●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-13.III.7:1 ~ T-13.III.8:7

7. And yet he is not crucified. Here is both his pain and his healing, for the Holy Spirit's vision is merciful and his remedy is quick.

  • crucify [krúːsifài] : 「〜を磔刑に処す、〜を十字架に張り付けにする」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、苦痛、骨折り」
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • merciful [mə́ː(r)sifl] : 「慈悲深い、情け深い、情けのある、寛大な」
  • remedy [rémədi] : 「治療、療法、医療、救済手段、救済方法」
  • quick [kwík] : 「迅速な、速い、即座の」
❖ "And yet he is ~ "「しかし、神の子は磔刑に処せられてはいない」。前文を引き継いでいるので、ここは、神の子はこの幻想世界にはりつけになっているが、まだ十字架上で死んでしまったわけではない、と解釈しておこう。"Here is both ~ "「ここに、神の子の痛みもあり、ヒーリングもある」。はりつけになっている痛みもあるが、まだ死んでいないので救いもある。では、誰が救ってくれるのか? "for the Holy Spirit's vision ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットのヴィジョンは慈悲深く、その治療法は迅速であるから」。ホーリー・スピリットは慈悲深いので、幻想の世界にはりつけになっているあなたを見落としたりしない。きっと、迅速にヒーリングしてくれるだろう。ただし、あなたがその気にならなくてはいけない。



Do not hide suffering from his sight, but bring it gladly to him. Lay before his eternal sanity all your hurt, and let him heal you.
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • suffering [sʌ́f(ə)riŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
  • sight [sáit] : 「視界、視覚、視力、見ること」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って行く、〜を連れて行く」
  • gladly [ɡlǽdli] : 「喜んで」
  • Lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
  • eternal [itə́ː(r)nl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の」
  • sanity [sǽnəti] : 「正気、健全さ」
  • hurt [hə́ː(r)t] : 「傷、けが、苦痛、痛み」
❖ "Do not hide suffering ~ "「苦痛をホーリー・スピリットの視界から隠してはいけない」。"but bring it ~ "「それどころか、喜んで苦痛をホーリー・スピリットに持っていきなさい」。"Lay before his eternal ~ "「あなたの苦痛のすべてをホーリー・スピリットの永遠の正気さの前に置きなさい」"and let him ~ "「そして、ホーリー・スピリットにあなたをヒーリングさせなさい」。"his eternal sanity"「ホーリー・スピリットの永遠の正気さ」とはどういうことだろう? 対比としてエゴを考えてみればよい。エゴは変化流動し、一定することない思考システムをもち、それは完全に狂った思考システムである。そんなエゴにヒーリングを託したらどうなるか? あなたの痛みは増すことはあっても治ることはあるまい。これと完全に逆なものを考えると、ホーリー・スピリットは変化せず常に一定の、永遠の思考システムをもち、それは完全に正しく、完全に機能するシステムである。したがって、ホーリー・スピリットにヒーリングを託せば、痛みは必ず消え、ヒーリングは果たされる。



Do not leave any spot of pain hidden from his light, and search your mind carefully for any thoughts you may fear to uncover.
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする、置き忘れる」
  • spot [spɑ́t] : 「場所、地点、点、斑点」
  • hidden [hídn] : 「hide の過去分詞」
  • search [sə́ː(r)t∫] : 「捜す、捜索する、探索する、検索する」
  • carefully [kéə(r)f(ə)li] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
  • thought [θɔ́ːt] : 「考え、見解、思索、熟考」
  • fear [fíə(r)] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • uncover [ʌnkʌ́və(r)] : 「あらわにする、暴く、暴露する」
❖ "Do not leave any spot of ~ "「ホーリー・スピリットの光から隠された痛みの、どんな小さな点も残さないようにしなさい」。"and search your mind carefully ~ "「そして、あなたの心の中の、あなたがあらわにすることを恐れるであろうどんな考えも注意深く探しなさい」。



For he will heal every little thought you have kept to hurt you and cleanse it of its littleness, restoring it to the magnitude of God.
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • hurt [hə́ː(r)t] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える」
  • cleanse [klénz] : 「〜を洗浄する、清潔にする、駆除する、清める」
  • cleanse of : 「〜を清める」
  • littleness : 「小さいこと」
  • restore [ristɔ́ː(r)] : 「回復させる、修復する、復活させる」
  • magnitude [mǽgnət(j)ùːd] : 「大きいこと、偉大さ、重要さ、重要性 」
❖ "For he will heal every ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットは、あなたがあなたを痛め続けたどんな小さな思いをもヒールしてくれるし、」"and cleanse it of ~ "「(そんな思いを排除して)あなたの卑小さを清め、」"restoring it to ~ "分詞構文、単純接続、「神の偉大さを取り戻してくれるからだ」。あなたは罪を犯し、神に罰せられる卑小な存在ではなく、無辜なる神の子として、神と同等に偉大なのだと、ホーリー・スピリットはあなたに教えてくれるだろう。



