●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-7.XI.7:1 ~ T-8.I.1:10

7. You cannot deny part of truth. You do not know your creations because you do not know their creator.
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、拒絶する」
  • part [pɑ́ːrt] : 「一部、部分」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真理」
  • creation [kriéiʃən] : 「創作物、作品、創造」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者」
❖ "You cannot deny ~ "「あなたは、真実の一部だけを否定することは出来ない」。この文章は前段落からの続きであって、単一である神の子の一部である他者を否定し、自分という一部だけを肯定することなど出来ない、という意味である。それは神の完全なる創造を否定したことになり、いわば、生みの親である『父』を否定したことになる。"You do not ~ "「あなたは、あなたが創造したものを知ることがない」。"because you do ~ "「なぜなら、あなたはその創造した者を知らないからだ」。あなたが『父なる』神を否定したことは、自分もまた『父』として『子』を創造できることを否定したことになる。神から継承した創造的パワーを放棄したことになり、あなたが創造したものをあなたの『子』として認識することさえ出来ない。



You do not know yourself because you do not know yours. Your creations cannot establish your reality, any more than you can establish God's. 
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、達成する」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実」
  • not A any more than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
❖ "You do not know ~ "「あなたは、あなた自身を知らない」。あなたは『父』なる神が創造した神の『子』であることを知らない。"because you do ~ "「なぜなら、あなたは、あなたの創造主を知らないからだ」。"yours"は"your creator"のこと。あなたは他者を否定し、神の完全性を否定したために、父と子の関係性を断ち切ってしまったのだ。"Your creations cannot ~ "「あなたの創造したものは、あなたの現実を確立することは出来ない」。"any more than ~ "「それは、あなたが神の現実を確立できないのと同じである」。あなたは父と子の関係性を断ち切ったために、神と創造を分かち合い真実を拡張して天の王国の現実を確立するということが不可能になった。同様の構図はこの幻想世界においても保たれたままになっている。父なるあなたが創造したものと、つまりあなたの子とあなたは断絶したままになっているがために、真実を分かち合って拡張増大させることが不可能な状態なのだ。あなたはこの世で真実を創造し、真実を分かち合って拡張し、あなたの現実を作り出すことが出来ない。



But you can know both. Being is known by sharing. Because God shared his being with you, you can know him. But you must also know all he created, to know what they have shared. 
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • being [bíːiŋ] : 「存在、実在、生存、生命」
  • sharing [ʃέəriŋ] : 「わかち合い、共有利用」
❖ "But you can ~ "「しかし、あなたは両者を知ることが出来る」。両者とは、もちろん、あなたが創造したものとあなたを創造した神。あなたがその気にさえなれば、切っても切れない父と子の関係性を再確認することが出来る。"Being is known ~ "「存在は、分かち合うことで知られる」。存在を分かち合うとは、真実を拡張するという創造を共に行うこと。創造こそが存在である。"Because God shared ~ "「神はその存在をあなたと分かち合うから、」"you can know ~ "「あなたは神を知ることが出来る」。神と創造を供にすることで、あなたは神の存在と重なることが出来る。客観的に神の存在を知るのではなく、実感として、神と一体化するのだ。したがって、創造的存在は、単一の存在形態をとる。"But you must ~ "「しかし、あなたは、神が創造したものすべてを、また、知らなくてはならない」。"to know what ~ "「神が創造したものすべてが、何を分かち合っているか知るために」。神が創造した神の子としての他者と一体化せずに、神との一体化を実現し実感することは出来ない。あなたは他者との分離を解消し、自他一如を知った上で、他者と真実のすべてを分かち合い、拡張してこそ、神との一体化を果たすことが出来る。



Without your Father you will not know your fatherhood. 
  • fatherhood [fάːðərhud] : 「父であること、父権」
❖ "Without your Father ~ "「父なる神なくして、あなたは、(あなたが創造したものたちの)父であることを知ることはない」。『父』なる神が『子』なるあなたを創造したのだという父と子の関係性を確信することで、『父』なるあなたが『子』なる真実を創造できるのだと知ることになる。あなたが愛を感じ、喜びに満たされ、美を生み出したとき、あなたが父として創造した真実の空間の中に、あなたは確かに存在する。あなたの実存はそこにある。



The Kingdom of God includes all his sons and their children, who are as like the sons as they are like the Father. Know, then, the sons of God, and you will know all creation.
  • include [inklúːd] : 「〜を含める、〜を包含する」
❖ "The Kingdom of ~ "「神の王国は、神の子、そして神の子の子、すべてを包含する」。"who are as like ~ "「神の子の、その子は、神の子が父なる神に似ているように、神の子に似ている」。"Know, then ~ "「だから、神の子よ、知りなさい」。"and you will ~ "「そうすれば、あなたはすべての創造を知るだろう」。この段落の後半は、非常に簡単な単語で簡潔に書かれてあるが、驚くほど力強い。声に出して朗読してみること。リズムと音が調和して非常に力強く、非常に心地よく、きっとパワーを与えられるだろう。




Chapter 8


The Journey Back
戻りの旅



I. The Direction of the Curriculum
カリキュラムの方向


1. Knowledge is not the motivation for learning this course. Peace is. 
  • knowledge {nɑ́lidʒ] : 「知識、認識、知恵」
  • motivation [mòutəvéiʃən] : 「動機、動機付け、意欲」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心」
❖ "Knowledge is not ~ "「叡智を得ることが、このコースを学ぶ動機ではない」。"Peace is"「平和である」。平和といっても、心の平和。叡智が動機ではないが、コースを学んだ結果、叡智に至るのは必然である。



This is the prerequisite for knowledge only because those who are in conflict are not peaceful, and peace is the condition of knowledge because it is the condition of the Kingdom. 
  • prerequisite [prirékwəzit] : 「必要条件、必須条件、前提条件」
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「摩擦、葛藤、軋轢」
  • in conflict : 「矛盾して、対立して、軋轢のある」
  • peaceful [píːsfl] : 「平和な、穏やかな」
  • condition [kəndí∫n] : 「状態、状況、条件」
❖ "This is the prerequisite ~ "「平和は叡智のための必要条件である」。"only because those ~ "「なぜなら、矛盾を抱えた人たちは平和でないからだ」。"and peace is ~ "「そして、平和は叡智の条件である」。"because it is ~ "「なぜなら、平和は王国の条件であるから」。叡智に至るには、すなわち王国に至るには、その基盤として、コンフリクトのない心の状態、すなわち平和な心の状態が必要とされる。幻想(悪夢)から目覚めた状態が心の平和をもたらす。悪夢こそがコンフリクトなのだ。



