●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-16.VII.12:1 ~ T-17.I.1:10

12. Forgive us our illusions, Father, and help us to accept our true relationship with You, in which there are no illusions, and where none can ever enter.

  • forgive [fə(r)gív] : 「許す、容赦する、帳消しにする、免除する」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • enter [éntə(r)] : 「入る、参加する」
❖ "Forgive us our ~ "「父なる神よ、私たちの幻想を赦してください」。ここでの「赦す」とは、幻想をしっかり見つめ、幻想は実在ではないと認識することを意味している。実在ではないと認識して、手放してしまうのだ。"and help us to accept ~ "「そして、あなたとの真の関係性を受け入れることが出来るように力を貸してください」。"in which there are ~ "「あなたとの関係性の中には、いかなる幻想もなく、また、いかなる幻想も入って来れないのだ」。神の元に回帰して、神とホーリー・スピリットと神の子の愛が融合できるように、そういう愛の関係性が築けるように、神の力を貸して欲しい。実相世界を満たす愛という関係性の中には、いかなる幻想も入ってくることは出来ない。



Our holiness is Yours. What can there be in us that needs forgiveness when Yours is perfect?
  • holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
  • forgiveness [fə(r)gívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • perfect [pə́ː(r)fikt] : 「完璧な、完全な」
❖ "Our holiness ~ "「私たちの神聖さは、あなたの神聖さである」。私たちを神聖な神の子として創造したのは、神聖なる神である。"What can there ~ "「神の神聖さが完璧であるのに、私たちの中に赦しを必要とするものがあり得ようか」。完璧に神聖な神が、神聖な神の子を創造したのだから、本来、神の子の中には、赦しを必要とする幻想など存在出来ないはずだ。ここでも、「赦しを必要とする幻想」とは、それは非存在であると認識して、幻想を手放し取り消しにすること。ところで、幻想は神が創造したものではないのだから、当然、幻想は神とは無関係であり、我々が勝手に偽創造した夢である。



The sleep of forgetfulness is only the unwillingness to remember Your forgiveness and Your Love.
  • forgetfulness [fərɡétfəlnis] : 「忘却、忘れ去ること」
  • unwillingness [ʌnwíliŋnis] : 「気が進まないこと、不本意」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • forgiveness [fə(r)gívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
❖ "The sleep of forgetfulness ~ "「忘却の中で眠り続けるとは、神の赦しと神の愛を思い出したくないと思うことに過ぎない」。実相世界を忘れ去って、幻想世界で眠り続けることは、神の助けによって幻想を取り消しにすることも、神の真実の愛を思い出すことも、共に拒絶していることを意味する。



Let us not wander into temptation, for the temptation of the Son of God is not Your Will.
  • wander [wɑ́ndə(r)] : 「さまよう、迷う、迷子になる、歩き回る」
  • temptation [tem(p)téi∫n] : 「誘惑、衝動、誘惑物」
❖ "Let us not wander ~ "「誘惑の中をさまよい歩くことをさせないでください」。幻想世界の誘惑に負けてはならない。"for the temptation of ~ "「なぜなら、神の子が誘惑されるとは、あなた(神)の意思ではないのだから」。



And let us receive only what You have given, and accept but this into the minds which You created and which You love. Amen.
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "And let us receive ~ "「あなた(神)が与えてくれたものだけを受け取ることが出来るようにしてください」。神が神の子に継承した神の属性だけを受け取って、それ以外の何ものも必要としないことを認識させてください、といった意味合い。"and accept but this into ~ "「あなた(神)が創造し、愛する心の中に、神が与えてくれたものだけを受け入れることが出来るようにしてください」。"Amen"「アーメン」。
 
 
 
 
 
A Course in Miracles


Text - Chapter 17


Forgiveness and the Holy Relationship

赦しと聖なる関係


I. Bringing Fantasy to Truth
空想を真実に変えること


1. The betrayal of the Son of God lies only in illusions, and all his "sins" are but his own imagining.
  • betrayal [bitréiəl] : 「裏切り、密告、背信、内通」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、過失、罪業」
  • image [ímidʒ] : 「〜を心に描く、想像する」
❖ "The betrayal of ~ "「神の子に対する裏切りは、ただ幻想の中だけにある」。実相世界では神の子を裏切るようなものは存在しないが、幻想世界では、神の子は裏切られるのだ。"and all his "sins" are ~ "「そして、神の子のあらゆる『罪』とは、神の子自身が想像したものに過ぎない」。神の子の罪は空想の産物であって、実相世界から神の子を見れば、神の子は完全に無辜(むこ)である。



