●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-15.III.7:1 ~ T-15.III.8:7

7. In this season (Christmas) which celebrates the birth of holiness into this world, join with me who decided for holiness for you.

  • season [síːzn] : 「季節、時期」
  • Christmas [krísməs] : 「クリスマス、キリスト降誕祭」
  • celebrate [séləbrèit] : 「祝う、祝賀する、記念する」
  • birth [bə́ː(r)θ] : 「出生、出産、分娩、誕生」
  • holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
  • join [dʒɔ́in] : 「加わる、加入する、参加する、交わる、一緒になる」
  • join with : 「〜に加わる」
  • decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
  • decide for : 「〜の方に決める、〜に有利に判決する」
❖ "In this season ~ "「この世界に神聖さが生まれ出たことを祝うこの季節(クリスマス)において、あなたのために神聖さをとると決めた私にあなたも加わりなさい」。あなたもイエスに加わって、神聖さを祝うクリスマスを一緒に祝い、同時に、卑小さを捨てて、神聖さ、偉大さに回帰する旅に出よう、ということ。



It is our task together to restore the awareness of magnitude to the host whom God appointed for Himself.
  • task [tǽsk] : 「任務、職務、仕事」
  • together [təgéðə(r)] : 「一緒に、同時に」
  • restore [ristɔ́ː(r)] : 「回復させる、修復する、復活させる、復帰させる」
  • awareness [əwéə(r)nəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
  • magnitude [mǽgnət(j)ùːd] : 「偉大さ、重要さ、重要性」
  • appoint [əpɔ́int] : 「〜を任命する、選任する、指名する」
❖ "It is our task together ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、"It"が仮主語、"to restore"が本主語、「〜に対する偉大さの認識を修復することが、私たちが一緒にすべき仕事である」。"to the host whom ~ "「神が神自身のために任命したホスト役に対する」偉大さの認識を修復する〜。"host"「ホスト」という言葉は、訳すとピンと来ないのだが、神をホストするとは、神の側に一緒にいて喜びを共にする者、といった意味合いであろう。したがって、神が神自身のために一緒にいて喜びを分かち合いたいと思った神の子の偉大さを認識することが、イエスと我々の共同の仕事である、という意味になる。その、偉大さに対する認識が今は正常に機能していないので、それを修復しよう、というわけである。



It is beyond all your littleness to give the gift of God, but not beyond you. For God would give Himself through you.
  • beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「〜の域を越えて、〜を超越して、〜の向こうに」
  • littleness [lítlnis] : 「小ささ、卑小さ」
  • would [wúd] : 「〜したいと思う」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
❖ "It is beyond all your ~ "「神の贈り物を(同胞に)与えることは、あなたの卑小さをはるかに超えていることであるが、しかし、あなたを超えているわけではない」。神の贈り物、つまり、愛や喜びや平和を同胞に与える行為は、卑小な者には決して出来ないことであるが、あなたは卑小ではないので、神の贈り物を同胞に与えることが出来るのである。"For God would give ~ "「なぜなら、神は神自身を、あなたを通じて与えたいと思っているからだ」。神はあなたに神自身を与え、つまり、神の愛、喜び、平和を与え、あなたがその与えられたものを同胞と分かち合うことを、神は望んでいるのである。神がそう望んだあなたが、卑小なわけはない。あなたを通じて与えるとは、したがって、あなたが主体となって神の贈り物を同胞たちに分け与え、共有し、分かち合う、ということであると思っていいだろう。



He reaches from you to everyone and beyond everyone to His Son's creations, but without leaving you.
  • reach [ríːt∫] : 「及ぶ、伝わる,伸びる、向かう」
  • creation [kriéi∫n] : 「創作物、作品、創造、創作」
  • leave [líːv] : 「〜を見捨てる、〜を残す、置きっぱなしにする、置き忘れる」
❖ "He reaches from ~ "「神は、あなたからすべての者へと、影響を及ぼし、」"and beyond everyone ~ "「そして、すべての者たちを超えて、彼らが創造したものへと達する」。"but without ~ "「とは言え、あなたを置き去りにするわけではない」。神の贈り物、愛や喜びや平和は、あなたを経てすべての同胞に達し、さらに、あなたや同胞を超えて、あなたや同胞が創造したもの、たとえば共に愛し合うことや共に喜び合うこと、平和を分かち合うことなどへ向かうのである。ただし、あなたや同胞を超えると言っても、神があなたや同胞を忘れることはない。



Far beyond your little world but still in you, He extends forever. Yet He brings all His extensions to you, as host to Him.
  • far [fɑ́ː(r)] : 「はるかに、大いに、ずっと」
  • still [stíl] : 「それでも、それでもやはり、〜にもかかわらず」
  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • bring [bríŋ] : 「〜を連れて来る、〜を持って来る、〜をもたらす」
  • extension [ikstén∫n] : 「拡張、伸長、延長、伸展」
❖ "Far beyond your ~ "「あなたの小さな世界をはるかに超えて、とは言え、なおあなた心の中であるが、」"He extends ~" 「神は永遠に拡張する」。神は、我々の幻想世界を超越して実相世界で拡張を続ける。愛、喜び、平和、慈しむ心、美、静寂、等々、神は実相世界にそれらを拡張して行く。拡張と言っても、実相世界は無時間、無空間の世界であるから、我々の時空の存在する世界の拡張とは意味がまったく異なる。神の、完全な抽象と想念が、あなたの心の中で時間と空間を超越して爆発していくイメージであろうか。仏教で言う解脱や悟りというもののイメージに近いものであろう。



