●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-24.VI.12:1 ~ T-24.VI.13:7

12. Now you are merely asked that you pursue another goal with far less vigilance; with little effort and with little time, and with the power of God maintaining it, and promising success.

  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に、たかが〜にすぎない」
  • ask [ǽsk] : 「〜を尋ねる、質問する、〜を頼む、依頼する」
  • pursue [pərsúː] : 「〜を追跡する、〜を追いかける、追求する」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • far [fάːr] : 「はるかに、大いに、ずっと」
  • less [lés] : 「より少なく」
  • vigilance [vídʒələns] : 「警戒、用心、不眠症、寝ずの番」
  • effort [éfərt] : 「努力、尽力、骨折り」
  • maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する、保つ、堅持する、支える、支持する」
  • promise [prɑ́məs] : 「〜を約束する」
  • success [səksés] : 「成功、合格、大当たり、上首尾、上出来」
❖ "Now you are merely ~ "「今、あなたは、ただthat以下を求められているだけなのだ」。"that you pursue another ~ "「ずっと少ない用心をもって、別の目的を追求すること」を求められているのだ。特別性を追求するのではなく、もっと安全で、安心な目的、つまり、幻想という夢から醒めることを求められているのである。"with little effort ~ "「それは、ほんの少しの努力、少しの時間を要するだけであるし、」"and with the power ~ "「その目的を支持してくれる神のパワーももらえるし、」"and promising ~ "「(目的を達成出来るという)成功も約束されているのだ」。"the power of God"「神のパワー」は、ホーリー・スピリットを通じてあなたに与えられる。簡単に言えば、あなたが特別性を捨てて、幻想から目覚める目的さえもてば、ホーリー・スピリットがちゃんとあなたを助けてくれるのだ、ということ。だから、まったく安心であり、無駄な努力は必要ないし、時間もかからなければ、確実に成功するのである。



Yet of the two, it is this one you find more difficult. The "sacrifice" of self you understand, nor do you deem this cost too heavy.
  • find [fáind] : 「〜であることが分かる、〜に気付く、〜と思う」
  • difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ、人身御供」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
  • deem [díːm] : 「〜と考える、〜と見なす」
  • cost [kɔ́st] : 「〜に負担をかける、犠牲を払わせる」
  • heavy [hévi] : 「重い、激しい、重大な、重要な」
❖ "Yet of the two, it ~ "「しかし、二つの目的のうち、あなたがより困難だと思うのは、こっちの方である」。幻想から目覚めるという目的の方が、特別性を目的とするよりも、ずっと困難であると、あなたは思っている。"The "sacrifice" of self ~ "「あなたは、自分自身を『犠牲にする』と理解している」。特別性を放棄することは、自己犠牲だと思っている。"nor do you deem ~ "「しかも、この目的のコストが非常に重いとは考えていない」。特別性を目的とすること、あるいは、特別性を保持することには大きな負担がかかることを、あなたは理解していない。



But a tiny willingness, a nod to God, a greeting to the Christ in you, you find a burden wearisome and tedious, too heavy to be borne.
  • tiny [táini] : 「とても小さい、ちっぽけな、極めて小さな」
  • willingness [wíliŋnis] : 「意欲、いとわずにすること」
  • nod [nɑ́d] : 「うなずき、同意、賛同」
  • greet [gríːt] : 「〜にあいさつする、〜を歓迎する、出迎える」
  • find [SVOC] : 「〜であることが分かる、〜に気付く、〜と思う」
  • burden [bə́ːrdn] : 「重荷、負担、心配、苦労、苦しみ」
  • wearisome [wíərisəm] : 「退屈な、飽き飽きする、疲れさせる」
  • tedious [tíːdiəs] : 「つまらない、退屈な、飽き飽きする」
  • borne [bɔ́ːrn] : 「bear の過去分詞形」
  • bear [bέər] : 「〜を辛抱する、我慢する、〜に耐える」
❖ "But a tiny willingness ~ "「しかし、ちょっとその気になるとか、」"a nod to ~ "「神の(意向)にうなずくとか、あなたの心の中のキリストを出迎えるとかが、」"you find a burden ~ "「あなたにとっては、退屈でつまららない重荷であり、我慢出来ないほどの重みであるらしい」。特別性という幻想を捨てる方が、退屈でつまらない重荷であると考えている。



