●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-28.IV.7:1 ~ T-28.IV.8:6

7. The Holy Spirit is in both your minds, and He is One because there is no gap that separates His Oneness from Itself.
  • gap [gǽp] : 「隔たり、ギャップ、割れ目、すき間」
  • separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す」
  • oneness [wʌ́nnis] : 「単一性、同一性、統一性」
❖ "The Holy Spirit is ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたと同胞の両者の心の中に住んでいる」。"and He is One ~ "「そして、ホーリー・スピリットは単一の存在である」。"because there is no gap ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットの単一性をホーリー・スピリット自身から分離するギャップなど存在しないからだ」。神の子が実相世界において単一の存在であるように、ホーリー・スピリットもまた、実相世界において単一の存在である。しかし、この幻想世界においては、神の子は分裂して多数の同胞に分離したかに見え、それに伴って心に住むホーリー・スピリットも分裂して多数存在するかに見える。しかし、それは、共に錯覚である。"no gap that separates His Oneness from Itself"「ホーリー・スピリットの単一性をホーリー・スピリット自身から分離するギャップなど存在しない」という難しい表現をしているが、要するに、ホーリー・スピリットの単一性が破壊されてバラバラになり、多数のホーリー・スピリット間の空間、つまりギャップが生じるようなことはない、という意味。簡単に言えば、ホーリー・スピリットの単一性は決して破壊されることはない、ということ。多数の神の子の心に分散して存在しているかに見えるホーリー・スピリットであるが、それは錯覚であって、あなたの心の中のホーリー・スピリットと同胞の心の中のホーリー・スピリットは同一、単一の存在なのだ。



The gap between your bodies matters not, for what is joined in Him is always one.
  • between [bitwíːn] : 「〜の間の」
  • matter [mǽtər] : 「重要である、重要になる、問題である」
  • join [dʒɔ́in] : 「交わる、一緒になる、結合する、連結する」
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、常に」
❖ "The gap between ~ "「あなたと同胞の肉体の間のギャップなど、問題ではない」。肉体間のギャップは、幻想世界における錯覚であって、そんな錯覚など、実相的な視野に立って見れば、問題ではない。"for what is joined ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットの中で結合させられるものは、常に単一なのだから」。単一のホーリー・スピリットが宿るところの神の子の心も、同時に、単一なのだ。ホーリー・スピリットの単一性によって、神の子の心は結合し、単一性を保っているのだ。実在の心が分離していないのだから、幻想の肉体が分離しているかに見えても、それは問題にもならない。



No one is sick if someone else accepts his union with him.
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
❖ "No one is sick if ~ "「もし、誰か他の者が、その人との結合を受け入れるなら、その人は病になることはない」。ホーリー・スピリットを介して、他者と心がつながっていると確信出来れば、つまり、自分は分離などしていないと信じることが出来れば、その人は病になることはない。なぜなら、病とは、分離によって生じるものだからだ。心が結合し、分離が解消されれば、病はその原因を失い、消滅するのである。



His desire to be a sick and separated mind can not remain without a witness or a cause.
  • desire [dizáiər] : 「欲望、欲求、願望、念願」
  • separated [sépərèitid] : 「分離した、別々の、離れ離れの」
  • remain [riméin] : 「とどまる、滞在する、残る、残存する」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
❖ "His desire to be a sick ~ "「病気でいたいという望みも、分離した心も、証人や原因なしでは、居座ることは出来ないのだ」。同胞同士の心が結合し、分離が解消されれば、たとえどんなに病を望もうが、仮に分離を求めようが、その分離という原因自体が消滅してしまったのだから、病も分離も、その存在を維持出来ないのだ。ところで、"witness"「証人」という言葉が出ているが、あなたと同胞が、互いに互いを分離して独立した存在だと認めあうこと、と捉えればいい。互いに分離していると証言し合うことがなければ、分離は解消し、病は消える。



And both are gone if someone wills to be united with him.
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
  • will [wíl] : 「〜を望む、意図する、命ずる、決意する」
  • unite [junáit] : 「結合する、一体となる、一体化する、合体する」
❖ "And both are gone if ~ "「もし誰かが、誰かと結合したいと意思するなら、病への願いも分離の望みも、両者が消滅してしまうのだ」。自分の心と他者の心を、ホーリー・スピリットを介して結合させたいと意思すれば、心の分離は消滅し、分離がなくなったことで病も消滅するのである。



He has dreams that he was separated from his brother who, by sharing not his dream, has left the space between them vacant.
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、〜をそのままにしておく、ほっておく」
  • space [spéis] : 「空間、スペース、場所、余地」
  • vacant [véikənt] : 「空いている、空の、空虚な」
❖ "He has dreams that ~ "「彼は、彼の同胞と分離しているという夢を見ていたわけだが、」"by sharing not ~ "「彼の同胞は、彼の夢を分かち合うことなく、二人の間の空間を空っぽの状態にしておいたのである」。彼の同胞は、分離という夢、錯覚を分かち合うことなく、つまり、同胞と肉体的に隔てられているという錯覚を信じないことで、二人の間のギャップを幻想で満たすことなく、空のままにしておいたのだ。ギャップに幻想を持ち込まず、空のままにしておくことで、いつか、心と心の結合によって、そのギャップが埋められ、消滅してしまうことを願っていたのだ。あるいは、空っぽのギャップにホーリー・スピリットがやって来て、心の結合によってそのギャップを消滅させてくれることを望んだのだ。



And the Father comes to join His Son the Holy Spirit joined.
  • join [dʒɔ́in] : 「交わる、一緒になる、結合する、連結する」
❖ "And the Father comes ~ "「そうすれば、父なる神が、ホーリー・スピリットが結合した神の子と結合するためにやって来るのである」。ホーリー・スピリットが宿る神の子の心に、父なる神もまたそれに加わるために、やって来る。神の声が聞こえてくる、という意味にとっても良いだろう。あるいは、ホーリー・スピリットを通じて、神の元へ回帰するようにと、神の子を招きにやって来る、と捉えてもいい。いずれ、彼と彼の同胞との肉体的なギャップは、心の結合によって消滅し、ホーリー・スピリットも本来の単一存在として、神のメッセージを直接神の子に伝えることが可能となったのだ。もっとも、この時点で、神と神の子とホーリー・スピリットの三位(さんみ)が一体になったわけではないが、三者が出会ったことだけは確かである。神の子が天の王国、実相世界に回帰出来れば、三位一体という結合、融合が可能となる予兆を感じることが出来るだろう。



8. The Holy Spirit's function is to take the broken picture of the Son of God and put the pieces into place again.
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • broken [bróukn] : 「壊れた、故障した、損傷している」
  • picture [píktʃər] : 「絵、像、絵画、光景」
  • piece [píːs] : 「一片、一つ、一部、断片、部分品」
  • into place : 「所定の位置に」
  • again [əɡéin] : 「再び、もう一度」
❖ "The Holy Spirit's function ~ "「ホーリー・スピリットの役割は、神の子のバラバラに壊された絵を取り上げて、その断片を適正な箇所に再びはめ込むことである」。分離分裂した神の子のアイデンティティを修復して、元通りの完璧な神の子とすることが、ホーリー・スピリットの役割である。つまり、あなたと同胞達の心を、元通りの単一な心として、再結合させることが役割なのだ。



This holy picture, healed entirely, does He hold out to every separate piece that thinks it is a picture in itself.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • entirely [intáiərli] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら」
  • hold out : 「差し出す、提供する、提出する」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
  • in itself : 「それ自体、本質的に」
❖ "This holy picture, ~ "「完全にヒーリングされた神聖な(神の子の)絵を、ホーリー・スピリットは、それ自体が(完璧な)絵であると思っている断片化した絵のすべてに掲げて見せるのである」。それ自体が完璧だと信じている分離分裂した心に対して、再統一された心がどういうものであるか、ホーリー・スピリットは、その真実を掲げて見せるのである。簡単に言えば、我々一人一人に、本当は自他一如であって、単一の神の子なのだと示してくれるのだ。



To each He offers his Identity, which the whole picture represents, instead of just a little, broken bit that he insisted was himself.
  • each [íːtʃ] : 「各々、それぞれ、めいめい」
  • offer[ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • identity [aidéntəti] : 「正体、身元、自我同一性」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する、象徴する」
  • instead of : 「〜の代わりに」
  • bit [bít] : 「部分、小片」 insist [insíst] : 「〜を強く主張する、断固主張する」
❖ "To each He offers ~ "「一つ一つに対して、ホーリー・スピリットは、そのアイデンティティを差し出すのだ」。分離分裂した心一つ一つに対して、、それが神の子の心であるという、本当のアイデンティティを差し出すのだ。"which the whole ~ "「そのアイデンティティこそが、同胞が自分自身であると断固主張する、小さく断片化された自己に代わって、絵全体が表現していることなのだ」。回りくどい表現をしているが、要するに、断片化された神の子が真実ではなく、再統一され、単一となった神の子が、真実のアイデンティティなのだと、我々に教えてくれるのだ。



And when he sees this picture he will recognize himself.
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
❖ "And when he sees ~ "「同胞がこの絵を見たとき、彼は、自分自身を認識することになるのだ」。自分が、神の子であること、神の子として単一の存在であることに気が付くのだ。



If you share not your brother's evil dream, this is the picture that the miracle will place within the little gap, left clean of all the seeds of sickness and of sin.
  • evil [íːvl] : 「悪い、害を与える、邪悪な」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、〜をそのままにしておく、ほっておく」
  • clean [klíːn] : 「汚れていない、きれいな、空っぽの」
  • seed [síːd] : 「種子、種」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
❖ "If you share not ~ "「もしあなたが、同胞の悪しき夢を分かち合わなければ、」あなたが同胞と共に、幻想に溺れていないならば、"this is the picture ~ "「これこそが、奇跡が、小さなギャップの中の病や罪の種のすべてを一掃して、そこに置いた絵なのだ」。肉体によって隔てられた小さなギャップは幻想である。その幻想に過ぎない隔たりの間に、奇跡は、神の子という本当のアイデンティティを謳う絵を掲げたのだ。その真実の絵の元で、肉体というギャップで隔てられた神の子同士が再結合し、単一の神の子であることを互いに確認し合うのである。



And here the Father will receive His Son, because His Son was gracious to himself.
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、〜を受け入れる、客を迎える」
  • gracious [ɡréiʃəs] : 「親切な、優しい、慈悲深い、礼儀正しい、潔い」
❖ "And here the Father ~ "「この場所で、父なる神は、神の子を受け入れてくれるだろう」。"because His Son ~ "意訳する、「なぜなら、神の子は自分自身に対して、慈悲深く振る舞ったからだ」。ここでの"gracious"の意味が不透明なのだが、神の子が自ら、自分が神の子であるというアイデンティティを愛をもって受け入れた、という意味合いであろう。自分が神の子であることを、愛と喜びをもって受け入れたので、神もそれに答えて、神の子を受け入れ、天の王国への回帰を許し、また、それを促してくれるのである。
 
 
 


T-28.IV.5:1 ~ T-28.IV.6:6

5. Be certain, if you do your part, he will do his, for he will join you where you stand.
  • certain [sə́ːrtn] : 「確信している、確実な、確かな、確信して」
  • part [pάːrt] : 「分担、役、役目、役割」
  • join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる」
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
❖ "Be certain, if you ~ "「もし、あなたがあなたの役割を行うなら、同胞も彼の役割をなすのだと、確信しなさい」。"for he will join ~ "「なぜなら、彼は、あなたが立っているところで、あなたと結合するのだから」。あなたが他者と心を結合させるという役割を果たそうとすれば、彼もあなたと心を結合させる役割を果たそうとするのだ。心が結合する場所は、外でもない、あなたが立っているその場であり、あなたの心の中で、他者の心が融合するのである。波に例えるなら、あなたという波の山と他者という波の山が、二人を隔てていた小さなギャップを越えて重なり合い、一つの波となるのである。むしろ、波の山が消え、互いに大きな海に回帰すると言った方が正しいだろう。



Call not to him to meet you in the gap between you, or you must believe that it is your reality as well as his.
  • call to : 「〜に声をかける」
  • meet [míːt] : 「〜に会う、〜と会合する、〜と接触する」
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
  • between [bitwíːn] : 「〜の間に」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
  • as well as : 「〜と同様に」
❖ "Call not to him to meet ~ "「彼があなたがたの間のギャップであなたに会うようにと、彼に声をかけて求めてはいけない」。波と波の間のギャップは、いわば幻想空間であり、そこには何も存在してはいない。そんな幻想空間で、幻想の肉体同士が結合しても意味はないのだ。波と波、つまり、心と心が結合しなくては意味がないのである。"or you must believe that ~ "「さもなければ、そのギャップが、彼の現実同様に、あなたの現実だと信じざるを得なくなるだろう」。波と波の間の何もない所に幻想空間が実在し、また、幻想の肉体がその空間に実在している信じてしまう危険性がある。



You cannot do his part, but this you do when you become a passive figure in his dreams, instead of dreamer of your own.
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • passive [pǽsiv] : 「受動的な、受け身の、消極的な」
  • figure [fíɡjər] : 「姿、人影、人物」
  • instead [instéd] of : 「〜の代わりに」
  • dreamer [dríːmər] : 「夢を見る人、夢想家」
❖ "You cannot do ~ "「あなたは、彼の役を演じることは出来ない」。"but this you do ~ "「しかし、あなたが〜になったとき、あなたは彼の役を演じてしまうのである」。"when you become ~ "「あなたが、あなた自身の夢を見る代わりに、彼の夢の受動的な登場人物になってしまったとき、」あなたは彼の役を演じてしまうのである。彼の見ている夢の幻想空間に、あなたが受動的に引きずり込まれ、彼の夢の登場人物になってしまえば、あなたは、彼の意のままの役を演じてしまうのである。たとえば、愛と憎悪の入り交じった幻想空間にあなたが引きずり込まれれば、あなたは彼と愛憎渦巻く悲劇、あるいは喜劇を演じることになる。また、金と物が命の次に大切だと信じる彼の夢空間に引きずり込まれれば、あなたは守銭奴の役を、あるいは物欲逞(たくま)しい強欲者の役を演じることになる。



Identity in dreams is meaningless because the dreamer and the dream are one.
  • Identity [aidéntəti] : 「正体、身元、自我同一性」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、価値のない、無意味な、無価値の」
❖ "Identity in dreams ~ "「夢の中で自分は何であるか、などということは意味がないのだ」。"because the dreamer ~ "「なぜなら、夢見る者と夢は一体であるからだ」。夢の内容が、夢見る登場人物の役を決めるのであって、物欲の夢を見れば、あなたは強欲者になり、金の夢を見れば守銭奴になり、愛欲の夢を見れば、あなたは好色者となる。しかし、どの役も幻想であり、夢の中の役など、実相的視点から眺めれば、まったく意味がない。真実は、あなたは眠れる神の子のままなのだ。