Knowledge can be restored only when you meet its conditions. This is not a bargain made by God, Who makes no bargains. 
  • restore [ristɔ́ːr] : 「元に戻す、修復する」
  • meet [míːt] : 「合う、満足させる、かなえる」
  • bargain [bɑ́ːrgin] : 「駆け引き、取引、契約」
❖ "Knowledge can be ~ "「あなたがその条件を満たすとき、王国は修復され得る」。"This is not a ~ "「これは、神によってなされる取引ではない」。"Who makes no ~ "「神は決して取引などしないからだ」。あなたがコンフリクトを脱して心の平和を得たとき、王国への鍵が渡され、王国へ入ることが許されると同時にその修復を任され、代わりに叡智を与えられるという取引を神がもちかけているのではない。



It is merely the result of your misuse of his laws on behalf of an imaginary will that is not his. Knowledge is his will. 
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、効果、成果」
  • misuse [mìsjúːs] : 「悪用、誤用、乱用」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規」
  • on behalf of : 「〜のために、〜の代わりに」
  • imaginary [imǽdʒənèri] : 「想像上の、架空の、空想の」
  • will [wíl] : 「意志、精神力」
❖ "It is merely ~ "「それは、神のものではない空想の意思のために、神の法をあなたが誤って使用した結果に過ぎない」。あなたは、エゴの思考システムに騙されて、得るためには取引しなくてはいけないと思っているだけだ。神の法では、与えることと得ることは同一である。取引などない。"Knowledge is ~ "「叡智こそが神の意思である」。真実の総体である叡智をあなたが得ること、それだけを神は願っている。



If you are opposing his will, how can you have knowledge? 
  • oppose [əpóuz] : 「反対する、対抗する」
❖ "If you are opposing ~ "「もし、あなたが神の意思に反抗しているなら、」"how can you ~ "「あなたは、どうやって叡智を持つことが出来るだろう」。叡智そのものである神を拒絶して、どうして叡智をものにすることが出来るだろう。



I have told you what knowledge offers you, but perhaps you do not yet regard this as wholly desirable. 
  • offer [ɔ́ːfər] : 「提供する、差し出す、ささげる」
  • perhaps [pərhǽps] : 「たぶん、おそらく」
  • regard [rigɑ́ːrd] : 「〜を〜と見なす、注目する」
  • regard A as B : 「AをBと見なす」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として」
  • desirable [dizáiərəbl] : 「望ましい、好ましい」
❖ "I have told you ~ "「私はあなたに、叡智があなたに何を提供してくれるか話したことがあった」。"but perhaps you ~ "「しかし、たぶんあなたはまだ、この叡智を全面的に望ましいものだと見なしてはいない」。叡智を忘れているあなたは、叡智が何たる分からない。その価値すら分からない。



If you did you would not be so ready to throw it away when the ego asks for your allegiance.
  • ready [rédi] : 「用意ができて、〜しがちな」
  • throw [θróu] : 「〜を投げる、投じる」
  • throw away : 「〜を投げ捨てる、無駄に費やす」
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する」
  • allegiance [əlíːdʒəns] : 「忠誠、忠実」
❖ "If you did"「もしあなたが、叡智を全面的に望ましいものと思っていたら、」ここは、仮定法過去、現在の事実に反したことを仮定して述べており、"you would not ~ "「エゴがあなたに忠誠を求めたとき、あなたは、そんなに簡単に叡智を投げ捨てたりするはずがない」。実際は、エゴの誘惑に負けて、叡智を投げ捨ててしまった。神の子は神から分離するとき、叡智のすべてを神に投げ返してしまったのだ。






T-7.XI.5:1 ~ T-7.XI.6:8

5.When a mind has only light, it knows only light. Its own radiance shines all around it, and extends out into the darkness of other minds, transforming them into majesty. 
  • radiance [réidiənsi] : 「輝き、光輝」
  • shine [ʃáin] : 「輝く、光る、光らせる」
  • all around : 「辺り一面に、至る所に」
  • extend [iksténd] : 「広げる、拡張する、拡大する」
  • transform [trænsfɔ́ːrm] : 「〜を変形する、〜を変換する」
  • majesty [mǽdʒesti] : 「尊厳、威厳」
❖ "When a mind ~ "「心に光だけがあれば、」"it knows only ~ "「心は光だけを知る」。"Its own radiance ~ "「心自体の光輝は周りを照らし、」"and extends out ~ "「他者の心の闇へと光を伸ばす」。"transforming them ~ "「彼らの心を尊厳あるものに変えるのだ」。



The Majesty of God is there, for you to recognize and appreciate and know. 
  • recognize [rékəgnàiz] : 「認める、〜を認識する」
  • appreciate [əpríːʃièit] : 「〜を正しく理解する」
❖ "The Majesty of ~ "「神の尊厳はそこにある」。そことは、あなたの心が発する光によって尊厳あるものに変わった心の中。"for you to recognize ~ "「あなたが、受け入れ、正しく理解し、そして知ることが出来るように、」神の尊厳がそこにある。ここの"know"はもちろん、叡智をもって直覚する、という意味。



Recognizing the Majesty of God as your brother is to accept your own inheritance. God gives only equally. 
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、受け入れる」
  • inheritance [inhérətəns] : 「受け継ぎ、継承、相続」
  • equally [íːkwəli] : 「平等に、同等に、差別なく」
❖ "Recognizing the Majesty ~ "「神の尊厳をあなたの同胞として認識することは、あなた自身の(神からの)継承を受け入れることである」。" God gives only ~ "「神はただ平等に与えるのだから」。同胞に尊厳を認識することは、自分の尊厳を受け入れること。その尊厳は、神が神の子に平等に与えたものである。



If you recognize his gift in anyone, you have acknowledged what he has given you. 
  • gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント」
  • acknowledge [əknɑ́lidʒ] : 「認める、認識する」
❖ "If you recognize ~ "「もし、あなたが、他者の中に神の贈り物を認識したなら、」"you have acknowledged ~ "「あなたは、神があなたに与えたものを承認したことになる」。神は神の属性のすべてを、単一の神の子に与えた。あなたと他者は自他一如であり、あなたが他者の中に神の属性を認識したなら、それはあなた自身の中に神の属性を受け入れたことになる。たとえば、どんなに憎い相手であっても、あなたがその人の中に愛のかけらを見出したなら、それはあなたの心の中の愛を認識したことになる。



Nothing is so easy to recognize as truth. This is the recognition that is immediate, clear and natural. 
  • easy [íːzi] : 「たやすい、容易な、簡単な」
  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証」
  • immediate [imíːdiət] : 「即時の、即座の、即刻の」
  • clear [klíər] : 「明らかな、明瞭な」
  • natural [nǽtʃərəl] : 「自然の、ありのままの」
❖ "Nothing is so ~ "「真実ほど、認識するのに簡単なものはない」。"This is the recognition ~ "「これは、あっという間の、明瞭で、自然な認識である」。ACIMが繰り返し述べているように、真実ほどシンプルなものはない。難しい論理や苦行で獲得するという種類のものではない。そこにある真実をありのままに受け入れるだけでいい。



You have trained yourself not to recognize it, and this has been very difficult for you.
  • train [tréin] : 「教え込む、訓練する」
❖ "You have trained ~ "「あなたは、真実を認識できないようにしようと自分自身を訓練してきた」。"and this has ~ "「その結果、真実を認識することが、あなたにとって非常に難しいものとなった」。



