●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-14.II.5:1 ~ T-14.II.6:5

5. When you teach anyone that truth is true, you learn it with him.

  • teach [tíːtʃ] : 「〜を教える、指導する」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を知る、分かる、悟る、 〜を学ぶ」
❖ "When you teach ~ "「あなたが誰かに、真実は真実であると教えるとき、」"you learn it with ~ "「あなたはその人と共に、そのことを学ぶのである」。ACIMでは、教えることと学ぶことは同一。



And so you learn that what seemed hardest was the easiest. Learn to be a happy learner. You will never learn how to make nothing everything.
  • hard [hάːrd] : 「難しい、困難な、つらい、きつい」
  • easy [íːzi] : 「たやすい、やさしい、容易な、簡単な」
  • make A B [SVOC] : 「AをBにする」
❖ "And so you learn that ~ "「そして、だからこそ、あなたは最も難しいと思えることが最も簡単なことだと学ぶのである」。真実は真実であるということを学ぶのは、実は最も簡単なのである。逆に、虚偽が真実であるということを学ぶのは最も困難なことである。というより、不可能だ。"Learn to be ~ "「学ぶことが喜びであるということを学びなさい」。"You will never learn ~ "「あなたは、無が存在すべてと等しいものにする方法を学ぶことは決してあるまい」。存在しない無を、すべての存在と同じだとすることは不可能だ。ここで、般若心経の「色即是空、空即是色」を思い出すかもしれない。つまり、仏教は無と有の問題を、両者同一として、つまり無は有と等しく、有は無と等しいとして解決しているではないかと思われるかもしれない。しかし、この般若心経の文章をACIM風に翻訳すると、次のようになるはずだ。「この世界の現象は幻想である(色即是空)、単に幻想が現象として見えるだけだ(空即是色)」。そうであるなら、仏教は無と有を同一として解決しているわけではあるまい。



Yet see that this has been your goal, and recognize how foolish it has been.
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • foolish [fúːliʃ] : 「ばかばかしい、思慮のない、愚かな、ばかげた」
❖ "Yet see that this has ~ "「しかし、これがあなたの目的だったのだと知りなさい」。これとは、"to make nothing everything"「無を存在すべてと等しいものにすること」、あるいは、「意味のないことを意味あることとすること」。"and recognize how ~ "「そして、それがいかに愚かであったか認識しなさい」。



Be glad it is undone, for when you look at it in simple honesty, it is undone.
  • glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う」
  • undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な」
  • honesty [άnəsti] : 「正直、誠実、公正」
❖ "Be glad it is ~ "「そんな愚かなことは取り消されるので、喜んでいい」。ホーリー・スピリットが取り消してくれるのである。あるいは、取り消す方法を教えてくれる。"for when you look at ~ "「なぜなら、あなたが単純に率直なってそれを見るならば、」"it is undone"「それは取り消しになるのであるから」。ホーリー・スピリットの導きに従って、素直な気持ちで自分の愚かさを見、それを認めた瞬間、それが愚かさの取り消しとなる。ACIMでは、過去は存在しない。過去は幻想である。したがって、過去のあなたの愚かさも幻想に過ぎないのである。過去の愚かさをありのままに認識すること、つまり、幻想として受け入れることで、過去の愚かさは取り消しになる。



I said before, "Be not content with nothing," for you have believed that nothing could content you. It is not so.
  • content [kάntent] : 「満足して」
  • be content with : 「〜に満足している」
  • content [kάntent] : 「〜を満足させる」
❖ "I said before, ~ "「私は以前、『無なるものに満足してはいけない』と言った」。"for you have believed that ~ "「なぜなら、あなたは無なるものがあなたを満足させ得ると信じていたからだ」。"It is not so"「そんなことはないのだ」。"nothing"「無なるもの」は「意味のないこと」と思ってもいい。あるいは「存在しないもの」と言ってもいい。実在することのない幻想、錯覚のことである。したがって、幻想のこの世界に生きることを満足だと思ってはいけないのだ。夢がいかにもリアルだからと言って、夢から覚めることを拒絶してはいけない。



6. If you would be a happy learner, you must give everything you have learned to the Holy Spirit, to be unlearned for you.
  • would [wúd] : 「〜したいと思う」
  • unlearn : 「忘れる、捨て去る」
❖ "If you would be ~ "「もしあなたが、学ぶことに喜びを見いだす者になりたかったら、」"you must give everything ~ "「あなたは、あなたが学んだすべてをホーリー・スピリットに預けなくてはならない」。"to be unlearned ~ "「あなたにとって、学んだものをすべて帳消しにするために」。眠りの中で学んだことを、つまり、幻想世界で学んだことを、すべてホーリー・スピリットに託して帳消しにしてもらうのである。つまり、取り消してもらうのだ。過去に得た先入観を全廃し、新たな一歩から真実を学ぶ体勢を整えるためである。



And then begin to learn the joyous lessons that come quickly on the firm foundation that truth is true. For what is built there is true, and built on truth.
  • begin [bigín] to do : 「〜し始める」
  • joyous [dʒɔ́iəs] : 「うれしい、喜びに満ちた、楽しい、楽しげな」
  • quickly [kwíkli] : 「すぐに、速く」
  • firm [fə́ː(r)m] : 「しっかりした、安定した、断固とした、確固たる」
  • foundation [faundéiʃn] : 「土台、礎、基盤」
  • built [bílt] : 「buildの過去、過去分詞形」
❖ "And then begin to learn ~ "「そして、それから、〜のような楽しいレッスンを学び始めなさい」。"that come quickly on the firm foundation ~ "「真実が真実であるという確固たる基盤の上に、すぐにでもやってくる」楽しいレッスンを学び始めなさい。"For what is built there ~ "「なぜなら、その基盤の上に作られるものは真実であり、真実の上に築かれるのだから」。真実を学ぶことは苦しいことでなく、楽しいことなのである。逆に、何かを学んで楽しいなら、あなたはきっと真実を学んでいるに違いない。



The universe of learning will open up before you in all its gracious simplicity. With truth before you, you will not look back.
  • universe [júːnəvə̀ː(r)s] : 「宇宙、万物、森羅万象、銀河、全世界」
  • open up : 「広がる、開く、開始する」
  • gracious [gréiʃəs] : 「親切な、優しい、上品な、丁寧な、丁重な、恵み深い、慈悲深い」
  • simplicity [simplísəti] : 「単純、簡単、平易、容易、簡素、質素」
  • look back : 「振り返って見る」
❖ "The universe of ~ "「あなたの目の前に、学びの世界が広がるであろう」。"in all its gracious ~ "「その、優雅な簡潔さに包まれて、」ここは、学びの世界の様子を表現しているので、「優雅で簡潔な学びの世界が広がるであろう」ということ。"With truth before ~ "「あなたの目の前の真実を知れば、」"you will not ~ "「もはや、あなたは過去を振り返ることはないであろう」。過去は幻想であり、真実を知ったあなたには、幻想の過去は不必要になってしまうのだ。もちろん、過去の罪も幻想であると知ることになり、過去の罪を振り返ることもない。
 
 
 

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