●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-22.VI.13:1 ~ T-22.VI.14:9

13. Only the different can attack. So you conclude because you can attack, you must be different.

  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
  • conclude [kənklúːd] : 「〜と結論を出す、〜と判断を下す、断定する、推論する」
❖ "Only the different ~ "「違いのある者同士だけが攻撃できるのだ」。自分と他者が分離していて異なっているから、つまり、主体と客体という違いがあるから、攻撃という行為は成立する。"So you conclude ~ "「そこであなたは、あなたは攻撃できるから、あなたは異なっているに違いないと結論付けるのだ」。異なっていることが、攻撃の原因となる。したがって、攻撃できるから異なっていると主張するあなたの結論はかなり怪しいのだ。



Yet does the Holy Spirit explain this differently. Because you are not different, you cannot attack.
  • explain [ikspléin] : 「〜を説明する、明らかにする、釈明する」
  • differently [dífərəntli] : 「異なって、違って、そうではなく、別に」
❖ "Yet does the Holy Spirit ~ "「しかし、ホーリー・スピリットは、このことを、(あなたの結論とは)別なように説明する」。"Because you are not ~ "「あなた(と同胞)は異なってなどいないから、あなたは攻撃できないのだ」と説明する。あなたと同胞は単一だと、つまり、自他一如だと、ホーリー・スピリットは説明する。単一だから、主体と客体という区別は出来ず、したがって、攻撃という行為は成立しない。



Either position is a logical conclusion. Either could be maintained, but never both.
  • either [íːðər] : 「どちらの〜でも、どちらの〜も」
  • position [pəzíʃən] : 「位置、場所、立場、見解、見方、態度」
  • logical [lɑ́dʒikl] : 「論理にかなった、論理上の、論理的な」
  • conclusion [kənklúːʒən] : 「結論、決定、結末、結果、推定、締結、判決」
  • maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する、支持する」
  • both [bóuθ] : 「両方ともに、双方ともに」
❖ "Either position is ~ "「どちらの立ち位置とも、論理的な帰結である」。ホーリー・スピリットの結論はともかく、あなたの結論も、ある意味、論理的ではある。"Either could be ~ "「どちらも支持を得られるだろうが、両方同時に支持されることはない」。ホーリー・スピリットとあなたの結論は相反するものだから、両立することはない。排反事象の、どちらか一方だけを選択できるのだ。



The only question to be answered in order to decide which must be true is whether you are different.
  • question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
  • answer [ǽnsər] : 「〜に答える」
  • in order to : 「〜するために」
  • decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • whether [hwéðər] : 「〜かどうか、〜であろうとなかろうと」
❖ "The only question ~ "「どちらが真実であるか決定するために、答えられなければならない唯一の質問は、」"whether you are ~ "「あなた(と同胞)は、異なっているのかどうかということである」。異なっていれば、あなたの論理が支持され、異なっていなければ、ホーリー・スピリットの結論が正しい。攻撃できるか攻撃できないかの分かれ目になる。



From the position of what you understand you seem to be, and therefore can attack.
  • position [pəzíʃən] : 「位置、場所、立場、見解、見方、態度」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
❖ "From the position of ~ "「あなたが理解する立ち位置から見れば、あなたと同胞は異なっているように見えるだろう」。"and therefore ~ "「したがって、攻撃可能である」。もちろん、あなたの立ち位置とは、この幻想世界なのだ。幻想世界から眺めれば、あなたの主張は本当らしく見える。



Of the alternatives, this seems more natural and more in line with your experience.
  • alternative [ɔːltə́ːrnətiv] : 「選択肢、代わりとなるもの、代替物」
  • natural [nǽtʃərəl] : 「自然の、普通の、ありのままの」
  • in line with : 「〜と一致して」
  • experience [ikspíəriəns] : 「経験、体験、見聞」
❖ "Of the alternatives ~ "「二つの選択肢のうち、こっちの方が、より自然で、より、あなたの経験にも合致する」。だから、真実だと思ってしまうのだ。幻想に、まんまと騙されているわけだ。言い換えれば、エゴの策略にまんまとはまっているのだ。



And therefore it is necessary that you have other experiences, more in line with truth, to teach you what is natural and true.
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」¥
  • teach [tíːtʃ] : 「〜を教える、指導する、学ばせる、悟らせる」
❖ "And therefore it ~ "「したがって、that以下が必要とされる」。つまり、真実を知るには、今あるあなたの経験だけでは完全に不足であり、"that you have other ~ "「あなたは、他の経験をもつことが」必要とされる。" more in line with ~ "「あなたに、自然なるもの、真実なるものを知ってもらうために、その経験は、より真実に合致するものでなければならない」。幻想的な経験からだけでは真実は見えてこない。実相的な経験を持たなくてはならないのだ。どんなに、世俗のゴミを漁(あさ)って歩いても、ダイヤの原石に突き当たることはないのだ。



