●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-14.V.11:1 ~ T-14.VI.1:9

11. Each one you see you place within the holy circle of Atonement or leave outside, judging him fit for crucifixion or for redemption.

  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜のうちに、〜の範囲内で」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • circle [sə́ː(r)kl] : 「輪、集団、仲間、円、円周」
  • Atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
  • leave [líːv] : 「放置する、ほっておく」
  • outside [áutsáid] : 「〜の外に、〜の外側に」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を審判する」
  • fit [fít] : 「適した、適当な」
  • crucifixion [krùːsəfíkʃən] : 「磔刑、十字架刑、はりつけ」
  • redemption [ridém(p)∫n] : 「贖い、贖罪、救済、解放、償い、救出」
❖ "Each one you see you ~ "「あなたが目にする一人一人を、あなたは贖罪の神聖な輪の中に置くか、あるいは輪の外に置き去りにする」。"judging him fit for ~ "分詞構文、付帯状況、「彼を磔刑にふさわしいか、救済にふさわしいか判断しながら」。"the holy circle of Atonement"「贖罪の神聖な輪」とは、あなたが贖罪を果たすために同胞ともども集(つど)うその輪のこと。その輪の中で、あなたも、同胞も共に、自らの無辜性を知ることになり、罪の意識から解放、救済される。



If you bring him into the circle of purity, you will rest there with him. If you leave him without, you join him there.
  • bring [bríŋ] : 「〜を連れて行く、〜を持って来る」
  • purity [pjú(ə)rəti] : 「清らかさ、純正、清浄、純粋、清潔」
  • rest [rést] : 「休む、休息する、休憩する」
  • without [wiðáut] : 「外に、外側に、戸外に
  • join [dʒɔ́in] : 「 〜に加わる、〜に加入する、〜と一緒になる」
❖ "If you bring him ~ "「もしあなたが、同胞をその純粋な輪の中に連れてきたなら、」"you will rest there ~ "「あなたは、彼と共に、輪の中で安らぐであろう」。"If you leave him ~ "「もしあなたが、同胞を外に置き去りにしたら、」"you join him ~ "「あなたも彼と一緒に外に置き去りにされる」。自他一如であるから、あなたが同胞を贖罪の輪に加えることで、自分もその輪に加わることが出来、逆に、同胞を贖罪の輪から追い出せば、あなたもその輪から追放される。



Judge not except in quietness which is not of you. Refuse to accept anyone as without the blessing of Atonement, and bring him into it by blessing him.
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を審判する」
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
  • quietness [kwáiətnis] : 「静寂、静けさ、平穏、沈静、落ち着き」
  • Refuse [rifjúːz] : 「拒む、拒絶する、断る」
  • accept [əksépt] : 「認する、認める、容認する、受け入れる」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • bless [blés] : 「祝福する、神聖にする、〜を賛美する」
  • blessing [blésiŋ] : 「祝福、恵み、恩恵、幸運」
❖ "Judge not except ~ "「あなたのものではない静寂の中で判断するのでなかったら、判断してはしけない」。「あなたのものではない静寂」とは、実相世界の静寂。あなたはまだ幻想の世界にいるので、実相の静寂を自分のものとしていない。実相世界は一元論の世界であり、実相の静寂は喧噪という対立概念のない絶対的な静寂である。純粋な静寂。これだけは体験してみなくては、どういうものかわからない。"Refuse to accept ~ "「どんな人に対しても、贖罪の恩恵なき者として受け入れることを拒否しなさい」。"and bring him into it ~ "「そして、彼を祝福することで、贖罪の輪の中に彼を連れてきなさい」。どんな同胞に対しても、罪深くて贖罪に値しないなどと判断せずに、同胞が集う贖罪の輪の中にその同胞を加えてやりなさい。