6. Out of your natural environment you may well ask, "What is truth?" since truth is the environment by which and for which you were created. 
  • may well : 「多分〜だろう」
❖ "Out of your natural ~ "「自然な環境の外では、多分あなたは『何が真実だろう』と訊ねるだろう」。自然な環境の外とは、夢の中で、という意味合い。目覚めて真実に囲まれた環境の外、つまり、幻想に囲まれた環境である。"since truth is ~ "「なぜなら、真実とは、あなたがそれによって、また、そのために創造された環境であるからだ」。神は真実で満たされた実相世界において神の子であるあなたを創造した。あなたの故郷は実相世界なのであって、そこが一番自然な環境である。その中にあって、あなたは神と創造を分かち合い、真実を拡張していくのである。それが一番自然なあなたの姿である。ところが、その環境を捨ててしまえば、真実が見えなくなってしまう。途方に暮れたあなたは『何が真実だろう』と訊ねるしかない。



You do not know yourself, because you do not know your Creator. 
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
❖ "You do not ~ "「あなたは、あなた自身を知らない」。"because you do ~ "「なぜなら、あなたはあなたの創造主を知らないからだ」。神はあなたを創造したのだから、あなたの『父』である。父を知ることなく、あなた自身を知ることは出来ない。



You do not know your creations because you do not know your brothers, who created them with you. 
  • creation [kriéiʃən] : 「創作物、作品、創造」
❖ "You do not ~ "「あなたは、あなたが創造したものを知らない」。"because you do ~ "「なぜなら、あなたは、あなたの同胞を知らないからだ」。"who created them ~ "「その同胞は、あなたと共に創造したのである」。あなたが同胞をあなたと同一の神の子であると認識しない限り、あなたは本当の自分自身を知り得ない。神と同様の創造的パワーをもっていることが認識出来ないのだから、自分が創造したものを『子』として認識出来ないのだ。



I have already said that only the whole Sonship is worthy to be co-creator with God, because only the whole Sonship can create like him. 
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
  • worthy [wə́ːrði] : 「〜に値する、〜の価値がある」
  • co-creator : 「共同製作者」
❖ "I have already ~ "「私はすでに、that以下を言った」。"that only the whole ~ "「全体としての神の子だけが、神との共同創造者に値する」と言った。"because only ~ "「なぜなら、全体としての神の子だけが、神のように創造できるからである」。分離分裂したままの神の子の状態では神と共に創造することは出来ない。眠ったままでいるからだ。単一の神の子として眠りから目覚めたとき、初めて、神と共に創造し、真実を拡張できるのだ。



Whenever you heal a brother by recognizing his worth, you are acknowledging his power to create and yours. 
  • whenever [hwènévər] : 「〜するときはいつでも」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる」
  • worth [wə́ːrθ] : 「価値、財産」
  • acknowledge [əknɑ́lidʒ] : 「認める、認識する」
❖ "Whenever you heal ~ "「あなたが、同胞の価値を認めることで、その同胞を癒すときはいつでも、」"you are acknowledging ~ "「あなたは、彼の創造するパワーとあなたの創造するパワーを認識することになる」。



He cannot have lost what you recognize, and you must have the glory you see in him.
  • glory [glɔ́ːri] : 「栄光、名誉、誇り」
❖ "He cannot have ~ "「その同胞は、あなたが認識したことを失ってしまうことはあり得ない」。同胞もまた、あなたと同様に神の子であり、神の属性のすべてをもっている。それは失われ得るものではない。神の子は永遠に神の『子』なのだ。"and you must have ~ "「そして、あなたは、あなたが同胞の中に見た栄光に包まれるに違いない」。あなたが同胞の中に神の子としての価値と創造するパワーを認識するとき、同時にあなたの中にも神の子としての価値と創造するパワーを認めることになる。そのときあなたは、同胞に栄えある光を目撃すると同時に、栄光に包まれているあなた自身を発見する。



He is a co-creator with God with you. Deny his creative power, and you are denying yours and that of God who created you.
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、拒絶する」
  • creative [kriéitiv] : 「創造力のある、創造的な」
❖ "He is a co-creator ~ "「同胞は、あなたと共に、神との共同創造者なのだ」。"Deny his creative ~ "「彼の創造するパワーを拒絶してみなさい」。"and you are ~ "「そうすれば、あなたはあなたの創造するパワーを拒絶したことになり、あなたを創造した神の創造するパワーも拒絶したことになる」。他者を否定し拒絶することは、自分を否定し拒絶することにつながる。神の子である出自を否定したことになり、神の子を創造した神をも拒絶する結果となる。






T-7.XI.3:1 ~ T-7.XI.4:4

3. Consider the kingdom you have made and judge its worth fairly. 
  • consider [kənsídər] : 「〜を考慮する、よく考える」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を評価する」
  • worth [wə́ːrθ] : 「価値、財産」
  • fairly [féərli] : 「公平に、適正に」
❖ "Consider the kingdom ~ "「あなたが作った王国をよく考えてみなさい」。あなたが作った王国とは、この世界のこと。"and judge its ~ "「そして、その価値を適正に判断してみなさい」。この幻想世界が本当に価値ある世界なのかどうか、よく考えてみなさい。



Is it worthy to be a home for a child of God? Does it protect his peace and shine love upon him? 
  • worthy [wə́ːrði] : 「〜に値する、価値がある」
  • protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
  • shine [ʃáin] : 「〜を磨く、光らせる」
❖ "Is it worthy to ~ "「あなたが作った王国は、神の子にとって住み家としての価値があるだろうか」。"Does it protect ~ "「それは、神の子の平和を守り、彼の上で愛を輝かせてくれるだろうか」。この世界はあなたに、愛の光を与えてくれるだろうか。



Does it keep his heart untouched by fear, and allow him to give always, without any sense of loss? 
  • keep [kíːp] : 「〜の状態にしておく、〜にしておく」
  • untouched : 「手つかずの、影響されない」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許容する」
  • sense of loss : 「喪失感」
❖ "Does it keep ~ "「それは、神の子の心を、恐れに影響されずに保ってくれるだろうか」。"and allow him ~ "「そして、喪失感なく、いつでも(何かを人に)与えることを彼に許してくれるだろうか」。



Does it teach him that this giving is his joy, and that God Himself thanks him for his giving? 
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」
❖ "Does it teach ~ "「それは、神の子に、このように与えることは彼の喜びなのだと教えるだろうか」。このように与えるとは、喪失感を伴わずに与えること。エゴの思考システムでは、与えれば失う。ホーリー・スピリットの思考システムでは、与えることと得ることは同一である。"and that God ~ "「そして、神自身、彼が与えたことに感謝することを教えるだろうか」。



