●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-14.XI.14:1 ~ T-14.XI.15:6

14. If you want peace you must abandon the teacher of attack. The Teacher of Peace will never abandon you.

  • abandon [əbǽndən] : 「捨てる、放棄する、見捨てる、捨て去る」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
❖ "If you want peace ~ "「もしあなたが、心の平和を望むなら、」"you must abandon ~ "「あなたは、攻撃の師(エゴ)を放棄しなくてはならない」。"The Teacher of Peace will ~ "「平和の師(ホーリー・スピリット)は決してあなたを見捨てるようなことはしないであろう」。



You can desert him but he will never reciprocate, for his faith in you is his understanding.
  • desert [dézərt] : 「〜を見捨てる、〜との縁を絶つ」
  • reciprocate [risíprəkèit] : 「〜に報いる、返礼する、交換する」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、自信、信念、確信」
  • understanding [ʌ̀ndə(r)stǽndiŋ] : 「理解、理解力、知力」
❖ "You can desert him ~ "「あなたは平和の師であるホーリー・スピリットを捨てることは可能ではある」。"but he will never ~ "「しかし、ホーリー・スピリットは仕返しをするようなことは決してない」。"for his faith in ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットのあなたへの信頼は、ホーリー・スピリットの(あなたへの)理解でもあるからだ」。ホーリー・スピリットはあなたを理解もし信頼もしているので、たとえ一時的にホーリー・スピリットをあなたが見捨てたとしても、いずれ再びホーリー・スピリットの元にあなたが帰ってくることをちゃんと知っているのである。ましてや、見捨てたことであなたに報復するなどということは決してない。なぜなら、ホーリー・スピリットには攻撃という概念がないからだ。



It is as firm as is his faith in his Creator, and he knows that faith in his Creator must encompass faith in his creation.
  • firm [fə́ː(r)m] : 「断固とした、確固たる、しっかりした、安定した」
  • Creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
  • encompass [enkʌ́mpəs] : 「〜を包み込む、包囲する、取り囲む、網羅する、含む、包含する」
❖ "It is as firm as is ~ "「ホーリー・スピリットのあなたへの信頼は、創造主である神への信頼と同じくらい確固たるものである」。"and he knows that ~ "「そして、ホーリー・スピリットはthat以下を知っている」。"that faith in his Creator ~ "「ホーリー・スピリットの、創造主である神への信頼は、神が創造したものたちへの信頼を包含している」と知っている。したがって、神を信頼し、同時に神の創造したものを信頼しない、などということは不可能なのだ。



In this consistency lies his holiness which he cannot abandon, for it is not his will to do so.
  • consistency [kənsístənsi] : 「一貫性、一致、調和、整合性」
  • lie [lái] : 「ある、横たわる、寝る、横たわっている」
  • holiness [hóulinis] : 「神聖、高潔」
❖ "In this consistency ~ "「この一貫性の中に、」神も神の創造したものも一貫して信頼している中に、ということ。"lies his holiness ~ "「捨てることのない、ホーリー・スピリットの神聖さがあるのだ」。"for it is not his ~ "「なぜなら、神聖さを捨てるなど、ホーリー・スピリットが意思することではないからだ」。



With your perfection ever in his sight, he gives the gift of peace to everyone who perceives the need for peace, and who would have it.
  • perfection [pə(r)fék∫n] : 「完全、完成、完璧」
  • sight [sáit] : 「視界、光景、視覚、視力」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
❖ "With your perfection ~ "「ホーリー・スピリットの視界には、あなたの完璧性がとらえられており、」"he gives the gift ~ "「ホーリー・スピリットは、平和という贈り物を、〜である人たちみんなに与えるのである」。"who perceives the need ~ "「平和の必要性を知覚し、平和を望む」人たちみんなに与えるのである。



Make way for peace, and it will come. For understanding is in you, and from it peace must come.
  • make way for : 「〜に道を譲る」
  • understanding [ʌ̀ndə(r)stǽndiŋ] : 「理解、思慮」
❖ "Make way for ~ "「心の平和のために道をあけてやりなさい」。"and it will ~ "「そうすれば、心の平和はやって来るだろう」。"For understanding is in ~ "「なぜなら、あなたの中には理解力があり、その理解力から、心の平和はやって来るに違いないからだ」。



