●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-28.IV.7:1 ~ T-28.IV.8:6

7. The Holy Spirit is in both your minds, and He is One because there is no gap that separates His Oneness from Itself.
  • gap [gǽp] : 「隔たり、ギャップ、割れ目、すき間」
  • separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す」
  • oneness [wʌ́nnis] : 「単一性、同一性、統一性」
❖ "The Holy Spirit is ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたと同胞の両者の心の中に住んでいる」。"and He is One ~ "「そして、ホーリー・スピリットは単一の存在である」。"because there is no gap ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットの単一性をホーリー・スピリット自身から分離するギャップなど存在しないからだ」。神の子が実相世界において単一の存在であるように、ホーリー・スピリットもまた、実相世界において単一の存在である。しかし、この幻想世界においては、神の子は分裂して多数の同胞に分離したかに見え、それに伴って心に住むホーリー・スピリットも分裂して多数存在するかに見える。しかし、それは、共に錯覚である。"no gap that separates His Oneness from Itself"「ホーリー・スピリットの単一性をホーリー・スピリット自身から分離するギャップなど存在しない」という難しい表現をしているが、要するに、ホーリー・スピリットの単一性が破壊されてバラバラになり、多数のホーリー・スピリット間の空間、つまりギャップが生じるようなことはない、という意味。簡単に言えば、ホーリー・スピリットの単一性は決して破壊されることはない、ということ。多数の神の子の心に分散して存在しているかに見えるホーリー・スピリットであるが、それは錯覚であって、あなたの心の中のホーリー・スピリットと同胞の心の中のホーリー・スピリットは同一、単一の存在なのだ。



The gap between your bodies matters not, for what is joined in Him is always one.
  • between [bitwíːn] : 「〜の間の」
  • matter [mǽtər] : 「重要である、重要になる、問題である」
  • join [dʒɔ́in] : 「交わる、一緒になる、結合する、連結する」
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、常に」
❖ "The gap between ~ "「あなたと同胞の肉体の間のギャップなど、問題ではない」。肉体間のギャップは、幻想世界における錯覚であって、そんな錯覚など、実相的な視野に立って見れば、問題ではない。"for what is joined ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットの中で結合させられるものは、常に単一なのだから」。単一のホーリー・スピリットが宿るところの神の子の心も、同時に、単一なのだ。ホーリー・スピリットの単一性によって、神の子の心は結合し、単一性を保っているのだ。実在の心が分離していないのだから、幻想の肉体が分離しているかに見えても、それは問題にもならない。



No one is sick if someone else accepts his union with him.
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
❖ "No one is sick if ~ "「もし、誰か他の者が、その人との結合を受け入れるなら、その人は病になることはない」。ホーリー・スピリットを介して、他者と心がつながっていると確信出来れば、つまり、自分は分離などしていないと信じることが出来れば、その人は病になることはない。なぜなら、病とは、分離によって生じるものだからだ。心が結合し、分離が解消されれば、病はその原因を失い、消滅するのである。



His desire to be a sick and separated mind can not remain without a witness or a cause.
  • desire [dizáiər] : 「欲望、欲求、願望、念願」
  • separated [sépərèitid] : 「分離した、別々の、離れ離れの」
  • remain [riméin] : 「とどまる、滞在する、残る、残存する」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
❖ "His desire to be a sick ~ "「病気でいたいという望みも、分離した心も、証人や原因なしでは、居座ることは出来ないのだ」。同胞同士の心が結合し、分離が解消されれば、たとえどんなに病を望もうが、仮に分離を求めようが、その分離という原因自体が消滅してしまったのだから、病も分離も、その存在を維持出来ないのだ。ところで、"witness"「証人」という言葉が出ているが、あなたと同胞が、互いに互いを分離して独立した存在だと認めあうこと、と捉えればいい。互いに分離していると証言し合うことがなければ、分離は解消し、病は消える。



And both are gone if someone wills to be united with him.
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
  • will [wíl] : 「〜を望む、意図する、命ずる、決意する」
  • unite [junáit] : 「結合する、一体となる、一体化する、合体する」
❖ "And both are gone if ~ "「もし誰かが、誰かと結合したいと意思するなら、病への願いも分離の望みも、両者が消滅してしまうのだ」。自分の心と他者の心を、ホーリー・スピリットを介して結合させたいと意思すれば、心の分離は消滅し、分離がなくなったことで病も消滅するのである。



He has dreams that he was separated from his brother who, by sharing not his dream, has left the space between them vacant.
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、〜をそのままにしておく、ほっておく」
  • space [spéis] : 「空間、スペース、場所、余地」
  • vacant [véikənt] : 「空いている、空の、空虚な」
❖ "He has dreams that ~ "「彼は、彼の同胞と分離しているという夢を見ていたわけだが、」"by sharing not ~ "「彼の同胞は、彼の夢を分かち合うことなく、二人の間の空間を空っぽの状態にしておいたのである」。彼の同胞は、分離という夢、錯覚を分かち合うことなく、つまり、同胞と肉体的に隔てられているという錯覚を信じないことで、二人の間のギャップを幻想で満たすことなく、空のままにしておいたのだ。ギャップに幻想を持ち込まず、空のままにしておくことで、いつか、心と心の結合によって、そのギャップが埋められ、消滅してしまうことを願っていたのだ。あるいは、空っぽのギャップにホーリー・スピリットがやって来て、心の結合によってそのギャップを消滅させてくれることを望んだのだ。