His reality is forever sinless. He need not be forgiven but awakened.
  • reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • sinless [sínlis] : 「罪のない、無辜(むこ)の」
  • awaken [əwéikn] : 「目を覚まさせる、目覚める、呼び起こす」
❖ "His reality is ~ "「神の子の実相は、永遠に無辜(むこ)である」。神の子の、幻想世界ではなく実相世界における実体は、罪のない無辜(むこ)なる状態である。したがって、"He need not be ~ "「神の子は赦される必要などなく、ただ、目覚めることが必要なのだ」。赦されるべきは幻想であって、神の子の実相は無辜(むこ)であるが故に、赦される必要などない。しかし、神の子は実相世界で深い眠りについたままなので、目覚める必要はある。目覚めたとき、神の子は、自分が完璧に無辜であることを認識し受け入れるのだ。



In his dreams he has betrayed himself, his brothers and his God. Yet what is done in dreams has not been really done.
  • betray [bitréi] : 「裏切る、背く」
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
  • really [ríː(ə)li] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に、真に」
❖ "In his dreams ~ "「神の子は、夢の中で、自分自身を、同胞を、そして神をも裏切ってきた」。"Yet what is done ~ "「しかし、夢の中でなされたことは、実際にはなされていないのだ」。夢の中の出来事は幻想であって、実相世界に目覚めれば、それは実際に起きたことではない。だから、夢から覚めることが、絶対に必要なのだ。夢の中の裏切りや絶望から救われるには、したがって、夢から目覚めるだけでいい。



It is impossible to convince the dreamer that this is so, for dreams are what they are because of their illusion of reality.
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない、無理な」
  • convince [kənvíns] : 「確信させる、納得させる、説得する」
  • dreamer [dríːmər] : 「夢見る人、夢想家」
❖ "It is impossible ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「夢の中でなされたことは実際にはなされていないのだということを、夢を見ている者に確信させることは不可能だ」。"for dreams are what ~ "意訳する、「なぜなら、彼らの幻想が現実となっているので、夢の彼らが本当の彼ら自身となっているからだ」。つまり、夢に登場している自分が本物であると錯覚しているのだ。しかし、本当のあなたは夢を見ている自分であるはずだ。夢の中で自分を演じている自分ではない。そのことを、夢を見ている自分に理解させるのは不可能だ。夢から目覚めなくては、そのことは理解できないのである。



Only in waking is the full release from them, for only then does it become perfectly apparent that they had no effect upon reality at all, and did not change it.
  • waking [wéikiŋ] : 「覚醒、目を覚ますこと」
  • full [fúl] : 「全部の、全面的な、徹底した、完全な」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • perfectly [pə́ː(r)fik(t)li] : 「完全に、完璧に、申し分なく」
  • apparent [əpǽr(ə)nt] : 「明らかな、明白な、はっきり見える」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
  • change [t∫éin(d)ʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
❖ "Only in waking is ~ "「幻想からの完全な解放は、目覚める中にのみある」。幻想からの解放されるには、そこから目覚めるしかない。"for only then does ~ "ここは"it ~ that ~ "の構文、「なぜなら、目覚めの中においてのみ、that以下が完全に明らかになるからだ」。"that they had no ~ "「幻想は、実相に対してまったく影響を与えることはなく、実相を変えることも出来ない」ことが完全に明らかになるからだ。夜見る夢から目が覚めれば、夢の影響は実生活に何の影響も及ぼさないことと同じだ。夢の中のモンスターに恐れを抱き、あれこれ悩まさせれるのは、夢の中においてのみ。夢から覚めれば、恐ろしいモンスターは消滅する。



Fantasies change reality. That is their purpose. They cannot do so in reality, but they can do so in the mind that would have reality be different.
  • fantasy [fǽntəsi] : 「想像、空想、幻想、白日夢」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • in reality : 「実は、実際には」
  • have : 「〜を〜の状態にする」
  • different [díf(ə)r(ə)nt] : 「相違する、違っている、異なる」
❖ "Fantasies change ~ "「空想は現実を変える」。ここは「空想は現実を変えようとする」という意味合い。実際に空想が現実を変えているのではない。"That is their ~ "「それが、空想の目的である」。"That is their ~ "「実際は、空想は現実を変えることは出来ない」。"but they can do so ~ "「しかし、現実を違ったものにしたいと思う心の中においてだけ、空想は現実を変えるのである」。つまり、空想は現実を変えようとするのだが、実際は現実を変えることが出来ないので、変えたいと願う心の中においてのみ、すなわち、空想の中においてのみ、現実を変えてみるのである。したがって、変わったかに見える現実は、本当の現実ではなく、単なる空想である。あくまでも、幻想が実相を変えることは不可能なのだ。
 
 
 

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