15. The power of God, from which they both arise, is yours as surely as it is his.
  • both [bóuθ] : 「両方とも、双方とも」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
  • surely [∫úə(r)li] : 「疑いなく、しっかりと、確かに、確実に」
❖ "The power of ~ "「神のパワー、そこからあなたもホーリー・スピリットも共に生まれたのだが、その神のパワーは、」"is yours as surely as ~ "「ホーリー・スピリットのものであると同じくらい確実に、あなたのものでもある」。神のパワーとは、創造するパワーと考えてもいいし、愛のパワー、光のパワーと考えてもいいだろう。物理的パワーに限定する必要はない。むしろ、実相世界は想念の世界であるから、具象世界の物理的力ととらえるのは誤りであろう。少なくとも、物を破壊するようなパワーではない。なぜなら、神には破壊という概念がないからだ。



You think you know him not, only because, alone, it is impossible to know him.
  • alone [əlóun] : 「独りで、単に」
  • impossible [impásəbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
❖ "You think you ~ "「あなたは、神を知ってはいないと思っている」。"only because, alone ~ "「単に、一人では神を知ることなど不可能だからという理由による」。



Yet see the mighty works that he will do through you, and you must be convinced you did them through him.
  • mighty [máiti] : 「強力な、力のある、並外れた、信じられないくらいの」
  • work [wə́ː(r)k] : 「仕業、業績」
  • convince [kənvíns] : 「確信させる、納得させる、説得する」
  • convinced : 「確信して」
❖ "Yet see the mighty ~ "「しかし、あなたを通して神が成すであろう並外れた仕事を見てみなさい」。未来形になっているので、神はまだ並外れた仕事を成してはいないのだが、あなたはやがてそれを目にするだろう、というニュアンスが感じられる。つまり、やがてあなたは奇跡を起こすのである。"and you must be ~ "「そうすれば、あなたは、神を通してその並外れた仕事をあなたがやったのだと確信を持つに違いない」。この部分はACIMの重要なキーポイントである。奇跡を成す主体はあなたか、それとも神か? 奇跡はあなたを通して神が成し、同時に、神を通してあなたが成す、と述べられているのである。奇跡を成す主体はあなたであり、神である。あなたと神は重なり合っているのだ。あなたは神を知らないと言うのだが、しかし、あなたが奇跡を成すとき、あなた自身が神であると主張できるのである。まさに奇跡を通じて、神人一体の状態が実現するのである。奇跡とは、この幻想世界に、実相世界の事象を生み出すことである。奇跡が起きるとき、あなたは確実に実相世界に生きているのであり、一元論世界の必然として、神とホーリー・スピリットと、そして神の子であるあなたの三位が、一体となるのである。



It is impossible to deny the Source of effects so powerful they could not be of you.
  • impossible [impásəbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • Source [sɔ́ː(r)s] : 「もと、源、起点、原因」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • powerful [páuə(r)fl] : 「強い、強力な、力強い、迫力のある」
❖ "It is impossible to deny ~ "「結果を生み出す源を否定することは不可能である」。もちろん、神のこと、あるいは神のパワーのこと。その"Source"は"so powerful they ~ "ここはthatが省略されているが"~ so ~ that ~ "の構文になっている、「あまりにもパワフルなので、結果があなたのものだと思えない」ような、そんな源を否定することは不可能だ。簡単に言えば、奇跡の素晴らしさを目にすれば、神を否定することは不可能だ、ということ。



Leave room for him, and you will find yourself so filled with power that nothing will prevail against your peace.
  • leave [líːv] : 「〜を残す、〜を預ける、〜を任せる」
  • room [rúːm] : 「余地、スペース、余裕」
  • leave room for : 「〜に余地を残す、〜に余地を与える」
  • fill [fíl] : 「満たす、〜を補充する」
  • prevail [privéil] : 「勝つ、勝る、勝利を得る」
  • prevail against : 「〜に打ち勝つ、〜をしのぐ」
❖ "Leave room for ~ "「神のための余地を空けておきなさい」。"and you will find ~ "「そうすれば、あなたは、あなた自身が何ものもあなたの平和に勝ることのないパワーで満たされているを見いだすだろう」。神のパワーがあなたの全身にみなぎってくるのである。



And this will be the test by which you recognize that you have understood.
  • test [tést] : 「テスト、試験、試金石」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「評価する、認める、認める、受け入れる」
❖ "And this will be the test ~ "「そして、これが、〜する試金石になるであろう」。"by which you recognize ~ "「あなたが理解したかどうかをあなたが認識する」試金石になる。あなたの全身に神のパワーがみなぎっているなら、あなたは真実を理解できたのは確かだ。心が平和であるから全身にパワーがみなぎっているのであり、平和には必ず理解が伴うからだ。  
 
 

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