Yet to the dedication to the truth as God established it no sacrifice is asked, no strain called forth, and all the power of Heaven and the might of truth itself is given to provide the means, and guarantee the goal's accomplishment.
  • dedication [dèdikéiʃən] : 「献身、専念、熱心さ、専心」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、制定する、成立させる、設置する、設立する」
  • strain [stréin] : 「緊張、精神的緊張、ひずみ、変形、しわ寄せ」
  • call forth : 「〜を生じさせる〜を引き出す、〜を発揮させる、呼び起こす」
  • might [máit] : 「力、権力、勢力」
  • truth[trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • provide [prəváid] : 「提供する、供給する、与える、供与する、もたらす、準備する」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • guarantee [ɡæ̀rəntíː] : 「保証する、請け合う、約束する」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • accomplishment [əkάmpliʃmənt] : 「成就、偉業、成果、達成、完成 」
❖ "Yet to the dedication ~ "「しかし、神が確立したままの真実へ献身するには、一切の犠牲は求められないのだ」。"the truth as God established it"「神が確立したままの真実」とは、実相世界の真実であって、神の意思そのものと考えていい。あるいは、神の愛そのものである。その天の王国の真実に貢献するために、つまり、その真実を愛し手に入れるために、肉体的にも精神的にも、一切の犠牲も要求されない。言い換えれば、本物の真実は、ただで、容易に、無尽蔵に手に入るのだ。"no strain called ~ "「一切の心のひずみも生まれないし、」"and all the power ~ "「天の王国のパワーのすべて、真実自体の力が、手段を生むために与えられるのだ」。真実をどうしたら手に入れることが出来るか、その手段を生み出すパワーも、あなたに自然に与えられる。神のパワー、真実のパワーが、ホーリー・スピリットを通じて、あなたに無償で与えられるのだ。あなたが自ら工夫して生み出す必要はない。"and guarantee the goal's ~ "「そして、目的の達成は保証されているのである」。実相世界は無時間の世界であり、すべての事象が一瞬にして起き、その一瞬が永遠に続く。あなたが真実を手に入れるという目的、その達成は、実はもう起きているのだ。その実相的な既成事実を、あなたはただ追体験するだけいい。目的の達成は、100%保証されているのである


13. You who believe it easier to see your brother's body than his holiness, be sure you understand what made this judgment.
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • easy [íːzi] : 「たやすい、やさしい、容易な、簡単な」
  • holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
  • sure [ʃúər] : 「確信して、確信している、固く信じている」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別、判決、審判」
❖ "You who believe it ~ "「同胞の神聖さよりも同胞の肉体を見る方が容易であると信じているあなたは、」"be sure you understand ~ "「あなたが、この判断を下したものが何であるか理解していると確信しなければならない」。心の目で同胞の神聖さを見るよりも、幻想の肉体の目で同胞の肉体を見る方が簡単だと判断したことを調べれば、その判断をもたらしたものは、真実よりも幻想の方が価値があるとする誤った価値判断であることがわかる。つまり、あなたの心に巣くう特別性への信仰である。そのことを、しっかり理解しておかなくてはならない。



Here is the voice of specialness heard clearly, judging against the Christ and setting forth for you the purpose that you can attain, and what you cannot do.
  • voice [vɔ́is] : 「声」
  • specialness [spéʃəlnis] : 「特別であること、特別性」
  • heard [hə́ːrd] : 「hear の過去・過去分詞形」
  • hear [híər] : 「〜を聞く、聴く、〜が聞こえる、耳にする」
  • clearly [klíərli] : 「はっきりと、疑いもなく、明らかに」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁く」
  • against [əgénst] : 「〜に反対して、〜に逆らって、〜にそむいて」
  • set forth : 「説明する」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • attain [ətéin] : 「達成する、実現する、成就する、手に入れる」
❖ "Here is the voice of ~ "「ここに、特別性の声が明瞭に聞こえてくるのだ」。あなたが特別性を信仰している限り、分離の象徴である肉体が目に見える。なぜなら、自分が特別だと信じるには、他者との分離が前提であり、他者が肉体をもって分離していなくてはならないからだ。"judging against ~ "「それは、キリストに反する判断であり、」"and setting forth ~ "「あなたに対して、あなたが手に入れることの出来る目的とか、あなたが手に入れることが出来ないものとかを説明しているのである」。キリストの意思に反して、特別性は、他者の肉体を攻撃して勝利を得ることは出来るとか、他者の心など、ありもしないものは手に入らない、などと、あなたにいちいち説明するわけである。つまり、物質的なものは手に入るが、真実は手に入らないと宣言しているのである。特別性は、そう判断を下すのである。