Who shares a dream must be the dream he shares, because by sharing is a cause produced.
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • produce [prədjúːs] : 「〜を作り出す、生産する、〜を実現する」
❖ "Who shares a dream ~ "「夢を分け合う者は、彼が分け与える夢そのものに違いないのだ」。自分が見る夢が割り振った夢の役を、夢見る者は演じる以外ない。その役が、自分自身だと信じてしまうのだ。"because by sharing ~ "「なぜなら、夢を分け合うことで、原因が生み出されるからだ」。あなたが同胞の夢を分け合ってその夢に登場しても、同胞があなたの夢を分け合ってあなたの夢に登場しても、夢の中の存在は、夢見る者によってその存在理由を与えられる、つまり、存在の原因を与えられているに過ぎないのだ。あなたと他者が互いに互いの役を生み出し、いわば、幻想空間の創造者、存在の原因になっているのである。



6. You share confusion and you are confused, for in the gap no stable self exists.
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、混同、取り違え、混乱状態」
  • confuse [kənfjúːz] : 「混乱させる、混同する、困惑させる」
  • stable [stéibl] : 「しっかりした、安定した、断固とした、不変の」
  • exist [igzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
❖ "You share confusion and ~ "「あなたは混乱を分け合っているので、あなたは混乱させらている」。あなたは幻想を分け合っているので、つまり、共有しているので、あなたは幻想によって混乱している。何が現実で、何が現実でないか、混乱しているのだ。"for in the gap no ~ "「なぜなら、ギャップには、安定した自己というものが存在していないからだ」。このギャップ、幻想空間にある限り、あるときは守銭奴になり、あるときは物欲者となり、あるときは好色者となり、憎悪に燃えたり、嫉妬に狂ったり、苦渋を舐めたり、悲嘆に暮れたり、狂気に走ったりする。実相的な真実の自分に気付いていないのだ。ギャップが実在すると信じている限り、自分が神聖な神の子であることを認識することはない。



What is the same seems different, because what is the same appears to be unlike.
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • appear [əpíər] : 「〜のように見える、〜と思われる」
  • unlike [ʌnláik] : 「似ていない、異なっている」
❖ "What is the same ~ "「同一であることが、異なって見える」。あなたと同胞は、本来単一の神の子であるが、見かけが違っているから、異なった存在に見えてくるのだ。自他一如が認識出来ないのである。"because what is the same ~ "「なぜなら、同一のものが、似ていないように見えるからだ」。見かけが似ていないので、短絡的にそれは異なるものだと結論づけてしまうのである。



His dreams are yours because you let them be. But if you took your own away would he be free of them, and of his own as well.
  • take away : 「取り除く、持ち去る、撤去する」
  • be free of : 「〜から自由である」
  • as well : 「同じに、同様にうまく」
❖ "His dreams are ~ "「同胞の夢は、あなたの夢となっている」。"because you let ~ "「なぜなら、あなたが同胞の夢を自分の夢としたからだ」。あなたは、同胞の夢の中に取り込まれ、同胞の夢の中の登場人物という役を自分に与えたのだ。もちろん、これは逆も成立していて、あなたの夢の中に同胞を取り込んで、同胞にあなたの夢の登場人物の役を与えているのだ。"But if you took your ~ "「しかし、もしあなたが、自分の見ている夢を取り除いたなら、同胞は夢から解放されるだろう」。"and of his own ~ "「同様に、あなたも彼の夢から解放されるのだ」。あなたと同胞のどちらかが、夢を放棄し、幻想から目覚めれば、他方も同時に夢から目覚めることが出来るのである。幻想から開放され得るのだ。



Your dreams are witnesses to his, and his attest the truth of yours.
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
  • attest [ətést] : 「証言する、証明する」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、真実性」
❖ "Your dreams are ~ "「あなたの夢が、同胞の夢の証人である」。あなたが夢を見ていることは、同胞が夢を見ていることの証拠である。あなたと同胞は自他一如であり、あなたが夢を見ていれば彼もまた夢を見ているのである。"and his attest ~ "意訳する、「彼の夢が、あなたの夢は真実なのだと証言しているようなものなのだ」。幻想が幻想を評して、それは真実、実在していると証言しているようなものなのだ。



Yet if you see there is no truth in yours, his dreams will go, and he will understand what made the dream.
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
❖ "Yet if you see there ~ "「しかし、もしあなたが、あなたの夢の中には真実が一つもないと知ったなら、同胞の夢は消えてしまう」。幻想に対して、それは幻想であって、真実もなければ、存在さえしていないと宣言すれば、あなたの幻想も、同胞の幻想も、消滅してしまうのである。"and he will understand ~ "「そして、同胞は、何が夢を作ったのか、理解するようになるだろう」。幻想を作り出したものが、彼の恐れであり罪の意識だと知ることになる。つまり、神の子であるという真実、事実から逃避して、偽物の世界を作り出し、その中で夢を見ているに過ぎないことに気付くのである。
 
 
 


T-28.IV.3:1 ~ T-28.IV.4:6

3. Like you, your brother thinks he is a dream. Share not in his illusion of himself, for your Identity depends on his reality.
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • Identity [aidéntəti] : 「正体、身元、自我同一性」
  • depend [dipénd] on : 「〜によって決まる、〜次第である」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
❖ "Like you, your ~ "「あなたと同じく、あなたの同胞も、彼は夢であると思っている」。この世界に住む自分が夢であるという認識は正しいのだが、つまり、自分は幻想であるという認識は正しいのだが、自分の存在が幻想である肉体だけだと信じることは誤りである。したがって、ここの"thinks he is a dream"「彼は夢であると思っている」とは、「自分の肉体だけが実在であると思っている」という意味合いである。"Share not in his illusion ~ "「同胞自身の幻想を分かち合ってはいけない」。あなたも、自分の肉体だけが実在と信じてはいけない。"for your Identity ~ "意訳する、「なぜなら、あなたが、自分は何であるかということを、同胞の考えている現実に依存してしまうからだ」。同胞の考えている現実とは、肉体だけが実在であり、猿から進化した動物に過ぎない、という現実感である。あなたが、同胞のもつ幻想を分かち合えば、同胞のもつ現実感に依存してしまって、自分も肉体だけの存在、進化した猿という現実感を持つに至る。自分が神聖な神の子であるという真実のアイデンティティを見失ってしまうのだ。



Think, rather, of him as a mind in which illusions still persist, but as a mind which brother is to you.
  • rather [rǽðər] : 「むしろ、どちらかといえば」
  • think of : 「〜のことを考える」
  • persist [pərsíst] : 「存続する、持続する、続く、生き残る」
❖ "Think, rather, of him ~ "「むしろ、同胞を、いまだに幻想が存続している心、しかし、あなたにとって兄弟である心として考えなさい」。同胞を、幻想に過ぎない肉体的な存在として見るのではなく、幻想に支配された心として見なさい。その心は、同じ神の子として同一なものであり、分裂しているとは言え、兄弟のようなものなのだから。



He is not brother made by what he dreams, nor is his body, "hero" of the dream, your brother.
  • hero [híərou] : 「主人公、ヒーロー、英雄、偉人」
❖ "He is not brother made ~ "「彼は、彼が夢に見ているものから作られた兄弟ではないし、」彼は、幻想によって形作られた存在ではないし、"nor is his ~ "「彼は肉体ではないのだ」。彼の肉体は実在してはいない。""hero" of the dream ~ "意訳する、「肉体としての彼は、夢の中の『主人公』ではないし、それは、あなたの兄弟ではない」。肉体として同胞は、あくまでも夢の中の存在に過ぎず、あなたの兄弟と呼べる神の子ではない。そうではなく、同胞の心こそが、実在の兄弟であり、存在の主人公なのだ。



It is his reality that is your brother, as is yours to him. Your mind and his are joined in brotherhood.
  • join [dʒɔ́in] : 「交わる、一緒になる、結び付ける、結合する」
  • brotherhood [brʌ́ðərhud] : 「兄弟の間柄、兄弟愛」
❖ "It is his reality that is ~ "「同胞のもつ実在性こそが、あなたの兄弟なのであり、あなたの実在性が彼の兄弟なのだ」。同胞は肉体という幻想的な存在ではなく、心という実在性が彼の真の存在である。実在としての心が、あなたにとっても、同胞にとっても、兄弟なのである。"Your mind and ~ "「あなたの心と同胞の心が、兄弟関係という枠組みの中で結合するのである」。心と心が結合し、そこに、真実の兄弟関係が結ばれるのだ。



His body and his dreams but seem to make a little gap, where yours have joined with his.
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、穴、途切れ」
❖ "His body and his dreams ~ "「同胞の肉体と彼の夢が、小さなギャップを作っているかに見える」。"where yours have ~ "「そのギャップにおいて、あなたの心が、同胞の心と結合したのである」。神の子は本来単一の存在であったが、神から分離した後、自らを分離分裂させ、多数の神の子を作り出した。あなたと他者は本来同一なのだが(自他一如)、幻想(夢)の肉体によって隔てられ、小さなギャップによって分離させられているのだ。そのギャップの存在する場所において、あなたの心と他者の心が結合し、見かけのギャップが兄弟関係という真実で埋められたのだ。ACIMでは、ギャップを波と波の間の空間に例えている。波の山と隣の波の山が、いわば他者とあなたである。互いに独立な波という名の肉体を持っていると主張している。その二つの波の間の空間が、分離を象徴する小さなギャップである。ところが、そんな空間はまったくの空っぽで、存在さえしないのだ。波と波が重ねれば、ギャップは消滅してしまうからだ。しかも、いかに多くの波の山が存在していようが、波は、一つの海に吸収されて、単一の存在になるのである。この海が、神の子という名の単一の存在である。



4. And yet, between your minds there is no gap. To join his dreams is thus to meet him not, because his dreams would separate from you.
  • between [bitwíːn] : 「〜の間に」
  • thus [ðʌ́s] : 「このようにして、それ故に、従って」
  • separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す」
❖ "And yet, between your ~ "「しかし、あなたと他者の心の間には、ギャップなど存在しない」。"To join his dreams is ~ "「このように、他者の夢と結合することは、彼(の心)と出会うことではない」。"because his dreams ~ "「なぜなら、彼の夢が、あなたを隔てているからだ」。彼が抱いている夢、幻想とは、分離なのだ。分離の夢と結合したからといって、分離が解消されるわけではない。むしろその逆で、分離を加速させてしまうだけなのだ。



Therefore release him, merely by your claim on brotherhood, and not on dreams of fear.
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ、離す」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • claim [kléim] : 「要求、主張、申し立て、要求する権利、正当な資格」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "Therefore release him, ~ "意訳する、「したがって、あなたは、恐れの夢(の共有)を主張するのではなく、同胞と(心のつながった)兄弟なのだと主張することで、彼を(分離から)解放しなさい」。



Let him acknowledge who he is, by not supporting his illusions by your faith, for if you do, you will have faith in yours.
  • acknowledge [æknάlidʒ] : 「認める、承認する、認識する、受け入れる」
  • support [səpɔ́ːrt] : 「〜を支える、支援する、援助する、支持する」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、自信、信念、確信、信仰、信条」
  • have faith in : 「〜を信用する、〜を信じている」
❖ "Let him acknowledge ~ "「〜することで、彼に、自分が誰なのかを知らしめなさい」。"by not supporting ~ "「彼の幻想をあなたの信心で支持しないことで、」彼に、自分が誰なのかを知らしめなさい。同胞の肉体が実在するという幻想を、あなたが信じないことで、同胞の本当のアイデンティティが神の子であることを知らしめなさい。"for if you do, you ~ "「なぜなら、もしあなたが、同胞の幻想を支持したなら、あなたは自分の幻想をも信じることになるからだ」。



With faith in yours, he will not be released, and you are kept in bondage to his dreams.
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • keep [kíːp] : 「〜の状態にしておく、〜にしておく」
  • bondage [bɑ́ndidʒ] : 「緊縛、隷属性、束縛、奴隷の境遇」
  • in bondage : 「捕らわれて、捕らわれの身で、奴隷で、奴隷となって」
❖ "With faith in yours ~ "「あなたの(肉体が実在だという)幻想を信じている限り、同胞は解放されることはない」。"and you are kept ~ "「同時に、あなたは、彼の夢に捕らわれたままになってしまうのだ」。あなたが自らを幻想から解放されない限り、あなたは同胞の夢から解放されることはない。もちろん、同胞も幻想から解放されないのだ。肉体という幻想、分離という幻想を、共に抱き続けて生きることになってしまうのだ。



And dreams of fear will haunt the little gap, inhabited but by illusions which you have supported in your brother's mind.
  • haunt [hɔ́ːnt] : 「〜に出没する、付きまとう」
  • inhabit [inhǽbət] : 「〜に住む、存在する、居住する」
❖ "And dreams of fear ~ "「そして、恐れの夢が、その小さなギャップに出没することになろう」。分離という隙間に、罪と罰への恐れの夢が出没することになる。"inhabited but by ~ "「同胞の心の中で、あなたが支持した幻想によって、恐れの夢はギャップに居着くことになるのである」。同胞の心の中に巣くう幻想の存在をあなたが支持し、信じることで、あなたと同胞の間の分離という小さなギャップに、恐れの夢が、消滅することなく出没し続けるのだ。居続けるのだ。
 
 
 



T-28.IV.1:1 ~ T-28.IV.2:10

 
 
 
IV. The Greater Joining
より大きな結合
 
 
1. Accepting the Atonement for yourself means not to give support to someone's dream of sickness and of death.
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • atonement [ətóunmənt] : 「罪滅ぼし、償い、補償」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す 」
  • support [səpɔ́ːrt] : 「支えること、サポート、支え、支持、援助」
  • give support to : 「〜を支持する、〜を援護する、〜を後援する」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
❖ "Accepting the Atonement ~ "「あなた自身の贖罪を受け入れるということは、誰かの、病や死の夢に対して支持を与えないということを意味する」。あなたが、自分の罪は幻想に過ぎず、それを幻想として確実に受け入れ受け流し、全的に赦すことが、あなたの贖罪である。それは同時に、他者の病や死の幻想を受け入れないということも意味する。自分の幻想ばかりを赦し、他者の幻想を赦さないということはあり得ないのだ。赦しは全的なのだ。



It means that you share not his wish to separate, and let him turn illusions on himself.
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • wish [wíʃ] : 「願い、望みの物、願望、希望」
  • separate [sépərèit] : 「分かれる、分離する、別居する」
  • turn on : 「〜に反抗する、〜に敵意を示す、〜を攻撃する」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
❖ "It means that ~ "「それは、あなたが、他者の分離したいという望みを分かち合うことなく、幻想が彼を攻撃しないようにすることを意味する」。病も死も、元を正せば、分離という幻想から発生したものである。したがって、あなたが自分を贖罪しようとするとき、その分離という幻想をまず第一に幻想として認識することが大切なのだ。当然、他者の分離への望みも、あなたは否定しなくてはならない。そして、否定するだけでなく、その分離という幻想が他者を攻撃し、他者に病や死が訪れないように手当てすることも、あなたには要求されているのだ。



Nor do you wish that they be turned, instead, on you. Thus have they no effects.
  • wish [wíʃ] : 「願う、望む」
  • instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ、そうしないで」
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
❖ "Nor do you wish ~ "意訳する、「分離していたいという望みが、取って返して、あなたを攻撃しないように願わなくてはいけない」。"Thus have ~ "「そうすれば、分離したいという望みは、結果を持たないのだ」。ややもすれば、分離という幻想に足をすくわれそうになるだろう。そこを、こらえなければならない。幻想に惑わされない限り、幻想の結果は現実化しないのだ。