And the Father comes to join His Son the Holy Spirit joined.
  • join [dʒɔ́in] : 「交わる、一緒になる、結合する、連結する」
❖ "And the Father comes ~ "「そうすれば、父なる神が、ホーリー・スピリットが結合した神の子と結合するためにやって来るのである」。ホーリー・スピリットが宿る神の子の心に、父なる神もまたそれに加わるために、やって来る。神の声が聞こえてくる、という意味にとっても良いだろう。あるいは、ホーリー・スピリットを通じて、神の元へ回帰するようにと、神の子を招きにやって来る、と捉えてもいい。いずれ、彼と彼の同胞との肉体的なギャップは、心の結合によって消滅し、ホーリー・スピリットも本来の単一存在として、神のメッセージを直接神の子に伝えることが可能となったのだ。もっとも、この時点で、神と神の子とホーリー・スピリットの三位(さんみ)が一体になったわけではないが、三者が出会ったことだけは確かである。神の子が天の王国、実相世界に回帰出来れば、三位一体という結合、融合が可能となる予兆を感じることが出来るだろう。



8. The Holy Spirit's function is to take the broken picture of the Son of God and put the pieces into place again.
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • broken [bróukn] : 「壊れた、故障した、損傷している」
  • picture [píktʃər] : 「絵、像、絵画、光景」
  • piece [píːs] : 「一片、一つ、一部、断片、部分品」
  • into place : 「所定の位置に」
  • again [əɡéin] : 「再び、もう一度」
❖ "The Holy Spirit's function ~ "「ホーリー・スピリットの役割は、神の子のバラバラに壊された絵を取り上げて、その断片を適正な箇所に再びはめ込むことである」。分離分裂した神の子のアイデンティティを修復して、元通りの完璧な神の子とすることが、ホーリー・スピリットの役割である。つまり、あなたと同胞達の心を、元通りの単一な心として、再結合させることが役割なのだ。



This holy picture, healed entirely, does He hold out to every separate piece that thinks it is a picture in itself.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • entirely [intáiərli] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら」
  • hold out : 「差し出す、提供する、提出する」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
  • in itself : 「それ自体、本質的に」
❖ "This holy picture, ~ "「完全にヒーリングされた神聖な(神の子の)絵を、ホーリー・スピリットは、それ自体が(完璧な)絵であると思っている断片化した絵のすべてに掲げて見せるのである」。それ自体が完璧だと信じている分離分裂した心に対して、再統一された心がどういうものであるか、ホーリー・スピリットは、その真実を掲げて見せるのである。簡単に言えば、我々一人一人に、本当は自他一如であって、単一の神の子なのだと示してくれるのだ。



To each He offers his Identity, which the whole picture represents, instead of just a little, broken bit that he insisted was himself.
  • each [íːtʃ] : 「各々、それぞれ、めいめい」
  • offer[ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • identity [aidéntəti] : 「正体、身元、自我同一性」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する、象徴する」
  • instead of : 「〜の代わりに」
  • bit [bít] : 「部分、小片」 insist [insíst] : 「〜を強く主張する、断固主張する」
❖ "To each He offers ~ "「一つ一つに対して、ホーリー・スピリットは、そのアイデンティティを差し出すのだ」。分離分裂した心一つ一つに対して、、それが神の子の心であるという、本当のアイデンティティを差し出すのだ。"which the whole ~ "「そのアイデンティティこそが、同胞が自分自身であると断固主張する、小さく断片化された自己に代わって、絵全体が表現していることなのだ」。回りくどい表現をしているが、要するに、断片化された神の子が真実ではなく、再統一され、単一となった神の子が、真実のアイデンティティなのだと、我々に教えてくれるのだ。



And when he sees this picture he will recognize himself.
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
❖ "And when he sees ~ "「同胞がこの絵を見たとき、彼は、自分自身を認識することになるのだ」。自分が、神の子であること、神の子として単一の存在であることに気が付くのだ。



If you share not your brother's evil dream, this is the picture that the miracle will place within the little gap, left clean of all the seeds of sickness and of sin.
  • evil [íːvl] : 「悪い、害を与える、邪悪な」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、〜をそのままにしておく、ほっておく」
  • clean [klíːn] : 「汚れていない、きれいな、空っぽの」
  • seed [síːd] : 「種子、種」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
❖ "If you share not ~ "「もしあなたが、同胞の悪しき夢を分かち合わなければ、」あなたが同胞と共に、幻想に溺れていないならば、"this is the picture ~ "「これこそが、奇跡が、小さなギャップの中の病や罪の種のすべてを一掃して、そこに置いた絵なのだ」。肉体によって隔てられた小さなギャップは幻想である。その幻想に過ぎない隔たりの間に、奇跡は、神の子という本当のアイデンティティを謳う絵を掲げたのだ。その真実の絵の元で、肉体というギャップで隔てられた神の子同士が再結合し、単一の神の子であることを互いに確認し合うのである。



And here the Father will receive His Son, because His Son was gracious to himself.
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、〜を受け入れる、客を迎える」
  • gracious [ɡréiʃəs] : 「親切な、優しい、慈悲深い、礼儀正しい、潔い」
❖ "And here the Father ~ "「この場所で、父なる神は、神の子を受け入れてくれるだろう」。"because His Son ~ "意訳する、「なぜなら、神の子は自分自身に対して、慈悲深く振る舞ったからだ」。ここでの"gracious"の意味が不透明なのだが、神の子が自ら、自分が神の子であるというアイデンティティを愛をもって受け入れた、という意味合いであろう。自分が神の子であることを、愛と喜びをもって受け入れたので、神もそれに答えて、神の子を受け入れ、天の王国への回帰を許し、また、それを促してくれるのである。
 
 
 


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