That is the only environment in which you can be happy. You cannot make it, any more than you can make yourself. 
  • environment [inváiərənmənt] : 「環境、周囲の状況」
  • not A any more than B : 「Bがそうでないと同様Aでない」
❖ "That is the only ~ "「それは、あなたが幸せでいられる唯一の環境である」。ここの"That"は、この世界ではなく天の王国のこと。"You cannot make it ~ "「あなたが自分自身を作り出せないように、あなたはその環境を作り出せない」。神があなたを創造したのであって、あなたは自分自身を創造することは出来ない。同様に、天の王国は神が創造したのであって、あなたはこの幻想世界を実相世界に作り変えることは出来ない。



It has been created for you, as you were created for it. God watches over his children and denies them nothing. Yet when they deny him they do not know this, because they deny themselves everything. 
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
  • watch over : 「〜の世話をする、〜を守る」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、拒絶する」
  • deny A B : 「AにBを与えない」
❖ "It has been ~ "「その環境(天の王国)は、あなたのために創造された」。"as you were ~ "「その環境のためにあなたが創造されたように」。"God watches over ~ "「神は神の子を見守り、与えないものなど何もない」。"Yet when they ~ "「しかし、神の子が神を拒絶すると、彼らはこのことを知ることはない」。"because they deny ~ "「なぜなら、彼らは自分自身にすべてを与えることを拒絶しているのだから」。神の属性のすべてを与えられていることを拒絶していることになるから。



You who could give the love of God to everything you see and touch and remember, are literally denying heaven to yourself.
  • touch [tʌ́tʃ] : 「〜に触れる、〜を押す」
  • remember [rimémbər] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • literally [lítərəli] : 「文字どおり、そっくりそのまま」
  • heaven [hévn] : 「天国、神、天」
❖ "You who could ~ "「あなたが見て、触り、思い出すすべてものに、神の愛を与えることの出来るあなたが、」"are literally denying ~ "「文字通り、あなた自身には天の王国を与えないでいることになる」。意味が混乱しているように感じるだろうが、文頭の"You who could ~"が仮定法過去になっていることに注目すると、あなたは今はそうではないが、可能性として神の愛をすべてに与えることが出来るあなたが、(前文を受けて)神を拒絶したなら、自分自身にさえ王国を与えない事態になってしまう、ということ。逆に言えば、あなたが天の王国を自分の住み家として受け入れ、神からの分離を解消できたなら、あなたは神からすべてを与えられていることを知って、あなたが見て、触り、思い出すすべてものに、神の愛を与えることが出来る。



4. I call upon you to remember that I have chosen you to teach the Kingdom to the Kingdom. 
  • call upon : 「求める、要求する、頼む」
  • chosen [tʃóuzn] : 「choose の過去分詞形」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
❖ "I call upon you ~ "「私はあなたに、that以下を思い出すことを求めている」。"that I have chosen ~ "「私は、王国に王国を教えるために、あなたを選んだのだ」ということを思い出して欲しい。王国に王国を教えるとは、以前に書かれてあるようにあなた自身が天の王国であるから、あなたに天の王国があなたの本当の住み家なのだと教える、という意味合いになる。あるいは単純に、あなたが自分自身だと思っている自分で作った王国に対して、神の住まう本当の天の王国こそが実在すると教える、ととらえてもいいだろう。
 天の王国は、神と神の子が真実を分かち合い拡張するという創造行為によって成立する。あなたは天の王国を支える柱なのだ。あなたなしでは王国は未完のままである。イエスはあなたにそれを思い出して欲しいわけだ。



There are no exceptions to this lesson, because the lack of exceptions is the lesson. 
  • exception [iksépʃən] : 「例外、除外」
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
❖ "There are no ~ "「この(奇跡のコースという)レッスンには例外がない」。"because the lack ~ "「なぜなら、例外がないというのが、レッスンそのものなのだから」。奇跡には例外もなく、難易の序列もない、というのが『奇跡のコース』のレッスンである。誰一人として除外されることなく、誰もが容易に真実を現実化できる。誰もが奇跡を通して真実に目覚め、天の王国へ回帰できる。一切の例外なく、誰もが幸せと喜びを得る権利をもっている。



Every Son who returns to the Kingdom with this lesson in his heart has healed the Sonship and given thanks to God. 
  • return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る」
  • heal [híːl] : 「癒やす、救う、治療する」
  • give thanks to : 「〜感謝をささげる」
❖ "Every Son who ~ "「心の中にこのレッスンを携え、王国に回帰するすべての神の子は、(他の)神の子を癒し、神に感謝を捧げている」。



Everyone who learns this lesson has become the perfect teacher, because he has learned it of the Holy Spirit.
  • learn [lə́ːrn] : 「学ぶ、知る、分かる」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「完璧な、完全な」
❖ "Everyone who learns ~ "「このレッスンを学んだ者はすべて、完璧な師となれる」。"because he has ~ "「なぜなら、彼はこのレッスンをホーリー・スピリットから学んだのだから」。"learned it of ~ "の"of"の使い方であるが、普通は、"he has learned it from the Holy Spirit"というように、"from"を使う。古い言い方では"of"を使ったようである。






T-7.XI.1:1 ~ T-7.XI.2:8

XI. The State of Grace
恩寵の状態



1. The Holy Spirit will always guide you truly, because your joy is his. 
  • guide [gáid] : 「〜を導く、案内する」
  • truly [trúːli] : 「本当に、真に、正確に」
❖ "The Holy Spirit will ~ "「ホーリー・スピリットは常に、あなたを正しい方向へ導いてくれるだろう」。"because your joy ~ "「なぜなら、あなたの喜びはホーリー・スピリットの喜びでもあるからだ」。もちろん、あなたの喜びは神の喜びでもある。



This is his will for everyone because he speaks for the Kingdom of God, which is joy. 
  • speak for : 「〜の代弁をする、〜を代表する」
❖ "This is his will ~ "「これは、すべて人々に対するホーリー・スピリットの意思である」。"because he speaks ~ "「なぜならば、ホーリー・スピリットは神の王国に代わって話をしているのであって、」"which is joy"「その王国こそ、喜びであるからだ」。神の王国とは、叡智に満ちた神の世界、神の真実、すなわち神そのもの。天の王国は神の喜びで満たされている。ホーリー・スピリットは、神の喜びに満ちた意志を神に代わってあなたに伝えている。



Following him is therefore the easiest thing in the world, and the only thing that is easy, because it is not of the world.
  • follow [fɑ́lou] : 「〜の後について行く」
  • easy [íːzi] : 「やさしい、容易な、簡単な」
❖ "Following him is ~ "「ホーリー・スピリットについて行くことは、したがって、この世の中で一番簡単なことである」。" and the only ~ "「しかも、唯一簡単なことである」。"because it is not ~ "「なぜならば、ホーリー・スピリットについて行くことは、この世界のことではないからだ」。幻想のこの世界の出来事ではなく、神の世界でのことだから。変化流動する苦と痛みの道をたった一人で歩むのではなく、永遠不変の真実の一本道をホーリー・スピリットの導きにしたがって歩いて行くのだから、一番簡単なことだ。