And you are free of dreams of pain because you let him be.
  • free [fríː] : 「捕らわれていない、奴隷でない、自由の身の」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
❖ "And you are free of ~ "「あなたは、他者を痛みの夢から解放したので、あなたも痛みの夢から自由の身となるのだ」。自他一如であり、同胞の苦の夢からの開放は、直接、あなた自身の苦の夢からの開放につながる。幻想からの開放は、あなた一人の単一行動ではないのだ。神の子全体に関わることなのである。



Unless you help him, you will suffer pain with him because that is your wish.
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、被る」
❖ "Unless you help ~ "「あなたが他者を助けない限り、あなたは、その他者と共に、痛みを被ることになるだろう」。"because that ~ "「それが、あなたの望みだからである」。幻想からの開放を拒み、他者の救いも自分の救いも拒絶するなら、そしてそれがあなたの望みであるなら、あなたは他者と共に苦の夢を見続けることになる。



And you become a figure in his dream of pain, as he in yours.
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • figure [fíɡjər] : 「姿、人影、人物、形、形状」
❖ "And you become ~ "「そしてあなたは、他者の痛みの夢の中の登場人物となり、また、他者はあなたの夢の登場人物となるのだ」。神の子は本来単一の存在であり、天の王国において、たった一人の神の子が、神からの分離という夢を見ている。その夢のもつ意味に恐れを抱いた神の子は、夢の中で自己を乖離し、分裂させ、多数の神の子を偽創造した。それが、我々なのである。その分離分裂した我々は、個々にまた夢を見て、この幻想世界を構成している。時には、他者の夢の登場人物になり、時には、他者があなたの夢の登場人物になっている。いわば、この世界という一つの夢を多くの分裂した神の子が同時に見ており、それを統轄するかのように、天の王国において、単一の神の子が、それらの夢全体を見ているわけなのだ。



So do you and your brother both become illusions, and without identity.
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • identity [aidéntəti] : 「自我同一性、正体、身元」
❖ "So do you and your ~ "「そこで、あなたもあなたの同胞も共に、自分自身というものを持たない、幻想となってしまうのだ」。あなたの夢に登場する同胞も、同胞の夢に登場するあなたも、共に幻想に過ぎず、自分は神の子であるというアイデンティティを完全に失い、また、幻想世界での自分の正体さえ、ころころと変えて居場所を失っているのだ。



You could be anyone or anything, depending on whose evil dream you share.
  • depending [dipéndiŋ] on : 「〜により、〜次第で、〜に応じて」
  • evil [íːvəl] : 「悪い、害を与える、邪悪な」
❖ "You could be anyone ~ "「あなたは、誰にでも、何にでもなることが出来る」。アイデンティティを失っているから、悪人にも虫けらにもなれる。"depending on whose ~ "「それは、あなたが分かち合う悪しき夢の持ち主によって決まる」。あなたが悪人の夢の中に登場すれば、あなたは悪人になる、しかし、逆に、善人の夢を選べば、あなたは善人の役割を担うことになる。



You can be sure of just one thing; that you are evil, for you share in dreams of fear.
  • be sure [ʃúər] of : 「〜に自信がある、〜を確信している」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "You can be sure of ~ "「あなたには、確かなことが一つある」。"that you are ~ "「もし、あなたが恐れの夢を分かち合うなら、あなたは邪悪である」。恐れの夢を分かち合っているとは、自分には深い罪があると信じて、神の報復を恐れているということだ。神は正義だから、ならば、邪悪なのはあなただという事になってしまうのだ。それは、他者が、あなたは邪悪だと評価していることではなく、あなたがあなた自身を邪悪だと評していることを示しているのだ。恐れの夢を抱く限り、あなたは自分を邪悪だと信じているのだ。



2. There is a way of finding certainty right here and now.
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす、検出する」
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確信、確実なこと、必然」
  • right here : 「ちょうどここで」
  • right now : 「今すぐに」
❖ "There is a way of ~ "「今ここに、確かさを見つけ出す方法がある」。今ここに、実相的な確信をもつことの出来る方法がある。それは、次項。



Refuse to be a part of fearful dreams whatever form they take, for you will lose identity in them.
  • refuse [rifjúːz] : 「拒む、拒絶する、断る」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分、部品、パーツ」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
  • whatever [hwʌtévər] : 「どんな〜が〜でも」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき、外見」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
  • identity [aidéntəti] : 「自我同一性、正体、身元」
❖ "Refuse to be a part ~ "「夢がどんな形をとろうとも、恐れの夢の一部になることを拒否しなさい」。自分の恐れであろうが他者の恐れであろうが、恐れという幻想を自分の一部としてはいけない。"for you will lose ~ "「なぜなら、恐れの夢の中で、あなたは自分の正体を失うからだ」。自分が無辜なる神の子であるという本当のアイデンティティを、恐れの夢がかき消してしまうのだ。あなたは、本当の自分を見失ってしまう。



You find yourself by not accepting them as causing you, and giving you effects.
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • cause [kɔ́ːz] : 「〜を引き起こす、招く、〜の原因になる」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
❖ "You find yourself ~ "「恐れの夢があなたを生み出した原因であると認めることなく、また、そんなものがあなたに結果を与えたのだと認めることがなければ、あなたはあなた自身を見い出せるのだ」。恐れという幻想の魔力に捕らわれて、恐れが今の自分を形作ったとか、恐れの影響によって自分がこうなったのだとか、そんな錯覚を認めない限り、あなたは本当の自分でいることが出来る。尊厳ある神の子として、無辜なる神の子として、自分を見ることが出来るのである。



You stand apart from them, but not apart from him who dreams them.
  • stand [stǽnd] : 「立ち上がる、立つ、立っている」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
❖ "You stand apart ~ "「あなたは、恐れの夢から離れて立っている」。"ut not apart from ~ "「しかし、恐れの夢を見ている同胞から離れて立っているわけではない」。夢から距離を置くべきだが、その夢を見ている同胞から分離してはいけない。心は一つだが、心の見る恐れの夢は拒絶すべきなのだ。



Thus you separate the dreamer from the dream, and join in one, but let the other go.
  • separate [sépərèit] : 「分離する、隔てる、引き離す、切り離す」
  • dreamer [dríːmər] : 「夢を見る人、夢想家」
  • join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる」
❖ "Thus you separate ~ "「こうして、あなたは、夢見る同胞を、その夢から切り離すことが出来るのだ」。"and join in one ~ "「そして、あなたは同胞と一体となり、切り離した夢は手放してしまうのである」。同胞の幻想を払拭し、幻想を消滅させて、その同胞と心を一つにすれば良い。



The dream is but illusion in the mind. And with the mind you would unite, but never with the dream.
  • unite [junáit] : 「結合する、一体となる、一体化する」
❖ "The dream is but ~ "「夢とは、心の中の幻想に過ぎない」。"And with the mind ~ "「あなたは、心を結合させることが出来るのであって、夢を結合させることは出来ない」。実相的に実体のある心は、本来単一のものであるから、分離分裂したこの幻想世界にあっても、その意思があれば、再結合出来るものなのだ。しかし、実体を持たない幻想、夢は、本来が支離滅裂でバラバラなものであるから、たとえ他者の夢の中の登場人物になったとしても、夢自体が結合することはない。



It is the dream you fear, and not the mind. You see them as the same, because you think that you are but a dream.
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • think [θíŋk] : 「考える、思う、熟考する」
❖ "It is the dream ~ "「あなたが恐れているのは夢であって、心ではない」。あなたが恐れているのは幻想であって、幻想を生み出している心自体ではない。"You see them ~ "「あなたは、夢と心を同一視しているだけなのだ」。"because you think ~ "「なぜなら、あなたは、自分が夢であると思っているからだ」。あなたが今この世界に暮らして、自分が夢を見ているのだと認識することは正しいのだ。しかし、同時に、その夢を見ている心の存在を忘れている。つまり、自分は夢を見ているのだが、自分という存在はその夢ではなく、夢を見ている心のなのだと知る必要がある。夢を恐れている自分がいるが、恐れを知らない心があることを認識しなくてはいけない。幻想としての自分の恐れを知り、かつ、実相としての心の存在を知らなくてはならないのだ。



And what is real and what is but illusion in yourself you do not know and cannot tell apart.
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • tell [tél] : 「〜を見分ける、分かる」
  • apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、区別して、別々に」
❖ "And what is real and ~ "「あなた自身の中で、何が実在し、何が幻想なのか、あなたはわかっていないし、区別をつけることさえ出来ない」。夢と現実の区別をつけることが出来ない状態にある。目の前に展開する幻想を実在だと思い、肉体に隠されている心は、肉体的脳が作り出した幻に過ぎないと思っている。愛ははかない幻想だと思い、憎しみこそが現実を左右する実在だと信じている。金こそがすべてだと思い、思いやりはナンセンスだと言う。悲劇こそが現実であり、幸せはつかの間の幻想だと思っている。・・・等々、数え上げれば切りがないほどに、幻想と実相の取り違えが見えてくる。
 
 
 


T-28.III.8:1 ~ T-28.III.9:8

8. Be not afraid, my child, but let your world be gently lit by miracles.
  • afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって、おじけづいて」
  • gently [dʒéntli] : 「親切に、静かに、優しく、穏やかに」
  • lit [lít] : 「light の過去・過去分詞形」
  • light [láit] : 「〜を明るくする、〜を照らす」
❖ "Be not afraid ~ "「我が子よ、恐れてはいけない」。"but let your world ~ "「あなたの世界が、奇跡によって優しく照らし出されるようにしなさい」。幻想を恐れるのではなく、奇跡がもたらしてくる真実の光で、この幻想世界を照らし出しなさい。



And where the little gap was seen to stand between you and your brother, join him there.
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、穴、途切れ」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
  • join [dʒɔ́in] : 「〜と交わる、〜と一緒になる、結び付ける、結合する」
❖ "And where the little ~ "「そして、あなたと同胞の間に立ち塞がっているかに見える小さなギャップのある場所で、同胞と結合しなさい」。肉体が分離させている心と心の隔た、そのギャップを埋めて、心を結合させなさい。



And so sickness will now be seen without a cause. The dream of healing in forgiveness lies, and gently shows you that you never sinned.
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • show [ʃóu] : 「見せる、示す」
  • sin [sín] : 「罪を犯す」
❖ "And so sickness will ~ "「そうすれば、今や、病はその原因を見失ってしまうだろう」。病の原因は分離という幻想であるから、心と心が結合すれば分離は解消し、病の原因も消滅するのだ。その結果、病も消し去られてしまうだろう。"The dream of healing ~ "「赦しにおけるヒーリングの夢がそこにある」。分離という幻想を幻想として認め、受け入れ受け流してしまうのだが赦しである。そうすることで分離という幻想は消滅し、病も消える。それが、ヒーリングである。"The dream of healing"「ヒーリングの夢」と書かれているが、「ヒーリングという幻想」という意味ではない。「夢にも見た本当のヒーリング」、という意味合い。"and gently shows ~ "「そして、ヒーリングは、あなたは決して罪を犯したことなどないのだと、あなたに優しく教えてくれるのである」。あなたが罪を犯したと思い込んでいたのは夢の出来事であって、本当は罪など犯したことがないのだと、ヒーリングは教えてくれる。



The miracle would leave no proof of guilt to bring you witness to what never was.
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
  • proof [prúːf] : 「証拠、立証、証明、証し、裏付け」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
❖ "The miracle would leave ~ "「奇跡は、ありもしなかったことに対する証言をあなたにもたらすような証拠を後に残すようなことは決してない」。あなたは罪を犯したことはなかった。犯してもいない罪の証拠を捏造して、あなたにもたらすような虚偽の証言を、奇跡は見逃すことなく消滅させてしまうのである。



And in your storehouse it will make a place of welcome for your Father and your Self.
  • storehouse [stɔ́ːrhaus] : 「倉庫、貯蔵所、宝庫」
  • place [pléis] : 「場所、個所、地域、土地、広場」
  • welcome [wélkəm] : 「歓迎、歓待」
❖ "And in your storehouse ~ "「そして奇跡は、あなたの倉庫に、父なる神とあなた自身である神の子を歓迎する場所を作ってくれる」。"your storehouse"「あなたの倉庫」とは、単純に、あなたの心と考えていいだろう。心の中の、神と神の子を歓迎する場所とは、あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分のこと。もちろん、この時点で、心はエゴの支配から解放されている。



The door is open, that all those may come who would no longer starve, and would enjoy the feast of plenty set before them there.
  • no longer : 「もはや〜でない」
  • starve [stάːrv] : 「飢え死にする、餓死する、飢える、渇望する」
  • enjoy [indʒɔ́i] : 「〜を楽しむ、〜を味わう」
  • feast [fíːst] : 「ごちそう、祝宴、宴会、饗宴」
  • plenty [plénti] : 「たくさんの、たっぷりの、豊富な、十分な」
  • set [sét] : 「一組、ひとそろい、一式」
❖ "The door is open ~ "「扉は開かれている」。"that all those may ~ "ここの"that"は"so that"のことで、「〜するために、その結果」、「もはや飢えたりしていない同胞達が入ってきて、目の前に置かれた多くのご馳走のセットを味わうことが出来るように、」扉は開かれている。あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分で、神と神の子を歓迎する宴会が開かれているのだ。その場に、あなたの同胞も招待され、一緒にご馳走を楽しむのである。"feast"「ご馳走」は、もちろん、比喩として。もっとも、実際のご馳走をイメージして、文字通りに捉えても、一向に差し支えない。それは、あなたの自由である。



And they will meet with your invited Guests the miracle has asked to come to you.
  • meet with : 「〜と会う」
  • invite [inváit] : 「招待する、招く、案内する」
❖ "And they will meet ~ "「同胞達は、奇跡が、あなたの元へやって来るように頼んだ招待客と出会うことになるだろう」。奇跡が呼んでくれた"your invited Guests"「あなたの招待客」とは、神であり、ホーリー・スピリット、キリストのことである。あなたはもちろんのこと、あなたの同胞も、その宴会場で、実相世界からの招待客に出会うことが出来るのだ。ここの「招待客」も、実際の姿をもった人格として捉えてもいいし、想念として、形をもたない存在と捉えてもいい。これまた、あなたの自由である。形と想念を分離して考える必要はないのだ。想念は具現化するものなので、想念と、その具現化したものを同一と捉えていいのである。厳密に固く考える必要はない。リラックスせよ。



9. This is a feast unlike indeed to those the dreaming of the world has shown.
  • unlike [ʌnláik] : 「似ていない、異なっている」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
  • shown [ʃóun] : 「show の過去分詞」
❖ "This is a feast unlike ~ "「これは、幻想の世界が見せるようなご馳走とは、まったく似たものではない」。この世界の幻想のご馳走と、実相世界の真実のご馳走は、似ても似つかない。その形が異質だという意味ではなく、その性質、属性が異なるということ。



For here, the more that anyone receives, the more is left for all the rest to share.
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
  • rest [rést] : 「残り、残っているもの、残りの部分、残余」
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "For here, the more ~ "「なぜなら、ここでは、誰かが受け取れば受け取るほど、それを分かち合う残りの人たち全員に、より多くの物が残されるからだ」。簡単に言えば、この宴会では、食べれば食べるほど、ご馳走はどんどん増えていく、ということ。この世界のご馳走とは、似ても似つかないのだ。実相世界の真実は、分かち合われることで拡張増大し、決して減少することはない。



