●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-26.X.2:1 ~ T-26.X.3:7

2. What does it mean if you perceive attack in certain forms to be unfair to you?
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • certain [sə́ːrtn] : 「特定の、一定の、一部の、ある種の」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき」
  • unfair [ʌnfέər] : 「不公正な、公正を欠いた、不公平な」
❖ "What does it mean ~ "「もしあなたが、特定の形の攻撃を、あなたにとって公正でないと知覚したならば、それは一体何を意味するだろうか」。ある特定の攻撃だけを公正でないと宣言することの、裏の意味は何か。



It means that there must be some forms in which you think it fair. For otherwise, how could some be evaluated as unfair?
  • fair [fέər] : 「公平な、公正な、公明正大な」
  • otherwise [ʌ́ðərwàiz] : 「さもなければ、そうでなければ」
  • evaluate [ivǽljuèit] : 「評価する、審査する、判断する」
❖ "It means that there ~ "「それは、攻撃が公正であるとあなたが思う、何らかの攻撃の形が存在するに違いないことを意味しているのだ」。攻撃すべてではなく、その一部だけを公正でないと否定することは、裏を返せば、攻撃のある種の形は公正であると肯定していることになる。



Some, then, are given meaning and perceived as sensible. And only some are seen as meaningless.
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
  • sensible [sénsəbl] : 「分別のある、思慮のある、常識がある」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、価値のない、無意味な」
❖ "Some, then, are given ~ "「そこで、ある種の攻撃は意味を与えられ、分別ある行動だと知覚されるのである」。"And only some ~ "「そして、わずかの攻撃だけが、意味がないと見られるのだ」。



And this denies the fact that all are senseless, equally without a cause or consequence, and cannot have effects of any kind.
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • fact [fǽkt] : 「事実、現実、真実、実際、真相」
  • senseless [sénslis] : 「無分別な、無意味な、非常識な」
  • equally [íːkwəli] : 「等しく、同様に、一様に、平等に、同等に」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、正当な理由」
  • consequence [kɑ́nsəkwèns] : 「結果、結論、結末、成り行き、帰結、因果関係」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • of any kind : 「いかなる種類の」
❖ "And this denies ~ "「これは、〜という事実を否定していることになる」。"that all are senseless ~ "「すべての攻撃は意味がなく、一様に原因も結果もなく、いかなる種類の影響も与えることが出来ない」という事実を否定している。いかなる攻撃にも、実相的に正しい理由づけ(原因)もなく、攻撃の結果として真実が生み出される(結果)わけはないのだ。なぜなら、攻撃は幻想であって、実相に対して、どんな影響(effects of any kind)も与えることは不可能だからだ。支離滅裂な夢の中で、攻撃したり攻撃されたりしているのと等しいのだ。夢の中の攻撃に正当な理由があるだろうか。夢の中の攻撃が、目覚めた現実に影響を与えることがあるだろうか。



Their Presence is obscured by any veil that stands between Their shining innocence, and your awareness that it is your own and equally belongs to every living thing along with you.
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在」
  • obscure [əbskjúər] : 「〜を曖昧にする、覆い隠す、見えなくする」
  • veil [véil] : 「ベール、覆い、覆い隠すもの」
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
  • shining [ʃáiniŋ] : 「光る、輝く、きらめく、明るい」
  • innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無垢、純潔、純真」
  • awareness [əwέərnis] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
  • belong [bilɔ́(ː)ŋ] to : 「〜に属する、〜の所有物である」
  • living [líviŋ] : 「生きている、現存する、活気のある、生命のある」
  • along with : 「〜と一緒に、〜とともに、〜に加えて」
❖ "Their Presence is obscured ~ "「ホーリー・スピリットとキリストの存在は、〜と〜の間に立ちはだかるベールによって曖昧にされているのだ」。"between Their shining innocence ~ "「ホーリー・スピリットとキリストの輝かしい無辜性と、その無辜性は同時にあなたのものであって、あなたに加えて、あらゆる命あるものに等しく属しているのだとあなたが意識する、その意識性との間に」立ちはだかるベールによって曖昧にされているのだ。ホーリー・スピリットとキリストの無辜性は、彼らが特別であるからであって、自分には潔白性はないと思っているから、ホーリー・スピリットとキリストの存在が曖昧にされるのだ。あたかも、完全な無辜性をもっているホーリー・スピリットとキリストは、想像の産物に過ぎないと思っているからだ。完全無辜性をもっている者など、現実には存在するわけがないと信じているから、彼らの姿は見えないのである。逆に言えば、あなたがあなた自身の無辜性を信じきれたとき、ホーリー・スピリットとキリストの姿は、あなたの目にはっきりと映し出されるのだ。実相的に、あなた自身がホーリー・スピリットであり、キリストであるからだ。



God limits not. And what is limited cannot be Heaven. So it must be hell.
  • limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
  • hell [hél] : 「地獄、ひどい体験、修羅場、生き地獄」
❖ "God limits not"「神は、制限しない」。実相世界に、制限という概念は存在しない。あらゆるものが無限なのだ。"And what is limited ~ "「したがって、制限されたものは、天の王国ではない」。天の王国は、制限という概念を超越している。"So it must be ~ "「したがって、制限されたものがあるなら、それは地獄である」。制限されたものがあるなら、それは幻想世界であって、天の王国と比較すれば、それは地獄である。蛇足になるが、ACIMには、劫火渦巻く殺戮的地獄という概念はない。ACIMの地獄は、心の闇のことであって、闇の幻想世界に彷徨うことを意味する。