14. This is the function of your holy relationship. For what one thinks, the other will experience with him.
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • experience [ikspíəriəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
❖ "This is the function ~ "「これが、あなたの神聖なる関係性のもつ役割である」。実相的な経験を持たせてくれるのが、神聖なる関係性である。つまり、ダイヤの原石である。"For what one ~ "「なぜなら、一人が思ったことを、他方が共に経験するであろうからだ」。神聖な関係性の中にある二人は、一方が思ったことを、他方も経験する。心が共鳴し、シンクロナイズしているからだ。こんな経験は、幻想世界の視点からは説明がつかない。



What can this mean except your minds are one?
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
❖ "What can this mean ~ "「このことが意味するのは、あなたと同胞の心が単一であるということ以外の、何であり得ようか」。つまり、神聖なる関係性にあるあなたと同胞は、分離し異なっているのではなく、結合し単一の存在なのである。



Look not with fear upon this happy fact, and think not that it lays a heavy burden on you.
  • look upon : 「〜を見る」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • fact [fǽkt] : 「事実、現実、真実、実際、真相」
  • lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
  • heavy [hévi] : 「重い、激しい、重みのある」
  • burden [bə́ːrdn] : 「重荷、負担、心配、苦労、苦しみ」
❖ "Look not with fear ~ "「恐れを抱かずに、この幸せな事実を見なさい」。"and think not ~ "「そして、それはあなたに重荷を背負わせるものだと思ってはいけない」。あなたと同胞が、心のレベルで単一であると言われれば、あなたの心の中の秘密を同胞に知られはしないかと恐ろしくなるだろうが、その心配はいらない。あなたに苦渋や重荷を与えることにはならないのだ。むしろ、その恐れを乗り越えたところに、神聖なる関係性が育つと考えればいいだろう。



For when you have accepted it with gladness, you will realize that your relationship is a reflection of the union of the Creator and his Son.
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • with gladness [ɡlǽdnis] : 「喜んで」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • reflection [riflékʃən] : 「反映、反射、現れ、鏡映」
  • union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
❖ "For when you ~ "「なぜなら、あなたが、喜びをもってそれを受け入れたとき、」"you will realize that ~ "「あなたは、that以下を知ることになるからだ」。"that your relationship ~ "「あなたの関係性は、創造主である神と神の子の結合を反映していること」がわかるからだ。だから、その関係性は神聖なる関係性なのだ。つまり、実相的結びつきである、ということ。単なる肉体的な結合ではない。神と神の子の心の結合と同様の、実相レベルでの結合なのだ。二元論世界の結合ではなく、存在が単一性に向けて拡張していく、一元論世界の融合なのである。



From loving minds there is no separation. And every thought in one brings gladness to the other because they are the same.
  • loving [lʌ́viŋ] : 「愛情を抱いた、誠実な、愛情のある、愛情に満ちた」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • thought [θɔ́ːt] : 「考え、思考、思索、熟考」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • gladness [ɡlǽdnis] : 「喜び、喜ばしさ」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
❖ "From loving minds ~ "「愛に満ちた心から見れば、分離など存在しない」。実相世界から眺めれば、幻想世界の分離は錯覚であって、分離という状態が存在しないことがよくわかる。"And every thought ~ "「一人の思いの一つ一つが、他の者へ喜びを運んでいくのだ」。"because they are ~ "「なぜなら、彼らは、同一なのだから」。自他一如の境地である。天の王国の喜びである。



Joy is unlimited, because each shining thought of love extends its being and creates more of itself.
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」
  • unlimited : 「制限のない、無制限の、自由な、無条件の、限りない」
  • shining [ʃáiniŋ] : 「光る、輝く、きらめく、明るい」
  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
  • being [bíːiŋ] : 「存在、実在、生存、生命」
  • create [kriéit] : 「〜を創造する、〜を創り出す」
❖ "Joy is unlimited ~ "「喜びに制限はない」。"because each shining ~ "「なぜなら、一つ一つの輝ける愛の思いは、その存在を拡張し、愛の思いから、さらなる愛の思いを創造していくからである」。ここは、声に出して読んでみるべき部分。



There is no difference anywhere in it, for every thought is like itself.
  • difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違s」
  • anywhere [énihwὲər] : 「どこでも、どこかに、どこへでも、どこにも」
❖ "There is no difference ~ "「輝く愛の思いのどこにも、違いというものはない」。"for every thought ~ "「なぜなら、あらゆる思いは、それ自体に似たものとなるからだ」。愛の思いは愛の思いを呼び寄せ、新たな愛の思いを創造していく。すべてが愛の思いとして同一なのだ。それはちょうど、神が神の子を、神に似せて創造したことに似ている。一元論世界の必然である。愛が、似ても似つかぬ憎しみを生むことは決してないのだ。それが可能なのだが、この幻想世界である。
 
 
 

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