The Guests have brought unlimited supply with Them. And no one is deprived or can deprive.
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • unlimited [ʌnlímitid] : 「制限のない、無制限の、限りない」
  • supply [səplái] : 「生活必需品、補給品、供給」
  • deprive [dipráiv] : 「奪う、取り上げる、剥奪する」
❖ "The Guests have ~ "「(天の王国からの)招待客は、無制限のご馳走を一緒に運んできてくれた」。"And no one is ~ "「そして、誰も奪われることなく、奪うことさえ出来ないのである」。実相には、奪うという概念はない。減少するという概念もない。奪うことなく分かち合えば、どんどん増えていく、それが実相である。実相の法であり、神の法である。



Here is a feast the Father lays before His Son, and shares it equally with him.
  • lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
  • equally [íːkwəli] : 「平等に、同等に、公平に、差別なく」
❖ "Here is a feast ~ "「これが、父なる神が、神の子の目の前に用意してくれたご馳走なのだ」。"and shares it ~ "「そして、そのご馳走を、神は、神の子と平等に分かち合うのである」。言うまでもなく、ここでのご馳走とは、この世界の食べ物のことではない。実相的な真実のことである。愛であり、平和、喜び、光、真理、慈しみ、慈悲、笑い、静謐、清らかさ、等々のことである。くどいようだが、この「ご馳走」を文字通りにイメージしてもいい。愛という名のリンゴであり、喜びという名のブドウ、と思ってもいいのだ。笑いという名のケーキを食べれば、笑いが止まらなくなると考えれば、実に楽しいではないか。



And in Their sharing there can be no gap in which abundance falters and grows thin.
  • abundance [əbʌ́ndəns] : 「多量、豊富、多数、潤沢、裕福」
  • falter [fɔ́ːltər] : 「行き詰まる、低迷する」
  • grow [gróu] : 「〜の状態になる」
  • thin [θín] : 「薄い、厚くない、乏しい」
❖ "And in Their sharing ~ "「ご馳走を分かち合う中では、豊かさが先細り、乏しくなるようなギャップは存在しない」。実相的なご馳走の宴会では、心と心が完全に結合しており、そこに隔たりや隙間やギャップはない。だから豊かなご馳走が足りなくなってしまうことはないのだ。むしろ、みんなで食べるほどに、ますますご馳走は増えていく。



Here can the lean years enter not, for time waits not upon this feast, which has no end.
  • lean [líːn] : 「収穫の少ない、乏しい」
  • enter [énter] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • wait upon : 「〜に仕える」
  • end [énd] : 「終わる、途切れる」
❖ "Here can the lean ~ "「ここには、凶作の年など、紛れ込むことさえ出来ない」。"for time waits not ~ "「なぜなら、この宴会には時間的な終わりはなく、終えることがないからだ」。豊かなご馳走の宴会が永遠に続くということ。幻想世界の時間が、この実相的な宴会に侵入することは不可能なのだ。実相世界は、無時間の世界だからだ。



For love has set its table in the space that seemed to keep your Guests apart from you.
  • set the table : 「食卓に料理を並べる、食卓を整える、おぜん立てをする」
  • space [spéis] : 「空間、スペース、場所」
  • keep [kíːp] : 「〜の状態にしておく、〜の状態を保つ、〜にしておく」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
❖ "For love has set ~ "「なぜなら、あなたが招待した客をあなたから隔てているかのように見えていた空間に、愛が、テーブルをセットしてご馳走を並べたからなのだ」。豊かなご馳走の宴会を作り上げたのは、実相世界の真実の愛である。豊かなご馳走そのものが愛である、と考えていいだろう。宴会が、喜びそのものであると思っていい。豊かさとは、実相世界の存在そのものであると受け止めていいのだ。したがって、明日、あなたが食べるご馳走に向かったとき、愛をいただき、喜びをいただき、平和を食べるのだと思って食事をすれば、きっと、命に繋がる楽しい食事が出来るだろう。
 
 
 



T-28.III.6:1 ~ T-28.III.7:5

6. God builds the bridge, but only in the space left clean and vacant by the miracle.
  • build [bíld] : 「建てる、建造する、構築する、架設する」
  • bridge [brídʒ] : 「橋、橋梁、桟橋」
  • space [spéis] : 「空間、スペース、場所」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、ある状態のままにしておく」
  • clean [klíːn] : 「汚れていない、きれいな、空っぽの」
  • vacant [véikənt] : 「空いている、空の、空虚な」
❖ "God builds the bridge ~ "「神は、奇跡によってきれいにされ、空(から)にされた場所にだけ、橋を架ける」。神の子同士の隔たり、ギャップに、神は橋を架けてそのギャップを埋めてくれるのだが、それは、ギャップがきれいにされ、空の状態になったときだけである。



The seeds of sickness and the shame of guilt He cannot bridge, for He can not destroy the alien will that He created not.
  • seed [síːd] : 「種子、種」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • shame [ʃéim] : 「恥、恥かしさ、不名誉」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • bridge [brídʒ] : 「〜に橋を架ける、橋渡しをする、埋める」
  • destroy [distrɔ́i] : 「破壊する、崩壊させる」
  • alien [éiliən] : 「性質の異なる、異質な、縁もゆかりもない」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
  • create [kriéit] : 「〜を創造する、〜を創り出す」
❖ "The seeds of sickness ~ "「(そのギャップに)病の種や罪への羞恥心があるようでは、神は橋を架けることが出来ない」。"for He can not ~ "「なぜなら、神は、神が創造したものではない異質の意思を破壊することは出来ないからだ」。神は、あくまでも神の子の自由意思、自主性を重んじている。神の子が、神の子同士の隔たりの間に、病への種や罪の意識に対する羞恥心など、幻想に対する憧れを引きずっているようでは、たとえ神でも手出しは出来ないのだ。幻想に対する憧れは、神にとっては異質な意思であり、神の子がその異質な意思を持っている限り、神はそれを尊重して、破壊するようなことはしない。



Let its effects be gone and clutch them not with eager hands, to keep them for yourself.
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
  • clutch [klʌ́tʃ] : 「つかむ、握る、つかみ取る、ひったくる」
  • eager [íːɡər] : 「切望している、熱心な、熱望している」
❖ "Let its effects be ~ "「(異質な意思がもたらす)その結果を手放しなさい」。幻想への憧れを放棄しなさい。"and clutch them ~ "「そんな結果をあなた自身のために保持しようとして、その熱い手でしがみつこうとしてはいけない」。あなたが、幻想を保持しようと情熱を燃やすようでは、神はあなたに橋を架けてやることは出来ないのだ。



The miracle will brush them all aside, and thus make room for Him Who wills to come and bridge His Son's returning to Himself.
  • brush [brʌ́ʃ] aside : 払いのける、無視する
  • make room for : 「〜のためのスペースをあける、〜に席を譲る」
  • will [wíl] : 「〜を望む、意図する、命ずる、決意する」
  • return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る、返還する」
❖ "The miracle will ~ "「奇跡が、そんな意思をすべて払拭してくれるだろう」。"and thus make room ~ "「こうして、神が、神の子が神自身の元へ回帰出来るための橋を架けにやって来ようとする余地を、奇跡は作ってくれるのである」。神の子同士の隔たりの間に存在した異質な意思という雑物を、奇跡が払拭してくれるのである。つまり、幻想への憧れを断ちきり、実相に目覚めさせてくれるのだ。溝がクリーンになれば、神がやって来て橋を架けてくれる。その橋を渡って、神の子は神の元へ回帰出来るのである。



7. Count, then, the silver miracles and golden dreams of happiness as all the treasures you would keep within the storehouse of the world.
  • count [káunt] : 「〜を数に入れる、勘定に入れる、考慮する」
  • silver [sílvər] : 「銀製の、銀色の、銀の」
  • golden [góuldn] : 「金の、金色の、金製の、黄金の」
  • happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
  • treasure [tréʒər] : 「宝、富、宝物、財宝、貴重品、重要なもの、財産」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
  • storehouse [stɔ́ːrhàus] : 「倉庫、貯蔵所、宝庫」
❖ "Count, then, the silver ~ "「そこで、銀の奇跡と金の幸せな夢だけを、この世界の倉庫に保管しておきたいとあなたが望む宝物のすべてとして数に入れておきなさい」。病や痛みや、人との隔たりやギャップや、憎しみや嫉妬、怒り、敵意、悲しみ、苦しみ、そういった幻想を捨てて、銀色に輝く奇跡や、金色に輝く幸せなど、実相的な真実だけを自分の宝物として大切に保持しなさい。



The door is open, not to thieves, but to your starving brothers, who mistook for gold the shining of a pebble, and who stored a heap of snow that shone like silver.
  • thieves [θíːvz] : 「thief の複数形」
  • thief [θíːf] : 「泥棒、窃盗犯、こそ泥、盗人」
  • starving [stάːrviŋ] : 「飢えた、飢えて死にそうな、餓死しそうな」
  • mistook [mistúk] : 「mistake の過去形」
  • mistake [mistéik] for : 「勘違いをする、人違いする」
  • shining [ʃáiniŋ] : 「光る、輝く、きらめく、明るい」
  • pebble [pébl] : 「小石」
  • store [stɔ́ːr] : 「〜を蓄える、保管する、保存する、格納する」
  • a heap [híːp] of : 「山ほどある〜、たくさんの〜、大盛りの〜」
  • snow [snóu] : 「雪」
  • shone [ʃóun] : 「shine の過去・過去分詞形」
  • shine [ʃáin] : 「輝く、光る」
  • like [láik] : 「〜に似た、〜のような、〜のように」
❖ "The door is open ~ "「扉は開かれている」。"not to thieves ~ "「盗人に対して開かれているのではなく、あなたの飢えた同胞に対して、扉は開かれているのだ」。"who mistook for ~ "「飢えた同胞は、輝く小石を金と間違え、銀のように輝く雪の塊を蓄えておいたのである」。この世界における名誉や地位や金銭、出世、優越性、特別性、色欲、物欲、食欲、等々、それらは金色に輝く石ころに過ぎず、銀色に輝く雪の塊に過ぎない。価値などないのだ。いくらため込んでも、心の飢えは満たされない。しかし、そんな同胞を救う扉が、目の前に開かれているのである。



They have nothing left behind the open door. What is the world except a little gap perceived to tear eternity apart, and break it into days and months and years?
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
  • behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に、〜の陰に」
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • tear [tέər] : 「〜を引き裂く、むしり取る、分裂させる、裂く」
  • eternity [itə́ːrnəti] : 「永遠、無限」
  • apart [əpάːrt] : 「離ればなれで、バラバラに、別々に、粉々に」
  • break [bréik] : 「壊す、割る、折る、破る」
❖ "They have nothing ~ "「開いた扉の、その後ろには、彼らは何も残さない」。金色に輝く石ころや銀色に輝く雪の塊を、飢えた同胞はすべて捨てて、実相への扉を股いたのだ。振り返ると、そこにあったはずの金色に輝く石ころや銀色に輝く雪の塊は消えて跡形もない。幻想は消滅したのだ。幻は消えたのだ。"What is the world except ~ "「この世界は、永遠をバラバラに引き裂き、それを年と月と日に壊したものとして知覚される小さなギャップ以外の何だと言うのだろうか」。実相世界の永遠性をバラバラに引き裂いて時間を幻想し、年と月と日に分解した世界が、この幻想世界である。しかし、その世界も、実相世界を隔てる小さなギャップに過ぎない。そのギャップをクリーンにすれば、神は橋を架けてくれる。あなたは永遠の実相世界に入って行けるのである。



And what are you who live within the world except a picture of the Son of God in broken pieces, each concealed within a separate and uncertain bit of clay?
  • picture [píktʃər] : 「絵、像、絵画」
  • broken [bróukn] : 「壊れた、故障した、損傷している」
  • piece [píːs] : 「一片、一つ、一部、断片」
  • conceal [kənsíːl] : 「隠す、隠匿する、秘密にする」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
  • uncertain [ʌnsə́ːrtn] : 「不確かな、不明確な、不確実な」
  • bit of : 「少しの〜、ちょっとの、少量の〜、1個の、一片の〜」
  • clay [kléi] : 「粘土、土、泥」
❖ "And what are you ~ "「そして、この世界に生きるあなたは、バラバラに断片化された神の子の絵であり、分離した不確かな土くれの中に閉じこめられた者以外の、いったい何者であろうか」。神の子は、神から分離した後、自らを分離分裂させ、多数の神の子を偽創造した。それが、バラバラの断片にされた神の子の絵(a picture of the Son of God in broken pieces)という意味である。神の子は、神を裏切ったという罪の意識と、神からの復讐に対する恐れを抱き、それに耐えきれずに自己を乖離した。分離を象徴する肉体を作り出し、その肉体に心を閉じこめて、肉体こそが自分であると主張したのだ。分離した不確かな土くれの中に閉じこめられた者(each concealed within a separate and uncertain bit of clay)とは、肉体の中に閉じこめられた自己、という意味合いである。
 
 
 



T-28.III.4:1 ~ T-28.III.5:5

4. The end of dreaming is the end of fear, and love was never in the world of dreams. The gap is little.
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
❖ "The end of dreaming ~ "「夢の終わりは、恐れの終わりである」。夢、すなわち幻想が終わるとき、恐れも終わる。なぜなら、恐れは幻想だから。"and love was never ~ "「愛は、夢の世界には決して存在しなかった」。幻想世界に存在した愛は、憎悪という対極概念を合わせ持った二元論の愛であり、対極概念を持たない純粋な実相的な愛は、幻想世界には存在しなかった。"The gap is ~ "「ギャップはわずかである」。自分と他者の間のギャップ、肉体と肉体の間のギャップも、心と心の間のギャップも、実はわずかである。



Yet it holds the seeds of pestilence and every form of ill, because it is a wish to keep apart and not to join.
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • pestilence [péstiləns] : 「ペスト、悪疫、疫病、害悪、害毒」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき、外見」
  • ill [íl] : 「罪悪、悪、害悪、苦しみ、災難、不運、不幸」
  • wish [wíʃ] : 「願い、望みの物、願望、希望」
  • keep [kíːp] : 「 〜の状態にしておく、保つ、〜にしておく」
  • apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
  • join [dʒɔ́in] : 「〜に参加する、〜と交わる、〜と一緒になる」
❖ "Yet it holds the seeds ~ "「しかし、そのギャップは、あらゆる形の病、疫病の種を保持している」。自分と他者の間のギャップ、神の子と神の子の分離、その幻想の隔たりが、病の根本である。"because it is a wish ~ "「なぜなら、そのギャップは、(神の子同士を)離れ離れに保ち、結合させようとしない望みそのものだからだ」。分離し、孤立化しようという望みが、神の子同士の隔たり、ギャップを生み出している。隔たり、ギャップという幻想を錯覚させている。