It is therefore natural. The world goes against your nature, being out of accord with God's laws. 
  • natural [nǽtʃərəl] : 「自然の、普通の」
  • go against : 「逆らう、反対する」
  • nature [néitʃər] : 「性質、性分、本性」
  • out of accord with : 「〜と調和しない、〜に合わない」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規」
❖ "It is therefore ~ "「したがって、それは自然なことである」。"The world goes ~ "「(むしろ、)この世界はあなたの性質に反する」。"being out of ~ "分詞構文、理由、「この世界は神の法と調和しないからだ」。この幻想世界で生きていくことの方が不自然である。



The world perceives orders of difficulty in everything. This is because the ego perceives nothing as wholly desirable. 
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • order [ɔ́ːrdər] : 「順序、順位、序列」
  • difficulty [dífikʌ̀lti] : 「困難、難事」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として」
  • desirable [dizáiərəbl] : 「望ましい、好ましい」
❖ "The world perceives ~ "「この世界は、すべてにおいて、難しさの序列を知覚する」。簡単なことから難しいことまで、難易の序列をつける、ということ。"This is because ~ "「これは、エゴが、完全に望ましいものとして何も知覚しようとしないからだ」。奇跡には、難しさの序列はない、ということを思い出そう。イエスは山を動かすことも死人を生き返らすことも可能だと言った。奇跡には、難しさの序列がないからだ。しかし、この世界はそのような知覚のし方はしない。山を動かすことは物理的に不可能だと知覚し、死人が生き返るとは死んでいなかっただけだと知覚する。しかし、もし、この世界が単なる幻想に過ぎなかったら、山も死人も幻想であり、山が動くことも死人が生き返ることも、実に自然で簡単なことかもしれない。では、なぜ、私達は奇跡に難しさを感じてしまうのか? それが、"This is because the ego ~ "に書かれてある。エゴは、完全に望ましいものとして、ものを知覚することがないからだ。真実なることを知りたい、真実なるものを見たいという思いがないからだ。エゴの世界の成り立ちを考えれば理解できよう。私達の心は、神からの分離という罪の意識と神の報復への恐れから逃避するために、自己を乖離してエゴという別人を仕立て投影し、外部に幻想のこの世界を打ち立てた。つまり、そこには真実を隠ぺいする動機はあっても、真実を望ましいものとして見つめようとする動機は一切ない。幻想と錯覚の中に埋没し、真実の世界における奇跡の容易さを完全に忘れ去ってしまった。幻想の世界から見れば奇跡であっても、しかし、神の真実の世界から見れば、それは極く自然な(natural)なことなのである。



By demonstrating to yourself there is no order of difficulty in miracles, you will convince yourself that, in your natural state, there is no difficulty at all because it is a state of grace.
  • demonstrate [démənstrèit] : 「実証する、実演する」
  • convince [kənvíns] : 「確信させる、納得させる」
  • state [stéit] : 「状態、形勢、状況」
  • grace [gréis] : 「恩寵、慈悲、恩恵」
❖ "By demonstrating to ~ "「奇跡には難しさの序列はないと、自分自身に明示することで、あなたはthat以下を自分に確信させるだろう」。"in your natural ~ "「あなたが極く自然な状態でいるとき、」"there is no ~ "「まったく、難しさというものがない」と確信させるであろう。"because it is ~ "「なぜなら、それが、恩寵の状態だからである」。"grace"の日本語訳は難しい。仏教徒なら「慈悲」と訳した方がピンとくるであろうし、キリスト教徒なら「神の愛」とした方が理解しやすいかもしれない。人それぞれに、自分にぴったりする訳語を探してみるのも、ACIMを原語で読む楽しさの一つである。
 余談になるが、この精読において、"ego"を自我と、"Holy Spirit"を聖霊と訳さないのは、私達が日常使っている自我や聖霊という概念とACIMが伝える概念が異なっていると思うからだ。しかし、ACIMが伝える概念を誤りなくとらえているなら、自我や聖霊という訳語を使ってもまったく問題ない。何なら、"Holy Spirit"を観音さんと訳してもいいのだ。私達は翻訳家ではなく、学習者なのだから。



2. Grace is the natural state of every Son of God. When he is not in a state of grace, he is out of his natural environment and does not function well. 
  • environment [enváiərənmənt] : 「環境、情勢」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「働く、機能する」
❖ "Grace is the natural ~ "「恩寵とは、すべての神の子の自然な状態である」。神の愛に包み込まれている状態が、あなたの一番自然な状態だ。"When he is not ~ "「神の子が恩寵の状態にいないときは、」"he is out of ~ "「彼は自然な環境から外れて、その機能を十分に発揮できないことになる」。



Everything he does becomes a strain, because he was not created for the environment that he has made. 
  • strain [stréin] : 「緊張、精神的緊張」
❖ "Everything he does ~ "「恩寵の状態にいない神の子がなすことはすべて、緊張のもとになる」。"because he was ~ "「なぜなら、彼は、彼が自分で作った環境に適合するようには創造されなかったからである」。神は神の子を実相世界に適合するように創造したのであって、神の子が勝手に偽創造した幻想世界に適合するようにはしなかった。神は幻想と一切の関わりをもたない。



He therefore cannot adapt to it, nor can he adapt it to him. There is no point in trying. 
  • adapt [ədǽpt] : 「適応する、順応する」
  • adapt to : 「〜に適合する、〜に順応する」
  • adapt [ədǽpt] : 「〜を適合させる、順応させる」
  • no point : 「意味がないこと」
❖ "He therefore cannot ~ "「したがって、神の子は、恩寵のない状態に適応することは出来ないし、」"nor can he adapt ~ "「恩寵のない状態を彼に適合させることも出来ない」。"There is no point ~ "「やってみても意味がない」。幻想を実相に持ち込むことは不可能だ。意味がないのだ。



A Son of God is happy only when he knows he is with God. 
  • happy [hǽpi] : 「幸福な、幸せな」
❖ "A Son of God is ~ "「神の子は、彼が神と共にいると知っているときだけ、幸福である」。それが一番自然だからだ。したがって、幸せとは一番自然な状態である。



That is the only environment in which he will not experience strain, because that is where he belongs. 
  • experience [ikspíəriəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
  • belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する」
❖ "That is the only ~ "「それこそが、神の子が緊張を経験せずにすむ唯一の環境である」。"because that is ~ "「なぜなら、そこは、彼の属している所だからだ」。神の子は実相世界に属しているのであって、神から分離して幻想世界に生きているように感じるのは錯覚だ。その錯覚が緊張感を生む。緊張感が葛藤を生み出し、心の幸せを阻害する。



It is also the only environment that is worthy of him, because his own worth is beyond anything he can make.
  • worthy [wə́ːrði] : 「〜に値する、価値のある」
  • worth [wə́ːrθ] : 「価値、財産」
  • beyond [bijɑ́nd] : 「〜の向こう側に、〜を越えて」
❖ "It is also ~ "「それはまた、神の子にとって価値のある唯一の環境である」。"because his own ~ "「なぜなら、神の子自身の価値は、彼が作る何ものにも勝からである」。






