●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-27.VI.5:1 ~ T-27.VI.6:11

5. The miracle makes no distinctions in the names by which sin's witnesses are called.
  • distinction [distíŋkʃən] : 「区別、識別、差別、差異、違い」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、証拠、証言」
  • call [kɔ́ːl] : 「〜を叫ぶ、〜を…と名付ける」
❖ "The miracle makes ~ "「奇跡は、罪の(存在を)証言するためにそう呼ばれる名前に、区別をつけない」。"sin's witnesses"「罪の証言」とは、幻想の存在を是とする証言のことで、たとえば、肉体は罪深いから死を逃れられないとか、肉体感覚は対象の実在性を示しているとか、罪の意識や様々な感覚をもっている肉体自体こそが実在だ、などといったもののこと。それを呼ぶための名前とは、たとえば、目に対する色、耳に対する音、触覚、悲しみ、痛み、苦、絶望、死、等々の名前のこと。ヒーリングに代表される奇跡は、それらの名前が異なっていても、内容はすべて同一だと見抜いている。



It merely proves that what they represent has no effects. And this it proves because its own effects have come to take their place.
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • prove [prúːv] : 「証明する、〜となる、〜であると分かる」
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • take one's place : 「〜と交代する、〜の後がまに座る、地位を占める」
❖ "It merely proves that ~ "「奇跡は、単に、異なった名前が表しているこは、何の影響もあたえていないとわかっている」。罪や肉体を代表する数々の幻想は、名前こそ異なっていても、結果的にどれも幻想という枠組みからはみ出すことは出来ないのだと、奇跡は知っている。幻想の名前が、その結果に差異を生み出すことはない。夜見る夢の中で、種々雑多、様々な出来事に出会うだろうが、『すべて夢だった』という一言でくくれることと同じである。見た夢の結果が、現実の生活に結果を残すこともない。結果を残すことがないということで、結果に差異は生まれないのである。



It matters not the name by which you called your suffering. It is no longer there.
  • matter [mǽtər] : 「重要である、問題である」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
  • no longer : 「もはや〜でない」
❖ "It matters not the name ~ "「あなたが、あなたの苦しみに対して用いる名前は、重要ではない」。あなたが幻想に対して、それを苦しみと呼ぼうが、快楽と呼ぼうが、痛みと言おうが、絶望と言おうが、そんな呼び名が重要なのではない。名前には、意味などないのだ。幻想は幻想として、すべて同じなのだから。



The One Who brings the miracle perceives them all as one, and called by name of fear.
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "The One Who brings ~ "「奇跡をもたらしてくれる唯一者(ホーリー・スピリット)は、それらをすべて一つのものとして知覚し、恐れという名で呼んでいる」。いろんな名前で呼ばれる幻想であるが、あらゆる幻想の根源には罪の意識があり、神の罰への恐れが隠されている。だから、ホーリー・スピリットは、罪と肉体に代表されるさまざまな幻想を、単一のものと知覚しているのだ。その幻想の根源に恐れが隠されていることも、ちゃんと知っている。蛇足になるが、恐れが爆発すると怒りに変わる。だから、怒りで荒れ狂っている者は、実は、非常に恐れているのだ。小心者ほど、よく吠えるのである。



As fear is witness unto death, so is the miracle the witness unto life.
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • life [láif] : 「命、人命、生命、寿命」
❖ "As fear is witness ~ "「恐れが死を証言しているように、」"so is the miracle ~ "「奇跡は命を証言している」。神を裏切ってしまったという罪悪感と、神が罰するに違いないという恐怖が、幻想の肉体を偽創造した。したがって、エゴの思考システムに従う限り、罪深い肉体は攻撃の対象となり、攻撃され得る肉体は死をもって終わることになる。だから、恐れは死の証言者なのだ。恐れを抱いた肉体は、死から逃れられないのである。反して、奇跡は、罪も罰も幻想であり、思い込みに過ぎず、罪と罰の恐れが偽創造した肉体も幻想に過ぎないと教えてくれる。幻想を幻想として認識し、受け流して赦すとき、幻想はすべて消滅して、死さえも消滅してしまうのだ。その消滅後には、永遠不変の命が復活するのである。したがって、奇跡は命の証言者なのだ。



It is a witness no one can deny, for it is the effects of life it brings.
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
❖ "It is a witness ~ "「奇跡が命を証明するその証言は、誰も否定できない証言である」。"for it is the effects ~ "「なぜなら、奇跡の証言は、奇跡がもたらす命という結果なのだから」。ここは、逆に考えた方が、解釈しやすいだろう。つまり、「なぜなら、命は、奇跡がもたらす証言の結果なのだから」。ここは、あまり、重箱の隅をつつかない方がいいだろう。奇跡が、幻想の罪や恐れや、肉体や死を消滅させて、その結果、真実の命が生み出されるのだ、ということを理解すれば十分だ。



The dying live, the dead arise, and pain has vanished. Yet a miracle speaks not but for itself, but what it represents.
  • dying [dáiiŋ] : 「死にかけている、臨終の、消苦痛、骨折り、苦労えかけている、絶滅しかけている」
  • dead [déd] : 「死んでいる、生命のない、終わってる」
  • arise [əráiz] : 「起きる、起床する」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、苦痛、骨折り、苦労」
  • vanish [vǽniʃ] : 「突然見えなくなる、消える、消えてなくなる」
  • speak for : 「の代弁をする、〜を要求する、〜をかばう」
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する」
❖ "The dying live, the dead ~ "「死にゆく者は生き、死んだ者は起き上がり、痛みは消滅する」。奇跡が命を復活させたのだ。"Yet a miracle speaks ~ "「しかし、奇跡は、奇跡自体を語るのではなく、奇跡が表すことを代わって語るのだ」。解釈が難しい。奇跡は、奇跡が起こったこと自体が重要なのではなく、奇跡によって何が起きたのか、その結果が重要なのだ。奇跡は、奇跡のためにあるのではない。奇跡は、命を復活させるためにあるのだ。だから、たとえば、もし誰かが想念を物質化して、手のひらにリンゴを出現させたとしよう。周りの者たちは、奇跡が起きたと驚き、その奇跡を大いに称賛するだろう。しかし、それは愚かなことだ、と言っているのである。リンゴを出現させることは魔術でも奇術でも出来ることであって、奇跡は、その表す結果が大切なのだ、ということを忘れているのだ。奇跡によってリンゴが出現したして、さて、どこに命が復活しただろうか? その奇跡が、命の復活を表さない限り、それは奇跡ではない。イエスの復活は、それを教えているのである。イエスの亡骸(なきがら)が、リンゴに変わったのでは意味がないのだ。



6. Love, too, has symbols in a world of sin. The miracle forgives because it stands for what is past forgiveness and is true.
  • symbol [símbl] : 「象徴、記号、シンボル、表象」
  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
  • stand for : 「〜を表す、〜を支持する」
  • past [pǽst] : 「過ぎ去った、過去の、これまでの」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "Love, too, has symbols ~ "「愛もまた、罪のこの世界に象徴をもっている」。愛を表すヒーリングであり、奇跡であり、赦しである。"The miracle forgives ~ "「奇跡は、赦すのである」。赦しが奇跡を生み出すのだ。"because it stands for ~ "「なぜなら、奇跡は、赦しを通り越したところにあるもの、真実であるものを象徴しているからだ」。"what is past forgiveness and is true"「赦しを通り越したところにある真実なるもの」とは、もちろん、愛である。奇跡は、愛の象徴なのだ。愛なくして奇跡はない。奇跡は、愛の化身である。そして、赦しなくして奇跡はない。奇跡は、赦しの化身なのだ。ところで、ヒーリングも含めて、奇跡、愛、赦し、と様々登場したが、本当は、どれがどれの象徴で、どれがどれの上位にあるか、下位にあるか、などと問うことは意味がない。実相世界は一元論世界であり、すべてが一なるものに収斂する。ヒーリングも、奇跡も、愛も、赦しも、実相世界では、みな同一である。真実という名のもとに、すべて同じなのだ。その単一の真実が、分離を象徴する二元論世界のこの世界に現れたとき、それは時にヒーリングとなり、時に奇跡と呼ばれ、時に愛の化身となり、時に赦された、と表現しているだけなのである。



How foolish and insane it is to think a miracle is bound by laws that it came solely to undo!
  • foolish [fúːliʃ] : 「ばかばかしい、思慮のない、愚かな、ばかげた」
  • insane [inséin] : 「正気でない、精神障害の、非常識な」
  • bound [báund] : 「縛られた、束縛された」
  • be bound by : 「〜に制約される、〜に縛られる」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
  • solely [sóulli] : 「もっぱら、ただ一人で、一人だけ、単に」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
❖ "How foolish and insane ~ "「奇跡は、奇跡がただただ取り消すためにやって来たという法に縛られていると考えることは、なんとも愚かで、なんとも正気の沙汰ではない」。奇跡は、誤りを正して取り消してくれる。罪に対しても、それが幻想であると正しく認識して受け入れ、赦すとき、その奇跡の赦しは、罪という幻想を取り消しにして、消滅させてしまうのだ。確かに、奇跡は幻想を取り消しにするという法に従っている。しかし、奇跡は単に、その取り消しの法だけに縛られているのではないのだ。取り消しが消滅の法ならば、奇跡は、生み出す法もまたもっている。真実を生み出す法である。奇跡は、幻想を消滅させると同時に、真実を生み出すのだ。愛、喜び、美、安らぎ、真理、等々の、実相世界の真実を生み出すのである。



The laws of sin have different witnesses with different strengths. And they attest to different sufferings.
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
  • attest [ətést] : 「証言する、証明する」
  • attest to : 「証拠立てる、証言する、証明する、立証する」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
❖ "The laws of sin have ~ "「罪の法は、(奇跡の法とは)異なった力をもつ、異なった証言をもっている」。"And they attest ~ "「そして、罪の法は、異なった苦しみを証言する」。罪の法とは、たとえば、罪は実在で、罪を背負った肉体は本来汚れており、恥ずべきものであって、それは攻撃の対象であり、最終的に死を迎える、というもの。奇跡がプラスの力、陽の力を持っているとすれば、罪の法はマイナスの力、陰の力を持っている。本当は、実相的には、罪の法は力を持ち得ないが、幻想世界にあっては、幻想の力を持つのである。そして、奇跡が、愛や喜びや安らぎを証言者に持つように、それとはまったく異なった、恐れ、悲しみ、苦しみ、攻撃性、怒り、嫉妬、痛み、死、等々の証言者を持つ。その証言者達が証言することは、罪は苦しみを呼び、この世界で生きることは苦であり、死を持って完了する、というものである。



Yet to the One Who sends forth miracles to bless the world, a tiny stab of pain, a little worldly pleasure, and the throes of death itself are but a single sound; a call for healing, and a plaintive cry for help within a world of misery.
  • send forth [fɔ́ːrθ] : 「送り出す、発行する、派遣する」
  • bless [blés] : 「祝福する、〜を神聖にする、清める」
  • tiny [táini] : 「とても小さい、ちっぽけな、極めて小さな」
  • stab [stǽb] : 「突き刺すこと、刺し傷、突き傷、刺すような痛み」
  • worldly [wə́ːrldli] : 「この世の、現世の」
  • pleasure [pléʒər] : 「喜び、楽しみ、快楽、楽しいこと、好み」
  • throe [θróu] : 「激痛」
  • single [síŋgl] : 「ただ一つの、たった一つの、たった一人の」
  • sound [sáund] : 「音、音声」
  • call [kɔ́ːl] : 「叫び、叫び声」 healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • plaintive [pléintiv] : 「悲しげな、物悲しい、哀調を帯びた」
  • cry [krái] : 「叫び声、わめき声、泣き声」
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側に」
  • misery [mízəri] : 「悲惨、不幸、苦痛、惨めさ」
❖ "Yet to the One Who ~ "「しかし、この世界を祝福するために、奇跡をもたらしてくれる唯一者(ホーリー・スピリット)にとっては、小さな刺し傷の痛み、ちょっとした世俗的な楽しみ、死の激しい痛み、等々は、ただ一つの叫びとして聞こえるのである」。つまり、"a call for healing, and ~ "「それは、ヒーリングを求める呼び声、悲惨な世界の中にあって助けを求める悲痛な叫びなのである」。罪の証言者達は、百人百様の訴えをするだろうが、その根底には癒しを求め、助けを求める声が隠されている。愛の奇跡を求める声である。そのかすかな声を、唯一者であるホーリー・スピリットは聞き漏らすことはない。蛇足にあるが、"the One"「唯一者、単一者」を、ここではホーリー・スピリットと解したが、もちろん、神そのものでもよい。あるいは、キリスト考えてもいい。実相世界は一元論の世界であり、すべてが単一なるものに収斂するので、現実には、神とホーリー・スピリットとキリストは癒合して単一である。三者を混同してもかまわないのだ。二元論に分離したこの幻想世界にあっては、便宜的に三者を別々の名前で呼んでいるだけだと思えばいい。あるいは、神が変幻自在に姿を変え、あるときはホーリー・スピリットに、あるときはキリストに変身していると考えても誤りではない。



It is their sameness that the miracle attests. It is their sameness that it proves.
  • sameness [séimnis] : 「同一性、類似、酷似、単調」
  • prove [prúːv] : 「証明する、〜となる」
❖ "It is their sameness ~ "「奇跡が証言していることは、罪の証言者達の訴えがみな同一である、ということだ」。"It is their sameness ~ "意訳する、「苦からの救いを求める叫び声、それが、奇跡が証明する(罪の証言の)同一性である」。だから、罪の存在を信じて苦しむ者は、みな一様に、奇跡のヒーリングで救われるのである。幻想から目覚めさせ、愛を生み出してやること、それがヒーリングであり、これによって、罪の意識で苦しむ人たちは一様に救われるのだ。



The laws that call them different are dissolved, and shown as powerless.
  • dissolve [dizɑ́lv] : 「溶解させる、分解する、解消する」
  • shown [ʃóun] : 「show の過去分詞」
  • powerless [páuərlis] : 「効果がない、無能な、力のない」
❖ "The laws that call ~ "意訳する、「罪の諸形態を異なった名前で呼ぶ罪の法は、溶解し、力なきものになってしまう」。それは痛みだ、これは怒りだと、異なった名前で呼ぶが、すべては罪の意識が生み出した幻想である。これが、罪の法。その法が、奇跡のヒーリングよって融けていき、力を失って行くのである。