And thus it seems to give a cause to sickness which is not its cause.
  • thus [ðʌ́s] : 「このようにして、それ故に、従って」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
❖ "And thus it seems ~ "「こうして、隔たりは、病の原因を与えているかに見えるのだ」。"which is not its ~ "「しかし、その病は、隔たりの原因ではない」。神の子同士の分離という幻想が病を発症させている原因であって、病が分離を生む原因ではない。



The purpose of the gap is all the cause that sickness has.
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "The purpose of ~ "「隔たりのもっている目的は、病のもつ原因のすべてである」。現代医学では、病の原因は、細菌でありウィルスであり、内臓の機能不全であり、云々と、その原因を挙げ連ねるだろうが、実相的観点に立って見れば、そのあらゆる病の原因の大本(おおもと)は、心と心の隔たりなのだ。



For it was made to keep you separated, in a body which you see as if it were the cause of pain.
  • separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す、切り離す」
  • as if : 「あたかも〜かのように、まるで〜であるかのように」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛、苦痛、骨折り」
❖ "For it was made ~ "「隔たりは、神の子同士の分離を保持するために作られたのだ」。"in a body which ~ "意訳する、「あたかも痛みの原因がそこにあると見える肉体に心を閉じこめて分離したのである」。肉体は分離の象徴である。分離は、実相的に見れば、異常な状態である。その異常さは、分離の象徴である肉体に具現化されるのだ。それが病である。



5. The cause of pain is separation, not the body, which is only its effect.
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
❖ "The cause of pain ~ "「痛みの原因は分離であり、肉体ではない」。痛みや病は、分離した心が作り出して、肉体に表現させているだけである。"which is only ~ "「痛みは、単なる分離の結果なのだ」。現代医学は、痛みを鎮痛剤で抑え、湿布で緩和し、ヘルニアであれば手術も辞さない。確かに、痛みは一時的には収まるように見えるだろうが、そもそもの原因が断たれたわけではない。痛みはぶり返す。現代医学は、痛みに対する心のケアーを施すことは決してない。痛みの第一原因は、心の分離性にあるのだ。ならば、医学は、心を再統一させるヒーリングを行うべきなのだ。トリートメントに終始し、ヒーリングを忘れた姿が、現代医学である。



Yet separation is but empty space, enclosing nothing, doing nothing, and as unsubstantial as the empty place between the ripples that a ship has made in passing by.
  • empty [émpti] : 「中身のない、空の、空いている、空っぽの」
  • space [spéis] : 「空間、スペース、場所」
  • enclose [enklóuz] : 「〜を同封する、取り囲む、入れる、囲む」
  • unsubstantial [ʌnsəbstǽnʃəl] : 「実体がない、非現実的な」
  • place [pléis] : 「場所、個所、地域、土地」
  • between [bitwíːn] : 「〜の間の」
  • ripple [rípl] : 「さざ波、波状、波紋」 ship [ʃíp] : 「船、船舶」
  • pass by : 「〜のそばを通る、〜を通り過ぎる」
❖ "Yet separation is ~ "「しかし、分離とは、(何もない)空(から)の空間なのだ」。"enclosing nothing"「そこには、何もない」。"doing nothing"「何もしない」。"and as unsubstantial ~ "「船が行く過ぎる時に出来るさざ波の間の何もない空間のように、分離というギャップは、実体を持たない」。波の山と波の山の間の空間を、分離というギャップに例えたのだ。隔たりとは、その間に実体を持っているものではなく、その間は空虚なのだ。



And covered just as fast, as water rushes in to close the gap, and as the waves in joining cover it.
  • cover [kʌ́vər] : 「〜を覆う、〜に覆いを付ける、カバーをかける」
  • rush in : 「〜に突入する、〜にドッと押し寄せる」
  • close [klóuz] : 「〜を閉じる、〜を閉める、〜を閉鎖する」
  • wave [wéiv] : 「波、風浪」
  • join [dʒɔ́in] : 「、交わる、一緒になる」
❖ "And covered just as fast ~ "意訳する、「水が、波間のギャップを埋めるように流れ込み、速やかに、波が合わさってギャップを埋めてしまう」。



Where is the gap between the waves when they have joined, and covered up the space which seemed to keep them separate for a little while?
  • between [bitwíːn] : 「〜の間の」
  • cover up : 「隠す、すっかり覆う」
  • for a while : 「しばらく、少しの間」
❖ "Where is the gap between ~ "「波が合体し、ほんの一瞬波と波を分離していたかに見えた空間を埋めるとき、波と波の間のギャップはどこに行ってしまうのだろうか」。答えは簡単。消滅してしまうのだ。



Where are the grounds for sickness when the minds have joined to close the little gap between them, where the seeds of sickness seemed to grow?
  • ground [ɡráund] : 「根拠、原因、理由、地面、地べた、地盤」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • seed [síːd] : 「種子、種」
  • grow [gróu] : 「成長する、育つ、大きくなる」
❖ "Where are the grounds ~ "「心が合体し、心と心の間の小さなギャップを埋めるとき、病の原因はどこにいってしまうのか」。答えは簡単。消滅してしまうのだ。"where the seeds of ~ "「病の種は、いったいどこで育つと言うのか」。病の種も、同時に消滅してしまうのである。
 
 
 




T-28.III.2:1 ~ T-28.III.3:6

2. No mind is sick until another mind agrees that they are separate. And thus it is their joint decision to be sick.
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
  • until [ʌntíl] : 「〜する時まで」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • agree [əgríː] : 「同意する、合意する、賛成する、賛同する」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • joint [dʒɔ́int] : 「共有の、共同の、連合の」
  • decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
❖ "No mind is sick until ~ "「心は、別の心が(その心と)分離していると認めない限り、病に犯されることはない」。"And thus it is their ~ "「したがって、病になるとは、(分離を共有することを)一緒に決定することなのだ」。神の子は本来単一の存在であったが、神の子が神から分離した後、自らを分裂させ、多数の心を偽創造、つまり、幻想したのである。したがって、分離は幻想を象徴することとなる。しかも、分離は正常な状態ではなく、幻想を加速させる異常な状態であるので、心が分離している限り、心はその異常さを具現させる可能性を秘めている。分離した心同士が、その分離を是として分離を分かち合えば、分離は拡張増大して、異常な状態を悪化させてそれを具現化し、肉体に病を発症させてしまうのだ。



If you withhold agreement and accept the part you play in making sickness real, the other mind cannot project its guilt without your aid in letting it perceive itself as separate and apart from you.
  • withhold [wiðhóuld] : 「〜を抑える、差し控える、保留する」
  • agreement [əgríːmənt] : 「同意、合意、承諾」
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • part [pάːrt] : 「分担、役、役目、役割」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • project [prədʒékt] : 「〜を投影する、発射する、投げ出す」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • aid [éid] : 「援助、救済、補助、助成、補佐」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
❖ "If you withhold agreement ~ "意訳する、「もしあなたが、(分離の共有に対する)合意を差し控え、病を現実化するあなたの役割を認めないならば、」"the other mind cannot ~ "「他の心は、その罪の意識を、〜なしでは、投射することは出来ないのだ」。あなたと他者の心が、互いに分離していることをあなたが認めないなら、他者の心は、罪の意識を肉体に投射して、肉体に病を発症させることは出来ない。"without your aid in letting ~ "「他者の心がそれ自体を、あなたの心から分離し、別々なものであると知覚させようとするあなたの助けなしでは、」他の心は、その罪の意識を投射することは出来ないのだ。あなたが、心の分離性を認めない限り、他者の心は分離性を肉体に投射して、病を発症させることは出来ない。逆に、もしあなたが、他者の病をヒーリングしたいなら、他者の心はあなたの心と分離などしておらず、神の心とも分離しておらず、完全に正しく正常であることを他者に受け入れてもらえばいいのだ。心の分離という異常な幻想から目を覚まさせればいいのだ。他者の心は、分離という異常な状態を肉体に投射する必要はなくなり、結果、病はヒーリングされるのである。



Thus is the body not perceived as sick by both your minds from separate points of view.
  • both [bóuθ] : 「両方の、双方の、二つともの」
  • point of view : 「考え方、観点、視点、主張」
❖ "Thus is the body not ~ "「こうして、心の分離という観点から見れば、あなたと他者の心は、肉体を病に犯されていると知覚することはなくなるのである」。心が病を作る(投射する)のだから、病を必要としなくなれば、病は消滅するのである。



Uniting with a brother's mind prevents the cause of sickness and perceived effects.
  • unite [junáit] : 「結合する、一体となる、一体化する、合体する」
  • prevent [privént] : 「防ぐ、妨げる、防止する、阻む、阻止する」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
❖ "Uniting with a brother's ~ "「同胞との心の結合が、病の原因を断ち、知覚されるような病の結果を阻止するのである」。心と心が結合すれば、病の原因が消滅し、病という結果も消えてしまう。



Healing is the effect of minds that join, as sickness comes from minds that separate.
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • join [dʒɔ́in] : 「〜に参加する、〜と交わる、〜と一緒になる」
  • come from : 「〜から来る、〜に由来する、源を〜に発する」
  • separate [sépərèit] : 「分かれる、分離する、別居する」
❖ "Healing is the effect ~ "「ヒーリングとは、結合した心の結果なのだ」。"as sickness comes ~ "「なぜなら、病とは、分離した心から生まれるものだからである」。分離した心は、本来単一であった心の正常な状態とは異なった、異常な状態である。心が、正しさを失った状態なのだ。逆に、心が再結合することで、心は正常な状態に戻り、心は正しさを取り戻す。心が正しい状態とは実相的な状態であり、実相世界には病などというものが存在しないから、結果的に、病は消滅するのである。これが、実相的なヒーリングなのだ。



3. The miracle does nothing just because the minds are joined, and cannot separate.
  • join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、連結する」
❖ "The miracle does nothing ~ "「心が結合し、分離など出来ないのだから、奇跡は(それ以上)何もすることはない」。奇跡は、心の分離に気付かせ、心の結合を促すことであって、それが達成されれば、奇跡はそれ以上何もする必要はない。後は、自然に、水が流れるように病は流れて消えるのである。



Yet in the dreaming has this been reversed, and separate minds are seen as bodies, which are separated and which cannot join.
  • reverse [rivə́ːrs] : 「逆にする、反対方向に向ける、逆転させる、裏返す」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
❖ "Yet in the dreaming ~ "「しかし、夢(幻想)の中にあっては、この事態はまったく逆である」。"and separate minds ~ "「分離した心は、肉体として知覚され、」肉体は、心の分離性を象徴して幻想されたものであり、"which are separated ~ "「肉体は、分離させられて、結合することは不可能なのである」。だから、肉体は分離の象徴なのだ。逆に見れば、肉体が分離した形で実在すると信じている限り、心の分離性から開放されることは出来ない。肉体が幻想に過ぎず、本当は存在などしていないと達観して、分離を象徴する肉体から開放されたとき、初めて、心の結合は達成されるのだ。




Not allow your brother to be sick, for if he is, have you abandoned him to his own dream by sharing it with him.
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する、可能にする」
  • abandon [əbǽndən] : 「引き渡す、明け渡す、見捨てる、捨て去る」
  • share [ʃέər] : 「 〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "Not allow your brother ~ "「あなたの同胞が病になることを許してはいけない」。"for if he is, have ~ "「なぜなら、もし同胞が病になることを許されたなら、あなたは彼を、彼と夢を共有することで、彼自身の夢の中に彼を捨ててしまったことになるからだ」。同胞を幻想から救い出すどころか、同胞と同じ幻想を共有して、同胞を幻想の中に投げ捨ててしまえば、同胞に病を強いる結果になる。そんなことでは、あなた自身も同じ病を発症してしまうだろう。病の連鎖である。この世界が病だらけなのは、そういった事情があるからなのだ。



He has not seen the cause of sickness where it is, and you have overlooked the gap between you, where the sickness has been bred.
  • overlook [òuvərlúk] : 「見落とす、見て見ぬふりをする、見過ごす」
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、穴」
  • between [bitwíːn] : 「〜の間の」
  • bred [bréd] : 「breed の過去・過去分詞形」
  • breed [bríːd] : 「繁殖させる、〜を養育する、飼う」
❖ "He has not seen ~ "「同胞は、病の原因がどこにあるかわからない」。"and you have ~ "「そして、あなたは、あなたと同胞の間にあるギャップを見過ごしてしまった」。このギャップが、あなたと同胞の隔たりであり、分離を象徴しているものである。あなたと同胞が別々の肉体を持っているから、肉体の分離は当然であり、肉体に閉じこめられた心もまた分離していて当然だと思ってきたのだ。分離が異常な状態であることを見過ごしてきたのだ。"where the sickness ~ "「そのギャップにおいて、病は育てられてきた」。分離という温床で、病は育てられてきたのである。



Thus are you joined in sickness, to preserve the little gap unhealed, where sickness is kept carefully protected, cherished, and upheld by firm belief, lest God should come to bridge the little gap that leads to Him.
  • preserve [prizə́ːrv] : 「〜を保つ、保存する、貯蔵する、保護する」
  • unhealed [ʌnhíːld] : 「治癒していない、未治癒の」
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • carefully [kέərfəli] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
  • protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
  • cherish [tʃériʃ] : 「〜を大事にする、大切にする」
  • upheld [ʌphéld] : 「uphold の過去・過去分詞形」
  • uphold [ʌphóuld] : 「支持する、支える、上げる、持ち上げる」
  • firm [fə́ːrm] : 「堅い、堅固な、頑丈な」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条」
  • lest [lést] : 「〜しないように、〜するといけないから」
  • bridge [brídʒ] : 「〜に橋を架ける、橋渡しをする、埋める」
  • lead [líːd] : 「導く、案内する、〜に通じている」
❖ "Thus are you ~ "「こうして、あなたは病に参加し、」あなたも、当然、病を発症する環境に身を置いたことになり、"to preserve ~ "「その小さなギャップをヒールしないままに保持しているのだ」。"where sickness ~ "「そのギャップでは、神が〜しなにように、病が、注意深く守られて保存され、大切にされ、固い信念で支えれている」。"lest God should ~ "「神がやって来て、小さいギャップに、神へと続く橋を架けないように、」病が、注意深く守られて保存され、大切にされ、固い信念で支えれている。神が、神の子を幻想から目覚めさせて、天の王国へ導いて行かないように、幻想の病を大切に保管しているのである。もちろん、陰でそれを操っているのはエゴである。そのことに、あなたは気付いていない。



Fight not His coming with illusions, for it is His coming that you want above all things that seem to glisten in the dream.
  • fight [fáit] : 「〜と戦う、〜に対抗する」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • above all : 「中でも、とりわけ、何にもまして、何をおいても」
  • glisten [glísn] : 「キラキラ輝く、きらめく」
❖ "Fight not His coming ~ "「幻想をもって、神の到来と戦ってはいけない」。病という幻想を大切にして、神が救いにやってくるのを阻止しようとしてはいけない。"for it is His coming ~ "「なぜなら、夢の中でキラキラ輝いているかに見える何物にもまして、あなたは、神の到来を待ち望んでいるのだから」。きらびやかな幻想よりも、神の到来、すなわち、実相世界への回帰を、あなたは一番に望んでいるはずである。だから、病を大切に保持しようとせずに、幻想を捨て、病を捨てなさい。その気になれば、そうなるのだ。
 
 
 


