7. Remember nothing that you taught yourself, for you were badly taught.
- remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
- taught [tɔ́ːt] : 「teach の過去・過去分詞形」
- teach [tíːtʃ] : 「〜を教える、指導する」
- badly [bǽdli] : 「悪く、まずく、下手に、不当に」
❖ "Remember nothing that ~ "「あなたが、あなた自身に教えたことは、何も覚えておかなくていい」。"for you were ~ "「なぜなら、あなたは、まともなことを教えられたのではないからだ」。この幻想世界で学び教えられ覚えたことは、憎しみであり、嫉妬であり、痛み、悲しみ、絶望、罪の意識、死、等々であり、それらは記憶の中に蓄えられ、保持されている。そんなことは、思えておく価値などない。なぜなら、幻想に過ぎないからだ。夜見た夢の数々を、いつまでも記憶に保持する価値などないのと等しいのだ。
And who would keep a senseless lesson in his mind, when he can learn and can preserve a better one?
- keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
- senseless [sénslis] : 「無分別な、非常識な、常識がない、愚かな、無意味な」
- lesson [lésn] : 「教訓、教え、レッスン」
- learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
- preserve [prizə́ːrv] : 「〜を保つ、保存する、貯蔵する」
- better [bétər] : 「より良い、より優れている、優越する」
❖ "And who would keep ~ "「より優れたレッスンを学び、保持できるときに、いったい誰が、意味のないレッスンを心の中に留め置きたいと思うだろうか」。実相的レッスン、真実のレッスンを学べるチャンスがあるときに、わざわざ幻想的レッスン、偽りのレッスンを心に保持して置きたいと願う者はいない。
When ancient memories of hate appear, remember that their cause is gone. And so you cannot understand what they are for.
- ancient [éinʃənt] : 「古くからの、古い、古びた」
- memory [méməri] : 「記憶、思い出」
- hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
- appear [əpíər] : 「現れる、出現する、登場する」
- cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、理由、動機」
- gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
- understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
❖ "When ancient memories ~ "「昔の、憎しみの記憶が現れたときは、」"remember that their ~ "「その原因は過ぎ去ってしまったのだと思い出しなさい」。憎悪の記憶は残っているが、憎悪を生み出した原因は遠の昔に過ぎ去ってしまった。原因がないのだから、結果としての憎悪は、いわば、亡霊なのだ。記憶という地下墓地から立ち現れた亡霊に過ぎない。"And so you cannot ~ "「そうだから、あなたは、憎しみの記憶が何のためにあるのかさえ、理解出来ないのである」。憎悪という記憶の亡霊が、何のために地下墓地から迷い出てきたのか、あなたには理解できない。理解する能力が足りないという意味ではない。亡霊の存在自体が意味がないから、理解不能だ、という意味である。
Let not the cause that you would give them now be what it was that made them what they were, or seemed to be.
- cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
❖ "Let not the cause that you ~ "「今あなたが、憎悪の記憶に与えようとしている原因を、かつて憎悪が憎悪として作られた原因としてはならないし、」"or seemed ~ "「そのように見えるものにしてはいけない」。実に回りくどい言い回しなのだが、要するに、昔、憎悪の原因によって、あなたの憎悪が生み出されたように、今、原因を失ってしまった記憶の中の憎悪に対して、わざわざ原因を作り出して、憎悪の理由付けをすることはしてはいけない、ということ。地下墓地から迷い出た憎悪という記憶に、存在意義を与えてはいけないのだ。なぜなら、憎悪という亡霊は、あなたがその存在意義を認めることで、どんどん大きくなってしまうからだ。どんどん大きくなって、あなたの手に負えなくなってしまうからだ。
Be glad that it is gone, for this is what you would be pardoned from.
- glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う」
- pardon [pάːrdn] : 「許す、赦免する、放免する」
❖ しかし、"Be glad that ~ "「その原因は、過ぎ去ってしまったのだと、喜びなさい」。記憶の中の憎悪の原因は過ぎ去って存在しない。憎悪という亡霊に存在意義などないのだ。夢の中のモンスターに過ぎない。"for this is what ~ "「なぜなら、これこそが、あなたが放免されるはずのものだからである」。あなたは、夢の中のモンスターに過ぎない、憎悪という記憶の亡霊から逃れるべきなのだから。
And see, instead, the new effects of cause accepted now, with consequences here. They will surprise you with their loveliness.
- instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ、そうしないで」
- effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
- accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
- consequence [kɑ́nsəkwèns] : 「結果、結論、結末、成り行き、帰結」
- surprise [sərpráiz] : 「〜を驚かす、〜をあっと言わせる」
- loveliness [lʌ́vlinis] : 「愛らしさ、素晴らしさ」
❖ "And see, instead ~ "「代わりに、今受け入れられた原因の新しい影響、ここにある結果に目を向けなさい」。"the new effects of cause accepted now"「今受け入れられた原因の新しい影響」とは、あらゆる実相の原因となっている、つまり、あらゆる実相的存在を生み出した創造、すなわち神によってもたらされた影響であり、その結果をあなたは受け入れた、ということ。"They will surprise ~ "「その結果は、愛情をもって、あなたを驚かすだろう」。その結果は神の愛に満ち溢れ、あなたは驚きをもって、その結果を受け入れるだろう。
The ancient new ideas they bring will be the happy consequences of a Cause so ancient that It far exceeds the span of memory which your perception sees.
- idea [aidíːə] : 「考え、着想、見解、意見、知識」
- bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
- far [fάːr] : 「はるかに、大いに、ずっと」
- exceed [iksíːd] : 「超える、上回る、突破する」
- span [spǽn] : 「期間、全長、長さ、範囲」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
❖ "The ancient new ideas ~ "「その結果がもたらす、古くて、新しい想念は、(神という)原因の幸せに満ちた帰結なのだ」。神という原因を受け入れることは、あなたにとっては新しいことかもしれないが、その原因は遠い昔から存在するものなのだ。そして、神という原因を今受け入れることで、憎悪は消滅し、幸せな想念という結果が生じるのである。"so ancient that It ~ "「それは、あまりにも昔からあるものなので、あなたの知覚が感知する記憶というスパンをはるかに超越しているのである」。神の記憶は、通常の記憶という範疇をはるかに越えて、遠い昔までさかのぼる。あなたがこの世界に生まれる前の、その前の、さらに前の前の、神の子が神と共に暮らしていた太古にさかのぼる。しかし、時間の存在する幻想世界にあっては、太古かもしれないが、時間の存在しない実相世界では、神の子は今、この瞬間、神と共にある。その事実が、あなたの記憶の中に残っているのだ。
8. This is the Cause the Holy Spirit has remembered for you, when you would forget. It is not past because He let It not be unremembered.
- forget [fərɡét] : 「忘れる、見落とす」
- past [pǽst] : 「過ぎた、過ぎ去った、過去の」
- unremembered [ʌnrimémbərd] : 「記憶されていない、想起不能の」
❖ "This is the Cause ~ "「これは、あなたが忘れていたとしても、ホーリー・スピリットがあなたの代わりに覚えている原因なのである」。あなたが神を忘れていたとしても、あらゆる存在の原因となっている究極の原因、すなわち神を、ホーリー・スピリットはあなたに代わって、記憶していてくれるのだ。"It is not past because ~ "「ホーリー・スピリットが、原因(神)を忘れるようなことをさせないので、その原因は過ぎ去ってはいない」。神は過ぎ去った記憶ではない。今、この瞬間、あなたの心に生きている、実に生々しい実体なのだ。その神の存在を、あなたの心の中に保持してくれたのが、ホーリー・スピリットなのである。決して、あなた一人の業(わざ)ではない。
It has never changed, because there never was a time in which He did not keep It safely in your mind.
- change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換す」
- safely [séifli] : 「安全に、支障なく、無事に」
❖ "It has never ~ "「神という原因は変化しない」。時間の存在しない、永遠不変の実相世界に住む神という原因が、この世界のように変化流動するわけがない。"because there never ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットがあなたの心の中に神という原因を安全に保持できないような時間など存在しなかったからだ」。
Its consequences will indeed seem new, because you thought that you remembered not their Cause.
- consequence [kɑ́nsəkwèns] : 「結果、結論、結末、成り行き、帰結」
- indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
- thought [θɔ́ːt] : 「think の過去・過去分詞形」
❖ "Its consequences ~ "「その結果というものは、実に、真新しく見えるだろう」。"because you thought ~ "「なぜなら、あなたは、それらの原因(神)を覚えていないと思っていたからだ」。あなたは、神の存在を覚えていないと思い、神なしで生きてきた。しかし、神という第一原因を思い出して、その結果である実相的存在に気付いた今、それらがあまりにも真新しく新鮮に見えるのだ。
Yet was It never absent from your mind, for it was not your Father's Will that He be unremembered by His Son.
- be absent from : 「〜を欠席している、〜に不在である」
- will [wíl] : 「意志、願望、意欲」
❖ "Yet was It never ~ "「しかし、原因があなたの心に不在であったことは決してなかったのだ」。あなたの心の中に、神が不在であったことはない。神は常にあなたと共にいた。ホーリー・スピリットが、あなたと神の間に立って、神とのチャンネルをちゃんと維持してくれていたのである。"for it was not your ~ "「なぜなら、神が神の子に思い出されないことなど、神の意思ではないからだ」。その意思をもって、神はホーリー・スピリットをあなたに遣わしたのだ。神は、決してあなたを忘れたことなどない。神は、あなたを見捨てたことなどないのである。