The purpose of a miracle is to accomplish this. And God Himself has guaranteed the strength of miracles for what they witness to.
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • accomplish [əkάmpliʃ] : 「成し遂げる、成就する、達成する」
  • guarantee [ɡæ̀rəntíː] : 「保証する、請け合う、約束する」
❖ "The purpose of ~ "「これを成し遂げることが、奇跡の目的である」。罪の法を消滅させること、それが奇跡の目的。"And God Himself ~ "意訳する、「そして、神自身は、奇跡が、それを証言する力をもっているのだと、ずっと保証してくれているのだ」。奇跡のヒーリングが、罪を消滅させるパワーをもっていることを、神は保証している。奇跡のもつパワー、ヒーリングのもつパワーは、とりもなおさず、神のパワーにほかならない、という意味合いである。
 
 
 


T-27.VI.3:1 ~ T-27.VI.4:9

3. This body, purposeless within itself, holds all your memories and all your hopes.
  • purposeless [pə́ːrpəslis] : 「目的のない、無益な」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • memory [méməri] : 「思い出、出来事、記憶、記憶力」
  • hope [hóup] : 「希望、望み、願い」
❖ "This body, purposeless ~ "「それ自体の中に、目的性をもたないこの肉体は、あらゆるあなたの思い出、あらゆるあなたの望みを保持しいている」。肉体は器であり道具であって、それ自体が目的をもっているわけではない。器であるので、あなたの思い出や数々の記憶を肉体の頭脳に蓄えておくことが出来、また将来的な希望の数々も記憶に留めておくことが出来る。ただし、記憶したものを現実化し実現するのは肉体ではない。あくまでも、肉体は器であって、それ自体として、目的性をもっているわけではない。



You use its eyes to see, its ears to hear, and let it tell you what it is it feels. It does not know.
  • hear [híər] : 「〜を聞く、聴く、〜が聞こえる」
  • tell [tél] : 「〜に話す、言う、告げる、教える、伝える」
  • feel [fíːl] : 「〜を感じる、感知する」
❖ "You use its eyes ~ "「あなたは、見るために肉体の目を使い、聞くために肉体の耳を使い、」"and let it tell you ~ "「肉体が何を感じるか、あなたは肉体に語らせている」。いわゆる、肉体は感覚器官として働いている。しかし、"It does not ~ "「肉体は何も知らない」。見たこと、聞いたこと、感じたことを、肉体はあなたに伝えるのだが、それが何であるか、それを判断するのは肉体ではない。肉体は感知した情報を伝えるが、その情報の処理を行うわけではないのだ。



It tells you but the names you gave to it to use, when you call forth the witnesses to its reality.
  • gave [géiv] : 「give の過去形」
  • call forth : 「〜を生じさせる、〜を引き出す、呼び起こす」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、証拠、証言」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
❖ "It tells you but ~ "「あなたが〜するとき、肉体は、あなたが利用するためにそれに与えた名前を告げるだけである」。"when you call ~ "「あなたが、肉体の実在性を示す証言を呼び起こそうとするとき、」肉体は、あなたが利用するためにそれに与えた名前を告げるだけである。ここは、逆に考えた方がいいだろう。あなたは肉体が感じたことに一つ一つ名前を付けている。目が見たものを『赤い夕焼け』とか『青い空』と名付け、耳が聞いたものを『川の音』とか『風の音』と名付け、肌が感じた感覚を『痛み』とか『かゆみ』と名付けるのだ。そこで、肉体が感知した生のままの情報をあなたが受けとると、あなたはその情報を判断して名前に置き換えるのである。『今感じたこの感覚は背中の痛みである』という具合だ。するとそこに、あたかも痛みが存在して、痛みを感じる肉体も同時に存在するかのように思い込んでしまうのである。つまり、痛みの実在性と肉体の実在性を確信してしまうのだ。したがって、肉体はあなたに、感知したものの名前、あなたが名付けた名前を伝えているだけであり(It tells you but the names you gave to it to use)、名前を受け取ったあなたは、その名前が実在性を呼び出してくれる証言者だと思い込むのだ(you call forth the witnesses to its reality)。



You cannot choose among them which are real, for any one you choose is like the rest.
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • among [əmʌ́ŋ] : 「〜の間に、〜のうちで」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物」
  • like [láik] : 「似ている、類似の、類似した、同様の」
  • rest [rést] : 「残り、残っているもの、残りの部分、残余」
❖ "You cannot choose ~ "「あなたは、名前のうちのどれが実在なのか、選択することは出来ない」。"for any one you ~ "「なぜなら、あなたがどれを選んでも、残りのものと似たり寄ったりだからだ」。あなたは、名前を付けたものをすべて実在だと思い込んでいる。だから、どれが本当に実在し、どれが実在ではないか、選択のしようがないのだ。どれもこれも、実在すると思い込んでいる点で、似たり寄ったりなのである。したがって、あなたが見た『青』を、あなたが『赤』だと名付ければ、つまり、そう思い込めば、あなたにとって青は赤になるのだ。『苦痛』と名付けたものを、あなたが『快楽』という名前に置き換えれば、あなたにとって苦痛は快楽になる。だから、はたして目にしている青が実在なのか赤が実在なのか、感じている苦痛が実在なのか快楽が実在なのか、あなたは選択できないのだ。どちらも、あなたにとっては似たり寄ったりなのである。だから、肉体が名前を付けてあなたに提示するものは、結局、幻想に過ぎないのである。実在しないものに名前を付けて、あたかも実在しているかのように思っているだけであって、だから、名前の付け方次第で、どうにでも変化するものなのだ。



This name or that, but nothing more, you choose. You do not make a witness true because you called him by truth's name.
  • make [SVOC] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "This name or ~ "「この名前もあの名前も、あなたが選択したもの、それ以上ではない」。あなたが名前を選択しただけであって、それが実在だという証拠ではない。"You do not make ~ "「あなたが本当の名前を呼んだのだという理由で、その証言を真実にすることは出来ないのだ」。たとえば、あなたが痛みを感じ、その痛みに対して本当の名前の『痛み』と呼んだとしても、その痛みが真実かどうか、実在かどうか決定出来ないのだ。卑近な例になるが、催眠術を思い出そう。催眠者は、腕に犬を抱いているのだと暗示を掛けられれば、現実に犬を抱いている自分と、その犬を、まざまざと見るのである。また、ヒステリー患者は、器質的な欠陥がないにもかかわらず、全身に強烈な痛みを走らせることがある。痛みに耐えかねて失神することもあるくらいだ。あるいは、催眠者に、氷を炎だと暗示すれば、氷を腕に当てれば、その瞬間、催眠者は強烈な熱さを感じ、その腕が火傷を起こすことがある。ならば、火傷を起こした炎はどこに実在するのか? 幻想が実在性を作り出しているのだ。あると思えばあり、ないと思えばない。実在があって、我々が実在を観察しているのではない。観察している我々が、実在を作り出しているのだ。ならば、その実在とは何か? 幻想である。



The truth is found in him if it is truth he represents. And otherwise he lies, if you should call him by the holy Name of God Himself.
  • found [fáund] : 「find の過去・過去分詞形」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する」
  • otherwise [ʌ́ðərwàiz] : 「さもなければ、そうでなければ」
  • lie [lái] : 「うそをつく、ごまかす」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
❖ "The truth is found ~ "「もし、表そうとしているものが真実なら、真実は彼の中に見い出せる」。真実は、したがって、肉体による客観的な観察で知ることは出来ないのだ。主体であるその人が、主観的に真実を信じているなら、その人の心の中にこそ、真実は見い出せるのである。あなたが、心から、真実を知りたいと願うとき、あなたの心が真実になるのだ。それ以外の場所に、真実は存在し得ない。"And otherwise ~ "「そうでなかったら、たとえあなたが彼を、神自身の神聖な名前で彼を呼ぼうが、彼は嘘をついているのである」。心に真実を求めることのない者に対して、どんなに神聖な名前で呼ぼうが、たとえ神だと呼んだとしても、そんな者に真実を見い出すことは出来ない。真実がない場所に、真実を見い出すことは原理的に不可能だからだ。そんな彼が、自分こそ真実だと主張するなら、彼は嘘つきである。



4. God's Witness sees no witnesses against the body. Neither does He harken to the witnesses by other names that speak in other ways for its reality.
  • witness against : 「〜に不利な証言」
  • neither [níːðər] : 「〜もまた…ない」
  • harken [hɑ́ːrkn] = hearken [hɑ́ːrkn] : 「耳を傾ける、よく聞く、傾聴する」
  • other [ʌ́ðər] : 「ほかの、そのほかの、残りの、もう一方の」
  • speak [spíːk] : 「話す、口を開く」
  • way [wéi] : 「方法、やり方、手段、方途、様式」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
❖ "God's Witness sees ~ "「神の証人は、肉体に不利な証言をする証人が見えない」。解釈が難しい。"God's Witness"「神の証人」とは、ホーリー・スピリットのこと、と考えていいだろう。"witnesses against the body"「肉体に不利な証言をする証人」とは、肉体の実在性を否定する証言者という意味ではなく、肉体は罪深いものであって、攻撃して余りあると証言するエゴのこと、あるいはエゴに支配された者のこと。したがって、本文は、「神の証人であるホーリー・スピリットは、肉体は罪深く攻撃して余りあると証言するエゴやエゴの信奉者の存在に目を向けることはない」といった意味合いである。"Neither does He harken ~ "「またホーリー・スピリットは、肉体の実在性について違った見方で話す、違った名前の証人による証言に耳を傾けることはない」。これも前文同様、エゴについて語っている。肉体は実在であり、罪があり攻撃対象であるとする、あなたの見方とは異なる見方で肉体の実在性を主張する、あなたと異なった名前のエゴの発言に、ホーリー・スピリットは耳を貸さない、という意味合い。



He knows it is not real. For nothing could contain what you believe it holds within.
  • contain [kəntéin] : 「〜を含む、包含する、収容できる」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
❖ "He knows it ~ "「ホーリー・スピリットは、肉体は実在しないと知っている」。"For nothing could ~ "「なぜなら、何ものも、肉体がその中に保持しているとあなたが信じているものを包含することは出来ないからだ」。エゴやあなたは、肉体は、痛みや快楽を持ち、罪さえも内部に抱え込んでいると信じているが、痛みや快楽や罪をその内部に持ち得るものなど、実相的に存在し得ない。つまり、痛みや快楽や罪といった幻想を、あたかも実在のようにその中に含むようなものは、単なる幻想だけであって、したがって、肉体は幻想なのだ、ということ。



Nor could it tell a part of God Himself what it should feel and what its function is.
  • tell [tél] : 「〜に話す、言う、告げる、教える、伝え」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • feel [fíːl] : 「〜を感じる、感知する」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き」
❖ "Nor could it tell a part of ~ "「また、肉体は、神自身の一部である者に対して、肉体は何を感じるべきかとか、肉体の役割は何なのか、などと語ることは出来ない」。ここは主語が"it"「肉体」となっているが、肉体の実在性を信奉するエゴ、と考えれば、解釈しやすいだろう。つまり、「罪ある肉体の実在性を信じるエゴは、神の一部である神の子に対して、肉体は罪や痛みを感じるべきだとか、肉体の役割は攻撃することだなどと、命令することは出来ない」という意味合い。命令することは出来ないにもかかわらず、エゴはそう命令している。しかも、そんな不当な命令に、あなたは従っているである。だから、あなたはエゴに支配されているのだ。エゴの思考システムに毒されているのだ。



Yet must He love whatever you hold dear. And for each witness to the body's death He sends a witness to your life in Him Who knows no death.
  • whatever [hwʌtévər] : 「〜するのは何でも」
  • dear [díər] : 「親愛な、いとしい、かわいい、敬愛する、大切な」
  • hold dear : 「大切にする」
  • send [sénd] : 「送る、発送する、届ける」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
❖ "Yet must He love ~ "「しかし、神は、あなたが大切にするものを愛さずにはいられないのである」。神は、神の子であるあなたの自由意思を第一に重んじている。あなたが幻想の肉体を大切に思っている限りは、神もまた、それを重んずる。だから、"And for each witness ~ "「肉体の死を証言する者たち一人一人に、神は、死は存在しないと知っている神の中にあなたの命が存在することを証言する証言者(であるホーリー・スピリット)を送り込んでいるのだ」。エゴの思考システムを信じて、罪ある肉体は死をもって終焉するとする神の子に対して、神はホーリー・スピリットを遣わして、神の子の永遠の命は神と共にある、あるいは、神の心の中に神の子の命はあるというメッセージを伝えるのだ。だから、幻想である肉体が死を迎えても、神の中に共にいる神の子の真実の命は永遠に不滅なのだ。だからこそ、神の子は神と共にいなければならないのである。神と分離して存在していては、理にかなわないのだ。



Each miracle He brings is witness that the body is not real. Its pains and pleasures does He heal alike, for all sin's witnesses do His replace.
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛、苦痛、骨折り、苦労」
  • pleasure [pléʒər] : 「喜び、楽しみ、快楽、楽しいこと、好み」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • alike [əláik] : 「同様に、一様に」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • replace [ripléis] : 「〜を取り換える、交換する、差し替える」
❖ "Each miracle He brings ~ "「神のもたらす奇跡の一つ一つは、肉体が実在するものではないという証言である」。たとえば、イエスは磔刑から復活するという奇跡を起こした。あるいは、復活という奇跡を神から与えられた。それは、あくまでも肉体は実在しないという証拠であり、キリスト教徒が信じているような、肉体の復活ではない。肉体は幻想として消滅し、イエスは命として復活したのだ。それを凡夫の我々に理解出来るように、わざわざ、生前の肉体という幻想をまとって復活しただけの話である。肉体という着ぐるみを着て現れたのだ。着ぐるみに意味がないように、イエスの肉体に意味あるわけではない。あくまでも、命の復活に意味があるのだ。"Its pains and pleasures ~ "「神は、肉体の苦痛も快楽も共に癒してくれる」。"for all sin's witnesses ~ "意訳する、「なぜなら、肉体に罪があるという証言のすべては、肉体は幻想であるとする神の証言に置き換わったからだ」。神は、肉体の苦痛や快楽、病や傷を、それを癒す目的でヒーリングの奇跡を起こしているのではない。肉体は幻想に過ぎないという真実を肉体に証言して見せることが奇跡なのだ。幻想に過ぎないと知った肉体は、同時に、幻想に過ぎない苦痛や快楽や、病や傷を消滅させるだけなのだ。幻想の肉体が、苦痛や快楽や、病や傷を放棄しただけなのだ。だが、同時に、心は命を得て、命が復活するのである。それが、真実の奇跡であり、真実の復活である。
 
 
 


T-27.VI.1:1 ~ T-27.VI.2:11

 
 