T-28.II.12:1 ~ T-28.III.1:7

12. This world is full of miracles. They stand in shining silence next to every dream of pain and suffering, of sin and guilt.
  • be full of : 「〜でいっぱいである、〜に満ちている」
  • shine [ʃáin] : 「輝く、光る」
  • silence [sáiləns] : 「静けさ、静寂、沈黙、無言」
  • next to : 「〜の隣に、〜に隣接して」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
❖ "This world is ~ "「この世界は、奇跡に満ちている」。"They stand in shining ~ "「奇跡は、痛みや苦しみ、罪や罪悪感の、すべての夢のすぐ隣に、静かに輝いて立っている」。幻想の痛みや苦、そして罪を癒すために、奇跡は静かにその時を待っている。



They are the dream's alternative, the choice to be the dreamer, rather than deny the active role in making up the dream.
  • alternative [ɔːltə́ːrnətiv] : 「代わりとなるもの、代替物、取って替わるもの」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • rather than : 「〜よりはむしろ、かえって」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • active [ǽktiv] : 「活動的な、活発な、機敏な、意欲的に活躍して」
  • role [róul] : 「役、役目、役割、任務、職務」
  • make up : 「作り出す、考え出す」
❖ "They are the dream's ~ "「奇跡は、夢に代わるものである」。奇跡は夢にとって代わって、幻想ではなく実相を見せてくれるのだ。"the choice to be ~ "「奇跡は、夢を作り上げる動的な役割を否定するというよりも、夢見る者、その者になる選択をさせるのだ」。誤解されやすい場所である。奇跡は、夢に登場して動的に苦しんだり悲しんだり、罪を犯したりする役割を否定するというよりも、そんな夢を見ている本人に立ち返れ、と促してくれるのだ。夢の内容を否定するのではなく、夢を見ている心に回帰する選択をさせるのである。



They are the glad effects of taking back the consequence of sickness to its cause.
  • glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • take back : 「元に戻す、取り戻す、連れ戻す、取り消す」
  • consequence [kɑ́nsəkwèns] : 「結果、結論、結末、成り行き、帰結」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
❖ "They are the glad ~ "「奇跡は、病という結果を、その原因に返すという、喜びに満ちた結果なのだ」。奇跡が起きた結果、病という幻想の結果が取り消しになって、病を起こしたそもそもの原因である心に立ち返ることが出来るのである。そこには喜びが湧き上がる。



The body is released because the mind acknowledges "this is not done to me, but I am doing this. "
  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ、離」
  • acknowledge [əknɑ́lidʒ] : 「認める、承認する、同意する、認識する、受け入れる」
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
❖ "The body is released ~ "「肉体は開放されるのだが、それは、心が、『こんなことは、自分にされたことではなく、自分でやったことなのだ』と、心が認識するからなのだ」。この幻想世界で体験する苦も悲しみも病も、誰かが自分に押し付けたものではなく、自分で勝手に作り出した幻想だったのだ、と認識されるのだ。すべては心が作り出した錯覚であると認めることで、肉体は病から開放されされるのである。苦や悲しみが、肉体から取り払われるのである。



And thus the mind is free to make another choice instead.
  • thus [ðʌ́s] : 「このようにして、それ故に、従って」
  • free [fríː] : 「自由な、束縛を受けていない」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ、その代わりに」
❖ "And thus the mind is ~ "「こうして心は、別の選択を代わりに出来るという自由が与えれるのである」。憎悪や嫌悪や嫉妬、偏見、攻撃、敵意、等々の、悪感情を選択してきた心ではあるが、その選択が苦や悲しみや病を生み出していると知って、心はまったく別の選択をする自由を獲得する。心は、愛や平和や慈しみや、慈悲、美、真理、光、喜び、笑い、等々の真実を選択する自由が与えられたのだ。



Beginning here, salvation will proceed to change the course of every step in the descent to separation, until all the steps have been retraced, the ladder gone, and all the dreaming of the world undone.
  • begin [bigín] : 「始まる、着手する、〜を始める」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • proceed [prəsíːd] : 「続行する、継続する、進む、前進する」
  • proceed to do : 「次に〜する、続けて〜する」
  • change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
  • course [kɔ́ːrs] : 「方向、コース、進路、路線」
  • step [stép] : 「足の運び、ステップ、歩み、一歩」
  • descent [disént] : 「降下、低下、下降、落下、転落、下り坂」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • until [ʌntíl] : 「〜する時まで、〜まで」
  • retrace [ritréis] : 「引き返す、たどりなおす」
  • ladder [lǽdər] : 「はしご、踏み台」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
  • undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
❖ "Beginning here, salvation ~ "「ここから始めて、救いは、〜する時まで、分離へと転落していく歩みの方向を変え続けることになる」。"until all the steps have ~ "「あらゆる歩みが方向を逆転させ、(転落への)はしごが消え、世界のあらゆる夢が取り消しになるまで、」救いは、分離へと転落していく歩みの方向を変え続けることになる。分離へと転落する歩み、下降するはしご、つまり、幻想のどん底に落ち込む階段を、180度方向を変えて引き返し、天上へと向かう道にとって返すのが救いである。その救いは、心を選択するという奇跡から始まるのだ。
 
 
 
 
 
III. The Agreement to Join
結合の合意
 
 
1. What waits in perfect certainty beyond salvation is not our concern.
  • wait [wéit] : 「じっとしている、待つ」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「完璧な、完全な」
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確信、確実なこと、必然」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて、〜のかなたに」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • concern [kənsə́ːrn] : 「関心事、懸案事項、懸念、心配、不安」
❖ "What waits in perfect ~ "「救いを越えたところに、完全な確実性をもって何が待っているのか、それは、私たちが気にかけることではない」。天の王国が待っているのだが、今は、それがどんな所なのか、気にかける必要はない。



For you have barely started to allow your first, uncertain steps to be directed up the ladder separation led you down.
  • barely [bέərli] : 「辛うじて、やっと」
  • start [stάːrt] : 「始める、開始する」
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する、可能にする」
  • first [fə́ːrst] : 「第一の、一番目の」
  • uncertain [ʌnsə́ːrtn] : 「不確かな、不明確な、不確実な、不確定の」
  • direct [dirékt] : 「〜を方向づける、命令する」
  • ladder [lǽdər] : 「はしご、踏み台」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • led [léd] : 「lead の過去・過去分詞形」
  • lead [líːd] : 「〜を導く、案内する、〜を連れていく」
❖ "For you have barely ~ "「なぜなら、あなたは辛(かろ)うじて、あなたを分離へと下降させたはしごを上に昇り始めるという、不確かながら最初の一歩を許し始めたばかりだからだ」。あなたは、分離(幻想)からの救いの途中にあるのだから、目的地の天の王国の様子を気にかける必要はない。と言われても、気になることなのだが・・・。



The miracle alone is your concern at present. Here is where we must begin.
  • alone [əlóun] : 「独りで、単に」
  • concern [kənsə́ːrn] : 「関心事、懸案事項、懸念、心配、不安」
  • at present [préznt] : 「今のところ」
❖ "The miracle alone ~ "「奇跡だけが、今のところ、あなたの関心事であればいい」。実相世界への目覚め、幻想世界からの救い、その奇跡を、今は願えばいい。"Here is where we ~ "「あなたが事を始めなくてはならないのは、ここなのだ」。すべては、奇跡から始まる。夢からの目覚めという奇跡から、天の王国への回帰は始まるのだ。



And having started, will the way be made serene and simple in the rising up to waking and the ending of the dream.
  • serene [səríːn] : 「静かな、穏やかな、心が落ち着いた」
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な」
  • rise [ráiz] : 「上がる、起立する、昇る」
  • wake [wéik] : 「目が覚める、眼を覚ます」
  • end [énd] : 「終わらせる、やめる、締めくくる」
❖ "And having started ~ "「スタートしてしまったのだから、道は、目覚めて夢を終わらせるために昇っていくだけの、静かでシンプルなものになるだろう」。決して、一人の寂しい道のりではない。同胞がおり、ホーリー・スピリットがおり、そして、キリストが同伴してくれる道のりなのだ。



When you accept a miracle, you do not add your dream of fear to one that is already being dreamed.
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • add [ǽd] : 「加える、合計する、足す」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み、前々から」
❖ "When you accept ~ "「あなたが奇跡を受け入れたなら、」"you do not add ~ "「あなたは、すでに見果(は)ててしまった夢に恐れの夢を加えてはならない」。幻想世界で飽きるほど恐れの夢は見てきたのだから、奇跡やそれに続く道のりに対して、恐れの夢を付け加えることをしてはいけない。簡単に言えば、恐れることなく奇跡を受け入れ、それに続く道を進みなさい、ということ。



Without support, the dream will fade away without effects. For it is your support that strengthens it.
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • support [səpɔ́ːrt] : 「支えること、支え、支持、援助、応援、後押し」
  • fade [féid] away : 「徐々に消えていく、薄れる、色あせる」
  • strengthen [stréŋkθən] : 「〜を強くする、強化する、増強する」
❖ "Without support ~ "「何の助けも必要なく、夢は結果を残すことなく色あせてしまうだろう」。実相に目覚めるのだから、幻想は自然に消滅してしまうのだ。"For it is your ~ "「なぜなら、夢を強化していたものは、あなたの助けであったからだ」。あなたが夢を信じていたから、夢は存在出来たのである。今、夢見るあなた自身が夢から覚めたのだから、夢は、当然、消えてしまうのだ。
 
 
 


T-28.II.10:1 ~ T-28.II.11:7

10. Like every lesson that the Holy Spirit requests you learn, the miracle is clear.
  • lesson [lésn] : 「教訓、教え、貴重な経験、実際的な知恵」
  • request [rikwést] : 「〜に〜を依頼する、〜に〜するよう頼む」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • clear [klíər] : 「明らかな、明瞭な、はっきりした、明快な」
❖ "Like every lesson ~ "「ホーリー・スピリットがあなたに学ぶように要求するあらゆるレッスン同様、奇跡は明快である」。奇跡はシンプルだ、ということ。難しい理論も、難しい訓練もいらない。



It demonstrates what He would have you learn, and shows you its effects are what you want.
  • demonstrate [démənstrèit] : 「明らかにする、明示する、実証する、実演する」
  • show [ʃóu] : 「見せる、示す」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
❖ "It demonstrates what ~ "「奇跡は、ホーリー・スピリットがあなたに学んで欲しいと思っていることを明示してくれる」。"and shows you ~ "「そして、あなたに、学びの結果があなたの望んでいることであることを示してくれるのだ」。ホーリー・スピリットがあなたに学んで欲しいと願っている真実、そして、あなたが知りたいと願っている真実を、奇跡はあなたに明示してくれる。



In His forgiving dreams are the effects of yours undone, and hated enemies perceived as friends with merciful intent.
  • forgiving [fərɡíviŋ] : 「寛大な、寛容な」
  • undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
  • hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • merciful [mə́ːrsifəl] : 「慈悲深い、情け深い、情けのある、寛大な」
  • intent [intént] : 「意図、意向、意志、目的」
❖ "In His forgiving dreams ~ "「ホーリー・スピリットの寛大な夢の中で、あなたの夢の結果が取り消されるのである」。"His forgiving dreams"「ホーリー・スピリットの寛大な夢」とは、実相的な真実の夢という意味だから、本当は夢などではなく、覚醒した意識のこと。あなたの抱いている幻想、夢に対応した表現にするために、夢という言葉を使っているだけの話し。したがって、本文は、「ホーリー・スピリットの覚醒した意識によって、あなたの幻想が生んだ結果が取り消されてしまう」、という意味合いになる。より具体的に言うなら、ホーリー・スピリットの実相的な愛と導きによって、あなたが幻想を幻想として認識し、幻想を受け入れ受け流して赦すことが出来たとき、あなたの幻想は取り消され、消滅してしまう、ということ。"and hated enemies ~ "「そして、憎んでいた敵は、慈悲ある意図をもった友達として知覚される」。幻想が消滅し、幻想の憎しみや嫌悪や敵意も消滅してしまい、他者の本当の姿、慈悲に富んだ真実の姿が浮かび上がってくるのである。



Their enmity is seen as causeless now, because they did not make it.
  • enmity [énməti] : 「憎しみ、恨み、敵意、悪意、反目」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • causeless [kɔ́ːzlis] : 「原因のない、原因不明の、正当な理由のない」
❖ "Their enmity is ~ "「敵が抱いていた敵意は、今や、原因のないものだと知ることが出来る」。"because they did ~ "「なぜなら、彼らは敵意を作り出したわけではないからだ」。夜見る夢の中に登場する敵の敵意のように、実質的な原因などないのだ。憎む理由などない。では、敵意はどこから生じたのか? 肉体が分離の象徴として幻想された結果、肉体的に分離、分裂した神の子同士は、敵対せざるを得ない。なぜなら、敵対せずに和合するなら、幻想世界の分離性は解消して、肉体の持つ本体の動機、すなわち、分離を維持するという役割が消滅してしまうからだ。



And you can accept the role of maker of their hate, because you see that it has no effects.
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • role [róul] : 「役、役目、役割、任務、職務」
  • maker [méikər] : 「作る人、製造業者、メーカー」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
❖ "And you can accept ~ "「そしてあなたは、彼らの敵意を作り出した(自分の)役割を受け入れることが出来る」。"because you see that ~ "「なぜなら、あなたは、敵意が何の結果も生みださいと分かるからだ」。あなたは、夢の中で、自分が他者に敵意を抱き、その敵意を他者に投射して、他者があなたに敵意を抱いているかように錯覚したことを受け入れることが出来るのだ。敵意を作り出したのは、外ならぬ自分だと認めることが出来るのである。なぜなら、それは自分が見ている夢の中の出来事であり、その敵意には原因も、さらにその結果も、実質的なものが何もないと知るからなのである。敵意は、流れる水の泡のように、理由もなく生まれ、理由もなく消えていく幻想なのだ。



Now are you freed from this much of the dream; the world is neutral, and the bodies that still seem to move about as separate things need not be feared. And so they are not sick.
  • be freed from : 「〜から解放される」
  • much of : 「大した〜、ひどい〜」
  • neutral [njúːtrəl] : 「中立の、無色の、中間色の」
  • move about : 「〜をあちこちに動かす、動き回る」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
❖ "Now are you freed ~ "「今やあなたは、この夢の中の夢から解放されたのだ」。"the world is ~ "「世界は中立であり、」世界はあなたに苦と悲しみを強いていると思ってきたが、今や世界は、そんなことはなく、中立であり、あなたに敵対していないことが分かり、"and the bodies that ~ "「いまだに分離して動き回っているかのように見える肉体は、恐れる必要もないものだ」と知ったのだ。"And so they are ~ "「したがって、肉体は病ではない」。世界は、あなたという肉体に敵対していないと分かったのだから、あなたの肉体を傷つけ苦しめることはない。したがって、肉体が苦しむことも病むことも、本当はないはずだ。



11. The miracle returns the cause of fear to you who made it.
  • return [ritə́ːrn] : 「〜を返す、戻す、返却する、返品する」
❖ "The miracle returns ~ "「奇跡は、恐れを作ったあなたに、その恐れの原因を返してくれる」。「恐れの原因を返す」とは、恐れの原因が何なのか教え、その恐れを解消してくれる、という意味合い。つまり、神の子が神から分離し、神を裏切ってしまったという罪の意識を抱くと同時に、神が復讐するに違いないと恐れを抱いた。恐れの、そもそもの原因はそこにあるのだ。しかし奇跡は、それは夢の出来事であって、神の子は神を裏切ってはいないし、分離もしていないし、神がそもそも復讐するわけがないと教えてくれるのである。



