●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-28.II.2:1 ~ T-28.II.3:7

2. Fatherhood is creation. Love must be extended. Purity is not confined.
  • fatherhood [fάːðərhud] : 「父であること、父権、父としての責任、父なる神」
  • creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、創作物、作品」
  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
  • purity [pjúərəti] : 「清らかさ、純正、汚れのないこと、清浄、純粋」
  • confine [kənfáin] : 「〜を限る、制限する、限定する、〜を幽閉する、監禁する」
❖ "Fatherhood is ~ "「父性とは、創造性である」。親は、子を創造出来る立場にある。"Love must be ~ "「愛は拡張されねばならない」。愛は分かち合われ、拡張する属性をもっている。"Purity is not ~ "「純粋性は、制限されない」。純粋であることは、幻想によって汚され制限されるようなことはない。ここの父性、愛、純粋性は、すべて実相世界の実在であり、創造性、拡張性、非制限性はすべて、実相世界の実在がもつ属性である。



It is the nature of the innocent to be forever uncontained, without a barrier or limitation.
  • nature [néitʃər] : 「性質、性分、天性、本性、本質」
  • innocent [ínəsənt] : 「潔白な、無罪の、無実の、罪のない、純潔な、純真な」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • uncontain [ʌnkəntéin] : 「抑えられない、抑制出来ない」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • barrier [bǽriər] : 「障害物、障壁、柵、垣根」
  • limitation [lìmətéiʃən] : 「制限、極限、限定」
❖ "It is the nature of ~ "「永遠に抑制されることがなく、障害物や制限をもたないことは、無辜(むこ)性の本質である」。無辜であり、潔白であることは、誰からも汚されず、制限を受けることもない。それは、無辜性の自然な姿なのだ。ACIMが、潔白である者は傷つかないと言うのは、そういう意味である。



Thus is purity not of the body. Nor can it be found where limitation is.
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • found [fáund] : 「find の過去・過去分詞形」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
❖ "Thus is purity ~ "「したがって、純粋性は、肉体のものではない」。肉体は有限であり、内部に閉じこめて制限する器(うつわ)であるから、非制限性を属性にもつ純粋性を、肉体がもつことは出来ない。幻想が、実相の属性をもつことは不可能なのだ。"Nor can it be found ~ "「純粋性は、制限のあるところに見い出すことは不可能なのである」。



The body can be healed by its effects, which are as limitless as is itself.
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • limitless [límitlis] : 「無限の、制限のない」
❖ "The body can be ~ "「肉体は、純粋性の結果によって癒され得る」。"which are as limitless ~ "「純粋性の結果は、純粋性自体と同様に、無制限である」。実相的な心の純粋性に気がつけば、その結果として、肉体は癒され得る。心に罪の意識がなければ、その結果として、肉体はヒーリングされ得るのだ。そして、純粋性は無制限であるから、どんな心の中にも浸透して行ける。したがって、純粋でない心であり続けることは、実は、不可能なのだ。



Yet must all healing come about because the mind is recognized as not within the body, and its innocence is quite apart from it, and where all healing is.
  • come about : 「起こる、生じる、発生する」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側で」
  • quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
❖ "Yet must all healing ~ "意訳する、「心が、肉体の内側に閉じこめれていないと認識され、心の潔白性は肉体とまったく無関係であり、あらゆるヒーリングは心に起こると認識出来れば、すべてのヒーリングは必ず達成されるのである」。心が肉体に閉じこめられており、肉体こそがヒーリングされると思い込んでいるようでは、本当のヒーリングは達成されない。その逆なのだ。実相の心は幻想の肉体に制限などされておらず、実相のヒーリングは実相の心を癒すものだと認識される所に、真のヒーリング、つまり、奇跡が起きるのである。



Where, then, is healing? Only where its cause is given its effects.
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "Where, then, is ~ "「では、ヒーリングはどこで起きるのか」。もちろん、心なのだが、"Only where its cause ~ "「ヒーリングされるべき原因が、ヒーリングの結果を与えられるところだけに起きるのである」。ヒーリングされるべき原因、つまり、病の原因は、肉体ではなく心にある。罪の意識を背負った心、怒りに蝕(むしば)まれた心にある。そして、ヒーリングの結果が、その心に及ぶのである。その副産物として、肉体的な病が癒されるのだ。主産物と副産物を混同してはいけない。



For sickness is a meaningless attempt to give effects to causelessness, and make it be a cause.
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、価値のない、無意味な」
  • attempt [ətémpt] : 「試み、企て」
  • causelessness [kɔ́ːzlisnis] : 「原因がないこと」
❖ "For sickness is ~ "「なぜなら、病とは、原因のないものに結果を与え、原因のないものを原因に仕立て上げようとする意味のない試みだからである」。"causelessness"「原因のないもの」とは、幻想、単なる夢のことだ。幻想に過ぎない肉体に病という結果を与え(give effects to causelessness)、夢の中で肉体に病の原因があるとする(make it be a cause)、そこに、肉体的な病が生じるのだ。幻想の中で、肉体と病を原因にしたり結果にしたりして、「病気ごっこ」をしているのである。まさに、意味のない試みなのだ。