VI. The Witnesses to Sin
罪の証言
 
 
1. Pain demonstrates the body must be real. It is a loud, obscuring voice whose shrieks would silence what the Holy Spirit says, and keep His words from your awareness.
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛、苦痛、骨折り、苦労」
  • demonstrate [démənstrèit] : 「論証する、実証する、明らかにする」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • loud [láud] : 「大きい、騒々しい、派手な」
  • obscure [əbskjúər] : 「分かりにくくする、見えなくする、覆い隠す」
  • shriek [ʃríːk] : 「甲高い声、金切り声、悲鳴」
  • silence [sáiləns] : 「静める、黙らせる、沈黙させる」
  • awareness [əwέərnis] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
❖ "Pain demonstrates ~ "「苦痛は、肉体が実在するに違いないと実証している」。"It is a loud ~ "「それは、大きな、しかし曖昧な声であり、」"whose shrieks would ~ "「その悲鳴は、ホーリー・スピリットの話すことをかき消し、ホーリー・スピリットの言葉が意識に登らないようにしている」。幻想の肉体が発する苦痛の叫びは、実相のホーリー・スピリットの声をかき消して、あなたの耳に届くことはない。肉体が感ずる感覚によって、真実が隠されているのだ。



Pain compels attention, drawing it away from Him and focusing upon itself.
  • compel [kəmpél] : 「〜に強制的に〜させる、強要する、強いる」
  • attention [əténʃən] : 「注意、留意、注目」
  • draw [drɔ́ː] : 「 〜を引く、引き込む」
  • away from : 「〜から離れて」
  • focus [fóukəs] upon : 「〜に焦点を合わせる、〜に集中する」
❖ "Pain compels ~ "「苦痛は、嫌が上でも注意を引き、」"drawing it away from ~ "「その注意をホーリー・スピリットから引き離して、苦痛自体に向けさせる」。肉体的な痛みを感じるあなたは、痛みだけに集中して、ホーリー・スピリットの声に注意を向けることはない。



Its purpose is the same as pleasure, for they both are means to make the body real.
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • pleasure [pléʒər] : 「喜び、楽しみ、快楽、楽しいこと、好み」
  • both [bóuθ] : 「両方ともに、双方ともに」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • make [SVOC] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
❖ "Its purpose is ~ "「苦痛の目的は、快楽の目的と同一である」。"for they both ~ "「なぜなら、共に、肉体を実在するものとする手段だからだ」。肉体が痛みを感じたり、肉体が気持ちよさを感じたりすることは、肉体が実際に存在し、現実な物であることを示すための道具になっている。



What shares a common purpose is the same. This is the law of purpose, which unites all those who share in it within itself.
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • common [kάmən] : 「共通の、共有の、公共の、公衆の、公の」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
  • unite [junáit] : 「〜を結合させる、一つにする、結び付ける」
❖ "What shares a common ~ "「共通の目的を分かち合うものは、同一なのだ」。だから、苦痛と快楽は同じものである。"This is the law of ~ "「これは、目的の法である」。目的が同一であるものは、見かけが異なっていても同一である、ということが目的の法。"which unites all ~ "「その法は、目的を目的自体の中で分かち合う者達をすべて結びつけているのだ」。"share in it within itself"「目的を目的自体の中で分かち合う」とは、分かち合う内容が目的だけであって、その他のものを分かち合っているわけではいない、ということ。



Pleasure and pain are equally unreal, because their purpose cannot be achieved.
  • equally [íːkwəli] : 「等しく、同様に、一様に、均一に」
  • unreal [ʌnríəl] : 「実在しない、非現実的な、実存しない、虚偽の」
  • achieve [ətʃíːv] : 「成し遂げる、達成する、成就する」
❖ "Pleasure and pain ~ "「快楽と苦痛は、等しく、実在ではない」。"because their purpose ~ "「なぜなら、それらの目的は達成されることはないからだ」。快楽も苦痛も、その目的は、肉体が現実に実在することを証明することである。しかし、肉体は実在するものではなく、単なる幻想だから、快楽や苦痛の目的は決して達成されることはない。幻想を実在と証明することを目的とする快楽も苦痛も、その根底が幻想であるから、それ自体も幻想に過ぎないのだ。



Thus are they means for nothing, for they have a goal without a meaning.
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、目的、意図」
❖ "Thus are they means ~ "「こうして、快楽も苦痛も、無のための道具ということになる」。"for they have a ~ "「なぜなら、それらは、意味のない目的をもっているからだ」。幻想を実相に変えるという、不可能を目的とすることは、まったく意味のないことである。快楽も苦痛も、意味のない目的である無のために使われる道具に過ぎないのだ。



And they share the lack of meaning which their purpose has.
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
❖ "And they share ~ "「つまり、快楽と苦痛は、それらの目的がもっている意味の欠如を分かち合っているのである」。快楽も苦痛も、その目的は意味がない。その意味のなさを、快楽と苦痛は分かち合っているわけだ。



2. Sin shifts from pain to pleasure, and again to pain. For either witness is the same, and carries but one message:
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • shift [ʃíft] : 「変わる、移る、転換する」
  • either [íːðər] : 「どちらの〜でも、どちらの〜も」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
  • carry [kǽri] : 「〜を運ぶ、〜を持ち運ぶ、〜を伝える」
  • message [mésidʒ] : 「伝言、メッセージ、通報」
❖ "Sin shifts from ~ "「罪は、苦痛から快楽にシフトし、再び苦痛に戻る」。神の子が神から分離し、神を裏切ってしまったという罪の意識と、神から罰せられるであろうという恐れの二つに耐えかねて、神の子は自己を乖離し、本来の自分とは異質の仮の自分を作り上げた。それが、エゴの支配する肉体である。したがって、肉体は罪の象徴なのだ。だから、本文は『罪』を『肉体』に置き換えて、「肉体は、苦痛から快楽にシフトし、再び苦痛に戻る」と読み替えていい。"For either witness ~ "「なぜなら、どちらの証言者も同一だからであり、一つのメッセージを伝えているだけだからだ」。苦痛も快楽も、肉体の実在性を証言する証言者であり、見かけは反対だが、内容は同一である。"one message"「一つのメッセージ」とは、次の文に続くのだが、一言で言えば、もちろん、肉体は実在である、ということ。



"You are here, within this body, and you can be hurt. You can have pleasure, too, but only at the cost of pain. "
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
  • hurt [hə́ːrt] : 「痛む、苦しい、傷つく」
  • at the cost [kɔ́st] of : 「〜を費やして、〜を犠牲にして」
❖ ここからが、苦痛と快楽の伝える一つのメッセージ。""You are here, within ~ ""「『あなたは、ここ、この肉体の中に存在しており、傷つく可能性をもっている。あなたは、快楽を持ち得るが、それは苦痛を支払って得られるものなのだ』」。



These witnesses are joined by many more. Each one seems different because it has a different name, and so it seems to answer to a different sound.
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
  • join [dʒɔ́in] : 「〜に加わる、〜と一緒になる、結合する、連結する」
  • many more : 「さらに多くの」
  • seem [síːm] : 「〜のように見える、〜するように思われる」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • answer [ǽnsər] : 「答える、返事する」
  • sound [sáund] : 「音、音声」
❖ "These witnesses ~ "「こういった証言には、より多くの証言が加わる」。先の一つのメッセージに限らず、肉体の実在性を証言する数多くの証言が存在する。"Each one seems ~ "「その一つ一つは、異なって見えるかもしれない」。"because it has ~ "「なぜなら、個々に異なる名前をもち、異なる音声に答えているかのように見えるからだ」。"to answer to a different sound"「異なる音声に対して答える」とは、異なる質問に対して、証言している、という意味合い。たとえば、肉体の快楽と苦痛だけでなく、その他の肉体の特徴を質問されると、『肉体は成長し、やがて衰えていく』とか、『肉体は生み出され、死んでいく』とかの証言がなされるわけだ。肉体を物質として科学的にとらえる医学などは、その最たるものだ。



Except for this, the witnesses of sin are all alike. Call pleasure pain, and it will hurt.
  • except [iksépt] for : 「〜を除けば、〜を別にすれば」
  • alike [əláik] : 「似ている、そっくりで」
❖ "Except for this ~ "「これを除けば、罪の存在証言は、どれも似たり寄ったりである」。証言の数の多さを除けば、肉体の存在証明、つまり、罪の存在証明は、みな本質的な部分で同じである。



Call pain a pleasure, and the pain behind the pleasure will be felt no more.
  • behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に、〜の陰」
  • felt [félt] : 「feel の過去形」
  • feel [fíːl] : 「〜を感じる、感知する」
  • no more : 「もはや〜しない」
❖ "Call pain a pleasure ~ "「苦痛を快楽と呼んでみなさい」。"and the pain behind ~ "「そうすれば、苦痛は、快楽の後ろに隠されて、もう感じられなくなるだろう」。快楽か苦痛かを決めているのは、肉体的な神経ではなく、心なのだ。心が快楽か苦痛かを選択しているのである。



Sin's witnesses but shift from name to name, as one steps forward and another back.
  • step [stép] : 「進める、歩く」
  • forward [fɔ́ːrwərd] : 「前方へ」
  • step forward : 「前に進む、前に出る」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つ、もう一人」
  • back [bǽk] : 「後方へ、後ろに、元の位置へ、戻って」
❖ "Sin's witnesses but ~ "「罪の証言は、一歩前に出るか、一歩下がるかにしたがって、名前をころころ変えているのである」。あるときは快楽、あるときは苦痛、あるときは憂鬱、あるときは怠(だる)さというように、心の気分次第で、肉体の存在証言はころころ変わる。



Yet which is foremost makes no difference. Sin's witnesses hear but the call of death.
  • foremost [fɔ́ːrmòust] : 「第一の、一番の、真っ先」
  • make no difference [dífərəns] : 「違いがない」
  • hear [híər] : 「〜を聞く、聴く、〜が聞こえる、耳にする」
  • call [kɔ́ːl] : 「呼びかけ、叫び、要求、需要」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
❖ "Yet which is foremost ~ "「しかし、どれが最初かは、違いを作り出さない」。初めに快楽があっても、初めに苦痛があっても、結果は同一である。それは、"Sin's witnesses ~ "「罪の証言者達は、死の呼び声を聞くだけなのだ」。快楽に溺れようが苦痛に沈もうが、肉体である以上、結局は、死だけが待っているというのが、罪の証言者達の一致した結論である。
 
 
 


T-27.V.10:1 ~ T-27.V.11:9

10. Leave, then, the transfer of your learning to the One Who really understands its laws, and Who will guarantee that they remain unviolated and unlimited.
  • leave [líːv] : 「〜を任せる、頼む、委ねる」
  • transfer [trænsfə́ːr] : 「移動、移転、移送」
  • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に、真に」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
  • guarantee [ɡæ̀rəntíː] : 「保証する、請け合う、約束する」
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである」
  • unviolated [ʌnváiəlèitid] : 「犯されていない、侵害されていない」
  • unlimited [ʌnlímitid] : 「制限のない、無制限の、自由な、無条件の」
❖ "Leave, then, the transfer of ~ "「そこで、学びの法を実際に理解している唯一者であるホーリー・スピリットに、あなたの学びの転移を委ねなさい」。"and Who will guarantee ~ "「そうすれば、ホーリー・スピリットは、学びの法は犯されることも制限されることもないと、保証してくれるだろう」。幻想世界に住むあなたは、数多くの幻想の問題を解決しようとして、幻想に過ぎない問題から問題へ、幻想に過ぎない学習から学習へ、幻想に過ぎない解決から解決へと転移して歩き回っているが、本質的な解決にはつながらなかった。本当の学びの転移は、幻想から実相へ転移するものでなければならない。そういう学びの法を知っているのはホーリー・スピリットであり、あなたは学びをホーリー・スピリットに委ねるべきなのだ(Leave, then, the transfer ~ )。ひとたび学びをホーリー・スピリットに委ねれば、ホーリー・スピリットは、その学びの法が決して破られることなく(unviolated)、幻想に制限されることもなく(unlimited)、確実に学びが成就すると保証してくれるのである(will guarantee)。



Your part is merely to apply what He has taught you to yourself, and He will do the rest.
  • part [pάːrt] : 「一部、部分、役割、役目」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する」
  • taught [tɔ́ːt] : 「teach の過去・過去分詞形」
  • rest [rést] : 「残り、残っているもの、残りの部分」
❖ "Your part is merely ~ "「あなたの役割は、ただ単に、ホーリー・スピリットがあなた自身に教えたことを、(実際に)適用することだけなのだ」。"and He will do ~ "「残りの仕事は、ホーリー・スピリットが片づけてくれるのである」。"what He has taught you to yourself"「ホーリー・スピリットがあなた自身に教えたこと」とは、まさに、このACIMが今あなたに教えていることと同一である。したがって、ACIMを読みながら、あなたは、ホーリー・スピリットから教えを授かり、本当の学びを実行しているのだと了解すればいい。その後のことは、ホーリー・スピリットが片づけてくれる。ACIMを学んで、それでどうなるのだろうと考える必要はない。



And it is thus the power of your learning will be proved to you by all the many different witnesses it finds.
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • power [páuər] : 「力、能力、勢力」
  • prove [prúːv] : 「証明する、〜となる、〜であると分かる」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
❖ "And it is thus the power ~ "意訳する、「あなたが学びからパワーを得られるということは、学びを通して出会った多くの異なった証言者たちによって、あなたに証明されるだろう」。ホーリー・スピリットの教えるACIMを学んでも何にもならないのではないかと心配することはない。ACIMを学んだ多くの同胞たちが証言者となって、ACIMを学ぶことで強力なパワーが身に付くと、あなたに証明してくれるだろう。



Your brother first among them will be seen, but thousands stand behind him, and beyond each one of them there are a thousand more.
  • first [fə́ːrst] : 「一番目に、一等で、初めて、最初に」
  • among [əmʌ́ŋ] : 「〜の間に、〜のうちで」
  • thousand [θáuzənd] : 「1000、1000個、1000人」
  • behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜のかなたに」
❖ "Your brother first ~ "「最初に、あなたの同胞が目に入るだろう」。あなたの一番間近の同胞が、あなたの証言者になってくれるだろう。"but thousands stand ~ "「しかし、その後ろには、何千人もの証言者が立っている」。"and beyond each one ~ "「その一人一人の向こうには、また何千人もの証言者がいるのだ」。今生きている証言者だけではない。肉体的には死んだ、多くの証言者がいるのだ。さらに、死を超越し、天の王国へアセンションした同胞も数多くいるだろう。少なくとも、あなたがたった一人で学んでいるのではない。あなたには、仲間がいて、友がいるのである。彼らが、あなたが正しい学びを行っていることを、ちゃんと証言してくれるのである。



Each one may seem to have a problem that is different from the rest.
  • problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題、疑問、難問、難題」
  • rest [rést] : 「残り、残っているもの、残りの部分、残余」
❖ "Each one may seem ~ "「その、同胞の一人一人が、他の同胞たちとは異なった問題を抱えているように見えるかもしれない」。あなたの友や仲間たちは、それぞれに、異なった問題を抱えて苦しみ、それぞれに学んでいるように見えるかもしれない。しかし、あなたを含めて、同胞のみんなが、ホーリー・スピリットに学びを委ねたとしてら、どうなるだろう。



