●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-18.III.8:1 ~ T-18.IV.1:10

8. Not one light in Heaven but goes with you. Not one Ray that shines forever in the Mind of God but shines on you.

  • ray [réi] : 「一筋の光明、輝き、ひらめき、放射線、光線」
  • shine [∫áin] : 「輝く、光る」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Not one light ~ "「天の王国のあらゆる光は、あなたと共に行く」。変な訳になってしまったが、あなたが行くところ、天の王国の光も一緒についていって、闇を照らし出してくれる、といったニュアンス。"Not one Ray that shines ~ "「神の心の中で永遠に輝く光線のすべては、あなたの上でも輝いている」。神の光があなたに惜しみなく降り注ぎ、神があなたをこよなく愛していることがわかる。



Heaven is joined with you in your advance to Heaven.
  • join [dʒɔ́in] : 「加わる、参加する、交わる、一緒になる」
  • advance [ədvǽns] : 「前進、進展、進歩、躍進、進出」
❖ "Heaven is joined with ~ "「あなたが天の王国に向かって前進するにしたがい、天の王国はあなたと一緒になる」。天の王国に近づくにつれ、あなたは、ますます天の王国に入りたい望みが強まってくる。あたかも、天の王国があなたの心の中に飛び込んでくるようだ。まるで、もう、あなたと天の王国が結ばれてしまったようである。



When such great lights have joined with you to give the little spark of your desire the power of God himself, can you remain in darkness?
  • great [gréit] : 「すてきな、素晴らしい、偉大な、卓越した」
  • spark [spɑ́ː(r)k] : 「火花、スパーク、活気、元気」
  • desire [dizáiə(r)] : 「欲望、欲求、願望、念願」
  • remain [riméin] : 「とどまる、滞在する、残る、残存する」
❖ "When such great lights ~ "「あなたの望みの小さなスパークに、神自身のパワーを与えるために、そんな、偉大な光が、あなたと結ばれたというのに、」"can you remain ~ "「あなたは、闇の中に留まっておれるだろうか」。あなたの心の中にも、あなたの望みが発する小さな光があり、チカチカとスパークを発している。しかし、天の王国の強烈な光があなたの上に差し、小さなスパークは神のパワーを授かる。あなたの小さな光は、今や、奇跡を起こせるパワーを獲得し、もちろん、ヒーリングのパワーも身に付けたのだ。



You are coming home together, after a long and meaningless journey that you undertook apart, and that led nowhere.
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、価値のない、無意味な」
  • journey [dʒə́ː(r)ni] : 「旅、行路、道のり、道程」
  • undertook [ʌ̀ndə(r)túk] : 「undertake の過去・過去分詞形」
  • undertake [ʌ̀ndə(r)téik] : 「引き受ける、企てる、始める」
  • apart [əpɑ́ː(r)t] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
  • led [léd] : 「lead の過去・過去分詞形」
  • lead [li':d] : 「導く、案内する」
  • nowhere [nóu(h)wèə(r)] : 「どこにも〜ない」
❖ "You are coming ~ "「あなたは、同胞と共に家に帰りつつあるのだ」。神の元へ、同胞共々帰還しつつある。"after a long and meaningless ~ "「あなたが同胞と別々に始めた、長くて意味のない旅、そしてどこにも行き着けない旅の後で、」家に帰りつつあるのだ。幻想世界を散々彷徨(さまよ)い歩いた揚げ句に、やっと、実相世界への旅路を歩くことになった。



You have found your brother, and you will light each other's way.
  • found [fáund] : 「find の過去・過去分詞形」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • light [láit] : 「〜を明るくする、〜を照らす」
❖ "You have found ~ "「あなたは同胞を見つけ出し、」"and you will light ~ "「あなたと同胞は、互いに道を照らし合うのである」。再び幻想の闇に紛れ込まないように、互いに光で道を照らし合う。