3. Unfairness and attack are one mistake, so firmly joined that where one is perceived the other must be seen.
  • mistake [mistéik] : 「誤り、判断上の間違い、ミス、過ち」
  • firmly [fə́ːrmli] : 「しっかりと、堅く、堅固に、きっぱりと」
  • join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、連結する」
❖ "Unfairness and attack ~ "「不公正さと攻撃は、一つの誤りである」。"so firmly joined that ~ "「あまりにも固く結びつけられているので、その一つが知覚されると、他方も目に留まらざるを得ない」。不公正さと攻撃は表裏一体である。コインの裏と表である。



You cannot be unfairly treated. The belief you are is but another form of the idea you are deprived by someone not yourself.
  • unfairly [ʌnfέərli] : 「不当に、不正に、不公正に」
  • treat [tríːt] : 「扱う、取り扱う、処理する、待遇する」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • idea [aidíːə] : 「考え、着想、見解、意見」
  • deprive [deprive] : 「奪う、取り上げる、剥奪する、与えない」
❖ "You cannot be unfairly ~ "「あなたは、不公正に扱われることなど不可能なのだ」。実相的に、あなたが不当な扱いを受けることはない。あなたが不当な扱いを受けていると感じるなら、それはあなたが夢を見ている証拠だ。幻想なのだ。"The belief you are ~ "「あなたが不公正に扱われていると信じることは、あなたが、あなた自身ではなく誰かによって何かを奪われていると考える、また別の形の考えなのだ」。あなたは、何かを奪われ、何かを失ったときに限って、不公正を感じるだけであって、あなたが不当な扱いを受けたと感じるのは、言葉を変えれば、不当に奪われ失ったということになる。



Projection of the cause of sacrifice is at the root of everything perceived to be unfair and not your just deserts.
  • projection [prədʒékʃən] : 「射出、投射、投影、射影、映写」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
  • root [rúːt] : 「根、根元、根底、ふもと」
  • be at the root of : 「〜の原因となる」
  • desert [dézərt] : 「当然の報い、功罪」
  • just deserts : 「当然の成り行き、ふさわしい結果」
❖ "Projection of the cause of ~ "「犠牲の原因を投射するこが、不公正で不当な結果だと知覚されるあらゆるものの根底にある」。難しい言い回しをしているが、要するに、あなたが犠牲を感じた原因は奪われ失うことであって、その事実を投射して、それは不公正な扱いだと知覚するのである。つまり、あなたが公正さを求める本心は、公正さという真実を愛してやまないからではなく、単に奪われ失いたくないという損得感情なのである。その安っぽい損得感情を隠すために、心の外にその感情を投射して、格好をつけて、公正さを求めるなどと言うわけなのだ。



Yet it is you who ask this of yourself, in deep injustice to the Son of God.
  • ask of : 「〜に要求する」
  • deep [díːp] : 「深い、深さがある」
  • injustice [indʒʌ́stis] : 「不公平、不正、不法、不当」
❖ "Yet it is you who ask ~ "強調構文、「しかし、こんな投射をあなた自身に求めたのは、あなたなのだ」。"in deep injustice ~ "「それこそ、神の子に対する深い不公正なのだ」。自分の心を投射によって偽ることは、神の子である自分自身に対する不正行為以外の何ものでもない。



You have no enemy except yourself, and you are enemy indeed to him because you do not know him as yourself.
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも」
❖ "You have no enemy ~ "「あなた自身を除いて、あなたに敵はいないのだ」。"and you are enemy ~ "「あなたは、確かに、神の子の敵である」。"because you do not ~ "「なぜなら、あなたは、神の子があなた自身であると知らないからだ」。あなたは、奪われ失うことを恐れて、その感情を投射して、不正を糾弾し公正さを求めるが、あなたが、自分は神の子であって、決して奪われることも失うこともないと知っているなら、投射などというごまかしをしないはずなのだ。公正さを偽善的に求めたりしないはずなのだ。あなた自身を偽っているのはあなたであって、あなたがあなたの敵になっているのである。あなたは、紛れもない神の子であって、実相的に、決して傷つけられることはなく、奪われることも、何一つ失うこともない。犠牲とは無縁の存在なのだ。それが、実相的な真実である。神の子である自分を、そうではないと偽る行為こそ、不正ではないのか。



What could be more unjust than that he be deprived of what he is, denied the right to be himself, and asked to sacrifice his Father's Love and yours as not his due?
  • deprive A of B : 「AからBを奪う、AにBを与えない」
  • right [ráit] : 「正当な要求、当然の権利、正当性、正義」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「〜を犠牲にする、〜をいけにえにする」
  • due [djúː] : 「当然支払われるべきもの」
❖ "What could be more ~ "「that以下よりも不公正なことがあり得ようか」。"that he be deprived of ~ "「神の子が、本当の姿を奪われ、神の子自身でいられる権利を否定され、父なる神の愛とあなたの愛を、神の子にはふさわしくないと言って、犠牲にするように求められること」よりも不公正なことがあり得ようか。あなたが、神の子である自分を否定することは、あらゆる神の子を否定することに繋がるのだ。それは、神の愛を否定することであり、神の子の命を否定することであって、結局、あなた自身の愛も命も否定することなのだ。いったい、そこから何が生まれるだろうか。絶望である。死という完全な闇が生まれるだけなのだ。それでもよいと言うのなら、奪われ失う恐れを投射し、公正さを求めて、不公正な同胞を攻撃し、奪われる前に奪い、失う前に剥ぎ取ればいいのだ。正義の旗を振りかざして、あなたを襲う者を、正当に防衛して殺せばいい。それだけの話なのだ。しかし、くどいようだが、そこから生まれるものは、絶望と死だけである。結果、愛も命も失うのである。
 
 
 



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