●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-27.II.6:1 ~ T-27.II.7:8

6. A miracle can offer nothing less to him than it has given unto you.
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • nothing less than : 「〜にほかならない、ほかならぬ〜で」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "A miracle can offer ~ "「奇跡が同胞に差し出すことが出来るものは、あなたに与えたものにほかならない」。奇跡は、あなたと同胞に、同時に同じものを与える。同じ赦しであり、同じヒーリングであり、同じ救いである。



So does your healing show your mind is healed, and has forgiven what he did not do.
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • forgiven [fərɡívn] : 「forgive の過去分詞」
  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
❖ "So does your healing ~ "「したがって、あなたが同胞をヒーリングすることは、あなたの心が癒され、その同胞がやりもしなかったことを赦すということを示しているのだ」。あなたが他者をヒーリングすることは、あなた自身の心をヒーリングすることと等しい。他者が成したわけでもない罪を、それが幻想であると認識し受け流して赦せるのである。罪の意識をヒーリングするとは、そういうことである。



And so is he convinced his innocence was never lost, and healed along with you.
  • convinced [kənvínst] : 「確信して」
  • innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無邪気、無垢、純潔、純真」
  • lost [lɔ́st] : 「lose の過去・過去分詞形」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
  • along with : 「〜と一緒に、〜とともに、〜に加えて」
❖ "And so is he convinced ~ "「そこで、同胞は、彼の潔白性が決して失われたことがなかったと確信し、あなたと共に癒されのである」。同胞は、遠い昔、神を裏切って罪を犯してしまったと思い込んでいたが、それは幻想であると知り、赦されたのだ。彼の無辜性は決して汚されたことはなかったのだ。もちろん、同胞が赦され癒されたとき、同時に、あなたも癒されるのである。実相世界では、与えることと得ることはまったく同一であり、ヒーリングも然りである。



Thus does the miracle undo all things the world attests can never be undone.
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、このようにして」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
  • attest [ətést] : 「証言する、証明する」
  • undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
❖ "Thus does the miracle ~ "「こうして、奇跡は、決して取り消しに出来ないとこの世界が証言したあらゆることを、取り消しにするのである」。幻想世界のあらゆる事象は、幻想世界から見れば既成事実であって取り消しになど出来ない。歴史は改竄出来はしないのだ。しかし、実相世界から見れば、幻想世界の出来事、諸事象は、単なる幻想であり、夢に過ぎない。いついかなる時でも、それは取り消しに出来るものなのである。歴史を改竄するのではない。そうではなく、歴史自体が夢の出来事の記録であって、夢の出来事に意味はないと認識を新たにすることなのだ。意味がないことは実相ではない、幻想である。実相には、夢も歴史もないのだ。



And hopelessness and death must disappear before the ancient clarion call of life.
  • hopelessness [hóuplisnis] : 「絶望、希望がないこと」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • disappear [dìsəpíər] : 「見えなくなる、存在しなくなる、消滅する」
  • ancient [éinʃənt] : 「古くからの、古い、古びた」
  • clarion [klǽriən] : 「クラリオン」
  • call [kɔ́ːl] : 「叫び、呼び声」
  • life [láif] : 「命、人命、生命、寿命」
❖ "And hopelessness and death ~ "「絶望も死さえも、いにしえのラッパが命を呼び求めるとき、消滅してしまうのである」。幻想が赦されヒーリングされたとき、絶望や死という幻想さえも消滅する。さて、"the ancient clarion call of life"「いにしえのラッパの、命を求める呼び声」とは何か。"ancient"「いにしえ」とは、神の子が神から分離したときのこと。神の子が、この幻想世界を心の外に投射して偽想像したときのことだ。その時以来、神の子は、真実の命を取り戻しなさいと、つまり、実相的な永遠不滅の命を復活させなさいと呼びかけられている。誰が呼びかけているのか。もちろん、神であり、ホーリー・スピリットであり、キリストである。ここの"clarion"「クラリオン、ラッパ」は、したがって、天の王国から響いてくる声、と考えればいいだろう。残念なことに、幻想世界にどっぷりと浸かったあなたには、その呼び声が聞こえなかったのだ。しかし、奇跡があなたと同胞を癒した今、あなたの耳にも同胞の耳にも、天の王国からの呼び声がはっきりと聞こえてくるに違いない。



