●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-29.II.4:1 ~ T-29.II.5:8

4. Your Guest has come. You asked Him, and He came. You did not hear Him enter, for you did not wholly welcome Him.
  • guest [gést] : 「客、ゲスト、招待客、泊まり客」
  • ask [ǽsk] : 「求める、要求をする、必要とする」
  • hear [híər] : 「〜を聞く、聴く、〜が聞こえる、耳にする」
  • enter [énter] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • welcome [wélkəm] : 「喜んで受け入れる、歓迎する、温かく迎え入れる」
❖ "Your Guest ~ "「あなたのゲストは、もうやって来ている」。"You asked Him ~ "「あなたが来てくれるように頼んだから、来たのだ」。しかし、"You did not hear ~ "「あなたには、ゲストが入って来るのが聞こえなかったのだ」。"for you did not ~ "「なぜなら、あなたは、そのゲストを完全に歓迎しているとは言えないからだ」。"Guest"「ゲスト、客」は、ホーリー・スピリットと考えていいだろう。もちろん、神そのものと考えてもいいだろうが、ホーリー・スピリットが神の使者であることを考えると、ホーリー・スピリット、あるいは、アセンションした同胞と捉えた方がいいだろう。あなたは、この苦しみや痛みの幻想世界にあって、救いを求めたのだ。その願いに応えて、ホーリー・スピリットがあなたの元にやって来たのである。しかし、まだ幻想の中に浸(ひた)りきっているあなたには、ホーリー・スピリットがやって来た足音が聞こえない。心からホーリー・スピリットを受け入れる準備がまだ整っていないからだ。ホーリー・スピリットを信じきれていないからだ。ところで、あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分に、ホーリー・スピリットはすでに住んでいる。ならば、ホーリー・スピリットはあなたの元へ、どこからやって来るのか? 心の中の最も純粋で神聖な部分には神の祭壇があり、幻想世界と実相世界(天の王国)の接点(チャンネル)になっている。ホーリー・スピリットは、その接点に、実相世界から降り立った、と考えればいいのだ。



And yet His gifts came with Him. He has laid them at your feet, and asks you now that you will look on them and take them for your own.
  • gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント」
  • laid [léid] : 「lay の過去・過去分詞形」
  • lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
  • feet [fíːt] : 「foot の複数形」
  • look on : 「〜を見る」
❖ "And yet His gifts came ~ "「(あなたの耳には聞こえなくても)、しかし、ホーリー・スピリットは、贈り物を携えてやって来たのだ」。"He has laid them ~ "「ホーリー・スピリットは、贈り物をあなたの足下に置き、」"and asks you now that ~ "「あなたにthat以下を求めている」。"that you will look ~ "「あなたが、その贈り物を見て、自分のものにすることを、」ホーリー・スピリットはあなたに求めている。ところで、ホーリー・スピリットが携えてきた贈り物とは何か? 神の子が神から継承した、神の属性のすべてと考えていい。真実のすべてである。しかし、ホーリー・スピリットは、新たに神の属性のすべてを贈り物として持参したのではない。神の子が単に忘れ去っていた神の属性を思い出させるのである。この属性を思い出すことで、神の子であるあなたは、奇跡を起こせるパワーを復活させ、ヒーリングのパワーを取り戻す。したがって、ホーリー・スピリットの贈り物は、奇跡とヒーリングであると考えてもいい。少なくとも、ホーリー・スピリットの贈り物は、金銀財宝ではないし、社会的な大成功でもないし、魔術でもない。優位性や特別性、支配力などでもないのだ。そんな世俗の幻想を、ホーリー・スピリットが土産にするわけがない。ホーリー・スピリットは偽物を持参したりしないのだ。