Holiness must be shared, for therein lies everything that makes it holy.
  • Holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
  • share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • therein [ðè(ə)rín] : 「その中に、その場所に、そのときに」
  • lie [lái] : 「ある、横たわる、寝る、横たわっている」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
❖ "Holiness must ~ "「神聖さは分かち合われなくてはならない」。"for therein lies everything ~ "「なぜなら、そうすることの中にこそ、それを神聖にするすべてが存在しているのだから」。ここで、"it"は"Holiness"のことなのだが、「神聖さを神聖にする」という意味合いになって、ちょっと変な感じがするであろう。そこで、神聖さは分かち合われることで拡張増大し、ますます神聖になると解釈したらどうであろうか。神の子としての神聖さは静的なものではなく、分かち合いとう動的な行為によってますますその輝きを増していくわけだ。



Come gladly to the holy circle, and look out in peace on all who think they are outside.
  • gladly [glǽdli] : 「喜んで」
  • look out : 「外を見る、見晴らす、注意する、用心する」
  • in peace : 「平和に、平安に、安らかに、安心して、静かに」
  • outside [áutsáid] : 「外側に、外部に」
❖ "Come gladly to ~ "「神聖な贖罪の輪の中に、喜んでやって来なさい」。"and look out in peace ~ "「そして、平和な心で、輪の外にいると思っているみんなを見渡してみなさい」。



Cast no one out, for here is what he seeks along with you.
  • Cast [kǽst] : 「〜を投げる、引く」
  • cast out : 「捨てる、見捨てる、追い出す、追い払う、追放する」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • along with : 「〜と一緒に、〜とともに、〜に加えて、〜と同様に」
❖ "Cast no one ~ "「誰一人として、見捨ててはいけない」。"for here is what ~ "「なぜなら、その輪の中こそ、あなた同様、彼が追い求めている所なのだから」。外にいると思っている同胞もまた、自分の無辜性を求めて贖罪の輪の中に加わりたいのである。



Come, let us join him in the holy place of peace which is for all of us, united as one within the Cause of peace.
  • join [dʒɔ́in] : 「つなぐ、結ぶ、参加する、加わる」
  • place [pléis] : 「場所、地域、土地、広場」
  • unite [junáit] : 「〜を結合させる、一つにする、結び付ける」
  • Cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、理由」
❖ "Come, let us ~ "「さあ、私たちみんなのためにある平和の神聖な場所に、彼を加えよう」。"united as one ~ "分詞構文、先頭にbeingを補う、単純接続、「そして、平和の第一原因の内に、一つに結ばれるのである」。"the Cause of peace"「平和の原因」「平和の第一原因」「平和のソース」とは、もちろん、神のこと。神の元で神の子が一つに結ばれる、という意味。
 
 
 
 
VI. The Light of Communication
コミュニケーションの光
 
 
1. The journey that we undertake together is the exchange of dark for light, of ignorance for understanding.
  • journey [dʒə́ː(r)ni] : 「旅、行路、長期の旅行、道のり、道程」
  • undertake [ʌ̀ndə(r)téik] : 「企てる、〜に着手する、引き受ける、請け負う」
  • together [təgéðə(r)] : 「一緒に、同時に」
  • exchange [ikst∫éin(d)ʒ] : 「換えること、交換、やりとり」
  • dark [dáː(r)k] : 「闇、暗黒」
  • light [láit] : 「光、光源、ライト、明かり」
  • ignorance [ígn(ə)r(ə)ns] : 「無知、無教育、知らないこと、無学」
  • understanding [ʌ̀ndə(r)stǽndiŋ] : 「理解、思慮、 一致、和合、合意」
❖ "The journey that ~ "「私たちが共に携わっている旅は、闇と光との、そして無知と理解との交換作業である」。闇と無知が幻想世界の象徴、光と理解が実相世界の象徴である。したがって、この旅は、幻想世界から実相世界へ向かう大きな変換の旅である。