8. Beneath all the grandiosity you hold so dear is your real call for help. For you call for love to your Father as your Father calls you to himself.
  • Beneath [biníːθ] : 「〜の真下に、〜の支配下に」
  • grandiosity [ɡræ̀ndiɑ́ːsəti] : 「壮大、尊大」
  • dear [díə(r)] : 「 親愛な、いとしい、かわいい、大切な 」
  • call for : 「〜を要求する、〜を呼び求める」
❖ "Beneath all the grandiosity ~ "「あなたが大切に保持しているすべての尊大さの下には、助けを求めるあなたの真の呼び声がある」。つまり、あなたは、自分が卑小であるから、それを隠すために尊大に振る舞っているが、本音は助けを求めている、ということ。"For you call for love ~ "「なぜなら、あなたの父なる神が、神自身のところへ来るようあなたを呼んでいるように、あなたは、あなたの父なる神に愛を求めているからだ」。神があなたを必要とするように、あなたも神の愛が必要なのである。



In that place which you have hidden, you will only to unite with the Father, in loving remembrance of him.
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所」
  • hidden [hídn] : 「hide の過去分詞」
  • unite [junáit] : 「結合する、一体となる、一体化する」
  • unite with : 「〜と一緒になる、〜と結合する」
  • remembrance [rimémbr(ə)ns] : 「記憶、思い出、回想」
  • in remembrance of : 「〜の記念に、〜をしのんで」
❖ "In that place which ~ "「あなたが隠し通してきた場所で、」"you will only to ~ "「あなたは、父なる神とただただ結ばれたいと意思するのである」。"in loving remembrance ~ "「神の愛すべき思い出に浸(ひた)りながら」。あなたが隠してきた場所とは、神の記憶を保存していた場所。その場所で、神を思い出して、神と再び結ばれたいと願うのである。その願いがないことには、神への回帰は始まらない。



You will find this place of truth as you see it in your brothers, for though they may deceive themselves, like you they long for the grandeur that is in them.
  • deceive [disíːv] : 「欺く、惑わす、だます、裏切る」
  • long for : 「〜が恋しい、〜を慕う、渇望する、切望する」
  • grandeur [grǽn(d)ʒə(r)] : 「 偉大さ、威厳、壮大さ、雄大」
❖ "You will find this place ~ "「あなたは、あなたがあなたの同胞の中にそれを見出すとき、真実のこの場所を見つけ出すことだろう」。同胞の心の中に神の記憶を保存した場所を見出すとき、同時に、あなたの心の中にその真実なる場所を見出す。なぜなら、自他一如、すなわちあなたとあなたの同胞は一体であるからだ。"for though they may ~ "「なぜなら、たとえ同胞達が彼ら自身を欺いたとしても、」"like you they long for ~ "「あなたと同じように、彼らは彼らの中にある偉大さを希求しているからだ」。彼らの心の中には神の記憶が眠り、同時に自分が神の子として偉大であった記憶も眠っているのである。その偉大さを思いだし、希求する。



And perceiving it you will welcome it, and it will be yours. For grandeur is the right of God's Son, and no illusions can satisfy him or save him from what he is.
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • welcome [wélkəm] : 「温かく迎え入れる、歓迎する、喜んで受け入れる」
  • right [ráit] : 「正しい要求、正当な要求、当然の権利」
  • satisfy [sǽtisfài] : 「〜を満足させる、納得させる」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
❖ "And perceiving it ~ "「そして、(同胞の中に)偉大さを知覚したとき、あなたはそれを歓迎するだろう」。"and it will be ~ "「そして、偉大さはあなたのものとなるだろう」。"For grandeur is ~ "「なぜなら、偉大さとは神の子の権利であるからだ」。"and no illusions can ~ "「そして、どんな幻想も神の子を満たすことはできないし、」"or save him from ~ "「神の子を現状から救い出すことは出来ないのである」。"what he is"、これは「彼であるところのもの」「本当の彼自身」といったニュアンスで、ここでは彼の「現状」と訳してみた。



Only his love is real, and he will be content only with his reality.
  • real [ríː(ə)l] : 「実在する、現実の、実際の、正しい、本物の」
  • content [kɑ́ntent] : 「満足している」
  • be content with : 「〜に満足している」
  • reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
❖ "Only his love ~ "「神の子の愛だけが実在である」。神の子の愛は幻想ではない。"and he will be content ~ "「そして、神の子は実相にのみ満足するであろう」。神の子が開眼すれば、この世界が幻想であることを知り、愛こそが実在だとわかる。その愛が存在する真実の実在世界、実相こそが、神の子の心を満たし得る唯一の世界である。
 
 
 

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