●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-12.VIII.3:1 ~ T-12.VIII.4:8

3. When you made visible what is not true, what is true became invisible to you.

  • make A B [SVOC] : 「AをBの状態にする」
  • visible [vízəbl] : 「目に見える、可視の、可視的な、明らかな」
  • became [bikéim] : 「become の過去形」
  • invisible [invízəbl] : 「目に見えない、不可視の、目につかない、隠れた」
❖ "When you made ~ "「あなたが真実でないものを目に見えるものとしたとき、」ここで"visible"が補語(C)、"what is not true"が目的語(O)である。"what is true became ~ "「真実なるものはあなたにとって目に見えないものとなった」。あなたが真実でない幻想の世界を投射によって偽創造したとき、真実なる実相の世界はあなたの目に見えないものとなった。簡単に言うと、あなたの知覚はレベル・ダウンしたのである。知覚の堕落である。



Yet it cannot be invisible in itself, for the Holy Spirit sees it with perfect clarity. It is invisible to you because you are looking at something else.
  • in oneself : 「それ自体で」
  • perfect [pə́ː(r)fikt] : 「完ぺきな、完全な」
  • clarity [klǽrəti] : 「明りょう、明快、透明、清澄」
❖ "Yet it cannot be ~ "「しかし、真実なるものはそれ自体見えなくなるようなことは不可能である」。"for the Holy Spirit ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットはそれを完全にはっきりと見ているからだ」。"It is invisible to ~ "「それはあなたに見えないだけだ」。"because you are ~ "「なぜなら、あなたは他の何かを見ているからである」。真実なる実相の世界が姿を消したのではない。その証拠に、ホーリー・スピリットは実相の世界をちゃんと見ている。あなたは幻想の、あるいは虚構の世界を見ているから、実相の世界が目に入らないだけなのである。



Yet it is no more up to you to decide what is visible and what is invisible, than it is up to you to decide what reality is.
  • no more A than B : 「BがそうでないようにAでない、AがそうでないのはBがそうでないのに等しい」
  • up to : 「〜次第で」
  • decide [disáid] : 「〜しようと決心する、〜することに決める 」
  • reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
❖ "Yet it is no more up ~ "ここは"it ~ to ~ "の構文、「しかし、何が見え、何が見えないかを決めることはあなた次第ではないのは、何が現実であるかを決めることがあなた次第ではないことと同じである」。あなたは何が見え、何が見えないか決められない様に、何が実相であるかも決められない。"no more A than B"の形はACIMでは頻繁に使われるので、きっちり覚えておこう。



What can be seen is what the Holy Spirit sees. The definition of reality is God's, not yours. He created it, and he knows what it is.
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • definition [dèfəní∫n] : 「定義、明確にすること、定義付け」
❖ "What can be seen ~ "「何が見えるかは、ホーリー・スピリットが何を見ているかで決まる」。あなたは幻想の世界は見え、実相の世界は見えないが、ホーリー・スピリットはどちらの世界も見えている。ということは、あなたにも実相の世界が見える可能性が十分あるわけだ。"The definition of reality is ~ "「実相の定義権は神のものであって、あなたのものではない」。"He created it ~ "「神は実相を創造したのだから、神は実相が何であるか知っている」。あなたがどんなにこの世界が現実だと主張しても、それは無駄なことである。神が創造した世界が現実であり、実相なのだ。この世界はあなたが偽創造した偽りの幻想である。その意味で、色即是空なのである。



You who knew have forgotten, and unless he had given you a way to remember you would have condemned yourself to oblivion.
  • knew [n(j)úː] : 「know の過去形」
  • forgotten [fə(r)gɑ́tn] : 「forget の過去分詞形」
  • forget [fə(r)gét] : 「〜を忘れる、見落とす」
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • way [wéi] : 「方法、やり方、手段」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める、とがめる 」
  • condemn A to B : 「AにBを強いる、AにBを運命づける」
  • oblivion [əblíviən] : 「忘れられている状態、忘却」
❖ "You who knew ~ "「(実相を)知っていたあなたは、(それを)忘れてしまったのである」。"and unless he had ~ "仮定法過去完了、過去の事実と反することを仮定する、「そして、神があなたに思い出す方法を教えなかったなら、あなたはあなた自身を忘れたままにしておいたであろう」。そう運命づけられていたであろう。が、神はホーリー・スピリットを通して、実相を思い出す方法をあなたに教えてくれるから、あなたはきっと実相を思い出すに違いない。