T-7.X.7:1 ~ T-7.X.8:6

7. Even the relinquishment of your false decision-making prerogative, which the ego guards so jealously, is not accomplished by your wish. 
  • relinquishment [rilíŋkwiʃmənt] : 「放棄する、手放す」
  • false [fɔ́ːls] : 「正しくない、誤った」
  • decision [disíʒən] : 「決定、決意、決心」
  • decision-making : 「意思決定、政策決定」
  • prerogative [prirɑ́gətiv] : 「特権、権利、権限」
  • guard [gɑ́ːrd] : 「 〜を守る、保護する」
  • jealously [dʒéləsli] : 「油断なく、嫉妬して」
  • accomplish [əkάmpliʃ] : 「成し遂げる、遂行する、果たす」
  • wish [wíʃ] : 「願い、望み、願望、希望」
❖ "Even the relinquishment ~ "「あなたの誤った意思決定権、それはエゴが油断なく守ろうとしているのだが、それを放棄することでさえ、あなたの望みによって達成されるものではない」。エゴはあなたに、神から自由になって自分の意思による決定権を守れと唆(そそのか)すのだが、ホーリー・スピリットは、誤りから脱出するために、あなた自身の意思決定権を放棄してそれを神に返せと諭す。その意思決定権を放棄し神に返すにしても、それはあなた自身の望みだけで達成されるものではない。そこには、神の意思とホーリー・スピリットの導きが関わってくる。



It was accomplished for you by the Will of God, Who has not left you comfortless. 
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
  • comfortless [kʌ́mfərtlis] : 「慰めにならない、楽しみのない」
❖ "It was accomplished ~ "「あなたの意思決定権の放棄は、神の意思によって、あなたのために達成される」。"Who has not ~ "「そして、その神は、あなたをつらいままにしておきはしない」。



His voice will teach you how to distinguish between pain and joy, and will lead you out of the confusion you have made. 
  • distinguish [distíŋɡwiʃ] : 「見分ける、識別する」
  • between A and B : 「AとBの間の」
  • pain [péin] : 「痛み、苦痛」
  • lead out : 「外へ連れて行く、連れ出す」
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、混同」
❖ "His voice will ~ "「神の声はあなたに、苦痛と喜びの間の違いの見分け方を教えてくれるだろう」。"and will lead ~ "「そして、あなたが作った混乱から、あなたを外に連れ出してくれるだろう」。



There is no confusion in the mind of a son of god, whose will must be the will of the Father, because the Father's will is his son.
  • will [wíl] : 「意志、意欲、精神力」
❖ "There is no confusion ~ "「(もはや、)神の子の心の中に混乱はない」。"whose will must ~ "「その神の子の意思は、父なる神の意思でなくてはならない」"because the Father's ~ "「なぜなら、父なる神の意思は、神の子そのものであるからだ」。



8. Miracles are in accord with the Will of God, Whose Will you do not know because you are confused about what you will. 
  • in accord with : 「〜と一致して、〜と調和して」
  • confuse [kənfjúːz] : 「混同する、混乱させる」
❖ "Miracles are in ~ "「奇跡は神の意思と調和している」。"Whose Will you do not ~ "「その神の意思をあなたは知らない」。"because you are ~ "「なぜならば、あなたは、自分が何を意思しているかについて混乱しているからだ」。



This means that you are confused about what you are. If you are God's Will and do not accept his will, you are denying joy. 
  • accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、拒む」
❖ "This means that ~ "「これは、あなたが、本当の自分ということについて混乱していることを意味している」。"If you are God's Will ~ "「もし、あなたが神の意思であって、しかも、神の意思を受け入れなかったなら、」"you are denying ~ "「あなたは、喜びを拒絶していることになる」。



The miracle is therefore a lesson in what joy is. Being a lesson in sharing it is a lesson in love, which is joy. 
  • lesson [lésn] : 「レッスン、教訓、教え」
  • sharing [ʃέəriŋ] : 「わかち合い、共有利用」
❖ "The miracle is ~ "「したがって、奇跡は、喜びとは何かを教えるレッスンである」。"Being a lesson ~ "分詞構文、理由、「奇跡は分かち合いのレッスンであるから、」" it is a lesson in love ~ "「それは愛のレッスンであり、」"which is joy"「それは喜びなのだ」。



Every miracle is thus a lesson in truth, and by offering truth you are learning the difference between pain and joy.
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理」
  • offer [ɔ́ːfər] : 「提供する、差し出す」
  • difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間の」
❖ "Every miracle is ~ "「このように、すべての奇跡は真実を教えるレッスンである」。"and by offering ~ "「真実を差し出すことで、あなたは苦痛と喜びの間の違いを学ぶのである」。






T-7.X.5:1 ~ T-7.X.6:10

5. The Holy Spirit always sides with you and with your strength. 
  • side with : 「〜側につく、〜に味方する」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、強み、長所」
❖ "The Holy Spirit always ~ "「ホーリー・スピリットはいつも、あなたとあなたの強さに味方する」。あなたの強さとは、あなたの意思の強さ、意思の正しさ、と考えたらどうだろう。



As long as you avoid his guidance in any way, you want to be weak. Yet weakness is frightening. 
  • avoid [əvɔ́id] : 「避ける、回避する、逃れる」
  • guidance [gáidns] : 「指導、 助言」
  • in any way : 「多少なりとも、形はどうあれ」
  • weak [wíːk] : 「弱い、力がない、脆弱な」
  • weakness [wíːknəs] : 「弱さ、弱いこと、弱点」
  • frightening [fráitniŋ] : 「恐ろしい、怖い」
❖ "As long as you ~ "「あなたが、何かにつけてホーリー・スピリットの指導を回避する限り、」"you want to ~ "「あなたは弱くなりたいと望んでいる(ことの表れである)」。"Yet weakness is ~ "「しかし、弱さとは恐れなのだ」。恐れがあなたの強さを蝕む。しかし、その恐れは幻想であって、あなたの強さが放つ光を覆い隠しているに過ぎない。ホーリー・スピリットの導きに従って、その黒雲を払拭してやればいいのだ。



What else, then, can this decision mean except that you want to be fearful? 
  • decision [disíʒən] : 「解決、決定、決心」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、重要性を持つ」
  • except [iksépt] : 「除いて、ただし」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
❖ "What else, then ~ "「ホーリー・スピリットの指導を回避するというこの決定は、あなたが弱くなりたいと望んでいること以外のどんな意味を持ち得るだろうか」。



The Holy Spirit never asks for sacrifice, but the ego always does. 
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「〜を犠牲にする、〜をささげる」
❖ "The Holy Spirit never ~ "「ホーリー・スピリットは決して犠牲を求めない」。"but the ego ~ "「しかし、エゴはいつも犠牲を求める」。



