●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-27.VIII.11:1 ~ T-27.VIII.12:9

11. This single lesson learned will set you free from suffering, whatever form it takes.
  • single [síŋgl] : 「ただ一つの、たった一つの、たった一人の」
  • lesson [lésn] : 「教訓、教え、貴重な経験、実際的な知恵」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を知る、分かる、〜を学ぶ」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
  • whatever [hwʌtévər] : 「どんな〜が〜でも」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき、外見」
❖ "This single lesson learned ~ "「このたった一つの学ばれるべきレッスンが、苦しみがどんな形をとろうとも、その苦しみからあなたを解放してくれるだろう」。 "This single lesson learned"「このたった一つの学ばれるべきレッスン」とは、あなたがこの世界から強いられている苦も、その世界自体も、単なる幻想、夢に過ぎないのだと確実に認識するレッスンのこと。



The Holy Spirit will repeat this one inclusive lesson of deliverance until it has been learned, regardless of the form of suffering that brings you pain.
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す」
  • inclusive [inklúːsiv] : 「すべてを含んだ、包括的な、包含的な」
  • deliverance [dilívərəns] : 「救出、解放」
  • until [ʌntíl] : 「〜する時まで」
  • regardless [riɡάːrdlis] of : 「〜にかかわらず」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛、苦痛、骨折り、苦労」
❖ "The Holy Spirit will ~ "「ホーリー・スピリットは、〜される時まで、この唯一の、開放のための包括的なレッスンを繰り返すことになろう」。"until it has been ~ "「そのレッスンが(完全に)学ばれてしまうまで、」レッスンを繰り返すことになろう。"regardless of the form ~ "「あなたに痛みをもたらす苦がどんな形をとろうとも、」ホーリー・スピリットは、レッスンを繰り返すことになろう。この世界も、あなたの肉体も、単なる幻想であり夢であると、言葉で語るのは簡単であるが、実感としてそれを肯定するのは、誰にとっても非常に難しい。その原因は、肉体に備わった多くの知覚が、世界と肉体の実在を証言しているからだ。いわゆる、偽証しているのだ。だから、その一見正しそうな証言が、実は偽りなのだと見抜かなければならない。それが、非常に難しい。あまりにも知覚が精巧なイメージを与えるからだ。そこで、どうしても、肉体的な知覚を改造していかなくてはならない。と言うより、肉体的な感覚を凌駕する、また別の、いわば、心の知覚を発達させなくてはならない。それを手助けしてくれるのが、ACIMのWorkである。



Whatever hurt you bring to Him He will make answer with this very simple truth.
  • hurt [hə́ːrt] : 「痛み、苦痛。傷、けが、悪意、不正」
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "Whatever hurt you ~ "「あなたがどんな痛みでも、ホーリー・スピリットの元へもって行けば、」"He will make answer ~ "「ホーリー・スピリットは、この非常にシンプルな真実をもって、あなたに答えてくれるのだ」。あなたが、肉体の痛みでも、心の痛みでも、どんな種類の痛みでも、ホーリー・スピリットに委ねてしまえば、ホーリー・スピリットは、それが単なる幻想であると、真実を答えてくれる。幻想は、消滅するしかないのだ。あなたが、痛みは幻想であると認識し、受け入れ受け流し、痛みを赦してしまえば、幻想の痛みは消滅するのである。



For this one answer takes away the cause of every form of sorrow and of pain.
  • take away : 「取り除く、持ち去る、撤去する、運び去る」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • sorrow [sɑ́rou] : 「悲しみ、悲哀、後悔」
❖ "For this one answer ~ "「なぜなら、この唯一の答えだけが、悲しみや痛みがどんな形であろうと、その原因を取り除いてくれるからだ」。悲しみも痛みも、それが実在するとあなたが信じているところに現因がある。悲しみや痛みの幻想に、その知覚に、あなたは騙されているのだ。それさえ、正しく認識できれば、原因は取り除かれてしまう。



The form affects His answer not at all, for He would teach you but the single cause of all of them, no matter what their form.
  • affect [əfékt] : 「〜に作用する、〜に影響を及ぼす、〜に響く」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
  • teach [tíːtʃ] : 「 〜を教える、指導する」
  • no matter what : 「たとえ何が〜であろうとも」
❖ "The form affects ~ "「形というものは、ホーリー・スピリットの答えにまったく影響を与えることはない」。"for He would teach ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットはあなたに、あらゆる形がどんな形をとろうとも、その原因がたった一つであると教えてくれるからである」。形、形象、具象とは、空間に位置を占め、時間をもつものであるから、幻想世界にだけ存在出来るものなのだ。幻想として、存在できるだけなのだ。だから、形の原因は何かと問われれば、形はどんな形であれ、それは唯一、幻想が生み出したものであると答えることが出来るのだ。



And you will understand that miracles reflect the simple statement, " I have done this thing, and it is this I would undo. "
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
  • reflect [riflékt] : 「〜を映す、示す、反映する」
  • statement [stéitmənt] : 「声明、陳述、述べたこと、発言、供述」
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
❖ "And you will understand ~ "「そしてあなたは、奇跡が、次のシンプルな発言に反映されることを理解するだろう」。"" I have done this ~ "「『私はこれをやったので、これが、私の取り消したいことである』」。『私は幻想に翻弄されて、いろんなことを仕出かしてきたが、どれも幻想に過ぎないことがわかった。だから、それを知った今、私はあらゆる幻想を取り消しにしたいと思っている』。その幻想の取り消しが、奇跡であり、ヒーリングなのだ。それを、あなたが一人でなす必要はない。その逆で、ホーリー・スピリットにすべてを委ねてしまうことが必要なのだ。ACIMの絶対他力性である。



