́ŋgər] : 「もはや〜でない」
  • afraid [əfréid] : 「恐れて、怖がって」
  • laugh [lǽf] : 「笑う、笑い物にする」
  • laugh at : 「〜を笑う」
  • happily [hǽpili] : 「幸福に、幸せに、喜んで、楽しく」
❖ "When a child ~ "「子供が、カーテンの中の彼の『亡霊』、暗がりの中の彼の『モンスター』、夢の中の彼の『ドラゴン』の解釈を助けてもらったとき、」"he is no longer ~ "「子供はもはや恐れることはなく、」"and laughs happily ~ "「彼自身の恐れを楽しく笑い飛ばすことになる」。






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