3. Always in sickness does the Son of God attempt to make himself his cause, and not allow himself to be his Father's Son.
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、常にいつでも、相変わらず、昔から」
  • attempt [ətémpt] : 「〜しようと努力する、〜するよう努める」
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する、可能にする」
❖ "Always in sickness does ~ "「病にあっては、常に、神の子は自分自身を原因にしようと試みる」。自分自身の肉体を病の原因にしようと試みる。"and not allow himself ~ "「そして、自分自身が、父なる神の子であることを許そうとしないのだ」。自分自身が神の子として、肉体ではなく、心として実在するのだと認めようとしない。ところが、神の子として純粋な心が実在していないと信じるその心が罪を感じ、怒りに燃えるところに、本当の病の原因があるのだ。



For this impossible desire, he does not believe that he is Love's Effect, and must be cause because of what he is.
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • desire [dizáiər] : 「欲望、欲求、願望、念願」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
❖ "For this impossible ~ "「この不可能な願望ゆえに、」つまり、病の原因ではない肉体に、むりやり原因を押し付けようとする願望。"he does not believe ~ "「神の子は、彼が、神の愛の結果なのだと、あるいは、神の子としてあるがままの心が原因に違いないと、信じることが出来ないのである」。幻想の病が、実は実相の心に原因があるのだと信じられないのだ。逆に、もし、神の子が、神の創造した神聖な実在だと信じられたなら、病という幻想に苦しむ可能性はないことを信じられるはずなのだ。



The cause of healing is the only Cause of everything. It has but one Effect. And in that recognition, causelessness is given no effects and none is seen.
  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証、正当性の認識」
  • causelessness [kɔ́ːzlisnis] : 「原因がないこと」
  • none [nʌ́n] : 「何一つ〜ない、誰も〜ない」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
❖ "The cause of healing ~ "「ヒーリングの原因は、あらゆるものの唯一の第一原因である(神なのだ)」。真のヒーリングは、あくまでも実相の癒しである。実相に実在するあらゆるものは、第一原因としての神によって創造されたものである。したがって、実相的なヒーリングは、すべて、創り主である神に還元されるのだ。言い換えれば、ヒーリングは心が行うのであり、心の存在原因である神が行うものなのだ。本文は、したがって、ヒーリングの源は、あらゆる実在の真実を生み出した源、神そのものである、という意味合いになる。"It has but ~ "「それは、ただ一つの結果だけをもつ」。神によるヒーリングは、たった一つの結果だけをもつ。それは、真実を真実たらしめること、真実が真実に目覚めることである。すべては、神の意思通りに、正しく機能していると認識することなのである。実相的因果律の正しい認識なのだ。"And in that recognition ~ "「そう認識する中で、原因のないものは結果をもたず、何も見えないのだ」と理解出来るのだ。原因を持たない幻想、単なる夢の出来事は、その影響も結果も持ち得ない。ひとたび実相に目覚めれば、それは消滅し、何も見えなくなってしまうものなのだ。病もまた、幻想に過ぎないから、実相の心の純粋さを知ることで、消滅してしまうのである。実相的因果律である。



A mind within a body and a world of other bodies, each with separate minds, are your "creations," you the "other" mind, creating with effects unlike yourself. And as their "father," you must be like them.
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
  • creation [kriéiʃən] : 「創作物、作品、創造、創作」
  • create [kriéit] : 「〜を創造する、創り出す」
  • unlike [ʌnláik] : 「似ていない、異なっている」
❖ "A mind within ~ "「肉体の中に閉じこめられた心、他者の肉体の中の世界、それらは分離した心を持っているのだが、それは、」"are your "creations," you ~ "「あなたが『こしらえ上げたもの』であり、あなたが『別物の』心としてでっち上げたものなのだ」。"creating with effects ~ "「その結果、あなた自身とは似ても似つかない結果を偽創造してしまったのだ」。幻想世界に生きていて、あなたが心だと思っている心は偽物である。あなたが、エゴに迎合するように作り替えた虚偽なのだ。"And as their ~ "「そして、偽物の『父』として、あなたも偽物に似ているに違いないのである」。エゴに迎合した偽の心を持った自分こそが、自分そのものだと思っているだろうが、それそこ夢であり、幻想である。あなたの真実は、そんな所にあるのではない。心の中の奥底、最も純粋で神聖な部分、ホーリー・スピリットが住む心の部分こそ、あなたの真実であり、実相的な心、そのものなのだ。その真実の心に目覚めることこそ、実相的なヒーリングなのである。正常な実相的因果律の帰結なのだ。
 
 
 



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