Yet they are solved together. And their common answer shows the questions could not have been separate.
  • solve [sɑ́lv] : 「解く、解決する」
  • together [təɡéðər] : 「一緒に、同時に」
  • common [kάmən] : 「共通の、共有の、公共の、公衆の、公の」
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答 」
  • show [ʃóu] : 「見せる、示す」
  • question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
❖ "Yet they are solved ~ "「しかし、異なったかに見えた同胞たちの問題は、一緒に同時に解決されるのだ」。"And their common answer ~ "「そして、それらの共通した答えは、問題はばらばらではなかったことを示しているのである」。目に見える問題は種々雑多で、答えもそれぞれに異なっているかに見えたが、ホーリー・スピリットに問題を委ね、その回答によってすべての問題が解決されたことを見れば、問題自体が、実は同一だったのだと気が付くのである。つまり、問題はすべて幻想であり、夢の中で問題を抱えて苦しんで来ただけなのだ。ホーリー・スピリットの教えを学び、幻想から目覚めれば、すべての幻想の問題は、たった一つの露のように消えてしまうのである。



11. Peace be to you to whom is healing offered. And you will learn that peace is given you when you accept the healing for yourself.
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • learn [lə́ːrn] : 「学ぶ、知る、悟る」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
❖ "Peace be to you ~ "「ヒーリングが差し出されたあなたよ、平和でありなさい」。"And you will learn ~ "「あなたは、あなた自身のためにヒーリングを受け入れたとき、平和が与えられるのだと学ぶだろう」。学び、ヒーリング、奇跡の成就をホーリー・スピリットに委ね、心を癒すことが出来れば、あなたに真の平和がもたらせれる。幻想から脱して、実相に目覚めることが出来るのだ。



Its total value need not be appraised by you to let you understand that you have benefited from it.
  • total [tóutl] : 「全部の、すべての、全体の、完全な、全くの」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価」
  • total value : 「総価値、総価格」
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
  • appraise [əpréiz] : 「評価する、見積もる」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
  • benefit [bénəfit] : 「得をする、利益を得る」
  • benefit from : 「〜から恩恵を受ける、〜によって益を得る、得をする」
❖ "Its total value need ~ "「あなたがヒーリングによって得をすることを(自分に)理解させようとして、ヒーリングの総価値をあなたが見積もる必要はない」。ヒーリングされれば何か良いことがあるだろうか、何が手に入るのか、などと思い悩むことはない。ヒーリングの価値や、期待をあらかじめ設定する必要はないのだ。ホーリー・スピリットに委ねたなら、その結果もホーリー・スピリットに任せればいい。手に入れたものが、手に入れることの出来るすべてだと了解すればいいのだ。



What occurred within the instant that love entered in without attack will stay with you forever.
  • occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側で」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • enter [énter] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • stay with : 「〜と一緒に暮らす、〜と同居する、〜に付き添う」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "What occurred within ~ "「攻撃心を持たない(本当の)愛が入り込む瞬間に起こることは、永遠にあなたと共に留まることになる」。憎しみという攻撃性をもたない純粋な愛が生まれる瞬間、つまり、真実の実相に触れる瞬間、聖なる瞬間に生まれるもの、その瞬間にあなたが得るものは、永遠にあなたのものである。愛、喜び、平和、安らぎ、美、等々の真実は、永遠にあなたと共に存在する。



Your healing will be one of its effects, as will your brother's. Everywhere you go, will you behold its multiplied effects.
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • multiply [mʌ́ltəplài] : 「〜を増す、〜を拡大させる、増加させる」
❖ "Your healing will ~ "「あなたがヒーリングされることは、その瞬間の結果の一つであり、あなたの同胞のヒーリングも結果の一つである」。攻撃性を持たない純粋な実相的愛が生み出す聖なる瞬間、それは真実に触れる瞬間であり、真実に触れることの結果の一つとして、あなたはヒーリングされるのだ。"Everywhere you go ~ "「あなたが行く所のどこにも、拡張増大した聖なる瞬間の結果が目に入るだろう」。至ることので同胞たちは癒され、愛に満たされ、平和と安らぎの中に存在している。聖なる瞬間のもたらす絶大な結果である。



Yet all the witnesses that you behold will be far less than all there really are.
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
  • far less than : 「〜よりずっと少ない」
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
❖ "Yet all the witnesses ~ "「しかし、あなたが(実際に)目にする証人のすべては、実際に存在する証人の数にくらべたら、はるかに少ないだろう」。聖なる瞬間にヒーリングされた同胞たちの数は、あなた目撃した数よりずっと多い。真実の存在は無限なのだ。



Infinity cannot be understood by merely counting up its separate parts.
  • infinity [infínəti] : 「無限であること、無限性」
  • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understand の過去・過去分詞形」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • count [káunt] up : 「〜を数え上げる、合計を出す、計算する、合計する」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
❖ "Infinity cannot be ~ "「無限であることは、単に個々の部分を数え上げることで理解されるものではない」。つまり、あなたの証人になってくれる同胞の数は、数えることが出来ないほどに多いのだ。その数に制限はない。



God thanks you for your healing, for He knows it is a gift of love unto His Son, and therefore is it given unto Him.
  • thank [θǽŋk] : 「〜に感謝する、〜に礼を言」
  • gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント」
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "God thanks you for ~ "「あなたがヒーリングされたことを、神は感謝している」。"for He knows it is ~ "「なぜなら、神は、ヒーリングは神の子への愛の贈り物だと知っているからであり、」"and therefore is ~ "「したがって、それは神に与えられた贈り物でもあるからだ」。神と神の子は同体である。神の子への贈り物は神への贈り物であり、神への贈り物は神の子の贈り物なのだ。言い換えれば、神の子であるあなたがヒーリングされたということは、神がヒーリングされて完成に近づいたことを意味する。天の王国において、神と神の子とホーリー・スピリットの三位(さんみ)が一体になることが、神の完成である。そのための第一歩が、神の子がヒーリングされることなのだ。
 
 
 



T-27.V.8:1 ~ T-27.V.9:6

8. Problems are not specific but they take specific forms, and these specific shapes make up the world.
  • problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題、疑問、難問、難題」
  • specific [spisífik] : 「明確な、具体的な、詳しい、曖昧でない、特有の」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • shape [ʃéip] : 「形、状態、形状、形態」
  • make up : 「作り上げる、構成する」
❖ "Problems are not specific ~ "「問題とは、曖昧ではあるが、特有の形をとる」。"and these specific ~ "「こういう特有の形が、この世界を作っているのだ」。たとえば、愛の問題について言えば、愛全般に対する抽象的な問いかけは漠然として曖昧であるが、『彼を、あるいは彼女を愛すべきか』という問いかけは、具体的で、個人的な特有の形をもっている。この世界の問題は、抽象的で曖昧な問いかけで構成されているのではなく、固有的で特有の具体的な問いかけで出来上がっている。また、たとえば、具象的な肉体が生きているか死んでいるかは問題にされるが、抽象的な心が命をもっているかもっていないかは問題にされることはない。



And no one understands the nature of his problem. If he did, it would be there no more for him to see.
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
  • nature [néitʃər] : 「性質、本性、本質、種類」
  • no more : 「もはや〜しない」
❖ "And no one understands ~ "「さらに、誰も、問題のもつ本質を理解してはいない」。"If he did, it would ~ "「もし理解しているならば、見るべき問題などないことになってしまう」。問題の抽象的な側面も、具体的な側面も、問題のもつ本質さえも理解していたなら、そもそも、何の問題も持つはずがない。問題が非常に具体的であり、身に迫るもので、しかも、問題のもつ曖昧な抽象的側面が理解できないから、問題を抱えて悩むのである。



Its very nature is that it is not. And thus, while he perceives it he can not perceive it as it is.
  • very [véri] : 「まさに、まさしく」
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
❖ "Its very nature ~ "「問題の、まさに本質は、問題などではない」。あなたが問題だと思っている問題の、本質的な部分は、何の問題でもない。問題の本質を探れば、そこに問題などない。"And thus, while ~ "「こうして、彼が問題を問題として知覚しているうちは、問題をあるがままに知覚することは出来ないのだ」。問題だ問題だと言って、問題を抱え込んだまま、ただうろうろしているうちは、問題の本質を見ることは出来ない。たとえば、愛を、あるがままに見ることが出来れば、愛は何の問題もなく、ただそこにあるだけだということがわかる。したがって、あなたが抱えている問題は、愛の問題を解決する能力の問題ではなく、愛をあるがままに見て感じることが出来るかどうかという知覚の問題なのだ。



But healing is apparent in specific instances, and generalizes to include them all.
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • apparent [əpǽrənt] : 「はっきり見える、明らかな、明白な」
  • instance [ínstəns] : 「場合、事実、例、事例」
  • generalize [dʒénərəlàiz] : 「〜を一般化する、総合する、一般的に言う、法則化する」
  • include [inklúːd] : 「〜を含める、〜を含有する、包含する」
❖ "But healing is apparent ~ "「しかし、ヒーリングは、特有な事例の中で明白にされ、」"and generalizes to ~ "「あらゆる事例を含んで一般化される」。ヒーリングは、何か具体的な事例を通して実現される。たとえば、具体的な病を癒すとか、心の苦しみを除去するなどという形をとる。しかし、そのヒーリングが示している奇跡の内容は、小さな事例に留まることなく、奇跡一般の真実を表しているのだ。ヒーリングや奇跡は、実相のあらゆる真実を包含した、全的な現象である。



This is because they really are the same, despite their different forms.
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • despite [dispáit] : 「〜にもかかわらず、〜をよそに」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
❖ "This is because ~ "「これは、ヒーリングはどれも、違った形をとっているだけで、本当は同じだからである」。いろいろな形の病を治すヒーリングは、それぞれ異なって見えるかもしれないが、病む者を真実に目覚めさせるという原点において、ヒーリングはどれも同じなのだ。



All learning aims at transfer, which becomes complete within two situations that are seen as one, for only common elements are there.
  • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • aim at : 「〜を目指す、〜に狙いを定める、〜を得ようとする」
  • transfer [trænsfə́ːr] : 「移動、移転、移送、乗り換え」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • complete [kəmplíːt] : 「完全な、全くの、完結した、完成した」
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側で」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • common [kάmən] : 「共通の、共有の、日常的な、普通の、ありふれた」
  • element [éləmənt] : 「成分、要素」
❖ "All learning aims ~ "「あらゆる学習は、 (ここからあそこへの)転移を目指す」。この世界での学習は、今いる単純な場所からより複雑で高度な場所へと転移することを目的とする。"which becomes complete ~ "「それは、一つだと見なされる、二つの状況の中で完成される」。"for only common ~ "「なぜなら、そこには、共通な要素しかないからだ」。学習によって知識をため込むことで、幼稚で単純な状況から、より高度で複雑な状況へと、二つの状況の間の転移を目指しているのだが、一見異なった二つに見える状況は、どちらも同じ要素、つまり幻想で出来上がっているのだ。



Yet this can only be attained by One Who does not see the differences you see.
  • attain [ətéin] : 「手に入れる、獲得する」
  • difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
❖ "Yet this can only ~ "「しかし、これは、あなたが目にしている違いを(違いとして)認識しない唯一者、ホーリー・スピリットによってだけ、達成されるのだ」。この世界における、幼稚で単純な状況も、より高度で複雑な状況も、そこに違いはない。どちらも同じ幻想で構成されていると認識しているホーリー・スピリットによってのみ、本当の学びは達成される。ただし、ホーリー・スピリットが学ぶという意味ではなく、あなたがホーリー・スピリットの力を借りて学ぶとき、本当の学びが達成され、幻想から実相へと、その目を開くことが出来るのだ、という意味である。



The total transfer of your learning is not made by you.
  • total [tóutl] : 「完全な、全くの、全部の、すべての、全体の」
❖ "The total transfer of ~ "「あなたの学びの完全な転移は、あなたによって成されるのではない」。あなたが本当の学びを達成し、幻想から実相へと転移する作業は、あなた一人で行うものではない。ホーリー・スピリットの助けが必要なのだ。



But that it has been made in spite of all the differences you see, convinces you that they could not be real.
  • in spite [spáit] of : 「〜にもかかわらず」
  • convince [kənvíns] : 「確信させる、納得させる、説得する」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
❖ "But that it has been ~ "「あなたが目にするあらゆる違いにもかかわらず、本当の学びによって転移が達成されたことは、その違いは実在していなかったのだと、あなたを確信させるのだ」。あなたが目にしていた世界の中に散らばる違い、相違は、幻想であり錯覚であると気付くのだ。それは、ホーリー・スピリットの助けによって本当の学びを実行し、幻想から実相へと転移したあなたに理解されることである。知覚が修正され、幻想と実相の違い、虚偽と真実の違いがわかってくるのである。



9. Your healing will extend, and will be brought to problems that you thought were not your own.
  • extend [iksténd] : 「伸びる、広がる」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • thought [θɔ́ːt] : 「think の過去・過去分詞形」
❖ "Your healing will ~ "「あなたの(本当の)学びは拡張する」。実相的な真実の学びは、分かち合われて、拡張増大していく。"and will be brought ~ "「そして、あなた自身の問題ではないと思っていた問題にも、その学びはもたらせるのだ」。あなたの学びが同胞の中に拡張して行くにしたがい、あなたが問題を解決するために培(つちか)った学びは、あなたの知らない問題にも応用出来ることを知るのである。幻想を見極めて実相の真実を知ることが本当の学びなのだから、その学びは、あらゆる問題に当てはめることが出来るのである。



And it will also be apparent that your many different problems will be solved as any one of them has been escaped.
  • apparent [əpǽrənt] : 「はっきり見える、明らかな、明白な」
  • solve [sɑ́lv] : 「解く、解決する」
  • escape [iskéip] : 「消える、〜を免れる」
❖ "And it will also be ~ "「そして、that以下もまた、明白になるだろう」。"that your many different ~ "「あなたが持っている多くの異なった問題は、その内の一つが解決することで、解かれて行くのだということも」明白になるだろう。問題もまた、形こそ異なっていても、本質的な部分はみな同じである。だから、多くの問題が、その一つでも解決すると、他の問題も次々に解決して行くのである。結局、問題の本質部分は、あなたが幻想に浸りきっていて真実を知らなかったという事実に尽きるのだ。