8. Is it a sacrifice to leave littleness behind, and wander not in vain?
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「いけにえ、犠牲」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする、置き忘れる」
  • behind [biháind] : 「後に、後ろへ、後ろ側に、背後に」
  • wander [wɑ́ndə(r)] : 「歩き回る、ぶらつく、横道にそれる、正道をそれる」
  • vain [véin] : 「無駄な、無益な、無価値な、空虚な、はかない」
  • in vain : 「無駄に」
❖ "Is it a sacrifice ~ "「卑小さを後に残し、無駄に横道に逸れることを回避することが犠牲であろうか」。



It is not sacrifice to wake to glory. But it is sacrifice to accept anything less than glory.
  • wake [wéik] : 「目が覚める、眼を覚ます」
  • glory [glɔ́ːri] : 「栄光、称賛、名誉、誇り、壮観、荘厳」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • less than : 「〜未満の、〜に満たない」
❖ "It is not sacrifice ~ "「栄光に目覚めることは犠牲ではない」。"But it is sacrifice ~ "「しかし、栄光でないものを容認することこそ犠牲である」。



Learn that you must be worthy of the Prince of Peace, born in you in honor of Him Whose host you are.
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • worthy [wə́ː(r)ði] : 「〜に値する、〜するに足りる」
  • prince [príns] : 「王子、皇子、プリンス」
  • be born [bɔ́ː(r)n] : 「生まれる、誕生する、産声を上げる」
  • in honor of : 「〜を祝って、〜に敬意を表して」
❖ "Learn that you ~ "「あなたは平和の王子に値するに違いないと知りなさい」。"born in you ~ "分詞構文、理由、先頭にbeingを補う、「あなたがホストを務める神のために、あなたの心の中に平和の王子は生まれるのだから」。"the Prince of Peace"「平和の王子」とは誰か? ACIMで始めて出てきた言い回しである。ここはあまり考え過ぎずに、あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分に生まれ出るキリスト、と思っていいのではないだろうか。もちろん、そこにはホーリー・スピリット、キリストが永遠に住んでいるとACIMは言ってきたのであるが、そのキリストをあなたが意識的にはっきりと認識するという意味で、キリストはあなたの心に生まれるのである。ところで、"the Prince of Peace"という言葉はイザヤ書9:6に出てくる。参考までに載せておこう。

[Isaiah 9:6 from King James Bible]
For unto us a child is born, unto us a son is given: and the government shall be upon his shoulder: and his name shall be called Wonderful, Counsellor, The mighty God, The everlasting Father, The Prince of Peace.

ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、「驚くべき指導者、力ある神/永遠の父、平和の君」と唱えられる。(新共同訳)



You know not what love means because you have sought to purchase it with little gifts, thus valuing it too little to understand its magnitude.
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • sought [sɔ́ːt] : 「seek の過去・過去分詞形」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • seek to do : 「〜しようとする」
  • purchase [pə́ː(r)t∫əs] : 「〜を買う、購入する、仕入れる、獲得する」
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、だから、このようにして、こんなふうに」
  • value [vǽljuː] : 「評価する、重視する、大事にする、尊重する、重んじる」
  • understand [ʌ̀ndə(r)stǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
  • magnitude [mǽgnət(j)ùːd] : 「偉大さ、重要さ、重要性」
❖ "You know not what love ~ "「あなたは、愛が何を意味するのか知ってはいない」。"because you have ~ "「なぜなら、あなたは、ちっぽけな贈り物で愛を買おうとしてきたし、」"thus valuing it ~ "ここは"too ~ to ~ "の構文、「そうすることで、あまりにも愛を過小評価したので、愛の偉大さを理解し損なったからである」。幻想世界の愛は、憎悪という対極概念の存在する愛であるが、実相世界の真実の愛は、対極概念を持たない純粋な愛である。実相世界が一元論世界であることの必然である。したがって、この文章は、憎悪という対極概念の存在するこの世の愛を追求したきたあなたには、天の王国の純粋の愛を理解することは出来ない、という意味になる。



Love is not little and love dwells in you, for you are host to Him.
  • dwell [dwél] : 「住む、居住する、存在する」
❖ "Love is not little ~ "「愛は小さなものではないし、あなたの心の中に実在しているものだ」。"for you are ~ "「なぜなら、あなたは神のホストであるからだ」。繰り返しになるが、神をホストするとは、神の側にいて、神と愛や喜びや平和を分かち合う、という意味である。決して、神に奴隷的に付き従うという意味ではない。



Before the greatness that lives in you, your poor appreciation of yourself and all the little offerings you give slip into nothingness.
  • greatness [ɡréitnis] : 「偉大さ、広大さ、重要さ、大きさ」
  • poor [púə(r)] : 「貧しい、乏しい、弱い、貧弱な」
  • appreciation [əprìː∫iéi∫n] : 「正しい認識、正しく評価、識別、感知」
  • offering [ɔ́ːfəriŋ] : 「贈り物、ささげ物、奉納の品」
  • slip [slíp] : 「下がる、下降する、低下する」
  • nothingness [nʌ́θiŋnis] : 「存在しないこと、無、非実在、無価値」
❖ "Before the greatness ~ "「あなたの心の中に住む偉大さを前にすると、」"your poor appreciation ~ "「あなたがあなた自身に下した貧弱な評価も、あなたが差し出したちっぽけな捧げ物も、無に帰してしまう」。あなたの心の中に住まう神の偉大さを目の当たりにすれば、自分は猿から進化した動物に過ぎないなどというあなたの自己評価や、あなたが神に訴えたあなたの悲しみ、孤独、怒りなど、全く取るに足らぬもの、ほとんど無に等しいものだ。
 
 
 

Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp

アクセスカウンター