4. Because of your Father's Love you can never forget him, for no one can forget what God himself placed in his memory.
  • Because of : 「〜のために、〜のせいで」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける、収納する」
  • memory [mém(ə)ri] : 「記憶、記憶力」
❖ "Because of your ~ "「父なる神のおかげで、あなたは神を忘れることは出来ない」。したがって、実相を忘れることも出来ない。"for no one can ~ "「なぜなら、誰一人として、彼の記憶の中に神自身が置いたものを忘れることは出来ないからだ」。神の意思したことは必ず実現し、神が忘れるなと意思したのだから、あなたは記憶のどこかにちゃんと覚えている。それを思い出しさえすればいい。新たに覚えることはないのだ。



You can deny it, but you cannot lose it. A Voice will answer every question you ask, and a vision will correct the perception of everything you see.
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
  • Voice [vɔ́is] : 「声、発声」
  • answer [ǽnsə(r)] : 「〜に答える、答えて言う」
  • question [kwést∫n] : 「質問、問題、疑問、問い」
  • vision [víʒ(ə)n] : 「視覚、視力、洞察力、想像力」
  • correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す、補正する」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、知見、見識、感じ方」
❖ "You can deny it ~ "「あなたはそれを拒否できるが、失うことは出来ない」。それとは、神の記憶。"A Voice will answer ~ "「声が、あなたが質問したすべての疑問に答えてくれるだろう」。声とは、ホーリー・スピリットの声、あるいは神の代わりに発せられたホーリー・スピリットの声。"and a vision will ~ "「そして、ヴィジョンは、あなたが見たすべての知覚したものを修正してくれるだろう」。ヴィジョンとは、ホーリー・スピリットのヴィジョン、すなわち、ホーリー・スピリットのものを見る視力。あなたは幻想の肉体的感覚器官でものを見てきたが、その見てきたものをホーリー・スピリットの視力が修正してくれるわけだ。たとえば、あなたは、物がそこにあるから、その物は実在すると知覚してしまったが、ホーリー・スピリットの視力は、それは幻覚、錯覚であるとして、知覚の誤りを正してくれるわけである。



For what you have made invisible is the only truth, and what you have not heard is the only Answer.
  • invisible [invízəbl] : 「 目に見えない、不可視の、目につかない、隠れた」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理」
  • heard [hə́ː(r)d] : 「hear の過去・過去分詞形」
  • Answer [ǽnsə(r)] : 「答え、回答、返事、応答」
❖ "For what you have ~ "「なぜなら、あなたが不可視にしたものは、唯一の真実であり、」"and what you have ~ "「あなたが耳を覆ったのは、唯一の答えであるからだ」。あなたは唯一の真実、実相に目をつぶり、唯一の答え、神の答えに耳をふさいだ。代わりに幻想を見、エゴの答えを聞くようになってしまった。それを修正することが、是が非でもあなたには必要なのである。



God would reunite you with yourself, and did not abandon you in your distress. You are waiting only for him, and do not know it.
  • would [wúd] : 「〜したいと思う」
  • reunite [rijuːnáit] : 「再会させる、再結合させる、仲直りさせる」
  • abandon [əbǽndən] : 「捨てる、遺棄する、見捨てる、捨て去る」
  • distress [distrés] : 「苦悩、悲嘆、苦痛、悩み、嘆き」
  • wait for : 「〜を待つ」
❖ "God would reunite ~ "「神はあなたとあなた自身を再び結びつけたいと思っているし、」あなたの分裂した心を再統一したいと願っている。"and did not abandon ~ "「あなたが苦悩の中にいるとき、神はあなたを見捨てなかった」。"You are waiting ~ "「あなたは神だけを待ち望んでいるが、」"and do not ~ "「そのことを知らない」。そのこととは、本当の自分は神を求め、神の救いを待っているということ。あなたの分裂した心の一方はエゴに支配されているが、他方の心はあなたに忘れられ、しかし、神を希求している。その忘れた心を、あなたは思い出さなくてはならない。



Yet his memory shines in your mind and cannot be obliterated. It is no more past than future, being forever always.
  • memory [mém(ə)ri] : 「記憶、、思い出、記憶力」
  • shine [∫áin] : 「輝く、光る」
  • obliterate [əblítərèit] : 「〜を消し去る、〜を取り除く、〜の痕跡を消す」
  • no more A than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
  • past [pǽst] : 「過去、昔」
  • future [fjúːt∫ə(r)] : 「未来、将来」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
❖ "Yet his memory shines ~ "「しかし、神の記憶はあなたの心の中で輝いており、」"and cannot be ~ "「消し去れるものではない」。"It is no more past ~ "「それは過去でも未来でもなく、常に永遠である」。神の記憶、思い出は、過去のものでもなく、また未来のものでもない。神の思い出は常に、永遠にあなたの心の中にあり、廃れることなく美しく輝いている。
 
 
 

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