●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-8.VIII.5:1 ~ T-8.VIII.6:9

5. It is still true that the body has no function of itself, because it is not an end. 
  • still [stíl] : 「常に、いつでも」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き、役割」
  • end [énd] : 「目的、最後、結果」
❖ "It is still true ~ " ここは"It ~ that ~"の構文、「肉体はそれ自体の機能を何ももっていないというのは常に正しい」。肉体は、それ自体としては、実相的な機能をもってはいない。肉体は幻想として幻想を生きるだけだ。しかし、実相に目覚めるための道具という役割はもっている。"because it is ~ "「なぜなら、肉体は目的ではないからだ」。ここの"end"は、目的というよりは最終結果ととらえた方がいいだろう。たどり着くべき最終の目的地という意味だ。肉体は終着駅ではなく、心という最終目的地に到達するための手段に過ぎない。



The ego, however, establishes it as an end because, as such, its true function is obscured. 
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、達成する」
  • obscure [əbskjúər] : 「不明瞭な、曖昧な」
❖ "The ego, however ~ "「しかし、エゴは肉体を目的(実在)として確立した」。エゴは、肉体こそが実在であり、肉体を他者から分離したままに維持することが肉体の目的だと主張する。"because, as such ~ "「なぜなら、そうすれば、肉体の本当の機能(役割)が曖昧にされるからである」。前文で肉体は機能をもたないと言っておきながら、ここでは肉体の本当の機能が曖昧にされていると言っている。矛盾のように見えるが、そうではない。エゴは肉体を、攻撃する機能をもっている実在としてとらえている。ホーリー・スピリットは、肉体は幻想であるが、コミュニケーションの手段に活用できるととらえている。この肉体のもつコミュニケーションの手段を、ここでは"true function"「本当の機能」と表現したのだ。それをエゴは曖昧にしようとする。なぜなら、心がコミュニケーションによって統合され分離が解消すれば、肉体的攻撃性は必要なくなるからだ。それは肉体の消滅を意味し、同時にエゴも消滅する。エゴは自己保身のために、肉体の実在と攻撃性を頑(かたく)なに主張するのである。



This is the purpose of everything the ego does. Its sole aim is to lose sight of the function of everything. 
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図」
  • sole [sóul] : 「唯一の、たった一つの」
  • aim [éim] : 「的、目標、目的」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する」
  • sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
  • lose sight of : 「〜を見失う」
❖ "This is the purpose ~ "「これが、エゴがなすすべてのことの目的である」。"Its sole aim is ~ "「その唯一の目的は、すべての機能を視界から消し去ることである」。"to lose sight of the function of everything"「すべての機能を視界から消し去ること」というと、エゴは肉体の攻撃性も否定しているように聞こえるが、それは違う。エゴは真実なる機能だけを視界から抹消するのである。なぜなら、真実なる機能を認めることはその実在性を認めることであって、心やホーリー・スピリットや神の実在性を認めることにつながる。するとその時点で、エゴの非実在性が明らかになり、エゴは消滅する。エゴはそれを一番に恐れる。そこでエゴは、非実在なるものの機能をでっち上げるだ。幻想の肉体が格好の道具となり、肉体に攻撃性という偽の機能を付与する、というわけである。こうして、幻想であり非実在の肉体を温存することで、エゴ自体の存在も温存しようとする。



A sick body does not make any sense. It could not make sense because sickness is not what the body is for. 
sick [sík] : 「病気の、病的な、異常な」
make sense : 「意味をなす、道理にかなう」
sickness [síknəs] : 「病気、病」
❖ "A sick body ~ "「病気の肉体という言い方は、何の意味もなさない」。"It could not make ~ "「意味をなすことが出来ないのだ」。"because sickness is ~ "「なぜならば、病気とは、肉体がそのためにある、というものではないからだ」。幻想の肉体が、幻想の病気を被るのである。そこには実体もなければ、真実性もない。偽りに偽りを重ねただけで、何の意味もなさない。本来、肉体は心のコミュニケーションの手段になるだけであって、病気になるためにあるのではない。その病気が目の前にあるように見えるのは、まさに幻想に惑わされているという印である。



Sickness is meaningful only if the two basic premises on which the ego's interpretation of the body rests are true; that the body is for attack, and that you are a body. 
  • meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、重要な」
  • basic [béisik] : 「基礎の、基本的な」
  • premise [prémis] : 「前提、仮定、根拠」
  • interpretation [intə̀ːrprətéiʃən] : 「解釈、説明、解説」
  • rest [rést] : 「ある、置かれている」
  • rest on : 「〜に基礎を置く、〜に基づく」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
❖ "Sickness is meaningful ~ "「もし、肉体に対するエゴの解釈がよって立つ二つの基本的な前提が正しかったなら、病気は意味をもつことになる」。"that the body is ~ "「その二つの前提とは、肉体は攻撃のためにあり、あなたは肉体である、ということだ」。どちらの前提も正しくはない。したがって、病気は意味の持ちようがない。



Without these premises sickness is inconceivable.
  • inconceivable [ìnkənsíːvəbl] : 「想像もできない、考えも及ばない」
❖ "Without these ~ "「これらの前提なしでは、病気は考えられない」。