But it also shows that, having no effects, it is not cause, because the function of causation is to have effects. And where effects are gone, there is no cause.
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • causation [kɔːzéiʃən] : 「因果関係、引き起こすこと、原因作用」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
❖ "But it also shows ~ "「しかし、奇跡は、that以下も示してくれる」。"that, having no ~ "「何の結果ももたいないなら、それは原因ではない」ということを示してくれる。"because the function ~ "
「なぜなら、因果律の機能とは、結果をもつことなのだから」。"And where effects ~ "「そして、結果が去ってしまったなら、そこに原因はないのだ」。因果律とは、原因と結果がワンセットで存在するのであって、原因だけ、あるいは、結果だけが単独に存在出来るものではない。結果をもたない原因は原因ではなく(having no effects, it is not cause)、原因をもたない結果も結果ではない。したがって、結果が消滅したなら(And where effects are gone)、原因もまた消滅してしまうのだ(there is no cause)。実相世界の真の因果律を考えれば、理解が深まる。神は第一原因として、あらゆる真実を生み出す。したがって、神が原因となり、神の子が結果として生み出されたのだ。これが、ワンセットでなければ存在の意味がないのだ。すなわち、原因である神にとって、結果である神の子が存在しなければ、神自体が存在しないことになってしまうのだ。言い換えれば、神と神の子は一体であり、分離も分割も出来ない存在なのである。真実のすべても同様であって、神の子が原因となって、結果、生み出された真実は、神の子と一体であって分離分割出来るものではない。したがって、神の子であるあなたと真実である愛や喜びや慈しみ、美、真理、静寂、平和、等々はまったく一体であり同体であり、同一なのである。



Thus is the body healed by miracles because they show the mind made sickness, and employed the body to be victim, or effect, of what it made.
  • thus [ðʌ́s] : 「このようにして、それ故に、従って」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • employ [emplɔ́i] : 「雇う、用いる、採用する、使用する」
  • victim [víktim] : 「犠牲者、被害者、被災者」
❖ "Thus is the body ~ "「こうして、奇跡が〜であると示すことで、肉体は奇跡によって癒されるのである」。"the mind made ~ "「心が病を生み出し、肉体を犠牲者として、あるいは、結果として、あるいは、心が作ったものとして、肉体を利用するのである」と、奇跡が示すことで、肉体は奇跡によって癒されるのである。心が過ちを犯すと(たとえば、憎悪、敵意、嫉妬、怒り、復讐心、悲嘆、罪の意識、等々)、心は自らの過ちを隠すために、肉体を利用して、あるいは肉体を犠牲にして、病を発症させる。関心が肉体とその病に集中し、心の過ちが表面的に隠されてしまうようにするためである。しかし、奇跡は、その心の過ちを正してくれるのである。心の過ちを取り消してくれるのだ。過ちから解放された心は、過ちを隠す必要がなくなり、肉体を解放する。こうして、肉体の病は癒されるのだ。



Yet half the lesson will not teach the whole. The miracle is useless if you learn but that the body can be healed, for this is not the lesson it was sent to teach.
  • half [hǽf] : 「半分の、半分に切った」
  • teach [tíːtʃ] : 「〜を教える、指導する」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • useless [júːsləs] : 「使い物にならない、役に立たない、無用な」
  • sent [sént] : 「send の過去・過去分詞形」
  • send [sénd] : 「送る、派遣する、行かせる」
❖ "Yet half the lesson ~ "「しかし、半分のレッスンは、レッスン全体に触れることは出来ない」。"The miracle is ~ "「肉体が癒され得ると知っただけでは、奇跡は役に立たないのだ」。"for this is ~ "「なぜなら、奇跡は、肉体が癒され得るというレッスンだけを教えるために、送り込まれたのではないからだ」。奇跡は、神が、あるいはホーリー・スピリットが神の子に与えてくれる贈り物である。その目的は、単に、肉体が癒され得るというレッスンを神の子に与えるためだけではない。



The lesson is the mind was sick that thought the body could be sick; projecting out its guilt caused nothing, and had no effects.
  • thought [θɔ́ːt] : 「think の過去形、過去分詞形」
  • project [prədʒékt] : 「〜を投影する、発射する、投げ出す」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • cause [kɔ́ːz] : 「〜を引き起こす、招く、〜の原因になる」
❖ "The lesson is the mind ~ "意訳する、「奇跡が与えてくれる本当のレッスンは、肉体が病気になり得ると思う心自体が病んでいると教えることなのだ」。"projecting out its guilt ~ "「罪の意識を投射しただけのことであって、何も起きなかったし、結果ももたなかったのだ」と教えることなのだ。神を裏切ったという罪の意識を、心の外側に投射してこの幻想世界を偽創造したのだが(projecting out its guilt)、それは単なる幻想であって、つまり、夢の出来事であって、本当は何も起こらなかったのだ(caused nothing)。投射によって幻想が生まれたとしても、それは、実質的な結果ではない(and had no effects)。同様に、心が過ちを犯して、その過ちを隠すために過ちを投射して(projecting out)、肉体に病を発症させたとしても、それは幻想であって、病は実質的なものとして存在するのではない。病もまた、心が生み出した幻想であって、本当は何も起きていないのだ(caused nothing)。実質的な病という結果は存在し得ないのである(had no effects)。奇跡があなたに教えたいと思っているレッスンは、こういうことなのである。
 
 
 




T-28.II.8:1 ~ T-28.II.9:5

8. The separation started with the dream the Father was deprived of His Effects, and powerless to keep them since He was no longer their Creator.
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • start [stάːrt] : 「始まる、着手する、出発する」
  • deprive [dipráiv] : 「奪う、取り上げる、剥奪する」
  • deprive A of B : 「AからBを奪う、AにBを与えない」
  • powerless [páuərlis] : 「効果がない、無能な、力のない」
  • keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
  • since [síns] : 「〜なので、〜だから」
  • no longer : 「もはや〜でない」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
❖ "The separation started ~ "「分離は、〜という夢から始まった」。"the Father was ~ "「父なる神が、その影響力を奪われ、神がもはや創造者ではなくなったとして、影響力を保持出来ないほど力を落としてしまった」という夢から、分離は始まった。その昔、神の子は、ひょっとしたら、自分は神なしで神のように生きてはいけないだろうかという、小さな狂った想念(a little and mad idea)を抱いた。つまり、神なしで神のようにあらゆるものを創造する主になりたいと考えたのだ。想念は必ず現実化するので、神の子がそう心に思った次の瞬間、神の子は神から分離したのだ。神から分離し、神の影響力から離れたのである。と言うより、神の影響力から開放されたと独り合点しただけなのだ。神の子は、もはや神が創造者ではなく、自分があらゆるものを創造出来ると思い込んだ。神よりもパサーの強い存在になったのだと天狗になったのである。しかし、神の子が創造したものは、実在の世界ではなく、単なる幻想の世界、夢の世界に過ぎなかったのだ。



In the dream, the dreamer made himself. But what he made has turned against him, taking on the role of its creator, as the dreamer had.
  • turn against : 「〜に敵対する、〜と反対の方向に向きを変える」
  • take on : 「引き受ける、呈する、帯びる」
  • role [róul] : 「役、役目、役割、任務、職務」
❖ "In the dream ~ "「夢の中で、夢見る者は自らを作り出す」。夢見る者(神の子)は、夢の中に、自分自身を登場させたのだ。"But what he made ~ "「しかし、夢見る者が作ったものは、彼に敵対することとなる」。"taking on the role ~ "「それは、夢見る者がそうしたように、創造者の役割を引き受けたのだ」。夢を創造した神の子は、夢の中で君主になることは出来なかった。敵対する他者を多数作り出し、世界自体が勝手に創造を繰り広げられるように、世界にパワーを与えてしまったからである。夢の幻想世界が、神の子に代わって創造者となり、宇宙を作り、生物を作り、進化を司り、破壊をもたらし、死を創造したのである。



And as he hated his Creator, so the figures in the dream have hated him.
  • hate [héit] : 「 〜を憎む、〜をひどく嫌う」
  • figure [fíɡjər] : 「姿、人影、人物」
❖ "And as he hated ~ "「そして、夢見る者が、彼の父なる神を嫌うように、」"so the figures ~ "「夢の中の登場人物達は彼を嫌うのである」。この幻想世界は、神からの分離によって偽創造された世界であるから、分離を象徴としている。神の子が自己を分裂させ、多数の神の子を創造したのだが、世界の分離を維持するためには、愛し合って統一される数よりも、憎しみ合って分離を加速する数の方を多くしなくてはならない。彼が神を嫌うように、彼が創造した他者は、お互いに嫌い合うように創造されたのだ。自分が生み出した子に嫌われるように、シナリオは進行していくのである。神と神の子、そして、神の子と彼が作り出した他者、その二者の分離という関係性、嫌悪という関係性は、奇(く)しくも保たれたのである。



His body is their slave, which they abuse because the motives he has given it have they adopted as their own.
  • slave [sléiv] : 「奴隷、捕らわれている人」
  • abuse [əbjúːz] : 「〜を誤用する、〜を悪用する、〜を乱用する」
  • motive [móutiv] : 「動機、主題、真意、目的、誘因」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • adopt [ədɑ́pt] : 「選ぶ、採用する、導入する」
❖ "His body is ~ "「夢見る者の肉体は、夢に登場する人物達の奴隷である」。"which they abuse ~ "「彼が肉体に与えた動機を、登場人物達も自分自身に与えるので、登場人物達は、彼の肉体を虐待するのである」。肉体は、神の子の分離と分裂の象徴として作られたものである。したがって、肉体は融和を促すものではなく、攻撃し、傷つけ、分離を促進するものという動機が与えられたのだ。夢の登場人物達も、同じ動機をもって肉体を見ているから、当然、肉体的な攻撃を優先させて、夢見る者本人の肉体をも、奴隷のように虐待するのである。もっとも、肉体が融和を促す場合もある。それは、肉体と肉体の間に愛が存在したときだけであり、愛が、肉体の融和を加速する。したがって、肉体が本来もっている分離という動機を愛が打ち消すのであり、愛は奇跡なのだ。



And hate it for the vengeance it would offer them. It is their vengeance on the body which appears to prove the dreamer could not be the maker of the dream.
  • vengeance [véndʒəns] : 「復讐、仕返し、報復、あだ討ち」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • appear [əpíər] : 「〜のように見える、〜と思われる、〜らしい」
  • prove [prúːv] : 「証明する、〜となる、〜であると分かる」
❖ "And hate it for ~ "「肉体が登場人物達に差し出す報復ゆえに、夢見る者は、肉体を嫌悪する」。夢に登場する人物達によって虐待された肉体は、彼らに報復したいと、文字通り肉体をうずかせる。夢見る者は、肉体が報復の手段として、攻撃に利用されることを厭うのだ。さらに、肉体は傷つきやすく、病に犯されやすく、老いて醜く、脆弱で、死して腐敗するものに過ぎないと見る。"It is their vengeance ~ "強調構文、「肉体に加えられる登場人物達の報復は、夢見る者が、その夢の製作者ではあり得ないと証明しているかに見えるのだ」。夢を作った者が、夢の中の自分自身を報復の標的にするわけがないから、そんな夢を作ったのではないと思ってしまうのだ。しかし、夢は自分の願望を表現するものであって、夢の中の他者が攻撃するのは、自分が他者を攻撃したいと願望しているからなのだ。夢の登場人物達が肉体を攻撃して報復するのは、彼自身が登場人物達の肉体を攻撃し、報復したいと思っているからなのだ。



Effect and cause are first split off, and then reversed, so that effect becomes a cause; the cause, effect.
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • split [splít] off : 「割る、割れる、分離する、分裂する、裂く、裂ける」
  • reverse [rivə́ːrs] : 「逆にする、反対方向に向ける、逆転させる、裏返す」
  • so that : 「〜できるように、その結果」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
❖ "Effect and cause are ~ "「結果と原因が、まず初めに分裂したのである」。"and then reversed ~ "「そして、まったく逆方向に分かれてしまった」。"so that effect becomes ~ "「その結果、結果が原因になり、原因が結果になってしまったのだ」。実相世界では、この世界での素朴な因果律は成立しない。神が第一原因となって、すべての真実が結果として創造される、といった世界なのだ。しかも、それらはすべて一体であって、どこにも分離はない。したがって、原因と結果が一体であって、調和統一されているのだ。そもそも、時間というものが存在していないのだから、時間的な経過が必要な素朴な因果律は成立しようがないのだ。さて、神の子が神から分離し、分離を象徴する幻想世界を偽創造した、その世界では、原因と結果も時間を介して分裂させられ、役割の分担が決まった。ここに、お馴染の素朴な因果律が作り出されたのだ。ところで、原因が結果に、結果が原因になったと記述されているが、これは、原因が結果を生み出し、その結果がまた原因になって結果を生み出し、その結果がまた原因となって結果を生み出す、という原因と結果の連鎖が時間を軸として延々と続く、といった意味合いである。もちろん、これは、幻想世界においてそう見えるだけの話しであって、そもそも夢の世界には、確たる実体をもった原因など存在しないのだ。したがって、この世界は、何の理由もなく、結果だけが水の泡のように湧いては消えていく世界なのである。



9. This is the separation's final step, with which salvation, which proceeds to go the other way, begins.
  • final [fáinl] step : 「最終段階」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • proceed [prəsíːd : 「始める、開始する、進む、前進する」
  • the other way : 「反対に、横の方へ」
  • begin [bigín] : 「始まる、着手する」
❖ "This is the separation's ~ "「これが、分離の最終段階である」。"with which salvation ~ "「それに伴って、分離とはまったく逆方向に、救いが始まる」。分離が最終段階に達すると、今度は、分離を解消し、再び結合統一する方向に世界は動き出す。それが、幻想世界からの救いになるのだ。しかも、その救いの時代はすでに始まっている。



This final step is an effect of what has gone before, appearing as a cause.
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
  • before [bifɔ́ːr] : 「以前に、前に、早く、先に」
❖ "This final step is ~ "「この最終段階は、以前に過ぎ去ったものの結果である」。"appearing as ~ "「しかし、あたかも、原因のように見えるのだ」。この分離の最終段階は、夢の帰結、過ぎ去ったものの結果、なのだが、分離それ自体が原因となって、さらに世界を変化流動させていくように見えるのだ。簡単に言えば、長い時間をかけて、因果の連鎖によって分離がここまで加速されきたのだが、その夢はそろそろ終わりに近づいており、因果の連鎖を断ちきらなければならない最終段階に達しているが、まだ、分離の結果が原因に見えて(appearing as a cause)、幻想世界の変化流動が続いていくように錯覚している、ということ。