When you are confused about this distinction in motivation, it can only be due to projection. 
  • be confused about : 「〜に困惑した」
  • distinction [distíŋkʃən] : 「区別、識別、差異、違い」
  • motivation [mòutəvéiʃən] : 「動機、動機付け、自発性」
  • due to : 「〜が原因で、〜のせいで」
  • projection [prədʒékʃən] : 「投影、投射」
❖ "When you are ~ "「動機付けに際して、あなたがこの違いに困惑するとき、」"it can only be ~ "「それは、ただ、投影が原因であり得る」。ここの"this distinction"「この違い」とは、ホーリー・スピリットは犠牲を求めずエゴが犠牲を求める、という違い。あるいは、単にホーリー・スピリットとエゴの違いと考えてもいいだろう。"in motivation"「動機付けに際して」は、何かの行動を起こそうとするときの動機と思えばいい。そこで、たとえば、あなたが誰かを見て、あいつは悪いヤツだから憎むに値する、と思ったとしよう。あなたが彼を憎むという行動をとる動機は、彼が悪い人間だと判断したことである。しかし、このとき、あなたはエゴに唆(そそのか)された、あるいは惑わされたのである。真実を伝えるホーリー・スピリットは、あなたと彼は自他一如であり、あなたの心の中の憎悪という感情を彼の上に投射して彼を悪人と見立てたのだと教える。エゴは、いや、悪いのは彼であり、憎むという攻撃(一種の犠牲)を彼に加えるべきだと主張する。ホーリー・スピリットとエゴの間にあって、あなたは混乱、当惑するのである。しかし、正しいのはホーリー・スピリットであり、当惑の原因を作ったのはエゴの唆しによる投影だ。



Projection is a confusion in motivation, and given this confusion, trust becomes impossible. 
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、当惑、混同」
  • given [gívn] : 「〜と仮定すると、〜を考える、〜を前提として」
  • trust [trʌ́st] : 「信頼、信用」
❖ "Projection is a confusion ~ "「投影は、動機付けにおける混乱である」。"and given this ~ "ここは分詞構文と考えて、「この混乱が与えられると、」"trust becomes ~ "「信頼は不可能となる」。信頼のおける神も、信頼のおけるホーリー・スピリットも、信頼のおけるイエスも、何かの行動を起こすときに投影することはない。したがって、混乱することはない。真実のみを見て、揺るがないからだ。真実のみを見て揺るがないからこそ、信頼できる。



No one gladly obeys a guide he does not trust, but this does not mean that the guide is untrustworthy. 
  • gladly [ɡlǽd] : 「喜んで」
  • obey [oubéi] : 「〜に従う、服従する」
  • guide [gáid] : 「指導者、案内人」
  • trust [trʌ́st] : 「信用する、信頼する」
  • untrustworthy [ʌ̀ntrʌ́stwə̀ːrði] : 「信用できない」
❖ "No one gladly ~ "「誰も、信頼のおけない指導者に喜んで従うことはない」。"but this does ~ "「しかし、(だからと言って、)このことは、その指導者が信頼に値しないということを意味しているわけではない」。一見、うさんくさそうな指導者でも、信用できる指導者かもしれない。逆に、指導者が信頼できるようにと思われても、その指導者が必ずしも正しいとは限らない。



In this case, it always means that the follower is. However, this, too, is merely a matter of his own belief. 
  • in this case : 「この場合は、もしそうなら」
  • follower [fɑ́louər] : 「信奉者、追随者」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • a matter of : 「〜の問題、せいぜい〜くらいのところ」
❖ "In this case ~ "「この場合、いつも、(指導者に)追随する者こそ信頼がおけないことを意味している」。指導者に追随する者の主観や判断が信頼できない。"However, this ~ "「しかし、この場合もまた、それは単に追随者の信条の問題に過ぎない」。指導者の善し悪しを評価するとき、それは追随者の主観、信条に左右されることであって、指導者の信頼性には無関係だ。あなたがエゴとホーリー・スピリットのどちらかを指導者として選ぶとき、あなたは自分の主観と信条で判断するだろうが、どちらが信頼できるかはそれに左右されない。



Believing that he can betray, he believes that everything can betray him. 
  • betray [bitréi] : 「裏切る、背く」
❖ "Believing that ~ "「(誰かを)裏切ることが出来ると信じると、」"he believes that ~ "「彼は、すべてが彼を裏切り得ると信じてしまう」。自分が他者を裏切ることが出来ると思ってしまえば、他者の誰もが自分を裏切り得ると信じてしまう。当然、あなたと他者の分離は加速する。



Yet this is only because he has elected to follow false guidance. 
  • elect [ilékt] : 「選ぶ、選出する」
  • follow [fɑ́lou] : 「〜に従う、追随する」
  • false [fɔ́ːls] : 「正しくない、虚偽の」
  • guidance [gáidns] : 「指導、助言」
❖ "Yet this is only ~ "「しかし、これとても、単に彼が誤った指導に従うことを選んだからに過ぎない」。エゴを選んだ結果である。



Unable to follow this guidance without fear, he associates fear with guidance, and refuses to follow any guidance at all.
  • unable [ʌnéibl] : 「できない」
  • associate [əsóuʃièit] A with B : 「AとBを結びつける」
  • refuse [rifjúːz] : 「拒む、拒絶する」
❖ "Unable to follow ~ "ここは"Being"の省略された分詞構文、理由、「恐れを伴わずにこの指導に従うことは出来ないので、」"he associates fear ~ "「彼は、恐れと指導を結びつけてしまう」。"and refuses to ~ "「そして、いかなる指導に従うことも、まったく拒絶してしまう」。エゴの指導に従えば恐れを伴うので、指導自体を恐れて拒絶する。ホーリー・スピリットの指導に対しても拒絶反応を示してしまう。



6. The Holy Spirit is perfectly trustworthy, as you are. God himself trusts you, and therefore your trustworthiness is beyond question. 
  • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
  • trustworthy [trʌ́stwəːrði] : 「信頼できる」
  • trustworthiness : 「信用性、信頼性、信用できること」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こう側に、〜を越えて」
❖ "The Holy Spirit is ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたがそうであるように、完全に信頼できる」。"God himself ~ "「神自身、あなたを信頼しているし、」"and therefore your ~ "「したがって、あなたの信頼性に疑問の余地はない」。



It will always remain beyond question, however much you may question it. I said before that you are the will of God. 
  • remain [riméin] : 「とどまる、残る」
  • however much : 「〜だけれども」
❖ "It will always ~ "「あなたの信頼性は、疑問の域を越えてずっとあり続ける」。"however much you ~ "「たとえあなたがそれに疑問を呈したとしても」。"I said before~ "「私は以前、あなたは神の意思であると言った」。神の意思であるあなたの信頼性は、疑問の余地なく永遠に存在し続ける。