It cannot be their differences which made this possible, for learning does not jump from situations to their opposites and bring the same results.
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • jump [dʒʌ́mp] : 「跳ぶ、飛び跳ねる、躍動する、飛び越える」
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「反対、正反対のこと、逆の物」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、効果、成果、成績」
❖ "It cannot be their ~ "「問題の解決を可能にしたものは、問題の違いであるはずがない」。その逆で、問題の本質が同じことが、問題の解決を可能にしたのだ。"for learning does ~ "「なぜなら、学びとは、ある状況から反対の状況へジャンプして同じ結果をもたらすことではないからだ」。幻想の問題(状況)を解決するために学習し、また別の問題(状況)を解決するために、そちらの問題にジャンプして学習し、同様の解決を得る。これが、この幻想世界における問題(状況)への取り組み方と学習の形態である。数々の幻想の問題は、同様な学習と解決法によって解決されるかもしれないが、しかし、どんなに問題から問題へ、学習から学習へジャンプしても、幻想からの脱出は少しも図られることはないのだ。たとえば、今日、どんなに科学が研究され発達したと言っても、心の本質的な問題は解決していないのだ。科学を学習し、哲学を学習し、宗教を学習し、文学を学習し、数多くの問題を解決したと言っても、肝心の、幻想から実相への目覚めという、心の本当の開放は達成されないのだ。



All healing must proceed in lawful manner, in accord with laws that have been properly perceived but never violated.
  • proceed [prəsíːd] : 「続行する、はかどる、進む、前進する」
  • lawful [lɔ́ːfl] : 「正当な、合法な」
  • manner [mǽnər] : 「行儀、態度、やり方、仕方、方法、様式」
  • in accord with : 「〜と一致して、〜に合って、〜を踏まえて」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
  • properly [prάpərli] : 「正確に、正しく、厳密に、適切に、適当に」
  • violate [váiəlèit] : 「違反する、犯す、破る」
❖ "All healing must ~ "「すべてのヒーリングは、法に則って進行するものでなければならない」。"in accord with ~ "「つまり、正しく知覚され、決して犯されることのない法に調和するものなのだ」。ヒーリングは、実相的行為である。したがって、実相世界の法、つまり、神の法に完全に従う。神の法を犯してヒーリングが達成されることはないのだ。必ず、完璧に、実相の法、神の法に従い、神の法を正しく認識しているものなのだ。



Fear you not the way that you perceive them. You are wrong, but there is One within you Who is right.
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • wrong [rɔ́ːŋ] : 「間違った、誤っている」
  • right [ráit] : 「正しい、正当な」
❖ "Fear you not the way ~ "「あなたが、その法を知覚するやり方を恐れてはいけない」。ヒーリングが従う、実相の法、神の法を、あなたなりの知覚のし方で解釈していい。間違いを恐れる必要はない。確かに、"You are wrong ~ "「あなたは、間違っているのだが、」"but there is One ~ "「正しいホーリー・スピリットが、あなたの心の中に住んでいるのだ」。幻想に惑わされているあなたが、神の法を正しく理解出来なくても、そんなことを恐れることはない。ホーリー・スピリットがいつもあなたの側にいて、正しい教えをあなたに与えてくれるからだ。だから、ホーリー・スピリットに、それを求めればいい。結局、この幻想世界にいて、幻想の問題を幻想の解決法や幻想の学習で解決しても、意味がないのだ。黙って、すべてをホーリー・スピリットに委ねて、正しい方向へ導いてもらう方が、確実に真実に近づけるのである。あなたは、夢の中で問題に遭遇し、それを夢の中で解決しようとして、夢の中で学習し、苦しみ、もがいているに過ぎない。夢の中の問題を、夢の中で解決することに意味があるだろうか。そんなことより、夢から目覚める方がいいに決まっている。夢から目覚めてしまえば、あれほど悩み苦しんだ問題も、何のことはない、ただの夢に過ぎなかったのだと気付くことが出来るのだ。ならば、夢から目覚めること、幻想から実相へと目覚めることが、あなたの最大にして唯一の解決法である。その目覚めの方法を教えてくれるのが、ホーリー・スピリットだということである。
 
 
 



T-27.V.6:1 ~ T-27.V.7:7

6. Come to the holy instant and be healed, for nothing that is there received is left behind on your returning to the world.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に」
  • return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る、返還する」
❖ "Come to the holy ~ "「聖なる瞬間にやって来て、ヒーリングされなさい」。ホーリー・スピリットと出会い、実相に触れる奇跡の瞬間が聖なる瞬間である。その瞬間に立ちあって、癒されなさい。"for nothing that is ~ "「そこであなたが受け取ったものは、あなたがこの世界に戻るときでも、後に残して置いて行くようなものは何もない」。実相的現象は、時間や空間に依存しない。一度実相に触れて得られたものは、永遠にあなたのものなのだ。たとえ、実相に触れた後に、幻想のこの世界に立ち戻ったとしても、実相で得られたものはすべて、あなたの元を離れることはない。



And being blessed you will bring blessing. Life is given you to give the dying world.
  • bless [blés] : 「祝福する、清める」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • blessing [blésiŋ] : 「祝福、恵み」
  • life [láif] : 「人命、生命、寿命」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • dying [dáiiŋ] : 「死にかけている、臨終の、消えかけている」
❖ "And being blessed ~ "「あなたは祝福されたので、あなたは(他者に)祝福をもたらすことになろう」。祝福を分かち合うことが出来るのだ。祝福を分かち合うことは、実相的に自然なことであって、分かち合われることで、祝福は拡張増大していく。"Life is given you ~ "「死にゆく世界に命を与えるために、命はあなたに与えられるのだ」。"to give the dying world"「死にゆく世界に命を与えるために」とは、世界を救うため、ということであり、実相的奇跡のヒーリングを受けて真実の命を吹き込まれたあなたは、今度は、キリストとなって、世界を救う役割を果たすことになる。仏教で言えば、菩薩行ということになるか。



And suffering eyes no longer will accuse, but shine in thanks to you who blessing gave.
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる」
  • no longer : 「もはや〜でない」
  • accuse [əkjúːz] : 「〜を責める、〜を非難する」
  • shine [ʃáin] : 「輝く、光る」
  • thank [θǽŋk] : 「感謝、謝意、謝辞」
  • gave [géiv] : 「give の過去形」
❖ "And suffering eyes ~ "「苦しむ目は、もはやあなたを責めることはないだろう」。あなたがヒーリングを恐れて救われることを拒否したがために、世界も癒されることがなかったことを、あなたの責任だとして他者は責め立てたのだが、今や、ヒーリングの奇跡を受けたあなたを目にして、そんな非難の目を向ける者は誰もいない。しかも、"but shine in thanks ~ "「祝福を与えてくれたあなたに感謝して、(それまで苦しんでいた)その目は輝き出すのである」。



The holy instant's radiance will light your eyes, and give them sight to see beyond all suffering and see Christ's face instead.
  • radiance [réidiəns] : 「輝き、光輝、放射輝度」
  • light [láit] : 「〜を生き生きさせる、〜を明るくさせる」
  • sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて、〜のかなたに」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
  • face [féis] : 「顔、顔色、表面、外観、外見」
  • instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ」
❖ "The holy instant's ~ "「聖なる瞬間の光は、あなたの目を明るく照らすだろう」。"and give them ~ "「そして、あらゆる苦痛を越えて、代わりにキリストの顔を見ることの出来る視力を与えるのである」。ヒーリングされたあなたは、知覚も修正され、世界の苦しみという幻想を超越して、実相のキリストの顔を見ることが出来るようになる。キリストの顔を見ることが出来るようになったあなたは、キリストの顔が、あなたの顔そのものだと知るだろう。そして、あなたは、キリストとして、この世界を救うことになるのである。



Healing replaces suffering. Who looks on one cannot perceive the other, for they cannot both be there.
  • replace [ripléis] : 「〜を取り換える、交換する、差し替える、置き換える」
  • look on : 「〜を見る」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • other [ʌ́ðər] : 「ほかの、そのほかの、残り」
  • both [bóuθ] : 「両方とも、双方とも」
❖ "Healing replaces ~ "「癒しが苦しみに置き換わるのである」。"Who looks on one ~ "「癒しと苦しみの一方だけを見る者は、他方を知覚することは出来ない」。"for they cannot ~ "「なぜなら、癒しと苦しみは、同時に同じ場所に存在できないからだ」。癒されたあなたの目には、苦しみは見えない。それは、ちょうど、イエス・キリストが癒しだけを自分の役割として生きた生き方と重なるのである。



And what you see the world will witness, and will witness to.
  • witness [wítnəs] : 「〜を経験する、〜に直面する、遭う、証言する、証明する」
❖ "And what you ~ "「そして、あなたが見たものを、世界は目撃し、証言してくれるのだ」。あなたが自分の癒しを目撃し、そして、あなたが世界を救うとき、世界も癒しという実相を目撃することになる。あなたの癒しは真実であると、世界は証言することになるのだ。



7. Thus is your healing everything the world requires, that it may be healed.
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、求める」
❖ "Thus is your healing ~ "「このように、世界が求めるもののすべては、あなたのヒーリングなのだ」。"that it may ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために、その結果」、「その結果、世界はヒーリングされるだろう」。あなたが世界を救い、癒すのである。



It needs one lesson that has perfectly been learned. And then, when you forget it, will the world remind you gently of what you have taught.
  • need [níːd] : 「〜を必要とする」
  • lesson [lésn] : 「教訓、教え、貴重な経験、実際的な知恵」
  • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ〜を知る、分かる」
  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、見落とす」
  • remind [rimáind] : 「〜に思い出させる、〜に気付かせる」
  • remind A of B : 「AにBのことを思い出させる」
  • gently [dʒéntli] : 「親切に、静かに、優しく、穏やかに」
  • taught [tɔ́ːt] : 「teach の過去・過去分詞形」
  • teach [tíːtʃ] : 「〜を教える、指導する」
❖ "It needs one lesson ~ "「この世界は、完璧に学ばれた学びを、一つだけ必要とする」。"And then, when you ~ "「そして、あなたがその学びを忘れたとき、世界は、あなたが教えたことを優しくあなたに思い起こさせてくれるのだ」。"one lesson ~ "「一つの、完璧に学ばれた学び」とは、この世界が幻想であり、幻想から目覚める必要があること、つまり、幻想からの癒しや救いが必要であること、と考えていいだろう。



No reinforcement will its thanks withhold from you who let yourself be healed that it might live.
  • reinforcement [rìːinfɔ́ːrsmənt] : 「補強、強化、応援」
  • withhold [wiðhóuld] : 「〜を抑える、差し控える、与えないでおく」
  • withhold from : 「〜から抑制する、〜に与えない」
❖ "No reinforcement will ~ "意訳する、「世界が(本当の命を)生きることが出来るようにと、あなた自身を癒したあなたを、無理に感謝しようなどという者は誰もいない」。みんな、自発的にあなたに感謝する、ということ。蛇足になるが、ACIMがなぜ、こんな難しい言い回しをしているのかというと、これは、思想書でも哲学書でも思想書でもなく、詩だからだ。詩的表現として、こういう表現も出来るのだと、いわば、言葉遊びをしているのである。イエスは、明らかに、このACIMを楽しみながら語っている。だから、読む方も、楽しみながら読むに限るのだ。



It will call forth its witnesses to show the face of Christ to you who brought the sight to them, by which they witnessed it.
  • call forth [fɔ́ːrθ] : 「〜を生じさせる、〜を引き出す、呼び起こす」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、立会人」
  • show [ʃóu] : 「見せる、示す」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
❖ "It will call forth ~ "「この世界は、あなたに、キリストの顔を示す証人を呼び出してくれるだろう」。世界を救ったあなたに、あなたの顔がキリストの顔そのものであると、世界は証言してくれるのだ。"who brought the sight ~ "「そんなあなたは、世界に、世界が(キリストの顔を)見ることの出来る視力をもたらし、それによって、世界はキリストの顔を目撃したのだ」。



The world of accusation is replaced by one in which all eyes look lovingly upon the Friend who brought them their release.
  • accusation [æ̀kjuzéiʃən] : 「告発、罪、責め、非難、告訴」
  • replace [ripléis] : 「〜を取り換える、交換する、差し替える」
  • look upon : 「〜を見る」
  • lovingly [lʌ́viŋli] : 「かわいがって、愛情を込めて、優しく」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
❖ "The world of accusation ~ "「(あなたを)非難していた世界は、世界に開放をもたらしてくれた友を優しく見守るあらゆる目の存在する世界に、置き換えられるのだ」。世界の同胞すべてが、開放をもたらしてくれたあなたを、友人と認識して、優しく見つめる、ということ。世界が変わるのだ。



And happily your brother will perceive the many friends he thought were enemies.
  • happily [hǽpili] : 「幸福に、幸せに、喜んで、楽しく」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • thought [θɔ́ːt] : 「think の過去・過去分詞形」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
❖ "And happily your brother ~ "「あなたの同胞たちは、幸福そうに、それまで敵と思ってきた多くの友を知覚することになろう」。癒され、知覚も修正された同胞たちの目には、攻撃したいと思うような他者はもう見えない。それまで敵と思ってきた、あらゆる同胞が、今や友となったのだ。
 
 
 


T-27.V.4:1 ~ T-27.V.5:5

4. There is no sadness where a miracle has come to heal.
  • sadness [sǽdnəs] : 「悲しさ、悲しみ、不幸」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
❖ "There is no sadness ~ "「奇跡がヒーリングするために来る場所に、悲しみはない」。ここは逆に、悲しみや恐れのない所に、愛と喜びに満ちたヒーリングの奇跡が起きる、と考えた方がいいだろう。



And nothing more than just one instant of your love without attack is necessary that all this occur.
  • nothing more than : 「〜にすぎない、〜でしかない」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
  • occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
❖ "And nothing more than ~ "「攻撃心のない、あなたの愛に満ちた瞬間以上のものは、何も必要でない」。"that all this ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために」、「奇跡のすべてが起きるためには、」あなたの愛に満ちた瞬間以上のものは、何も必要でない。奇跡が起きるには、あなたの純粋な愛だけが必要であって、攻撃したいと思う気持ちがあってはならない。しかも、愛は瞬間であってもいいのだ。



In that one instant you are healed, and in that single instant is all healing done.
  • single [síŋɡl] : 「ただ一つの、たった一つの」
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
❖ "In that one instant ~ "「その瞬間に、あなたはヒーリングされるのだ」。"and in that single ~ "「そして、そのたった一瞬に、ヒーリングのすべてがなされるのである」。奇跡は時間依存しない。実相的な現象はすべて、無時間無空間の出来事である。愛も奇跡も一瞬間の出来事であって、その一瞬が永遠に続くのである。幻想世界のあなたは、それを、時間を追って追体験している。