This call has power far beyond the weak and miserable cry of death and guilt.
  • power [páuər] : 「力、能力、勢力」
  • far beyond [bijάnd] : 「〜をはるかに超えて」
  • weak [wíːk] : 「弱い、劣っている、力がない、脆弱な」
  • miserable [mízərəbl] : 「惨めな、わずかな、悲惨な」
  • cry [krái] : 「叫び声、わめき声、泣き声」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
❖ "This call has power ~ "「この呼び声は、死や罪の発する弱々しく惨めな泣き声をはるかに凌(しの)ぐパワーをもっている」。この呼び声は、命の復活を告げる呼び声であって、幻想の死や罪の発する泣き声などかき消すほどのパワーをもっている。あなたは、その声に従って、実相的な永遠不変の命を復活させるのである。



The ancient calling of the Father to His Son, and of the Son unto His Own, will yet be the last trumpet that the world will ever hear.
  • last [lǽst] : 「終わりの、最後の」
  • trumpet [trʌ́mpət] : 「トランペット、ラッパ、拡声器」
  • hear [híər] : 「〜を聞く、聴く、〜が聞こえる」
❖ "The ancient calling of ~ "「このいにしえの、父なる神から神の子への、そして神の子から神の子自身への呼び声は、この世界がやがて耳にするであろう最後のラッパになるだろう」。天の王国からの命の呼びかけは、この幻想世界が赦されて消滅する最後の瞬間まで響き渡るだろう。そして、その呼び声は、神の子が天の王国に復活したとき、神の子を歓迎する喜びの歌に変わるだろう。



Brother, there is no death. And this you learn when you but wish to show your brother that you had no hurt of him.
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる、悟る」
  • wish [wíʃ] : 「望む、願う」
  • show [ʃóu] : 「見せる、示す」
  • hurt [hə́ːrt] : 「傷、けが、苦痛、痛み」
❖ "Brother, there ~ "「兄弟よ、死など存在しないのだ」。"And this you learn ~ "「あなたはこのことを、あなたが同胞から傷つけられたことなどなかったのだと、あなたの同胞に伝えたいとあなたが望んだときに、あなたは知ることになる」。同胞には、あなたを傷つけた罪があるとあなたは思い込んでいたが、それは幻想であり夢だったのだと知ったとき、そして、それを赦したとき、幻想は消滅し、死さえも消滅する。実相的に、死は存在しないと、あなたは知るのである。



He thinks your blood is on his hands, and so he stands condemned.
  • think [θíŋk] : 「〜を考える」
  • blood [blʌ́d] : 「血、血液、血筋」
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
  • condemned [kəndémd] : 「非難された、有罪と宣告された」
❖ "He thinks your blood ~ "「あなたの同胞は、彼の手にあなたの血が付いていると思っており、」あなたに傷を負わせたと思っており、"and so he stands ~ "「有罪を宣告された状態になっている」。自分は罪を犯したに違いないと、同胞は確信している。



Yet it is given you to show him, by your healing, that his guilt is but the fabric of a senseless dream.
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • fabric [fǽbrik] : 「織物、繊維、布、布地、構造、構成、組織」
  • senseless [sénslis] : 「無分別な、非常識な、常識がない、愚かな、無意味な」
  • dream [dríːm] : 「夢、夢現象、夢うつつの状態」
❖ "Yet it is given you ~ "「しかし、あなたには、同胞をヒーリングすることによって、彼にthat以下を示すことが課せられている」。"that his guilt is ~ "「同胞の罪は、意味のない夢の織物に過ぎないこと」を彼に示すことが、あなたに課せられている。同胞をヒーリングする中で、罪は幻想であると認識させ、受け入れて赦してしまうことが、あなたの役割である。



7. How just are miracles! For they bestow an equal gift of full deliverance from guilt upon your brother and yourself.
  • just [dʒʌ́st] : 「正しい、公正な、当然の、もっともな」
  • bestow [bistóu] : 「〜を授ける、与える、贈る」
  • equal [íːkwəl] : 「同等の、程度が等しい、均等な、平等な」
  • gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント」
  • full [fúl] : 「いっぱいの、全部の、全面的な、徹底した、完全な」
  • deliverance [dilívərəns] : 「救出、解放」
❖ "How just are ~ "「奇跡は、なんと公正であることか」。"For they bestow an ~ "「なぜなら、奇跡は、あなたの同胞やあなた自身の罪を完全に解放するという贈り物を、等しく授けるからである」。奇跡は、誰を助け誰を助けないというような差別はしない。しかも、奇跡を起こす者も、奇跡を起こされる者も、つまり、ヒーリングする者もヒーリングされる者も、等しく、幻想から解放してくれるのだ。だから、奇跡は完全に公平なのだ。