He needs your help in giving them to all who walk apart, believing they are separate and alone.
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
  • help [hélp] : 「助力、助け、援助、支援、力添え」
  • walk [wɔ́ːk] : 「歩く、歩行する」
  • apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
  • believe [bilíːv] : 「思う、考える、信じる、確信する」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の」
  • alone [əlóun] : 「独りで、単独に」
❖ "He needs your help ~ "「ホーリー・スピリットは、〜するために、あなたの助けを必要としている」。"in giving them ~ "「自分は分離し孤絶して存在していると信じている、個々バラバラに歩む者たちすべてに、ホーリー・スピリットが贈り物を与えるために、」あなたの助けを必要としている。ホーリー・スピリットはあなたに、神の属性のすべてを思い出させ、ヒーリングという奇跡を起こすためのパワーを復活させたのだが、さらに、今度は、あなたがそのパワーを使って同胞達を救う番なのだ。あなたはキリストとなって、孤絶し、苦と痛みの道を一人寂しく歩む同胞達を救わなくてはならない。それを、ホーリー・スピリットはあなたに求めている。あなたの助けを求めているのだ。



They will be healed when you accept your gifts, because your Guest will welcome everyone whose feet have touched the holy ground whereon you stand, and where His gifts for them are laid.
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • touch [tʌ́tʃ] : 「〜に触れる、〜に接する」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • ground [ɡráund] : 「地面、地盤、土地、立場」
  • whereon [hweərɑ́n] : 「その上に〜するところの」
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
❖ "They will be healed ~ "「同胞達は、あなたがあなたに与えられた贈り物を受け入れるとき、ヒーリングされるだろう」。あなたがホーリー・スピリットから与えられたヒーリングという奇跡のパワーを受け入れるとき、あなたはヒーラーとなって、同胞達をヒーリングすることが出来るようになる。あなたは同胞を苦と痛みから救い出せるのである。"because your Guest will ~ "「なぜなら、あなたのゲストであるホーリー・スピリットは、〜であるような者すべてを歓迎するであろうからだ」。"whose feet have touched ~ "「あなたの立っている神聖な地に、つまり、ホーリー・スピリットの同胞達への贈り物が置かれた地に、その足がしっかり付いている」者たちすべてを歓迎するであろうからだ。あなたが、奇跡のヒーリング・パワーで同胞を癒すとき、彼らもまた、あなた同様に、実相世界との接点である神聖な地に立つことが出来、つまり、心の中の最も純粋で神聖な部分の存在を知ることが出来、そこに、ホーリー・スピリットから贈り物である神の属性のすべてが置かれていると気付くのである。そして、あなたにヒーリングされた同胞達も、また、奇跡のヒーリング・パワーを身に付け、他の同胞をヒーリングすることになるのだ。奇跡が分かち合われ、ヒーリングが分かち合われ、それは拡張増大していくのである。



5. You do not see how much you now can give, because of everything you have received.
  • because of : 「〜のために、〜のせいで」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する」
❖ "You do not see how ~ "「すべてのものを受け取っているので、あなたは、いかに多くのものを得たか、知ることもない」。ホーリー・スピリットの贈り物である神の属性のすべてをあなたは得たのであるが、それがどれほどの多さであり、どれほど価値のあるものなのか、見当も付けれない。奇跡を起こすことの出来るパワー、ヒーリングのパワーの大きさに、あなたは気付いていない。もっとも、あなたはまだ、幻想世界から完全には抜けきっていないので、時間が必要なのだ。もう少し時が経てば、あなたにもわかるようになるだろう。



Yet He Who entered in but waits for you to come where you invited Him to be.
  • enter [énter] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • wait for : 「〜を待つ」
  • invite [inváit] : 「招待する、招く、案内する」
❖ "Yet He Who entered ~ "「しかし、あなたの心の中に入り込んだホーリー・スピリットは、あなたが、ホーリー・スピリットを招き入れた場所にやって来るのを待っているのだ」。あなたは、幻想世界の苦と痛みから救い出して欲しいとホーリー・スピリットに願い求め、あなたの心の最も純粋で神聖な部分にホーリー・スピリットを招き入れた。しかし、まだ幻想世界に浸(つか)かりきっているあなたは、ホーリー・スピリットが心に入って来たことも、多くの贈り物をもって来てくれたことも、気付いていない。ホーリー・スピリットは、あなたがその場所にやってきて、それに気付いてくれるのを待っているのだ。