Nothing you understand is fearful. It is only in darkness and in ignorance that you perceive the frightening, and shrink away from it to further darkness.
  • fearful [fíə(r)fl] : 「恐ろしい、怖い」
  • darkness [dáː(r)knəs] : 「暗さ、暗がり、暗闇」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • frightening [fráitniŋ] : 「恐ろしい、ぞっとするような、怖い」
  • shrink [∫ríŋk] : 「縮む、縮まる、ひるむ、恐れる、避ける」
  • shrink away from : 「〜から後ずさりする、〜に尻込みする」
  • further [fə́ː(r)ðə(r)] : 「なお一層の、さらなる、追加的な」
❖ "Nothing you understand ~ "「あなたが理解できるものなら何でも怖くない」。"It is only in darkness ~ "ここは"It ~ that ~ "の構文、「あなたが恐ろしさを感じ、さらなる闇へと尻込みしてしまうのは、闇と無知の中においてだけである」。闇と無知が恐怖を生み出し、それを増幅する。



And yet it is only the hidden that can terrify, not for what it is, but for its hiddenness.
  • And yet : 「それなのに、それにもかかわらず、なおかつ」
  • hidden [hídn] : 「隠された、秘密の」
  • terrify [térəfài] : 「脅かす、怖がらせる、恐れさせる」
  • hiddenness [hídnnis] : 「隠蔽、隠匿」
❖ "And yet it is only ~ "「なおかつ、恐れさせることが出来るのは、ただ隠されたものだけである」。"not for what ~ "意訳すると、「それが何であるかという理由からではなく、それが隠されているという理由からだ」。隠されているものが何であれ、隠されているという事実自体が人に恐れを抱かせる。



The obscure is frightening because you do not understand its meaning. If you did, it would be clear and you would be no longer in the dark.
  • obscure [əbskjúə(r)] : 「ぼんやりした、はっきりとしない、不明瞭な、曖昧な」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義」
  • clear [klíə(r)] : 「明らかな、明瞭な、はっきりした」
  • no longer : 「もはや〜でない」
❖ "The obscure is ~ "「曖昧であることが恐ろしいのである」。"because you do not ~ "「なぜなら、あなたはその意味が理解できないからだ」。"If you did, it would ~ "ここは仮定法過去、現在の事実に反したことを仮定して述べる、「もしあなたが、その意味を理解できたなら、」"it would be clear ~ "「それは明瞭であり、もはやあなたは、闇の中にいるわけではない」。しかし、現実には、あなたは明瞭でないものの意味が理解できず、闇の中をさまよっているのだ。



Nothing has hidden value, for what is hidden cannot be shared, and so its value is unknown.
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価」
  • share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • unknown [ʌnnóun] : 「知られていない、未知の、不明の」
❖ "Nothing has ~ "「何ものも、隠された価値などもっていない」。" for what is hidden ~ "「なぜなら、隠されたものは分かち合われる可能性はなく、したがって、その価値は知られることがないからだ」。ここは、量子論的な匂いがする記述である。価値は観察されて初めて存在が確定するのであって、観察される前は、価値の存在は確定されない。隠され、分かち合われないものの価値は、価値の存在自体が確定されないのである。



The hidden is kept apart, but value always lies in joint appreciation.
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • keep [kíːp] [SVOC] : 「〜の状態にしておく、〜の状態を保つ、〜にしておく」
  • apart [əpáː(r)t] : 「 離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
  • lie [lái] : 「ある、横たわる、寝る、横たわっている」
  • joint [dʒɔ́int] : 「共有の、共同の、連合の」
  • appreciation [əprìː∫iéi∫n] : 「識別、感知、正しい認識」
❖ "The hidden is ~ "「隠されたものは、分離した状態に保たれている」。一つ一つがばらばらに隠蔽されている。"but value always ~ "「しかし、価値なるものは常に、共有された認識の中に存在するのである」。難しい言い方をしているが、価値はばらばらに隠された状態で存在するのではなく、公のもと白日の下で、多くの人が正しい認識を共有することで初めて生まれるものである、ということ。



What is concealed cannot be loved, and so it must be feared.
  • conceal [kənsíːl] : 「隠す、隠匿する、秘密にする」
  • fear [fíə(r)] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
❖ "What is concealed ~ "「隠されたものが愛されることは不可能だ」。"and so it must ~ "「それゆえ、隠されたものは恐れられざるを得ないのである」。隠されたものは正しく認識されることは不可能であり、同時に正しく愛されることも不可能だ。そこに恐れが生じる。得体(えたい)が知れないからだ。
 
 
 

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