●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-28.III.4:1 ~ T-28.III.5:5

4. The end of dreaming is the end of fear, and love was never in the world of dreams. The gap is little.
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
❖ "The end of dreaming ~ "「夢の終わりは、恐れの終わりである」。夢、すなわち幻想が終わるとき、恐れも終わる。なぜなら、恐れは幻想だから。"and love was never ~ "「愛は、夢の世界には決して存在しなかった」。幻想世界に存在した愛は、憎悪という対極概念を合わせ持った二元論の愛であり、対極概念を持たない純粋な実相的な愛は、幻想世界には存在しなかった。"The gap is ~ "「ギャップはわずかである」。自分と他者の間のギャップ、肉体と肉体の間のギャップも、心と心の間のギャップも、実はわずかである。



Yet it holds the seeds of pestilence and every form of ill, because it is a wish to keep apart and not to join.
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • pestilence [péstiləns] : 「ペスト、悪疫、疫病、害悪、害毒」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき、外見」
  • ill [íl] : 「罪悪、悪、害悪、苦しみ、災難、不運、不幸」
  • wish [wíʃ] : 「願い、望みの物、願望、希望」
  • keep [kíːp] : 「 〜の状態にしておく、保つ、〜にしておく」
  • apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
  • join [dʒɔ́in] : 「〜に参加する、〜と交わる、〜と一緒になる」
❖ "Yet it holds the seeds ~ "「しかし、そのギャップは、あらゆる形の病、疫病の種を保持している」。自分と他者の間のギャップ、神の子と神の子の分離、その幻想の隔たりが、病の根本である。"because it is a wish ~ "「なぜなら、そのギャップは、(神の子同士を)離れ離れに保ち、結合させようとしない望みそのものだからだ」。分離し、孤立化しようという望みが、神の子同士の隔たり、ギャップを生み出している。隔たり、ギャップという幻想を錯覚させている。



And thus it seems to give a cause to sickness which is not its cause.
  • thus [ðʌ́s] : 「このようにして、それ故に、従って」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
❖ "And thus it seems ~ "「こうして、隔たりは、病の原因を与えているかに見えるのだ」。"which is not its ~ "「しかし、その病は、隔たりの原因ではない」。神の子同士の分離という幻想が病を発症させている原因であって、病が分離を生む原因ではない。



The purpose of the gap is all the cause that sickness has.
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "The purpose of ~ "「隔たりのもっている目的は、病のもつ原因のすべてである」。現代医学では、病の原因は、細菌でありウィルスであり、内臓の機能不全であり、云々と、その原因を挙げ連ねるだろうが、実相的観点に立って見れば、そのあらゆる病の原因の大本(おおもと)は、心と心の隔たりなのだ。



For it was made to keep you separated, in a body which you see as if it were the cause of pain.
  • separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す、切り離す」
  • as if : 「あたかも〜かのように、まるで〜であるかのように」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛、苦痛、骨折り」
❖ "For it was made ~ "「隔たりは、神の子同士の分離を保持するために作られたのだ」。"in a body which ~ "意訳する、「あたかも痛みの原因がそこにあると見える肉体に心を閉じこめて分離したのである」。肉体は分離の象徴である。分離は、実相的に見れば、異常な状態である。その異常さは、分離の象徴である肉体に具現化されるのだ。それが病である。



5. The cause of pain is separation, not the body, which is only its effect.
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
❖ "The cause of pain ~ "「痛みの原因は分離であり、肉体ではない」。痛みや病は、分離した心が作り出して、肉体に表現させているだけである。"which is only ~ "「痛みは、単なる分離の結果なのだ」。現代医学は、痛みを鎮痛剤で抑え、湿布で緩和し、ヘルニアであれば手術も辞さない。確かに、痛みは一時的には収まるように見えるだろうが、そもそもの原因が断たれたわけではない。痛みはぶり返す。現代医学は、痛みに対する心のケアーを施すことは決してない。痛みの第一原因は、心の分離性にあるのだ。ならば、医学は、心を再統一させるヒーリングを行うべきなのだ。トリートメントに終始し、ヒーリングを忘れた姿が、現代医学である。



Yet separation is but empty space, enclosing nothing, doing nothing, and as unsubstantial as the empty place between the ripples that a ship has made in passing by.
  • empty [émpti] : 「中身のない、空の、空いている、空っぽの」
  • space [spéis] : 「空間、スペース、場所」
  • enclose [enklóuz] : 「〜を同封する、取り囲む、入れる、囲む」
  • unsubstantial [ʌnsəbstǽnʃəl] : 「実体がない、非現実的な」
  • place [pléis] : 「場所、個所、地域、土地」
  • between [bitwíːn] : 「〜の間の」
  • ripple [rípl] : 「さざ波、波状、波紋」 ship [ʃíp] : 「船、船舶」
  • pass by : 「〜のそばを通る、〜を通り過ぎる」
❖ "Yet separation is ~ "「しかし、分離とは、(何もない)空(から)の空間なのだ」。"enclosing nothing"「そこには、何もない」。"doing nothing"「何もしない」。"and as unsubstantial ~ "「船が行く過ぎる時に出来るさざ波の間の何もない空間のように、分離というギャップは、実体を持たない」。波の山と波の山の間の空間を、分離というギャップに例えたのだ。隔たりとは、その間に実体を持っているものではなく、その間は空虚なのだ。



And covered just as fast, as water rushes in to close the gap, and as the waves in joining cover it.
  • cover [kʌ́vər] : 「〜を覆う、〜に覆いを付ける、カバーをかける」
  • rush in : 「〜に突入する、〜にドッと押し寄せる」
  • close [klóuz] : 「〜を閉じる、〜を閉める、〜を閉鎖する」
  • wave [wéiv] : 「波、風浪」
  • join [dʒɔ́in] : 「、交わる、一緒になる」
❖ "And covered just as fast ~ "意訳する、「水が、波間のギャップを埋めるように流れ込み、速やかに、波が合わさってギャップを埋めてしまう」。



Where is the gap between the waves when they have joined, and covered up the space which seemed to keep them separate for a little while?
  • between [bitwíːn] : 「〜の間の」
  • cover up : 「隠す、すっかり覆う」
  • for a while : 「しばらく、少しの間」
❖ "Where is the gap between ~ "「波が合体し、ほんの一瞬波と波を分離していたかに見えた空間を埋めるとき、波と波の間のギャップはどこに行ってしまうのだろうか」。答えは簡単。消滅してしまうのだ。



Where are the grounds for sickness when the minds have joined to close the little gap between them, where the seeds of sickness seemed to grow?
  • ground [ɡráund] : 「根拠、原因、理由、地面、地べた、地盤」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • seed [síːd] : 「種子、種」
  • grow [gróu] : 「成長する、育つ、大きくなる」
❖ "Where are the grounds ~ "「心が合体し、心と心の間の小さなギャップを埋めるとき、病の原因はどこにいってしまうのか」。答えは簡単。消滅してしまうのだ。"where the seeds of ~ "「病の種は、いったいどこで育つと言うのか」。病の種も、同時に消滅してしまうのである。
 
 
 




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