●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-30.V.5:1 ~ T-30.V.6:5

5. The real world still falls short of this, for this is God's Own purpose; only His, and yet completely shared and perfectly fulfilled.
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • fall short of : 「達しない、及ばない、届かない、不十分である」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、全面的に、全く、徹底的に」
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
  • fulfill [fulfíl] : 「成就する、果たす、全うする、満たす」
❖ "The real world still ~ "「実相世界は、まだここまでに至っていない」。実相世界に回帰した神の子の実相、神の子にとっての実相世界は、まだ完成されていない、という意味合い。神の子の心に、幻想世界の未練がまだ残っているからだ。"for this is God's Own ~ "「なぜなら、これは、神自身の目的であるからだ」。実相世界に回帰した神の子が、完全に実相世界に馴染んで、実相世界全体が神の子を含んで完成されることが、神自身の目的である。"only His, and yet ~ "「神自身の目的こそが、完全に分かち合われ、完璧に達成されるのだ」。実相世界に回帰した神の子が、完全に実相世界に馴染み、実相世界の完成という目的を神と分かち合って、それを達成するのである。具体的に言えば、神と神の子とホーリー・スピリットの三位が一体となって調和融合し、唯一、単一の"God is"「神あり」の世界が完成されるのである。純粋一元論世界の必然である。



The real world is a state in which the mind has learned how easily do idols go when they are still perceived but wanted not.
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • easily [íːzili] : 「容易に、たやすく、苦もなく、気楽に、簡単に」
  • idol [áidl] : 「アイドル、偶像、崇拝される人、神像」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
❖ "The real world is a state ~ "「実相世界とは、心が、偶像はまだ知覚されるとはいえ望まれるてはいないとき、偶像はいとも簡単に消え去ってしまうということを学んだ状態のことである」。偶像という幻想を望みはしないと決心すれば、幻想は簡単に消えてしまうものだと知った心の状態が、実相世界である。もっと端的に言えば、幻想(偶像)に未練を感じなくなった心が、実相世界である。実相世界に回帰した神の子は、まだ幻想に未練を残しているので、神の子の心は実相に同化していない。幻想には未練がない、幻想など欲しくもないと思えるようになったとき、神の子は初めて実相世界の住人として認められる、というわけだ。こうして、純粋に実相化した神の子と神が、実相世界の最後の完成(三位一体)を分かち合うことになる。



How willingly the mind can let them go when it has understood that idols are nothing and nowhere, and are purposeless.
  • willingly [wíliŋli] : 「喜んで、進んで、積極的に、快く」
  • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understand の過去・過去分詞形」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
  • nowhere [nóuhwὲər] : 「無駄な、無意味な、どこにも〜ない」
  • purposeless [pə́ːrpəslis] : 「目的のない、無益な」
❖ "How willingly the mind ~ "「〜であれば、どんなに心は、快く偶像を手放すことが出来るだろう」。"when it has understood ~ "「心が、偶像は無であり、どこにもなく、目的さえないと理解したなら、」どんなに心は、快く偶像を手放すことが出来るだろう。偶像の幻想性を理解出来れば、偶像など手放した方が、心はどんなに晴れ晴れするだろう。



For only then can guilt and sin be seen without a purpose, and as meaningless.
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、価値のない、無意味な」
❖ "For only then can ~ "「なぜなら、その時に限って、罪や罪の意識は、目的も意味もないものだと分かるからだ」。偶像が無であり、存在しないと理解出来れば、偶像の幻想性が明らかになり、同時に、偶像がもたらす罪の意識もまた、幻想に過ぎないと分かるのである。



6. Thus is the real world's purpose gently brought into awareness, to replace the goal of sin and guilt.
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • gently [dʒéntli] : 「徐々に、なだらかに、静かに、優しく、穏やかに」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • awareness [əwέərnis] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
  • replace [ripléis] : 「 〜を取り換える、交換する、差し替える」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの、着点」
❖ "Thus is the real world's ~ "「こうして、実相世界の目的が、穏やかに意識の中にもたらされる」。"to replace the goal ~ "「そして、罪と罪の意識のもつ目的に置き換わるのである」。実相世界の目的とは、神の子が完全に実相に同化し、神と神の子とホーリー・スピリットが三位一体化して、実相世界が完成されること。罪と罪の意識のもつ目的とは、神の子を罪の意識に縛りつけることで、幻想に束縛されるようにすること。実相世界では、幻想世界の目的が、実相世界の目的に置き換わるのだ。



And all that stood between your image of yourself and what you are, forgiveness washes joyfully away.
  • stood [stúd] : 「stand の過去・過去分詞形」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
  • image [ímidʒ] : 「イメージ、画像、像、映像」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • wash [wάʃ] away : 「洗い流す、洗い落とす、押し流す」
  • joyfully [dʒɔ́ifəli] : 「喜びに満ちあふれて、うれしそうに」
❖ "And all that stood ~ "「あなた自身のイメージと本当のあなたの間に立ちはだかっていたすべてのものを、赦しが、喜びのうちに洗い流してしまう」。神の子としてのあなた自身と、肉体を持って生きる幻想としてのあなたの間に存在してたあらゆる幻想を、赦しが消滅させてしまう。



Yet God need not create His Son again, that what is his be given back to him.
  • create [kriéit] : 「〜を創造する、創り出す」
  • again [əɡéin] : 「再び、かさねて、もう一度」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • give back to : 「〜に返す」
❖ "Yet God need not ~ "「しかし、神は、〜するために、神の子を再び創造する必要はない」。"that what is his ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「神のもっているものを、神の子に戻し与えるために、」神の子を再び創造する必要はない。神は、神の子を創造するとき、神の属性のすべてを神の子に与えた。真実のすべて、真実のもつパワーのすべてを与えたのだ。しかし、神の子は、神から分離するとき、その属性をすべて投げ捨ててしまった。だが、神の子にそれを取り戻してやるために、神は神の子を再創造する必要はない。なぜなら、神の子は、神の属性のすべてをただ忘れていただけであって、失ってはいないからだ。神の子が、実相世界でそれを思い出しさえすればいい。



The gap between your brother and yourself was never there. And what the Son of God knew in creation he must know again.
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
  • knew [njúː] : 「know の過去形」
  • creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、創作物、作品」
❖ "The gap between ~ "「あなたの同胞とあなた自身の間にあったギャップは、ここにはない」。幻想世界では、同胞とあなたは分離しており、その間にギャップが存在していたが、実相世界では、そんな幻想のギャップは存在しない。神の子は、本来の単一の存在に戻ったのだ。自他一如が蘇ったのである。
 
 
 


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