Your healing saves him pain as well as you, and you are healed because you wished him well.
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
  • as well as : 「〜と同様に、〜と同じように」
❖ "Your healing saves ~ "「あなたがヒーリングすることで、同胞も痛みから救われ、あなたも痛みから救われる」。"and you are healed ~ "「あなたが同胞を健全にしたいと望むから、あなたは癒されるのだ」。あなたが同胞の病を治したいと思う想念が、奇跡的なヒーリングとして現実化する。奇跡は実相であり、与えることと得ることは等しいから、あなたの病も同時に癒されるのだ。あなたと同胞は自他一如であるから、当然の結果である。



This is the law the miracle obeys; that healing sees no specialness at all. It does not come from pity but from love.
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
  • obey [oubéi] : 「〜に従う、服従する」
  • specialness [spéʃəlnis] : 「特別性、特別であること」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
  • come from : 「〜から来る、〜に由来する、源を〜に発する」
  • pity [píti] : 「哀れみ、かわいそうなこと、同情、残念なこと」
❖ "This is the law ~ "「これが、奇跡の従う法である」。他者を癒してあげたいという思いが現実化し、他者もあなたも同時に癒されるということは、実相的な必然であって、いわば奇跡の法である。"that healing sees ~ "「つまり、ヒーリングは、まったく特別性をもたないのだ」。奇跡は完全に平等である。無差別である。非差別である。"It does not come ~ "「奇跡は、哀れみから生まれるのではなく、愛から生み出されるものだからである」。特別に哀れみを感じた者をヒーリングするのではなく、誰に対しても愛を感じてヒーリングは成されるのだ。実相的な愛は普遍的である。愛は完全に平等なのだ。したがって、普遍的な愛に従う奇跡も、必然的に普遍的となる。これもまた、奇跡の従う法である。



And love would prove all suffering is but a vain imagining, a foolish wish with no effects.
  • prove [prúːv] : 「証明する、立証する、〜であることが分かる」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
  • vain [véin] : 「無駄な、無益な、無価値な、空虚な」
  • imagining [imǽdʒiniŋ] : 「想像、錯覚、気のせい」
  • foolish [fúːliʃ] : 「ばかばかしい、思慮のない、愚かな」
  • wish [wíʃ] : 「願い、願望、希望」
  • effect [ifékt] : 「効果、効力、結果、影響、作用」
❖ "And love would prove ~ "「愛は、あらゆる苦しみは空虚な想像であり、何の影響力ももたない愚かな望みだと証明してくれるだろう」。愛は、苦しみや絶望が、あるいは痛みや死が、愚かな幻想に過ぎないのだと証言している。実相世界の真実である愛の周りには、見渡してみても、苦しみや絶望や痛みや死は存在していないのだ。したがって、苦しみや絶望や痛みや死が存在しているのは、この幻想世界だけであって、よって、苦しみや絶望や痛みや死は幻想なのである。



Your health is a result of your desire to see your brother with no blood upon his hands, nor guilt upon his heart made heavy with the proof of sin. And what you wish is given you to see.
  • health [hélθ] : 「健康、健康状態、調子、健全、繁栄」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果、成績」
  • desire [dizáiər] : 「欲望、欲求、願望、念願」
  • heart [hάːrt] : 「心臓、胸、心」
  • make : 「〜の状態を作り出す、〜にする、〜になる」
  • heavy [hévi] : 「重い、激しい、重みのある、深刻な、耐え難い」
  • proof [prúːf] : 「証拠、立証、証明、証し」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
❖ "Your health is a result ~ "「あなたが健康でいられるのは、手に血など付いていないあなたの同胞を目にしたいというあなたの望みの結果なのだ」。あなたが、同胞はあなたを傷つけたりしていないし罪はないと信じることが、あなたの健康を保っている。つまり、罪という幻想に毒されていない限り、あなたは健康であり、病に犯されることはない。"nor guilt upon his heart ~ "「また、罪の証拠を抱え込んで、罪悪感が心に重くのし掛かったりしていない同胞の姿を目にしたいというあなたの望みの結果があなたを健康にしているのだ」。"And what you wish ~ "「あなたが望んだものが、あなたに与えられ、目にすることになるのである」。想念は現実化し、目の前に現れる。あなたが、同胞を無辜の姿として目にしたいと望めば、それは真実であるから、無辜なる同胞が現実化して、あなたの目の前に現れるのだ。それは同時に、あなたの無辜性を証明していることになる。無辜であることが、健康なのだ。
 
 
 


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