What stands apart from you, when you accept the blessing that the holy instant brings?
  • stand apart from : 「〜から離れて立つ、〜から距離を置く」
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • blessing [blésiŋ] : 「祝福、恵み、賛意」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来」
❖ "What stands apart ~ "「聖なる瞬間がもたらす祝福をあなたが受け入れるとき、いったい何が、あなたから離れて存在するだろうか」。聖なる瞬間が、あなたを祝福して実相的存在に変えたのだ。実相的な存在は分離した存在ではない。すべてが一体なのだ。したがって、聖なる瞬間に実相的存在となったあなたは、あらゆる存在と一体になるのである。あなたから離れて立つものなどいない。



Be not afraid of blessing, for the One Who blesses you loves all the world, and leaves nothing within the world that could be feared.
  • be afraid of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • bless [blés] : 「祝福する、清める」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側で」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
❖ "Be not afraid ~ "「しかし、祝福を恐れてはいけない」。実相的な存在となることを恐れてはいけない。"for the One Who ~ "「あなたを祝福する唯一者、神は、世界のすべてを愛し、恐れるに足るものなど何も、世界の中に残しはしないのである」。あなたが実相的な存在となったことを一番喜んでくれるのは、唯一者である神であり、神の使者のホーリー・スピリットである。神は、この世界から恐れを払拭してくれるのだ。



But if you shrink from blessing, will the world indeed seem fearful, for you have withheld its peace and comfort, leaving it to die.
  • shrink [ʃríŋk] : 「縮む、縮まる、小さくなる」
  • shrink from : 「〜から後ずさりする、〜を嫌がる、〜に尻込みする」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
  • withheld [wiðhéld] : 「withhold の過去、過去分詞形」
  • withhold [wiðhóuld] : 「〜を抑える、差し控える、与えないでおく」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • comfort [kʌ́mfərt] : 「快適さ、心地よさ、癒やし、安らぎ」
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
  • leave [líːv] : 「〜をそのままにしておく」
❖ "But if you shrink ~ "「しかし、もしあなたが、祝福に尻込みしてしまえば、」"will the world ~ "「世界は、本当に恐ろしいものに見えるだろう」。"for you have withheld ~ "「なぜなら、あなたは、平和と安らぎを世界に与えようとせず、死ぬに任せてしまったからだ」。愛と喜びと平和と安らぎを恐れるとは、真実を恐れることである。真実を恐れて、神の祝福に尻込みしてしまえば、世界は恐ろしい幻想の牙をむき出しにしてあなたに襲いかかるだろう。そして、あなたは、そんな恐ろしい世界の死を望むことになるのだ。



5. Would not a world so bitterly bereft be looked on as a condemnation by the one who could have saved it, but stepped back because he was afraid of being healed?
  • bitterly [bítərli] : 「激しく、苦々しく、ひどく」
  • bereft [biréft] : 「bereave の過去・過去分詞形」
  • bereave [biríːv] : 「奪う、奪い去る」
  • look on : 「〜を見る」
  • condemnation [kὰndemnéiʃən] : 「有罪宣告、激しい非難、糾弾」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
  • step back : 「後ずさりする、身を引く」
❖ "Would not a world ~ "「(平和と安らぎを)痛々しく奪われた世界は、〜によって、有罪宣告を受けた者のように見られはしまいか」。"by the one who ~ "「ヒーリングされることを恐れたために尻込みし、そうでなかったら、世界を救えたであろう者によって、」世界は、有罪宣告を受けた者のように見られはしまいか。あなたがヒーリングを恐れず、神の祝福を素直に受け入れたなら、あなたは実相的存在となって、世界を全く異なった目で見ることが出来たであろう。しかし、あなたは恐れによって躊躇し、世界を今まで通りに、有罪宣告を受けた恐ろしい罪人であるかのように見てしまうのである。それは、愛も平和も安らぎも奪われた、荒涼とした世界である。



The eyes of all the dying bring reproach, and suffering whispers, "What is there to fear? "
  • dying [dáiiŋ] : 「死にかけている、臨終の、消えかけている」
  • reproach [ripróutʃ] : 「非難、非難の的、叱責」
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
  • whisper [hwíspər] : 「〜をささやく、耳打ちする」
❖ "The eyes of all ~ "「あらゆる死にゆく者たちの目は、(あなたに)非難の視線を向け、」"and suffering ~ "「苦しむ者はみな、『何を恐れる必要があろう』と囁(ささや)くのだ」。苦しみ、死にゆく者たちは、世界を救えたであろうあなたを非難する。あなたは、ヒーリングを恐れる必要などなかったのだ。あなたがヒーリングで変われば、世界も同時に変わったはずなのだ。



Consider well its question. It is asked of you on your behalf.
  • consider [kənsídər] : 「よく考える、熟考する」
  • question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
  • ask of : 「〜に要求する」
  • on one's behalf : 「〜のために、〜の利益になるように」
❖ "Consider well ~ "「この問いかけをよく考えてみなさい」。『何を恐れる必要があろう』という問いかけをよく考えなさい。"It is asked of ~ "「それは、あなたのためを思って言われたことなのだ」。あなたがヒーリングされることを願ってのことである。あなたの救いが、世界の救いとなるからだ。



A dying world asks only that you rest an instant from attack upon yourself, that it be healed.
  • rest [rést] : 「休む、休息する、休憩する、休養する」
❖ "A dying world asks ~ "「死にゆく世界は、あなたがあなた自身を攻撃することなく、しばらく休むことを要求しているだけなのだ」。"that it be ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために、その結果」、また"be"は"should be"、「そうすれば、世界も癒されるにはずなのだ」。あなたの癒しが、世界の癒しとなり、あなたの救いが、世界の救いとなる。あなたが恐れを抱いているかぎり、世界は恐ろしいものに留まるのだ。あなたが愛の目で世界を見れば、世界もあなたを愛の目でみるだろう。
 
 
 


T-27.V.2:1 ~ T-27.V.3:4

2. Health is the witness unto health. As long as it is unattested, it remains without conviction.
  • health [hélθ] : 「健康、健康状態、調子」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、立会人」
  • as long as : 「〜である限りは、〜する以上は、〜であるならば」
  • unattested [ʌnətéstid] : 「証明されていない」
  • remain [riméin] : 「残る、残存する」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • conviction [kənvíkʃən] : 「信念、確信」
❖ "Health is the witness ~ "「健康は、健康の証人である」。肉体の健康は心の健康を証言し、心の健康は肉体の健康を証言する。"As long as it is ~ "「健康が証明されない限り、健康は確信がないままにされる」。肉体が健康でなければ、心の健康は確立されず、心が健康でなければ、肉体の健康は確信をもって健康だと断言出来ない。つまり、健康であることは全的なことであって、存在の一部が健康であり他が不健康だ、ということはあり得ない。



Only when it has been demonstrated is it proved, and must provide a witness that compels belief.
  • demonstrate [démənstrèit] : 「実演する、明らかにする、実証する、立証する」
  • prove [prúːv] : 「証明する、立証する、〜と分かる」
  • provide [prəváid] : 「提供する、供給する、与える、供与する」
  • compel [kəmpél] : 「屈服させる、無理に従わせる、強要する、強いる」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
❖ "Only when it ~ "「健康さが実証されたときに限って、健康は証明されるのであり、嫌が上でも信じさせるような証言を提供するものでなければならない」。心が、何となく健康であるような気がする、というような曖昧な気分ではなく、確実に心が健康であることを実証して見せなければ、心が健康であると断言出来ない。そのとき初めて、必然的に、肉体の健康が確立するのだ。極言するなら、心が完全に無辜(むこ)であると証明されたとき、初めて心は健康であり、正気であると言えるのである。そのとき、肉体は完全に健康となり、結果、肉体は幻想として消滅しても構わないものとなる。蛇足になるが、病気がないから、自分の肉体は健康だ、などと判断して良いようなものではない。逆に、病気がちであるなら、まず、心の健康を回復することを願うべきである。



No one is healed through double messages. If you wish only to be healed, you heal. Your single purpose makes this possible.
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • double [dʌ́bl] : 「2倍の、二つの、二重の」
  • message [mésidʒ] : 「伝言、メッセージ、通信、通達、伝達内容」
  • wish [wíʃ] : 「望む、願う」
  • single [síŋgl] : 「ただ一つの、たった一つの」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • make : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る、なし得る」
❖ "No one is healed ~ "「誰も、二重のメッセージを通して、ヒーリングされることはない」。"double messages"「二重のメッセージ」とは、二元論的な観念のこと。たとえば、『愛と憎しみのバランスをとることが癒しには必要だ』などというメッセージでは、ヒーリングは成功しない。愛と憎悪は対立概念であり、二元論的な観念であるからだ。対して、対立概念をもたない一元論的な実相的愛をメッセージとして伝えることが出来れば、ヒーリングは成立する。純粋な愛を伝えることがヒーリングなのだ。言い換えれば、真実と虚偽が交じり合ったダブル・メッセージではヒーリングは成り立たない。純粋な真実だけが、人の心を癒すのだ。"If you wish only ~ "「もしあなたが、ヒーリングされたいとだけ望むなら、あなたはヒーリング出来るのだ」。ヒーリングは実相的行為であって、与えることと得ることが同一である行為の一つだ。ヒーリングすることとヒーリングされることは同一なのだ。したがって、あなたがヒーリングされたいと願うことが、あなたをヒーラーにするのである。"Your single purpose ~ "「あなたの単一の目的が、これを可能にする」。"single purpose"「単一の目的」とあるが、純粋な目的、と読み替えていいだろう。一方で人をヒーリングしたいと願い、一方で人を憎んで攻撃したいなどと、思うようでは、ヒーリングは成功しない。ヒーリングという目的が純粋で、単一でなければならないのだ。



But if you are afraid of healing, then it cannot come through you.
  • be afraid [əfréid] of : 「〜を恐れる、〜を怖がる、〜について心配だ」
❖ "But if you are ~ "「しかし、もし、あなたがヒーリングを恐れているなら、」"then it cannot ~ "「その時は、ヒーリングはあなたを通して成されることは不可能だ」。ヒーリングを願いながら、ヒーリングを恐れるというような、不純な動機があってはならない。恐れが、あなたのパワーを殺(そ)ぐからだ。ヒーリングは、愛と喜びである。純粋に、愛と喜びをもって、ヒーリングしなくてならない。



The only thing that is required for a healing is a lack of fear. The fearful are not healed, and cannot heal.
  • require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、求める」
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
❖ "The only thing that ~ "「ヒーリングに求められる唯一のことは、恐れの欠如である」。恐れず怖がらず、純粋な愛と喜びを与えればいいのだ。"The fearful are ~ "「恐れている者は、ヒーリングされることはない」。"and cannot heal"「したがって、ヒーリング出来ないのだ」。恐れとは幻想である。ヒーリングという実相の行為に、幻想を交えてはならないのだ。奇跡は純粋である。



This does not mean the conflict must be gone forever from your mind to heal. For if it were, there were no need for healing then.
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「摩擦、葛藤、軋轢、争い、紛争」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "This does not mean ~ "「これは、ヒーリングするには、あなたの心からコンフリクトが永遠に消えていなくてはならないということを意味しているわけではない」。"For if it were ~ "「もしそうだとしたら、ヒーリングする必要はなくなるわけだ」。



But it does mean, if only for an instant, you love without attack. An instant is sufficient. Miracles wait not on time.
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • if only : 「ただ〜でさえあれば」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • sufficient [səfíʃənt] : 「十分な、満足な、足りる、間に合う」
❖ "But it does mean ~ "「しかし、ほんの一瞬であれ、あなたが攻撃心をもたずに愛することは意味がある」。"An instant is ~ "「一瞬で十分だ」。"Miracles wait not ~ "「奇跡は、時間軸に乗って待っているわけではない」。あなたが攻撃心を持たずに一瞬でも愛せばいい。実相的瞬間があれば、奇跡は起きるのだ。奇跡は、実相的事象であって、時間依存しない。一瞬の奇跡は永遠に持続するのだ。



3. The holy instant is the miracle's abiding place.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • abide [əbáid] : 「とどまる、居住する」
❖ "The holy instant ~ "「聖なる瞬間は、奇跡が住まう場所である」。聖なる瞬間、実相が開示される瞬間に、奇跡は起きる。



From there, each one is born into this world as witness to a state of mind that has transcended conflict, and has reached to peace.
  • be born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、証拠、証言」
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • transcend [trænsénd] : 「超える、〜を超越する、しのぐ、〜に勝る」
  • reach [ríːtʃ] : 「〜に達する、〜に至る」
❖ "From there, each ~ "「その場所から、一人一人は、〜として、この世界に生まれ出るのだ」。"as witness to ~ "「コンフリクトを超越し、平和に至る心の状態の証人として、」この世界に生まれ出るのだ。奇跡の宿る聖なる瞬間に、人はこの世界に生まれてくる。誕生は聖なる瞬間であり、奇跡である。そして、あなたは、心のコンフリクトを克服し、実相的な平和に至るために、それを実証して見せるために、生まれてきたのだ。



It carries comfort from the place of peace into the battleground, and demonstrates that war has no effects.
  • carry [kǽri] : 「〜を運ぶ、〜を持ち運ぶ」
  • comfort [kʌ́mfərt] : 「快適さ、心地よさ、癒やし、安らぎ、安楽」
  • battleground [bǽtlɡràund] : 「戦場、争いの場」
  • demonstrate [démənstrèit] : 「実演する、実証する、立証する」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
❖ "It carries comfort ~ "「奇跡の起きる聖なる瞬間は、平和の住む場所から争いの場所へ、安らぎを運んでくれる」。実相が開示されて奇跡が起きると、平和な天の王国の安らぎが、この争いの場である幻想世界にもち込まれるのだ。"and demonstrates ~ "「そして、戦争は何の結果ももたらさないと、実証して見せるのである」。



For all the hurt that war has sought to bring, the broken bodies and the shattered limbs, the screaming dying and the silent dead, are gently lifted up and comforted.
  • hurt [hə́ːrt] : 「痛み、苦痛、傷、けが、苦痛、悪意、不正」
  • sought [sɔ́ːt] : 「seek の過去・過去分詞形」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • broken [bróukn] : 「壊れた、故障した、損傷している」
  • shattered [ʃǽtərd] : 「粉々になった、荒廃した、駄目になった、損なわれた」
  • limb [lím] : 「肢、手足」
  • scream [skríːm] : 「鋭い叫び声を上げる、悲鳴を上げる」
  • dying [dáiiŋ] : 「死にかけている、臨終の、消えかけている」
  • silent [sáilənt] : 「静かな、音がしない、無言の、黙りこくった」
  • dead [déd] : 「死んでいる、生命のない、終わってる、死んだ」
  • gently [dʒéntli] : 「親切に、静かに、優しく、穏やかに」
  • lift [líft] up : 「〜を持ち上げる」
  • comfort [kʌ́mfərt] : 「慰める、安心させる、元気づける、楽にする」
❖ "For all the hurt that ~ "「なぜなら、戦争が持ち込もうと画策した痛み、損傷した体、失われた四肢、死にゆく者の叫び、黙して語らない死体、それらは、優しく持ち上げられ、慰められるからだ」。争いによって肉体が傷つき、死んでも、心は天の王国へ持ち上がられ、そこで優しく癒されるのだ。死を恐れることはない。恐れが奇跡の邪魔をする。ならば、心に天の王国を抱くことだけを考えていればいいのだ。
 
 
 


T-27.IV.7:1 ~ T-27.V.1:12

7. Therefore, attempt to solve no problems in a world from which the answer has been barred.
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
  • solve [sɑ́lv] : 「解く、解決する」
  • problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題、疑問、難問、難題、不具合」
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
  • bar [bάːr] : 「かんぬきをする、〜を禁ずる、閉じこめる」
❖ "Therefore, attempt ~ "「したがって、答えが禁じられているこの世界では、どんな問題も解こうとしてはいけない」。この幻想世界は二元論世界であり、問題や疑問も二元論的に、二方向に対立する形で与えられる。たとえば、『愛するべきか、憎むべきか』など。しかし、この種の問いかけは、前もって答えが問題の中に含まれているのだ。先の例では、『相手に罪がある以上、憎むべきである』という答えが、初めから用意されているのである。言い換えれば、この世界では、本当の答えは、あたかも禁じられているようなものなのである( a world from which the answer has been barred)。そんな世界にあって、問題に答えを見つけようとすることは意味がない。



But bring the problem to the only place that holds the answer lovingly for you.
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • place [pléis] : 「場所、個所、地域、土地、広場」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • lovingly [lʌ́viŋli] : 「かわいがって、愛情を込めて、優しく」
❖ "But bring the problem ~ "「しかし、答えを優しくあなたに差し出している場所だけに、問題をもって行きなさい」。つまり、ホーリー・スピリットの元へ、あなたの抱えている問題を持っていき、ホーリー・スピリットに問題を委ねなさい。



Here are the answers that will solve your problems because they stand apart from them, and see what can be answered; what the question is.
  • solve [sɑ́lv] : 「解く、解決する」
  • stand apart from : 「〜から離れて立つ、〜から距離を置く」
  • answer [ǽnsər] : 「〜に答える、答えて言う」
  • question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
❖ "Here are the answers ~ "「そこに、あなたの問題を解決する答えがあるのだ」。ホーリー・スピリットが、あなたの問題を解決してくれる。"because they stand apart ~ "「なぜなら、答えは、問題と離れて存在しているからであり、」初めから問題が答えを包含しているのではないからであり、"and see what ~ "「何が問題であり、何が答えられ得るか、わかっているからだ」。ホーリー・スピリットは、あなたの抱えた問題のすべてを知っているし、それに対する、答えもちゃんと知っているのだ。なぜなら、ホーリー・スピリットは、あなたの心の中に住んでいるから、あなたのすべてを知っているのである。



Within the world the answers merely raise another question, though they leave the first unanswered.
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側に」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • raise [réiz] : 「引き起こす、提起する、惹起する、もたらす」
  • though [ðóu] : 「〜にもかかわらず、たとえ〜でも」
  • leave [líːv] : 「ある状態のままにしておく」
  • first [fə́ːrst] : 「第一の、一番目の」
  • unanswered [ʌnǽnsər]d] : 「返答のない、うやむやにされた」
❖ "Within the world ~ "「この世界の中にあっては、答えは単に、別の問題をもたらすだけである」。"though they leave ~ "「最初の問題が答えられないままに残されているにもかかわらず」。



In the holy instant, you can bring the question to the answer, and receive the answer that was made for you.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
❖ "In the holy instant ~ "「聖なる瞬間の中では、あなたは、問題を答えまでもっていける」。"and receive the answer ~ "「そして、あなたのためになされた答えを受け取ることが出来るのである」。あなたが、ホーリー・スピリットの声を聞くことの出来る聖なる瞬間に臨んだとき、あなたは抱えた問題をホーリー・スピリットの元へ持っていき、あなたに対してなされた答えを受け取ることが出来る。
 
 
 
 
 
V. The Healing Example
ヒーリングの例
 
 
 
1. The only way to heal is to be healed. The miracle extends without your help, but you are needed that it can begin.
  • way [wéi] : 「方法、やり方、手段、方途、様式」
  • extend [iksténd] : 「伸びる、広がる」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • need [níːd] : 「〜を必要とする」
  • begin [bigín] : 「始まる、着手する」
❖ "The only way to ~ "「ヒーリングの唯一の方法は、ヒーリングされることである」。与えることと得ることが同一であることは、天の王国の、神の法である。ヒーリングが実相的な行為である以上、ヒーリングすることとヒーリングされることは同一なのだ。"The miracle extends ~ "「奇跡は、あなたの助けなしで拡張する」。実相的な真実は、分かち合われることで拡張増大する。これもまた、神の法である。"but you are needed ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために」、「しかし、拡張が始まるには、あなたが必要とされるのだ」。あなたが自由意思をもって、ヒーリングしたたい、ヒーリングされたいと強く意思しない限り、奇跡も何も始まりはしない。あなたが完全な自由意思で決断したとき、奇跡は起こり、その奇跡は神の法に則って拡張増大していくのである。



Accept the miracle of healing, and it will go forth because of what it is.
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • go forth : 「出て行く、出発する、広まる」
❖ "Accept the miracle ~ "「ヒーリングの奇跡を受け入れなさい」。"and it will go forth ~ "「そうすれば、本当の奇跡がそうであるように、奇跡は動き出すのだ」。あなたがヒーリングの奇跡を受け入れ、自由意思をもってヒーリングを決定するとき、完全に自然な動きとして、ヒーリングの奇跡は起きるのである。



It is its nature to extend itself the instant it is born. And it is born the instant it is offered and received.
  • nature [néitʃər] : 「性質、性分、天性、本性、心性」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • be born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する、産声を上げる」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
❖ "It is its nature ~ "「奇跡が生まれるやいなや、それ自体を拡張することは、奇跡の自然な性質である」。真実の拡張は、神の法である。天の王国の自然な法なのだ。"And it is born ~ "「そして、奇跡は、差し出され受け取られた瞬間に、生まれるのだ」。あなたがヒーリングの奇跡を受け入れ、それが起こって欲しいという願いを差し出したとき、奇跡は瞬時にして生まれる。



No one can ask another to be healed. But he can let himself be healed, and thus offer the other what he has received.
  • ask [ǽsk] : 「〜を頼む、依頼する、〜してほしいと頼む」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つ、もう一人」
❖ "No one can ask ~ "「誰も、他人に対して、ヒーリングされるべきだと頼むことは出来ない」。"But he can let himself ~ "「しかし、自分自身をヒーリングし、受け取ったものを他者に差し出すことは出来るのである」。他人の自由意思を無視して、ヒーリングを他人に強制することは出来ないが、ヒーリングの奇跡を、他者と分かち合い共有することは出来る。分かち合われれば、奇跡は拡張するのだ。



Who can bestow upon another what he does not have? And who can share what he denies himself?
  • bestow [bistóu] : 「〜を授ける、与える、贈る」
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • deny [dinái] : 「〜に〜を与えない、〜を否定する、否認する」
❖ "Who can bestow upon ~ "「もってもいないものを、誰がいったい、他者に与えることが出来るだろう」。"And who can share ~ "「自分自身には与えないでおいて、いったい誰が、それを分かち合うことが出来るだろうか」。



The Holy Spirit speaks to you. He does not speak to someone else.
  • speak to : 「〜に話し掛ける」
  • someone else : 「誰か他の人」
❖ "The Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたに語りかけているのだ」。"He does not speak ~ "「ホーリー・スピリットは、他の誰かに語りかけているわけではない」。あなたの心の中のホーリー・スピリットは、あなたに語りかけているのであって、他者に向かって話しているのではない。



Yet by your listening His Voice extends, because you have accepted what He says.
  • listen [lísn] : 「耳を傾ける、傾聴する、聴く、聞く」
❖ "Yet by your listening ~ "「しかし、あなたがホーリー・スピリットの話を聞くことによって、ホーリー・スピリットの声は拡張していくのだ」。"because you have ~ "「なぜなら、あなたは、ホーリー・スピリットの言うことを受け入れたのだから」。あなたが、ホーリー・スピリットの語る真実を、真実として受け入れたとき、真実は自然に拡張し出すのである。真実は一ヶ所に留まりはしない。広がり、分かち合われるのである。ホーリー・スピリットがあなたに語る真実は、他者へと広がっていく。
 
 
 


T-27.IV.5:1 ~ T-27.IV.6:11

5. A pseudo-question has no answer. It dictates the answer even as it asks.
  • pseudo [súːdou] : 「見せかけの、偽りの、偽の、疑似的」
  • question [kwéstʃən] : 「問題、疑問、問い、質疑、疑義」
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
  • dictate [díkteit] : 「〜を書き取らせる、口述する、〜を命令する」
  • ask [ǽsk] : 「尋ねる、質問する、求める」
❖ "A pseudo-question ~ "「偽りの疑問は、答えをもたない」。質問自体の中にすでに答えを含んでいるような、偽りの疑問は、本当の答えというものをもたない。"It dictates the answer ~ "「それは、尋ねながら、答えを述べているのである」。たとえば、『人は罪のある他者を憎んで何が悪いのか』というような疑問は、発せられると同時に、『罪のあるような他者は憎むに値する』という答えを述べているのだ。



Thus is all questioning within the world a form of propaganda for itself.
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • within [wiðín] : 「〜の中の、〜の内側の」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • propaganda [prɑ̀pəgǽndə] : 「主義や主張の宣伝、プロパガンダ」
❖ "Thus is all questioning ~ "「こうして、この世界の疑問のすべては、それ自体のための宣伝という形をとる」。たとえば、『人は罪のある他者を憎んで何が悪いのか』という疑問は、『罪ある他者を、どんどん憎んで、罰せよ』という、いわば自己宣伝をしているようなものだ。



Just as the body's witnesses are but the senses from within itself, so are the answers to the questions of the world contained within the questions that are asked.
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、証拠、証言」
  • sense [séns] : 「感覚、感触、知覚」
  • contain [kəntéin] : 「〜を含む、包含する、〜が入っている」
❖ "Just as the body's ~ "「ちょうど、肉体の実在性の証言は、それ自体の内側からの感覚であると同様に、」つまり、肉体が本当に存在しているように感じるのは、肉体の一部である感覚器官がそう感じているからであり、それと同様に、"so are the answers ~ "「この世界の疑問に対する答えは、尋ねられた疑問の中に含まれているのである」。一言で言えば、どちらも自己撞着を起こしているのだ。自ら発したことの中に、自らへの返答を含んでいるのだ。だから、感覚器官による肉体の実在性の証言も、初めから答えを含んだ疑問も、何の意味もないのである。



Where answers represent the questions, they add nothing new and nothing has been learned.
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、象徴する、意味する」
  • add [ǽd] : 「加える、合計する、足す」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
❖ "Where answers ~ "「答えが疑問を表しているところでは、」答えが疑問の中に入っているところでは、"they add nothing ~ "「疑問は、何の新しいことも、学ぶべき何ものも、付け加えることはない」。答えのわかっている疑問を発しても、何か新しい発見など、決して望めない。



An honest question is a learning tool that asks for something that you do not know.
  • honest [ɑ́nəst] : 「正直な、誠実な、素直な、公正な」
  • tool [túːl] : 「道具、助け、用具、工具、手段、手先」
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する、〜を要する」
❖ "An honest question ~ "「誠実な疑問は、あなたの知らない何かを求める、学びの道具である」。本当の疑問や質問は、初めから答えを含んだものではなく、知らない何かを求めて発せられるものなのだ。そこに、学びの原点があり、疑問や質問は、学びのための最強の道具なのだ。



It does not set conditions for response, but merely asks what the response should be.
  • condition [kəndíʃən] : 「事情、条件、状態、状況、様子」
  • response [rispɑ́ns] : 「応答、感応、反応、返答、回答」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
❖ "It does not set ~ "「誠実な疑問は、返答に条件を設けないし、」こんな答えでないと答えとして認めない、などということはないし、"but merely asks ~ "「ただ単に、答えられるべきものを尋ねているのだ」。自分の知らない答えが答えられるのを期待しているだけなのだ。"what the response should be"「答えられるべきもの」とは、単に、正しい答え、と考えていいだろう。



But no one in a conflict state is free to ask this question, for he does not want an honest answer where the conflict ends.
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「摩擦、葛藤、軋轢、争い、紛争」
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • end [énd] : 「終わる」
❖ "But no one in ~ "「しかし、コンフリクトの状態にある者は誰も、こういった疑問を発する自由がない」。正直に、単純に、正しい答えを求めて疑問を発することがない。"for he does not want ~ "「なぜなら、彼は、コンフリクトを終わらせる誠実な答えを欲していないからだ」。いつまでもコンフリクトの中に留まろうとして、誠実な答えを求めようとしない。



6. Only within the holy instant can an honest question honestly be asked.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • honestly [άnistli] : 「正直に、誠実に、本当に、正当に」
❖ "Only within the holy ~ "「聖なる瞬間の中においてのみ、誠実な疑問は正直に発せられる」。ここで言う聖なる瞬間とは、あなたがホーリー・スピリットの声を聞くことの出来るようになった瞬間のこと。疑問とその答えをホーリー・スピリットに委ねてしまえば、あなたはホーリー・スピリットから誠実な答えが得られるのだ。



And from the meaning of the question does the meaningfulness of the answer come.
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
  • meaningfulness [míːniŋfəlnis] : 「有意味性、意味のあること」
❖ "And from the meaning ~ "「疑問の意味から、答えの有意味性はやってくる」。難しい言い回しをしているが、要するに、意味ある疑問から、意味ある答えが引き出せるということ。誠実な疑問から、誠実な答えが得られるのだ。それを後押ししてくれるのが、ホーリー・スピリットである。あなた一人が疑問を発し、あなた一人でそれに答えるのではないのだ。



Here is it possible to separate your wishes from the answer, so it can be given you and also be received.
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る、なし得る」
  • separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す」
  • wish [wíʃ] : 「願い、願望、希望」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
❖ "And from the meaning ~ "「ここでは、あなたの望みを答えから分離することが可能であり、」"so it can be given ~ "「答えはあなたに与えられ、また、あなたに受け取ってもらえるのだ」。誠実な疑問には、あなたの希望的観測が含まれていてはいけない。答えがこうであって欲しいという願いを排除して、ただ単に、知りたいという気持ちから疑問を発することが、誠実な疑問である。聖なる瞬間には、あなたの、こうあって欲しいという思いが、疑問に対する答えから分離されるのだ。だから、あなたは、本当の意味で、その答えから学べるのである。本当の答えを受け取れるのである。



The answer is provided everywhere. Yet it is only here it can be heard.
  • provide [prəváid] : 「提供する、供給する、与える、供与する、準備する」
  • everywhere [évrihwèər] : 「どこでも、どこにも」
  • heard [hə́ːrd] : 「hear の過去・過去分詞形」
❖ "The answer is provided ~ "「答えは、どこでも手に入る」。"Yet it is only here ~ "意訳する、「しかし、耳を傾けるに値する答えは、ただこの聖なる瞬間においてだけ、答えられるのだ」。学ぶ価値のある答えは、誠実な疑問に対して、聖なる瞬間、ホーリー・スピリットが与えてくれる答えだけである。



An honest answer asks no sacrifice because it answers questions truly asked.
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
  • truly [trúːli] : 「全く、本当に、真に、誠実に、正直に」
❖ "An honest answer ~ "「誠実な答えは、どんな犠牲も要求しない」。誠実な答えは、あなたに無理な要求をすることはない。あなたに犠牲を強いるような答えは、誠実な答えではない。"because it answers ~ "「なぜなら、誠実な答えは、本当に尋ねられたことだけに答えるからだ」。尋ねられたことだけに誠実に答えるのが誠実な答えであって、本来の答えから外れて、他に何かを要求することなはいのだ。



The questions of the world but ask of whom is sacrifice demanded, asking not if sacrifice is meaningful at all.
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
  • meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、意味深長な、重要な」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
❖ "The questions of ~ "「この世界の疑問は、誰が犠牲にされるか尋ねているだけだ」。たとえば、悪いのは誰か、罰せられるべきは誰か、というようなこと。"asking not if ~ "「犠牲は意味があるかどうかなど、まったく尋ねられることはない」。罪は幻想であり、それに伴う罰も幻想で、したがって、誰も犠牲になる必要はないはずだが、それを問いかけることは、この世界ではない。



And so, unless the answer tells "of whom," it will remain unrecognized, unheard, and thus the question is preserved intact because it gave the answer to itself.
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである」
  • unrecognized [ʌnrékəɡnàizd] : 「見分けられない、正当に認められていない、認識されていない」
  • unheard [ʌnhə́ːrd] : 「聞こえない、耳に届かない」
  • preserve [prizə́ːrv] : 「〜を保つ、保存する」
  • intact [intǽkt] : 「手を付けていない、変わっていない、無傷の」
❖ "And so, unless ~ "「したがって、答えが、『犠牲にされるべき誰か』を特定しない限り、」"it will remain ~ "「答えとして認識されることはない」。"unheard, and thus ~ "「そんな答えは、耳を傾けられることもなく、こうして、疑問は答えらないままに温存されるのだ」。"because it gave ~ "「なぜなら、その疑問自体が答えを与えているからだ」。この世界の疑問は、誰に罪があり、誰が罰せられるべきか、ということであって、その誰かが確定されない限り、その疑問は答えられていない、ということになる。そして、そんな疑問は、罪と罰は実在して当然だという答えを自分自身でもっているので、罪と罰の本当の誠実な問題は、問題にされることも答えれることもないのである。



The holy instant is the interval in which the mind is still enough to hear an answer that is not entailed within the question asked.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • interval [íntərvəl] : 「隔たり、間隔、合間」
  • enough [inʌ́f] : 「十分な、足りる」
  • entail [entéil] : 「〜を伴う、必要とする、引き起こす」
❖ "The holy instant is ~ "「聖なる瞬間は、心がまだ十分に、答えを聞く耳をもっている時間のことである」。もちろん、"that is not entailed ~ "意訳する、「その答えは、尋ねられた疑問の中にすでに確立しているような種類のものではない」。いわゆる、誠実な答えなのだ。だから、答えから学べるのである。



It offers something new and different from the question. How could it be answered if it but repeats itself?
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
❖ "It offers something ~ "「そんな答えは、疑問とは異なった、何か新しいものを提供しているのである」。疑問をもった時点では気付かなかった、何か異なる、新しいものを、その答えは提供してくれる。だから、学べるのだ。"How could it be ~ "「疑問が、自分自身を繰り返しているだけなら、疑問はどうして答えられたと言えるだろうか」。初めから答えを確立している疑問は、疑問が発せられても答えられる内容は、その確立した答えだけである。あたかも、疑問自体が同じ疑問を繰り返していることになるのだ。そんなことでは、学びに役立つ答えなど、決して期待できないのである。
 
 
 


T-27.IV.3:1 ~ T-27.IV.4:17

3. Attempt to solve no problems but within the holy instant's surety.
  • attempt [ətémpt] : 「試み、企て」
  • solve [sɑ́lv] : 「解く、解決する」
  • problem [prɑ́bləm] : 「問題、疑問、難問、難題」
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側で」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • surety [ʃúərəti] : 「保証、確信、自信」
❖ "Attempt to solve no problems ~ "「聖なる瞬間の確実性の中以外で、問題を解こうと試みてはいけない」。神の与えてくれるホーリー・スピリットに問題を委ねるという聖なる瞬間に、あなたの問題は解決されるのだ。それ以外に、問題が解かれる可能性はない。なぜなら、それ以外の場所に答えは存在しないからだ。



For there the problem will be answered and resolved.
  • answer [ǽnsər] : 「〜に答える、返事する」
  • resolve [rizάlv] : 「解明する、解決する」
❖ "For there the problem ~ "「なぜなら、聖なる瞬間にあってこそ、問題は答えられて解かれるからだ」。



Outside there will be no solution, for there is no answer there that could be found.
  • outside [áutsáid] : 「〜の外〜の外側に」
  • solution [səlúːʃən] : 「解、解答、解決、解決法」
  • found [fáund] : 「find の過去・過去分詞形」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
❖ "Outside there will ~ "「聖なる瞬間の外にあっては、どんな解決も望めない」。"for there is no answer ~ "「なぜなら、聖なる瞬間の外には、どんな答えも見い出せないからだ」。



Nowhere outside a single, simple question is ever asked. The world can only ask a double question.
  • nowhere [nóuhwὲər] : 「どこにも〜ない」
  • single [síŋɡl] : 「ただ一つの、たった一つの」
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な」
  • question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
  • ask [ǽsk] : 「〜を尋ねる、質問する、求める、要求をする」
  • double [dʌ́bl] : 「2倍の、二つの、二重の」
❖ "Nowhere outside ~ "「聖なる瞬間の外のどこを探しても、単一でシンプルな(実相的)疑問が、尋ねられたことはない」。"The world can ~ "「この世界は、二重の疑問を尋ねることが出来るだけである」。"single, simple question"「単一でシンプルな疑問」とは、二つの対立概念に分裂していない実相的な疑問のこと。対して、二つの対立概念に分裂している疑問が、"double question"である。たとえば、『愛すべきか憎むべきか』というような疑問は"double question"である。『どうすれば喜びをもって愛を表せるか』というような疑問は"single, simple question"。



One with many answers can have no answers. None of them will do. It does not ask a question to be answered, but only to restate its point of view.
  • do : 「〜の役に立つ、間に合う」
  • restate [ristéit] : 「再び述べる、言い直す」
  • point of view : 「考え方、観点、視点、主張」
❖ "One with many ~ "「多くの答えを伴うような疑問は、どんな答えも持ち得ない」。どう答えても答えになるなら、答えは存在しないに等しい。だから、"None of them ~ "「そんな答えはどれも、役に立たない」。"It does not ask ~ "「そんな疑問は、答えを求めて尋ねられた疑問ではない」。"but only to restate ~ "「それは単に、(自分の)観点を再び述べるために尋ねられただけである」。たとえば、『愛すべきか憎むべきか』などという疑問は、すでに対象を憎んでいるから発せられた疑問であって、答えを求めての疑問ではなく、憎んでいる自分を確認するためだけの疑問である。憎む自分を正当化したいだけだ。



4. All questions asked within this world are but a way of looking, not a question asked.
  • way [wéi] : 「方法、やり方、手段、方途、様式」
❖ "All questions asked ~ "「この世界で尋ねられる疑問はすべて、ものの見方のことであって、尋ねられる疑問ではない」。前文同様、たとえば『人を憎んでもいいか』という疑問は、人を憎むことは当然あり得るという前提に立って、自分の観点、あるいは信念を述べているだけのものであって、憎んでいる自分を確認し正当化するだけの意味しかもたない。疑問を呈しているかのように見えるが、疑問ではないのだ。



A question asked in hate cannot be answered, because it is an answer in itself.
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
❖ "A question asked ~ "「憎しみの中で尋ねられる疑問は、答えられようがない」。"because it is ~ "「なぜなら、そんな疑問は、それ自体の内に答えを孕(はら)んでいるからだ」。憎しみを伴った疑問は、憎しみを抱いた自己を正当化する意味をもっているだけであって、言い換えれば、答えが事前に用意された疑問なのだ。



A double question asks and answers, both attesting the same thing in different form. The world asks but one question.
  • attest [ətést] : 「証言する、証明する」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
❖ "A double question ~ "「二重疑問は、尋ね、そして答える」。『愛すべきか憎むべきか』というような、二元論的な疑問は、疑問が発せられると同時に、疑問の中に答えを孕んでいるので、自ら答えているようなものだ。"both attesting ~ "「疑問も答えも両方とも、同じ内容を異なった形で証言してるのである」。『憎んでいいのか』と疑問を発すること自体が、『憎んでいい』という答えを孕み、表面上は疑問と答えは異なる形をしているが、言っている内容は同じである。"The world asks ~ "「この世界は、たった一つの疑問を尋ねているだけだ」。その内容は次の文以降。



It is this: "Of these illusions, which of them is true? Which ones establish peace and offer joy? And which can bring escape from all the pain of which this world is made? "
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、成立させる、達成する」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出、避難、逃げ道、逃避、回避」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛、苦痛、骨折り、苦労」
❖ "It is this"「それは、こうである」。""Of these illusions ~ "「これらの幻想の中で、どの幻想が真実なのか」。"Which ones establish ~ "「どの幻想が、平和を確立し、喜びを与えてくれるのか」。"And which can bring ~ "「どの幻想が、この世界を作り出している痛みからの開放をもたらしてくれるのか」。



Whatever form the question takes, its purpose is the same.
  • whatever [hwʌtévər] : 「どんな〜が〜でも」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "Whatever form ~ "「疑問がどんな形をとろうが、その目的は同一である」。どんなに異なった疑問を発しても、幻想からの開放を目指した疑問ではなく、幻想とどうやって付き合っていくかという疑問である。幻想にうまく騙されていくにはどうやればいいか、という疑問である。つまり、幻想を信じている自分を正当化しようというわけだ。




It asks but to establish sin is real, and answers in the form of preference.
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • in the form of : 「〜の形で、〜の形をして、〜の形式で」
  • preference [préfərəns] : 「好み、優先、選り好み、嗜好」
❖ "It asks but to ~ "「その疑問は、罪が現実であると確立することを求め、」"and answers ~ "「そして、好みはどうなのか、という形で、答えるのである」。ここの"sin"「罪」は"illusion"「幻想」に置き換えてみるといい。つまり、この世界で発せられる疑問は、幻想を現実であると確立するために発せられるのだ。たとえば、『罪は現実として受け入れて生きていくべきか』という疑問と、『罪は罰せられることで消えるか』という疑問は、それぞれ、『罪は現実であって罪を背負って生きるのが人間の性(さが)だ』という答えと、『罪は神が罰することによってのみ解消される』という答えは、ともに、罪という幻想を現実のものとして確立する意味しかなく(to establish sin is real)、どちらを選択するかは、その人の好みの問題だ(in the form of preference)、ということになるのである。



"Which sin do you prefer? That is the one that you should choose.
  • prefer [prifə́ːr] : 「〜を好む、むしろ〜の方を好む、〜の方を選ぶ」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
❖ "Which sin do ~ "「どっちの罪を、あなたは好むのか」。罪を背負って生きる罪を好むか、罰せられる罪を好むか。"That is the one ~ "「どれかを、あなたは選択しなくてはならない」。幻想の罪から逃れるにはどうしたらよいかではなく、どんな罪を選択するかが、あなたに与えられた選択肢になるわけだ。



The others are not true. What can the body get that you would want the most of all?
  • most of all : 「いちばん、とりわけ、なかんずく」
❖ "The others are ~ "「その他は、真実ではない」。幻想の罪から開放されるということは真実の生き方ではなく、罪が現実に存在し、それとどう向き合って生きるかが本当の生き方である、と主張するわけだ。"What can the body ~ "「肉体は、あなたが最も欲しいと思うような何を手に入れることが出来るだろうか」。幻想の肉体を通して得られる幻想が、あなたにとって一番大切なものとなる。つまり、あなたの肉体は、幻想に対する欲の塊になってしまうのだ。



It is your servant and also your friend. But tell it what you want, and it will serve you lovingly and well. "
  • servant [sə́ːrvənt] : 「使用人、召使い、奉仕者」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜を供給する、〜に仕える」
  • lovingly [lʌ́viŋli] : 「かわいがって、愛情を込めて、優しく」
❖ "It is your servant ~ "「肉体は、あなたの召使いであり、友である」。"But tell it what ~ "「肉体に対して、あなたが欲しいものを言ってみなさい」。"and it will serve ~ "「そうすれば、肉体は、優しく、そして上手に、あなたに仕えてくれるだろう」。あなたの肉体はあなたの欲を満たしてくれる奴隷となり、あなたは快楽を追い求めるだけの人間になってしまうだろう。



And this is not a question, for it tells you what you want and where to go for it. It leaves no room to question its beliefs, except that what it states takes question's form.
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
  • leave room : 「余地を残す」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条」
  • except that : 「that 以下であることを除いては」
  • state [stéit] : 「述べる、はっきり言う、提示する」
❖ "And this is not ~ "「こんなことが、疑問であるはずはない」。"for it tells you ~ "「それは、あなたに、あなたが何を欲し、それを得るためにどこに行けばいいか、告げているだけだからだ」。"It leaves no room ~ "「信じていることに疑問を発する余地を残してくれてはいない」。幻想の実在性を信じるあまり、幻想が本当に現実か、という疑問を持つことさえ憚(はばか)られているのだ。"except that what it ~ "「それが、疑問という形をとっているにしても」。結局、幻想の世界に住んでいて、幻想を相手に疑問を発することはあっても、幻想世界から飛び出る方策は、少しも議題に登ることがないのだ。幻想の泥まんじゅうをいくつも並べて、どれが一番食べたい泥まんじゅうかと尋ねているようなものである。そんな疑問、質問に意味があるだろうか。泥まんじゅうが、それほど美味で、大切なのか。泥まんじゅうを捨てて、本物のまんじゅうが食べたいと宣言できる人間はいないのか。
 
 
 


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