And from this light will the Great Rays extend back into darkness and forward unto God, to shine away the past and so make room for his eternal presence, in which everything is radiant in the light.
  • extend [iksténd] : 「伸びる、広がる」
  • forward [fɔ́ː(r)wə(r)d] : 「前方へ」
  • shine [∫áin] : 「輝く、光る」
  • past [pǽst] : 「過去、昔」
  • make room for : 「〜のためのスペースをあける、〜に席を譲る」
  • eternal [itə́ː(r)nl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の、無限の」
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在、居ること」
  • radiant [réidiənt] : 「光を放つ、さんぜんとした、光り輝く、明るい」
❖ "And from this light will ~ "「そして、この光から、神の光線が拡張し、」"back into darkness ~ "「後ろの闇を照らし、先の神を照らすであろう」。初めは互いの足下を照らしているに過ぎなかった光が、神のパワーを得て光は拡張増大し、幻想世界の闇も、実相世界の神をも照らし出す。"to shine away the past ~ "「光は、過去を照らして払拭し、神の永遠の存在のために場所を設ける」。実相世界の光は時間という概念を融かしてしまい、過去を消滅させる。後に残るのは神の永遠性だけだ。"in which everything ~ "「その永遠なる神の存在の中で、すべては光の中で輝くのである」。
 
  
 

 
 
IV. The Little Willingness
小さな意欲
 
 
 
1. The holy instant is the result of your determination to be holy. It is the answer.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果」
  • determination [ditə̀ː(r)mənéi∫n] : 「決心、決定、判定、決意、決断」
  • answer [ǽnsə(r)] : 「答え、回答、返事、応答」
❖ "The holy instant is ~ "「聖なる瞬間は、あなたが神聖になろうと決意した、その結果である」。"It is ~ "「それが、答えなのだ」。実相世界の神聖な神の子に戻ろうと決心した、その結果が、実相世界に目覚めるという聖なる瞬間に結実した。



The desire and the willingness to let it come precede its coming.
  • desire [dizáiə(r)] : 「欲望、欲求、願望、念願」
  • willingness [wíliŋnis] : 「意欲、いとわずにすること、やる気」
  • precede [prisíːd] : 「〜に先行する、先んじる、先立つ、〜の先に立つ 」
❖ "The desire and the willingness ~ "「聖なる瞬間を招こうとする願いとそうしたいという望みが、聖なる瞬間がやって来ることに先行する」。つまり、聖なる瞬間が実現するには、それを心から希求するあなたの意思が必要なのだ。



You prepare your mind for it only to the extent of recognizing that you want it above all else.
  • prepare [pripéə] : 「〜に準備させる、〜を準備する、用意する、支度する」
  • extent [ikstént] : 「範囲、程度、限界、限度」
  • to the extent of : 「〜という点で、〜の程度まで」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • above [əbʌ́v] : 「〜よりもへ、〜の上に、〜を超えて、〜を超越して」
  • above all else : 「何にもまして」
❖ "You prepare your mind ~ "「あなたは聖なる瞬間のために、心の準備をする(必要がある)」。"to the extent of recognizing ~ "「何にもまして、聖なる瞬間を欲しているのだと認識できる程度にまで、」心を高めて、聖なる瞬間の実現のための心の準備をする必要があるのだ。その程度まで、望みのテンションが高まらない限り、聖なる瞬間は実現しない。たなぼた式に聖なる瞬間を期待してもダメ。



It is not necessary that you do more; indeed, it is necessary that you realize that you cannot do more.
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
❖ "It is not necessary ~ "ここは"It ~ that ~ "構文、「あなたがそれ以上することは必要ない」。聖なる瞬間を強く望むこと以上の何かをする必要はない。"indeed, it is necessary ~ "「実際、あなたはそれ以上のことは出来ないのだと気付くことが必要だ」。幻想世界から目覚めようとするあなたには、自ずから限界があるので、その限界を超えて何かをしようなどと思ってはいけない。出来ないから、ホーリー・スピリットに委ねてしまえばいいのだ。