6. Sickness is a way of demonstrating that you can be hurt. It is a witness to your frailty, your vulnerability, and your extreme need to depend on external guidance. 
  • demonstrate [démənstrèit] : 「実証する、明らかにする」
  • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える」
  • witness [wítnəs] : 「証拠、証言、証人」
  • frailty [fréilti] : 「弱さ、弱点」
  • vulnerability [vʌ́lnərəbiləti] : 「脆弱性、傷つきやすさ」
  • extreme [ikstríːm] : 「極端な、極度の、最高の」
  • need [níːd] : 「必要なもの、必要物」
  • depend [dipénd] : 「当てにする、信頼する、頼る」
  • external [ikstə́ːrnl] : 「外の、外側の、外部の」
  • guidance [gáidns] : 「助言、指導」
❖ "Sickness is a way ~ "「病気は、あなたが傷つく可能性のあることを示す手段になっている」。"It is a witness ~ "「病気は、あなたが弱々しく、傷つきやすく、そして、外部の指導に大きく頼る必要性があることを示す証人になっている」。本当はそんなことはないのだが、エゴはこれをあなたに信じ込ませている。あなたが自分を肉体と同一視することを目論んでいるのだ。その肉体にとことん執着させるために、病という重い負荷をあなたに与える。



The ego uses this as its best argument for your need for its guidance. 
argument [ɑ́ːrgjəmənt] : 「議論、論拠、根拠」
❖ "The ego uses ~ "「エゴはこのことを、あなたがエゴの指導を必要としているという格好の根拠に使っている」。あなたが自分を肉体と同一視する限り、傷つきやすい肉体は防御しなくてはならず、そのためには躊躇せず攻撃しなくてはならない。奪われる前に奪え、殺される前に殺せ、という指導である。



It dictates endless prescriptions for avoiding catastrophic outcomes. 
  • dictate [díkteit] : 「〜を命令する、指示する」
  • endless [éndləs] : 「終わりのない、永遠の」
  • prescription [priskrípʃən] : 「命令、指示、処方」
  • avoid [əvɔ́id] : 「避ける、回避する」
  • catastrophic [kæ̀təstrɑ́fik] : 「壊滅的な、破局の、悲惨な」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果」
❖ "It dictates endless ~ "「エゴは、破滅的な結果を避けるためと称して、次々に処方を命ずる」。



The Holy Spirit, perfectly aware of the same situation, does not bother to analyze it at all. 
  • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
  • aware of : 「〜を承知している、〜に気付いている」
  • same [séim] : 「同じ、同一の」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態」
  • bother [bɑ́ðər] : 「思い悩む、苦にする」
  • bother to do : 「わざわざ〜する」
  • analyze [ǽnəlàiz] : 「分析する、解析する」
  • at all : 「全く〜ない、少しも〜ない」
❖ "The Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは、同じ状況に完璧に気付いているのだが、それを分析することはまったくない」。同じ状況とは、あなたが、肉体的な破滅を避けるために外部に指導を求めている状況。あなたがホーリー・スピリットを頼って、ホーリー・スピリットの指導を仰ぐことになったとしても、ホーリー・スピリットはあれこれ命令を下すようなことはしない。状況を分析することも、病気を分析することもしない。分析的アプローチの方法が意味のないことを知っているからだ。なぜなら、幻想をどのように分析しようと、それが意味を持つことはないからだ。幻想は、どんなに形が違っても所詮幻想に過ぎない。



If data are meaningless there is no point in analyzing them. 
  • data [déitə] : 「データ、資料、情報」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、無意味な」
  • no point : 「意味がないこと」
❖ "If data are ~ "「データに意味がないなら、その分析にも意味がない」。



The function of truth is to collect information that is true. Any way you handle error results in nothing. 
  • collect [kəlékt] : 「〜を集める、収集する」
  • information [ìnfərméiʃən] : 「情報、資料、知識」
  • handle [hǽndl] : 「〜を操作する、〜を処理する」
  • result [rizʌ́lt] : 「生じる、起こる、帰着する」
  • result in : 「〜をもたらす、〜に終わる」
❖ "The function of ~ "「真実の機能は、正しい情報を集めることである」。真実が機能しているとき、正しい情報が集められる、ということ。"Any way you ~ "「誤りをあなたがどう操作しようが、結果は何ももたらさない」。どんなに粘土をこねくり回しても、そこから生命は生まれない。



The more complicated the results become the harder it may be to recognize their nothingness, but it is not necessary to examine all possible outcomes to which premises give rise in order to judge them truly.
  • complicated [kɑ́mpləkèitəd] : 「複雑な、込み入った」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる」
  • nothingness [nʌ́θiŋnis] : 「存在しないこと、無」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の」
  • examine [igzǽmin] : 「調べる、〜を分析する」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、あり得る」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果」
  • premise [prémis] : 「前提、仮定、根拠」
  • give rise to : 「〜を引き起こす、〜を生じさせる」
  • in order to : 「〜するために」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、判定する」
❖ "The more complicated ~ " ここは"the + 比較級 ~ the + 比較級"の構文で、「〜であればあるほど、ますます〜だ」という意味、「結果が複雑になればなるほど、それらが無であることをますます受け入れ難くなる」。インチキデータから結論した内容が複雑になればなるほど、それがインチキであることがわかりにくくなる。"but it is not ~ "ここは"it ~ to do"の構文、「しかし、正しく判断するために、前提が引き起こすすべての可能な結果を検証する必要はない」。原因(前提)と結果(結論)を考えてみよう。結果が複雑になればなるほど、その真偽の検証は難しくなる。しかし、可能な結果をすべて吟味する必要はない。なぜなら、原因(前提)が誤っていれば、その結果(結論)は意味を持たないので、検証する意味(価値)はないのだ。たとえば、肉体が実在なら(前提)、病気や攻撃性(結果)を検証する必要性はあるが、肉体は実在ではなく幻想なのだから、そこから生じる結果を検証するには及ばない。単に前提(肉体の実在性)を否定し、その事実を受け入れればいい。そもそも、結果自体も幻想なのだから。幻想に足をすくわれて、真実を見極める眼力が損なわれてはいけない。






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