12. Bring, then, all forms of suffering to Him Who knows that every one is like the rest.
  • rest [rést] : 「残り、残っているもの、残りの部分、残余」
❖ "Bring, then, all forms ~ "「さあ、すべての形の苦しみを、どの一つも残りのものと同じなのだと知っているホーリー・スピリットの元へ、持って行きなさい」。あらゆる苦の原因は幻想なのだと知っているホーリー・スピリットの元へ、あなたの苦しみを持っていって、ホーリー・スピリットに委ねてしまいなさい。



He sees no differences where none exists, and He will teach you how each one is caused.
  • difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
  • exist [igzíst] : 「存在する、生きている、生存する、存続する」
  • cause [kɔ́ːz] : 「〜を引き起こす、〜の原因になる、〜を…にもたらす」
❖ "He sees no differences ~ "「ホーリー・スピリットは、何も存在していない所では、まったく違いなどないと知っている」。幻想が生じる場所には、何も存在していないのだ。何も存在していないから何の違いもない。あなたのいろいろな苦は、すべて同一であって、無なのだ。"and He will teach ~ "「そして、ホーリー・スピリットはあなたに、苦の一つ一つがどのようにして生じたのか、教えてくれるだろう」。幻想の一つ一つが、どうやって偽創造されたのか、神の子がなぜ幻想世界を作ったのか、それをあなたに教えてくれるだろう。



None has a different cause from all the rest, and all of them are easily undone by but a single lesson truly learned.
  • easily [íːzili] : 「容易に、たやすく、苦もなく、あっけなく」
  • undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
  • truly [trúːli] : 「全く、本当に、真に、正確に、忠実に、心から、誠実に」
❖ "None has a different ~ "「どの幻想も、他のすべての残りの幻想と異なる原因をもつものではないのだ」。幻想の源はすべて同一である。"and all of them ~ "「すべての幻想は、唯一のレッスンが正しく学ばれることによって、容易に取り消されるのである」。その正しいレッスンを指導してくれるのがホーリー・スピリット。幻想の赦しを教えてくれるのである。赦された幻想は、消滅するのみ。



Salvation is a secret you have kept but from yourself. The universe proclaims it so.
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • secret [síːkrət] : 「秘密、機密、内緒事、秘伝、秘訣」
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • universe [júːnəvə̀ːrs] : 「宇宙、銀河、万物、森羅万象、全世界」
  • proclaim [proukléim] : 「公表する、宣言する、宣告する、公言する」
❖ "Salvation is a secret you ~ "「救いは、あなたが、あなた自身に対して隠してきた秘密である」。幻想からの救いを、あなたは自分自身に隠して来て、今まで救われずいた。"The universe proclaims ~ "「宇宙は、そうだと宣言している」。解釈が難しい一文なのだが、宇宙もまた、あなたが救いという秘密を隠してきた、と宣言している、ととらえておこう。宇宙や世界規模で真実を知った証言者達は、人が自分自身に対して救いという秘密を隠してきたとこを証言している、といった意味であろうか。



Yet to its witnesses you pay no heed at all. For they attest the thing you do not want to know.
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
  • heed [híːd] : 「注意」
  • pay no heed : 「取り合わない、気に留めない、頓着しない、念頭に置かない」
  • attest [ətést] : 「証言する、証明する、〜が正しいと証明する」
❖ "Yet to its witnesses you ~ "「しかし、世界の証言者に対して、あなたはまったく、注意を払っていない」。この世界が幻想に過ぎないと訴える証言者に対して、あなたは無関心でいる。"For they attest ~ "「なぜなら、その証言者達は、あなたが知りたいと思わないものを証言するからなのだ」。あなたは、自分の知覚を信じきって、目にする肉体、目にする世界が実在すると証言する。そこであなたは、あなたの知覚を真っ向から否定する証言者、世界が幻想であると証言する証言者を忌避してきたのだ。あなたの知覚が疑われ、否定されるのが怖いからだ。



They seem to keep it secret from you. Yet you need but learn you chose but not to listen, not to see.
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
  • chose [tʃóuz] : 「choose の過去形」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • listen [lísn] : 「耳を傾ける、傾聴する、聴く、聞く」
❖ "They seem to keep ~ "「証言者達は、あなたに秘密を教えないでいるかのように見えるだろう」。証言者、ある意味で預言者たちは、あなたに対して、世界の秘密を隠して来たかのように、あなたは錯覚している。しかし、預言者達が秘密を隠してきたのではなく、あなたが彼らの言葉を聞かなかっただけなのだ。"Yet you need but ~ "「しかし、あなたが、聞きもせず、見ることもしない選択をしたのだと、あなたは学ぶ必要があるのだ」。その経緯を知った今、あなたは素直に、ホーリー・スピリットの言葉に耳を傾けるべきなのだ。あなたの心の、神聖で純粋な部分が発する声を聞くべきなのだ。そうすれば、あなたは世界の秘密を知ることが出来る。真実を知るのだ。
 
 
 


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