Do not attempt to give the Holy Spirit what he does not ask, or you will add the ego to him and confuse the two.
  • attempt [ətém(p)t] : 「〜しようと努力する、〜を試してみる、〜を企てる」
  • add [ǽd] : 「加える、合計する、足す、足し算をする、追加する」
  • confuse [kənfjúːz] : 「混同する、混乱させる、困惑させる、戸惑わせる」
❖ "Do not attempt to give ~ "「ホーリー・スピリットが要求していないことまで、ホーリー・スピリットに与えようと企ててはいけない」。"or you will add ~ "「さもなければ、あなたは、ホーリー・スピリットにエゴを付け加えてしまい、二人を混同してしまうだろう」。ホーリー・スピリットにエゴを付け加えるとは、実相に幻想を加える、真実に虚偽を付け足す、ホーリー・スピリットの思考システムにエゴの思考システムにをくっつける、そんな意味合い。たとえば、聖なる瞬間を手に入れるには、生きた動物の生け贄が必要だとか、自分の肉体をいじめ抜く苦行が必要だとか、教団に多額のお金を寄付しなくてはならないだとか、奇っ怪な偶像を拝まねばならないだとか、そういったホーリー・スピリットの要求しないことを勝手に考え出して試みようとしてはいけない。それは、エゴ的発想であって、そんなことをすれば、あなたはホーリー・スピリットとエゴを混同しかねない。



He asks but little. It is he who adds the greatness and the might.
  • add [ǽd] : 「 加える、合計する、足す、足し算をする、追加する」
  • greatness [ɡréitnis] : 「偉大さ、広大さ、重要さ、大きさ」
  • might [máit] : 「力、権力、勢力」
❖ "He asks ~ "「ホーリー・スピリットは、ほんの少しを要求するだけだ」。真実を求めなさい、聖なる瞬間を望みなさい、等々の要求のみ。"It is he who adds ~ "ここは"It ~ who ~ "の強調構文、「偉大さと力を加えてくれるのは、ホーリー・スピリットである」。あなたが要求されるのは小さなこと。その小さなことに、ホーリー・スピリットは偉大な力を与えてくれるのだ。だから、あなたは何も必要としない。ホーリー・スピリットに任せておけばいいのだ。ACIMの絶対他力性がよく表されている。



He joins with you to make the holy instant far greater than you can understand.
  • make [SVOC] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • far [fɑ́ː(r)] : 「はるかに、大いに、ずっと」
  • understand [ʌ̀ndə(r)stǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
❖ "He joins with you ~ "「ホーリー・スピリットは、聖なる瞬間を、あなたが理解出来る以上に遥かに偉大なものにするために、あなたと結びつくのである」。聖なる瞬間を単なる瞬間に終わらせてしまわないように、更なるステップをホーリー・スピリットは用意している。その更なるステップは、あなたの理解を遥かに越えているのである。しかし、無理に理解する必要はまったくない。ここも、ホーリー・スピリットにすべてを委ねておけばいいのだ。



It is your realization that you need do so little that enables him to give so much.
  • realization [rìːələzéi] : 「理解、認識、実感」
  • enable [enéibl] : 「〜を可能にする、〜に可能性を与える」
❖ "It is your realization that ~ "ここは"It ~ that ~ "の構文、意訳する、「that以下が、あなたが認識すべきことのすべてだ」。"that you need do so ~ "「あなたがやる必要のあることが少なくいことが、ホーリー・スピリットが多くをあなたに与えることを可能とするのだ」。へたな訳で申し訳ないのだが、要するに、ホーリー・スピリットの思惑を邪魔するような、余計な事はするな、ということ。ACIMの絶対他力性が、完璧に表現されている。ホーリー・スピリットが要求する小さなことに答えるだけで、その他のことは丸ごと全部ホーリー・スピリットに委ねてしまうのである。その他のことに関しては、すべてホーリー・スピリットを信頼しきるのだ。そうすることで、ホーリー・スピリットは自由に奇跡を起こすことが可能となり、あなたはホーリー・スピリットにヒーリングされ得るのである。くどいようだが、もう一度言おう。ホーリー・スピリットにすべてを委ね、任せ、そして、ホーリー・スピリットを心から信頼し、信じきること。
 
 
 

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