Forget not that this judgment must apply to what you do with it as your ally. For what you do through Christ it does not know.
  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、見落とす」
  • apply [əplái] : 「当てはまる、妥当する、適用される、適合する」
  • apply to : 「〜に適用する」
  • ally [ǽlai] : 「同盟国、同盟者、協力者、連合国、同調者、支持者」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、〜を介して」
❖ "Forget not that ~ "「that以下を忘れてはいけない」。"that this judgment ~ "「この判断は、あなたの同盟者としての特別性と一緒にあなたが成すことに対して適応されるに違いないということを」忘れてはいけない。あなたが特別性を信じ、それを同盟者として、いろいろなことを成すとき、必ず付きまとう判断は、それが肉体的な、つまり、物質的なものか、あるいは、つまらない想念的なものか、という判断である。攻撃対象になるかならないか、奪い取れる取れないか、打ち負かすことが出来るか出来ないか、分離を加速するかしないか、存在に価値的な序列を作れるか作れないか、そういった判断である。"For what you do ~ "「なぜなら、キリストを通してあなたが成すことを、特別性はまったく知らないからだ」。キリストを通じてあなたが成す救いは、特別性とまったく逆である。逆の判断をするのだ。分離をどう解消するか、争いをどう和解にもちこむか、攻撃し奪い取ることではなく、与えて自分も得るという真実をどう伝えるか、真実の存在には序列がなく完全に平等であると、どうすれば理解されるか、等々、あなたの救いの心は思い悩むのである。



To Him this judgment makes no sense at all, for only what His Father wills is possible, and there is no alternative for Him to see.
  • make no sense : 「意味をなさない、理にかなわない」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
  • will [wíl] : 「〜を望む、意図する、命ずる、決意する」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • alternative [ɔːltə́ːrnətiv] : 「選択肢、代わりとなるもの、代案」
❖ "To Him this judgment ~ "「キリストにとって、特別性のこの判断は、まったく意味を持たない」。実相の真実を優先するキリストにとって、幻想志向の特別性の判断など、まったく意味がない。"for only what ~ "「なぜなら、父なる神が意思することだけが、(実在)可能なのだから」。"and there is no ~ "「そして、キリストが目にするものは、その代わりとなるものなどないのであるから」。キリストは実相の真実だけを見るのであって、真実に代わる幻想など存在しないのである。神が意思する真実だけが、現実として実在出来るのである。それだけを、キリストは目にするのだ。



Out of His lack of conflict comes your peace. And from His purpose comes the means for effortless accomplishment and rest.
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「摩擦、葛藤、軋轢、争い」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • effortless [éfərtlis] : 「努力を要しない、楽な」
  • rest [rést] : 「休息、休養、睡眠、眠り、静養、保養」
❖ "Out of His lack of ~ "「キリストにはまったくコンフリクトがないから、あなたに平和がやって来るのである」。あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分にキリストが住んでおり、そのキリストにはコンフリクトはない。あなたが、そのキリストを信じることが出来たとき、初めてあなたの心に平安が訪れるのだ。つまり、あなたが心の中のキリストと一体になれたとき、あなたはキリスト性を帯び、あなたは平和な救い主となるのだ。"And from His purpose ~ "「そして、キリストのもつ目的から、何の努力も必要なく達成し、休むことが出来るようになるための手段がやってくるのである」。あなたがキリストと一体化し、キリストの目的をあなたの目的とするには、あなたはその意思を示すだけでいい。あなたは何の努力も必要なく、目的を達成して平和な安らぎを得られるのだ。その手段を探す必要もない。キリストの目的を意思するとき、手段は自ずから与えられるのである。
 
 
 

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