There is no other place where He can find His host, nor where His host can meet with Him.
  • other [ʌ́ðər] : 「ほかの、そのほかの、残りの」
  • place [pléis] : 「場所、個所、地域、土地」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • host [hóust] : 「主人、ホスト、案内役、宿主」
  • meet [míːt] : 「会う、触れる、接触する、交わる」
❖ "There is no other place ~ "「ホーリー・スピリットが、ホストを見つけることが出来る場所は他にないし、」"nor where His host can ~ "「ホーリー・スピリットを接待するホストが、ホーリー・スピリットと出会う場所も他にはない」。"His host"「ホーリー・スピリットのホスト」とは、もちろん、ホーリー・スピリットを招き入れた神の子であるあなたのことだ。あなたがホーリー・スピリットと接触出来る場所は、この幻想世界にあるのではない。あなたの心の最も純粋で神聖な場所でのみ、それは可能である。しかし、あなたは、あなたの心の中に神聖で純粋な部分があることに、気付いていないのだ。心のほとんどの部分が、エゴの支配下に置かれているからだ。あるいは、肉体的な頭脳が、あなたの心を麻痺させているからだ。



And nowhere else His gifts of peace and joy, and all the happiness His Presence brings, can be obtained.
  • nowhere [nóuhwὲər] : 「どこにも〜ない」
  • else [éls] : 「そのほかの」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜、喜びの種」
  • happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在、居ること」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • obtain [əbtéin] : 「手に入れる、得る、取得する、獲得する」
❖ "And nowhere else ~ "「そして、平和と喜びの、ホーリー・スピリットの贈り物が、すなわち、ホーリー・スピリットの存在がもたらしてくれるあらゆる幸せが得られる場所は、その他のどこにもないのだ」。あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分こそが、実相世界との接点であって、実相的な真実の存在出来る場所である。その場所以外に、ホーリー・スピリットがもたらしてくれる実相的な幸せが宿る場所はない。



For they are where He is Who brought them with Him, that they might be yours.
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
❖ "For they are where ~ "「なぜなら、平和と喜びと幸せは、それを運んできてくれたホーリー・スピリットのいる場所に存在出来るからだ」。"that they might be ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために、その結果」、「平和と喜びと幸せが、あなたのものとなるなめに、」それを運んできてくれたホーリー・スピリットのいる場所に存在出来るからだ。ホーリー・スピリットは、金銀財宝という贈り物を、あなたの目の前にばらまいて見せてくれるのではい。あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分に、実相的な真実のすべてを、贈り物として、置いてくれるのである。そこにこそ、実相的な平和と喜びと幸せが開花するのである。



You cannot see your Guest, but you can see the gifts He brought. And when you look on them, you will believe His Presence must be there.
  • look on : 「〜を見る」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
❖ "You cannot see ~ "「あなたは、あなたのゲストを見ることは出来ない」。ホーリー・スピリットを具象的に目撃することは出来ない。"but you can see ~ "「しかし、あなたは、ホーリー・スピリットの持ってきてくれた贈り物を見ることは出来る」。ホーリー・スピリットの姿は目撃出来なくても、ホーリー・スピリットが運んできてくれた実相的な平和と喜びと幸せを、あなたは感じることが出来る。"And when you look ~ "「あなたがそれらの贈り物を目にしたとき、そこに、ホーリー・スピリットが存在しているのだと、信じることが出来るであろう」。贈り物を目にしたあなたは、目には見えないが、その場にいるはずのホーリー・スピリットに心から感謝すればいいのだ。そして、その贈り物を同胞達と分かち合うことを、ホーリー・スピリットに約束すればいいのである。



For what you now can do could not be done without the love and grace His Presence holds.
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • grace [gréis] : 「品のよさ、優雅、優美、恩恵」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
❖ "For what you now can ~ "「なぜなら、あなたが今出来ることは、ホーリー・スピリットという存在の保持する愛や恩恵なしでは、成されることは不可能だからだ」。あなたは奇跡とヒーリングのパワーをホーリー・スピリットからもらい、今や、同胞を救い出す仕事に向かうことになる。しかし、奇跡とヒーリングには、実相的な愛や慈しみが必要なのであって、ホーリー・スピリットはそれもまた、あなたに運んで来てくれる。ホーリー・スピリットが運んできてくれた実相的な平和と喜びと幸せが、あなたの心に、実相的な愛や慈しみの心をもたらしてくれるのである。こうして、あなたは愛と慈悲の心をもって、ヒーリングという奇跡を行うことが出来るようになるのだ。
 
 
 



Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp

アクセスカウンター