The miracle is the first step in giving back to cause the function of causation, not effect.
  • give back A to B : 「BにAを返す」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • causation [kɔːzéiʃən] : 「引き起こすこと、原因作用、因果関係」
❖ "The miracle is ~ "「奇跡は、原因に対して、結果ではなく、原因自体のもつ役割を取り戻してやろうとする、最初の一歩なのだ」。分離を象徴するこの世界の原因は、夢の中の原因のように、本当は存在してはいない。存在しない原因によって、存在しない結果が生み出され、膨大な夢の歴史が続いてきたのだ。今、分離の最終段階、救いの時代にあって、そんな見かけの因果律の連鎖を断ちきらなくてはならない。それは、そもそもの原因、真実を生み出す実相的な原因に復権してもらうことなのだ。つまり、神の持つ第一原因、その原因への回帰なのである。それが、奇跡の第一歩である、というわけでだ。



For this confusion has produced the dream, and while it lasts will wakening be feared.
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混同、混乱、混乱状態、無秩序」
  • produce [prədjúːs] : 「〜を作り出す、生産する、産出する、産む」
  • while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
  • last [lǽst] : 「続く、存続する、持続する」
  • wakening [wéikəniŋ] : 「目覚めること、覚醒」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
❖ "For this confusion ~ "「この混同が、夢(幻想)を生み出してしまったのだ」。原因が結果を生み、その結果が原因となってまた結果を生む、という原因と結果の混同、混乱が、延々と続く因果の夢を作り上げてきた。"and while it lasts ~ "「そして、その混同が続く限り、目覚めは恐れられるであろう」。因果の夢から目覚めてしまえば、そこは因果の存在しない静止した真っ暗な闇が待っていると思い込んで、恐れてしまうのだ。



Nor will the call to wakening be heard, because it seems to be the call to fear.
  • call [kɔ́ːl] : 「呼び声、叫び声」
  • heard [hə́ːrd] : 「hear の過去・過去分詞形」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "Nor will the call ~ "「しかも、目覚めの呼びかけも聞こえないだろう」。恐れているから、耳も目も閉ざしてしまうのである。ホーリー・スピリットの声は聞こえない。"because it seems to ~ "「なぜなら、それは、恐れへの呼びかけであるかのように思えるからだ」。夢から目覚めれば、因果の鎖は断ち切られ、変化流動する世界は停止してしまい、すべてが凍りついたような闇の世界になってしまうかもしれないという恐怖が先に立ってしまう。そう囁(ささや)きかけているのは、誰でもない、心に住むエゴである。エゴは分離を維持し、幻想世界を存続させたいからだ。なぜなら、エゴ自体が幻想であり夢であり、夢から目覚めたなら、エゴは夢とともに消滅してしまうからなのだ。
 
 
 



T-28.II.6:1 ~ T-28.II.7:11

6. This world is causeless, as is every dream that anyone has dreamed within the world.
  • causeless [kɔ́ːzlis] : 「原因のない、原因不明の、正当な理由のない」
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側で」
❖ "This world is ~ "「この世界は原因がない」。"as is every dream ~ "「それはちょうど、この世界で誰かが夢に見るあらゆる夢が原因をもたないのと同然である」。この世界は、眠れる神の子が夢に見ている夢なのだ。夢の出来事には、実体をもった原因はない。この世界では、素朴な因果律が成立していない、と言っているのではない。実相的な因果律が成立するための実体がない、ということを言いたいのだ。実体をもった、確たる原因をもたないと言っているのである。



No plans are possible, and no design exists that could be found and understood.
  • plan [plǽn] : 「計画、企画、予定、設計図、意向」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • design [dizáin] : 「下絵、略図、見取り図、設計図」
  • exist [igzíst] : 「存在する、生きている、生存する、存続する」
  • found [fáund] : 「find の過去・過去分詞形」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understand の過去・過去分詞形」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
❖ "No plans are ~ "「いかなる計画も不可能であるし、」"and no design exists ~ "「いかなる設計図も存在せず、それを見つけ出し理解することも出来ない」。この世界の出来事は、勝手に生まれ、勝手に消えていく水の泡のようなものである。必然的な実体のある出来事は何も起こり得ないのだ。設計図も計画もないからだ。実相的な、確たる原因が存在しないのだから、確たる結果も生じない。確たるものがなから、確たる計画の立てようがないのだ。計画が立たないから、設計図を描くことも不可能である。ちょうど、あなたが夜夢を見るのに、計画も設計図も存在することなく、勝手に夢が生まれ出てくるようなものである。



What else could be expected from a thing that has no cause? Yet if it has no cause, it has no purpose.
  • else [éls] : 「そのほかの」
  • expect [ikspékt] : 「予期する、期待する」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」¥
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "What else could be ~ "「原因のないものから、それ以外に何が期待出来よう」。幻想世界の出来事は、原因も理由もなく、水の泡のように生まれは消えていくだけだ。それ以上の何も期待出来ない。実相的な実体を生み出すことは出来ないのである。"Yet if it has ~ "「しかし、もし原因がないとしたら、目的もあるまい」。この幻想世界は、何の目的もなく変化流動していく。目的がないから、破壊と崩壊に向かうのだ。この宇宙では、形あるものは必ず壊れるのである。



You may cause a dream, but never will you give it real effects.
  • cause [kɔ́ːz] : 「〜を引き起こす、招く、〜の原因になる」
  • real [real] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
❖ "You may cause ~ "「あなたは、夢を引き起こしたかもしれないが、」あえて原因という言葉を使うなら、あなたが原因となって夢が生まれ出たと言えるかもしれないが、"but never will ~ "「しかし、あなたは、夢に実相的な結果を与えることは出来ないだろう」。幻想という泥をいくらこねっても、そこから食べることの出来る餅は生まれ出ない。どんなに生産的な夢を見ようが、そこから塵(ちり)一つ生まれ出ることはないのだ。



For that would change its cause, and it is this you cannot do.
  • change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
❖ "For that would ~ "「なぜなら、それは、その原因を変えてしまうことになるし、そんなことはあなたに出来ることではない」。もし、原因のないものから実相的な結果が生まれてきたら、原因のないものは実相的な原因であったことになり、完全に矛盾を来(きた)す。そんなことは、あなたを含め、誰にも出来ない。



The dreamer of a dream is not awake, but does not know he sleeps.
  • awake [əwéik] : 「目が覚めて、意識がしっかりして」
  • sleep [slíːp] : 「眠る、眠っている」
❖ "The dreamer of ~ "「夢見る者は、目を覚ましてはいない」。"but does not know ~ "「しかも、眠っていることさえ知らないのだ」。この世界に暮らす誰もが、自分は夢を見てはいない、と宣言するだろうが、しかし、誰もが幻想を見て、幻想の中に生きているのだ。



He sees illusions of himself as sick or well, depressed or happy, but without a stable cause with guaranteed effects.
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
  • well [wél] : 「調子が良い、健康である、健在である」
  • depressed [diprést] : 「精神的に沈んだ、意気消沈した、元気のない」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • stable [stéibl] : 「しっかりした、安定した、断固とした、不変の」
  • guaranteed [ɡæ̀rəntíːd] : 「保証された、保証付きの」
❖ "He sees illusions ~ "「彼は、病気であったり健康を害したり、沈み込んだり幸せな気分になったりと、自分自身の幻想を見ているのだ」。"but without a stable ~ "「しかし、それには、結果を保証する確たる原因があるわけではない」。まさに、流れに生まれては消える水の泡と同様に、確たる原因も実相的な結果もなく、幻想は勝手気ままに生まれては消えて流れていく。



7. The miracle establishes you dream a dream, and that its content is not true.
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、設立する、確証する、立証する」
  • content [kɑ́ntent] : 「内容、中身、在中物、入っているもの」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "The miracle establishes ~ "「奇跡は、あなたが夢を見ており、夢の内容は真実ではないと確証するのである」。奇跡は、あなたが夢を見ているに過ぎないことを、あなたに気付かせてくれる。むしろ、あなたが夢を見ていることに気付くことが奇跡なのだ、と言った方がいいかもしれない。



This is a crucial step in dealing with illusions. No one is afraid of them when he perceives he made them up.
  • crucial [krúːʃəl] : 「重大な、決定的な、重大な、不可欠な」
  • step [stép] : 「階段、段、階、段差、歩み、一歩」
  • deal [díːl] with : 「〜を相手にする、〜を処理する、〜に対応する」
  • in dealing with : 「〜に対処するときに」
  • be afraid of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • make up : 「作り出す、考え出す」
❖ "This is a crucial step ~ "「この気付きは、幻想に対処する上で、決定的な一歩となる」。気付きは非常に重要であり、必須である。"No one is afraid of ~ "「幻想は自分ででっち上げたものだと知覚するとき、誰も幻想を恐れることはない」。朝目覚めて、夜に見た夢は自分の頭脳が勝手に作り出した夢だったのだと気付けば、どんな恐ろしい夢でも、もはや怖がることはない。



The fear was held in place because he did not see that he was author of the dream, and not a figure in the dream.
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • held [héld] : 「hold の過去形、過去分詞形」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所」
  • author [ɔ́ːθər] : 「作者、著者、執筆者、作家、創造者」
  • figure [fíɡjər] : 「人物、姿、人影」
❖ "The fear was held ~ "「恐れがどこかに保持されていたというのは、」夢を見ながら恐れていたのは、"because he did not ~ "「自分が、その夢の作者であり、夢の中の登場人物ではないと、見抜くことが出来なかったせいなのだ」。夢を見ながら、それこそが現実であり、その現実に自分が登場人物として巻き込まれていると信じ込んでいるから、その夢が恐ろしいのだ。恐れが現実のものとして、のしかかってきたのである。しかし、真実はまったくその逆で、夢は現実ではなく、あなたが作り出した架空のドラマである。そのドラマに自ら出演して、あなたの夢を演じているに過ぎないのだ。だから、恐れる理由はどこにもないのである。



He gives himself the consequences that he dreams he gave his brother.
  • consequence [kάnsəkwèns] : 「結果、結論、結末、成り行き、帰結、重大さ」
❖ "He gives himself ~ "「夢見る者は、彼の同胞に与えたと夢に見た結果を、自分自身に与えているのだ」。たとえば、あなたが同胞を憎んだとすれば、その憎むという結果は、自分自身に与えたも同然なのだ。夢の世界は、そういうものである。自分で夢のストーリを演出し、自分で登場人物を選び、自分で演じているので、憎む役割も憎まれる役割も、所詮、自分自身なのである。蛇足になるが、『人を憎まば穴二つ』というが、これは、人を呪い殺すことは、自分を呪い殺すことと同じであるという、昔人の達観である。



And it is but this the dream has put together and has offered him, to show him that his wishes have been done.
  • put together : 「ひとまとめにする、合わせる、寄せ集める、組み立てる」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • show [ʃóu] : 「見せる、示す」
  • wish [wíʃ] : 「願い、願望、希望」
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
❖ "And it is but this ~ "「〜は、こんなものである」。"the dream has ~ "「夢見る者の願いが達成されたと示すために、夢が(がらくた)を寄せ集め、彼に提供したものとは、」こんなものである。人を憎み、呪い殺そうと願っても、結果的に、自分が呪い殺されるというのが、夢の結末なのだ。人から金を奪おうと企んでも、結果的に、自分から金が逃げてしまうというのが、夢の結末である。他者に及ぼしたいと願う影響は、自分自身に反映されるのだ。自分で、勝手な夢を演出しているからである。



Thus does he fear his own attack, but sees it at another's hands.
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
❖ "Thus does he fear ~ "「このように、自分自身が攻撃されることを恐れれば、」"but sees it at ~ "「他者の手によって、あなたは攻撃されるのを目にすることになる」。もちろん、あなたが他者を攻撃しようと願えば、確実に、あなたは他者から攻撃される。同時に、他者からの攻撃を恐れていれば、その思いは現実化し、他者があなたを攻撃することになる。攻撃が現実に存在すると信じている限り、夢の結末は、攻撃されることで終わるのだ。死も同然で、死が現実に存在すると信じている限り、死は確実に訪れる。したがって、攻撃も死も、単なる夢、単なる幻想に過ぎず、そんなものは現実に存在し得ないと、真実に目覚めた時、その時こそ、攻撃や死から開放されるのである。



As victim, he is suffering from its effects, but not their cause.
  • victim [víktim] : 「犠牲者、被害者、被災者」
  • be suffering from : 「〜に悩んでいる、〜い苦しむ」
❖ "As victim, he is ~ "「犠牲者として、夢見る者は、その結果に苦しんでいるのだが、」"but not their ~ "「原因に苦しんでいるわけではない」。夢見る者は、夢の内容、夢の結果に苦しむが、夢を見た原因に苦しめられているわけではない。夢に出てきたモンスターに襲われて、苦しむ夢を見るかもしれないが、自分が夢の中で、なぜそんな恐ろしいモンスターの夢を見てしまったか、その原因について苦しむことはない。なぜなら、夢には原因がないからだ。存在しない原因に苦しめられることはない。



He authored not his own attack, and he is innocent of what he caused.
  • author [ɔ́ːθər] : 「〜を書く、生み出す、加える」
  • innocent [ínəsənt] : 「潔白な、無罪の、無実の、罪のない」
❖ "He authored not ~ "「夢見る者は、自分自身を攻撃するようなシナリオを書いたのではない」。"and he is innocent ~ "「したがって、彼は、彼が生み出したものに関して潔白である」。夢見る者は、夢の中で攻撃したり、破壊したり、殺したり、そんなシナリオを書いて演じているわけではない。その意味では、夢を見ている限りにおいて、彼は潔白である。夢に対して責任はないのだ。例え、夢にモンスターが登場したとしても、それは、あなたが悪いわけではない。モンスターの夢を見たとしても、あなたは潔白なのだ。



The miracle does nothing but to show him that he has done nothing.
  • show [ʃóu] : 「見せる、示す、表す」
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
❖ "The miracle does ~ "「奇跡は、夢見る者に対して、彼は何もしなかったのだ示す以外に、何もなすことはない」。奇跡は、既成事実を曲げて、振り出しに戻すような魔術を行うわけではない。彼が、どんな夢を見たとしても、ただ夢を見ただけであって、現実には何もしなかったのだと、ただ単に、彼に教えてやるだけなのだ。現実に目覚めさせ、真実を告げるだけである。



What he fears is cause without the consequences that would make it cause. And so it never was.
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • consequence [kɑ́nsəkwèns] : 「結果、結論、結末、成り行き、帰結」
❖ "What he fears is ~ "「夢見る者が恐れているものは、原因を原因ならしめる結果を伴わない原因である」。"And so it ~ "「だから、そんな原因は決してなかったのだ」。何かの結果が出現した時に初めて、その原因が求められ、原因と結果がセットとなって理解されるのである。その意味では、結果が原因を原因ならしめているのであるが、しかし、夢を見ている者にとっては、そんな因果律は成立していない。結果が、原因のないままに突如現れたりする。夢にモンスターが現れたとき、あなたはその原因が理解出来て、モンスターの出現に因果律を適用出来るだろうか。本文は、夢見る者は、結果のない原因を恐れている、と書かれているが、同様に、原因のない結果も恐れているのである。つまり、夢見る者が恐れているものは、実相的に実在する原因でも結果でもなく、単なる思い込み、幻想に過ぎないのだ、という意味合いである。思い込みに過ぎない原因も結果も、存在した例しは決してないのだ(And so it never was)。
 
 
 


Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp