2. Health is the witness unto health. As long as it is unattested, it remains without conviction.
- health [hélθ] : 「健康、健康状態、調子」
- witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、立会人」
- as long as : 「〜である限りは、〜する以上は、〜であるならば」
- unattested [ʌnətéstid] : 「証明されていない」
- remain [riméin] : 「残る、残存する」
- without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
- conviction [kənvíkʃən] : 「信念、確信」
❖ "Health is the witness ~ "「健康は、健康の証人である」。肉体の健康は心の健康を証言し、心の健康は肉体の健康を証言する。"As long as it is ~ "「健康が証明されない限り、健康は確信がないままにされる」。肉体が健康でなければ、心の健康は確立されず、心が健康でなければ、肉体の健康は確信をもって健康だと断言出来ない。つまり、健康であることは全的なことであって、存在の一部が健康であり他が不健康だ、ということはあり得ない。
Only when it has been demonstrated is it proved, and must provide a witness that compels belief.
- demonstrate [démənstrèit] : 「実演する、明らかにする、実証する、立証する」
- prove [prúːv] : 「証明する、立証する、〜と分かる」
- provide [prəváid] : 「提供する、供給する、与える、供与する」
- compel [kəmpél] : 「屈服させる、無理に従わせる、強要する、強いる」
- belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
❖ "Only when it ~ "「健康さが実証されたときに限って、健康は証明されるのであり、嫌が上でも信じさせるような証言を提供するものでなければならない」。心が、何となく健康であるような気がする、というような曖昧な気分ではなく、確実に心が健康であることを実証して見せなければ、心が健康であると断言出来ない。そのとき初めて、必然的に、肉体の健康が確立するのだ。極言するなら、心が完全に無辜(むこ)であると証明されたとき、初めて心は健康であり、正気であると言えるのである。そのとき、肉体は完全に健康となり、結果、肉体は幻想として消滅しても構わないものとなる。蛇足になるが、病気がないから、自分の肉体は健康だ、などと判断して良いようなものではない。逆に、病気がちであるなら、まず、心の健康を回復することを願うべきである。
No one is healed through double messages. If you wish only to be healed, you heal. Your single purpose makes this possible.
- through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
- double [dʌ́bl] : 「2倍の、二つの、二重の」
- message [mésidʒ] : 「伝言、メッセージ、通信、通達、伝達内容」
- wish [wíʃ] : 「望む、願う」
- single [síŋgl] : 「ただ一つの、たった一つの」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- make : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
- possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る、なし得る」
❖ "No one is healed ~ "「誰も、二重のメッセージを通して、ヒーリングされることはない」。"double messages"「二重のメッセージ」とは、二元論的な観念のこと。たとえば、『愛と憎しみのバランスをとることが癒しには必要だ』などというメッセージでは、ヒーリングは成功しない。愛と憎悪は対立概念であり、二元論的な観念であるからだ。対して、対立概念をもたない一元論的な実相的愛をメッセージとして伝えることが出来れば、ヒーリングは成立する。純粋な愛を伝えることがヒーリングなのだ。言い換えれば、真実と虚偽が交じり合ったダブル・メッセージではヒーリングは成り立たない。純粋な真実だけが、人の心を癒すのだ。"If you wish only ~ "「もしあなたが、ヒーリングされたいとだけ望むなら、あなたはヒーリング出来るのだ」。ヒーリングは実相的行為であって、与えることと得ることが同一である行為の一つだ。ヒーリングすることとヒーリングされることは同一なのだ。したがって、あなたがヒーリングされたいと願うことが、あなたをヒーラーにするのである。"Your single purpose ~ "「あなたの単一の目的が、これを可能にする」。"single purpose"「単一の目的」とあるが、純粋な目的、と読み替えていいだろう。一方で人をヒーリングしたいと願い、一方で人を憎んで攻撃したいなどと、思うようでは、ヒーリングは成功しない。ヒーリングという目的が純粋で、単一でなければならないのだ。
But if you are afraid of healing, then it cannot come through you.
- be afraid [əfréid] of : 「〜を恐れる、〜を怖がる、〜について心配だ」
❖ "But if you are ~ "「しかし、もし、あなたがヒーリングを恐れているなら、」"then it cannot ~ "「その時は、ヒーリングはあなたを通して成されることは不可能だ」。ヒーリングを願いながら、ヒーリングを恐れるというような、不純な動機があってはならない。恐れが、あなたのパワーを殺(そ)ぐからだ。ヒーリングは、愛と喜びである。純粋に、愛と喜びをもって、ヒーリングしなくてならない。
The only thing that is required for a healing is a lack of fear. The fearful are not healed, and cannot heal.
- require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、求める」
- lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
- fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
❖ "The only thing that ~ "「ヒーリングに求められる唯一のことは、恐れの欠如である」。恐れず怖がらず、純粋な愛と喜びを与えればいいのだ。"The fearful are ~ "「恐れている者は、ヒーリングされることはない」。"and cannot heal"「したがって、ヒーリング出来ないのだ」。恐れとは幻想である。ヒーリングという実相の行為に、幻想を交えてはならないのだ。奇跡は純粋である。
This does not mean the conflict must be gone forever from your mind to heal. For if it were, there were no need for healing then.
- mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
- conflict [kɑ́nflikt] : 「摩擦、葛藤、軋轢、争い、紛争」
- gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
- forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "This does not mean ~ "「これは、ヒーリングするには、あなたの心からコンフリクトが永遠に消えていなくてはならないということを意味しているわけではない」。"For if it were ~ "「もしそうだとしたら、ヒーリングする必要はなくなるわけだ」。
But it does mean, if only for an instant, you love without attack. An instant is sufficient. Miracles wait not on time.
- instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
- if only : 「ただ〜でさえあれば」
- attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
- sufficient [səfíʃənt] : 「十分な、満足な、足りる、間に合う」
❖ "But it does mean ~ "「しかし、ほんの一瞬であれ、あなたが攻撃心をもたずに愛することは意味がある」。"An instant is ~ "「一瞬で十分だ」。"Miracles wait not ~ "「奇跡は、時間軸に乗って待っているわけではない」。あなたが攻撃心を持たずに一瞬でも愛せばいい。実相的瞬間があれば、奇跡は起きるのだ。奇跡は、実相的事象であって、時間依存しない。一瞬の奇跡は永遠に持続するのだ。
3. The holy instant is the miracle's abiding place.
- holy [hóuli] : 「神聖な」
- abide [əbáid] : 「とどまる、居住する」
❖ "The holy instant ~ "「聖なる瞬間は、奇跡が住まう場所である」。聖なる瞬間、実相が開示される瞬間に、奇跡は起きる。
From there, each one is born into this world as witness to a state of mind that has transcended conflict, and has reached to peace.
- be born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する」
- witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、証拠、証言」
- state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
- transcend [trænsénd] : 「超える、〜を超越する、しのぐ、〜に勝る」
- reach [ríːtʃ] : 「〜に達する、〜に至る」
❖ "From there, each ~ "「その場所から、一人一人は、〜として、この世界に生まれ出るのだ」。"as witness to ~ "「コンフリクトを超越し、平和に至る心の状態の証人として、」この世界に生まれ出るのだ。奇跡の宿る聖なる瞬間に、人はこの世界に生まれてくる。誕生は聖なる瞬間であり、奇跡である。そして、あなたは、心のコンフリクトを克服し、実相的な平和に至るために、それを実証して見せるために、生まれてきたのだ。
It carries comfort from the place of peace into the battleground, and demonstrates that war has no effects.
- carry [kǽri] : 「〜を運ぶ、〜を持ち運ぶ」
- comfort [kʌ́mfərt] : 「快適さ、心地よさ、癒やし、安らぎ、安楽」
- battleground [bǽtlɡràund] : 「戦場、争いの場」
- demonstrate [démənstrèit] : 「実演する、実証する、立証する」
- effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
❖ "It carries comfort ~ "「奇跡の起きる聖なる瞬間は、平和の住む場所から争いの場所へ、安らぎを運んでくれる」。実相が開示されて奇跡が起きると、平和な天の王国の安らぎが、この争いの場である幻想世界にもち込まれるのだ。"and demonstrates ~ "「そして、戦争は何の結果ももたらさないと、実証して見せるのである」。
For all the hurt that war has sought to bring, the broken bodies and the shattered limbs, the screaming dying and the silent dead, are gently lifted up and comforted.
- hurt [hə́ːrt] : 「痛み、苦痛、傷、けが、苦痛、悪意、不正」
- sought [sɔ́ːt] : 「seek の過去・過去分詞形」
- seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
- bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
- broken [bróukn] : 「壊れた、故障した、損傷している」
- shattered [ʃǽtərd] : 「粉々になった、荒廃した、駄目になった、損なわれた」
- limb [lím] : 「肢、手足」
- scream [skríːm] : 「鋭い叫び声を上げる、悲鳴を上げる」
- dying [dáiiŋ] : 「死にかけている、臨終の、消えかけている」
- silent [sáilənt] : 「静かな、音がしない、無言の、黙りこくった」
- dead [déd] : 「死んでいる、生命のない、終わってる、死んだ」
- gently [dʒéntli] : 「親切に、静かに、優しく、穏やかに」
- lift [líft] up : 「〜を持ち上げる」
- comfort [kʌ́mfərt] : 「慰める、安心させる、元気づける、楽にする」
❖ "For all the hurt that ~ "「なぜなら、戦争が持ち込もうと画策した痛み、損傷した体、失われた四肢、死にゆく者の叫び、黙して語らない死体、それらは、優しく持ち上げられ、慰められるからだ」。争いによって肉体が傷つき、死んでも、心は天の王国へ持ち上がられ、そこで優しく癒されるのだ。死を恐れることはない。恐れが奇跡の邪魔をする。ならば、心に天の王国を抱くことだけを考えていればいいのだ。