His will is not an idle wish, and your identification with his will is not optional, since it is what you are. 
  • idle [áidl] : 「何もしない、無意味な」
  • wish [wíʃ] : 「願い、望み、希望」
  • identification [aidèntifəkéiʃən] : 「同一化、同定」
  • optional [άpʃənl] : 「選択の、任意の」
❖ "His will is not ~ "「神の意思とは、無意味な願望ではない」。"and your identification ~ "「神の意思とあなたの意志の同一性は、そこに選択の余地があるものではない」。選択の余地なく、あなたの意思と神の意思は同一だ。"since it is ~ "「なぜなら神の意思との同一性こそ、本当のあなたなのだから」。本当のあなたはホーリー・スピリットと一体になったあなたである。だから、本当のあなたと神の意志は同一なのだ。



Sharing his will with me is not really open to choice, though it may seem to be. 
  • really [ríəli] : 「実際には、確かに、本当に」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
❖ "Sharing his will ~ "「あなたと私で、神の意思を分かち合うことは、実際、選択に対して開かれたものではない」。選択できるものではない、ということ。選択の余地なく、すべての神の子がイエスと共に神の意思を分かち合う。"though it may ~ "「選択に対して開かれているように見えるかもしれないが」。



The whole separation lies in this error. The only way out of the error is to decide that you do not have to decide anything. 
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、離脱」
  • lie [lái] : 「寝る、横たわっている」
  • lie in : 「〜にある、〜に存在する」
  • error [érər] : 「誤り、間違い」
  • way out of : 「〜から抜け出る道」
  • decide [disáid] : 「〜しようと決心する」
❖ "The whole separation ~ "「すべての分離は、この間違いにある」。神の意思を分かち合うことは必然なのだが、それが選択可能だと誤って考えることで、分離が起きる。逆に、神の意思の下(もと)、すべての心がそれを分かち合えれば、心は再統一し、分離は消滅する。"The only way ~ "「誤りから脱出する方法は、決定などする必要はないのだと決定することである」。自分で決断するのではなく、神、あるいはホーリー・スピリットに決断を任せてしまえばいい。ここにもACIMの絶対他力性が見える。



Everything has been given you by God's decision. That is his will, and you cannot undo it.
  • decision [disíʒən] : 「決定、決意、決心」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、取り消す」
❖ "Everything has ~ "「すべては、神の決定によって、すでにあなたに与えられている」。"That is his will ~ "「それは神の意思であり、あなたがそれを取り消すことは出来ない」。誤りから脱出する方法を含めて、神へ回帰するための道筋や道具や方法、それを実行するパワーもタイミングも道案内者もすべて神があなたに与えてくれる。それは神の意思であり、あなたは神の意志を取り消すことは出来ない。






T-7.X.3:1 ~ T-7.X.4:11

3. The Holy Spirit will direct you only so as to avoid pain. Surely no one would object to this goal if he recognized it. 
  • direct [dərékt] : 「〜を導く、〜を方向づける」
  • so as to : 「〜するために、〜となるように」
  • avoid [əvɔ́id] : 「避ける、回避する」
  • pain [péin] : 「痛み、苦痛」
  • object [əbdʒékt] : 「反対する、異議を唱える」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる」
❖ "The Holy Spirit will ~ "「ホーリー・スピリットは、(あなたの)苦痛を避けるためにのみ、あなたを導くであろう」。"Surely no one ~ "「確かに、誰もこの(ホーリー・スピリットの)目的に意義を唱える者はおるまい」。"if he recognized ~ "「もし、その人がそれを受け入れるなら」。ホーリー・スピリットの意思や愛を受け入れるなら、ホーリー・スピリットの意図する目的に反対する理由はない。ただし、エゴだけはそれを拒否するに違いないが。



The problem is not whether what the Holy Spirit says is true, but whether you want to listen to what he says. 

  • problem [prɑ́bləm] : 「問題、困ったこと、課題」
  • whether [hwéðər] : 「〜かどうか」
  • listen to : 「耳を傾ける、聞く」
❖ "The problem is not ~ "「問題は、ホーリー・スピリットの言っていることが正しいかどうかではなく、」"but whether you ~ "「あなたが、ホーリー・スピリットの言うことに耳を傾けるかどうかである」。



You no more recognize what is painful than you know what is joyful, and are, in fact, very apt to confuse the two. 
  • no more A than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
  • painful [péinfl] : 「痛い、痛みを伴う」
  • joyful [dʒɔ́ifl] : 「うれしい、楽しい」
  • in fact : 「事実上は、実は」
  • be apt to : 「〜しがちである、〜する傾向がある」
  • confuse [kənfjúːz] : 「混同する,混乱させる」
❖ "You no more ~ "「あなたが、何が苦痛か認識しないのは、何が喜びかを認識しないのと同じである」。"and are, in fact ~ "「そして、事実、二つを非常に混同しがちである」。たとえば、他者を憎んで攻撃し、他者が苦痛を感じることに喜びを感じるかもしれないが、実相的に自分と他者は自他一如であるから、苦痛を感じているのは実は自分である。他者の苦痛に一時は快感を覚えるかもしれないが、憎しみはやがて自分を苛(さいな)んで、苦しみを味わうことになる。



The Holy Spirit's main function is to teach you to tell them apart. 
  • main [méin] : 「主要な、中心的な」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き」
  • tell [tél] : 「〜を見分ける、分かる」
  • apart [əpɑ́ːrt] : 「離れて、別々に」
❖ "The Holy Spirit's main ~ "「ホーリー・スピリットの主要な機能は、それらを区別して見分けることをあなたに教えることである」。本当の喜びとは何なのか、苦しみはどこから生まれてくるのか、ホーリー・スピリットはあなたに教えてくれる。



What is joyful to you is painful to the ego, and as long as you are in doubt about what you are, you will be confused about joy and pain. 
  • as long as : 「〜さえすれば、〜する限り」
  • be in doubt about : 「〜を疑う」
  • be confused about : 「〜に困惑している」
❖ "What is joyful to ~ "「あなたにとって喜びであることは、エゴにとっては苦痛である」。"and as long as ~ "「そして、あなたが、本当の自分に対して疑いをもっている限り、」実相的な喜びを感じる自分こそが本当の自分であると信じ切れない限り、"you will be confused ~ "「あなたは、喜びと苦痛とに困惑させられるだろう」。エゴの思考システムにおいては、得るためには奪え、であった。エゴに従う限り、あなたが喜びを得るには、他者から喜びを奪い取り、他者に苦痛を与えるしかない。こんな論理に困惑しない者がいるだろうか。



This confusion is the cause of the whole idea of sacrifice. Obey the Holy Spirit, and you will be giving up the ego. 
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、当惑、混同」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、理由」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「いけにえ、犠牲」
  • obey [oubéi] : 「〜に従う、服従する」
  • give up : 「あきらめる、捨てる」
❖ "This confusion is ~ "「この混同が、犠牲という考え全体の原因になっている」。喜びは、自分や他者を犠牲にしなければ得られないと思ってしまう。喜びには誰かの苦痛が伴うものだと信じている。"Obey the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットに従いなさい」。" and you will be ~ "「そうすれば、あなたはエゴを放棄することになるだろう」。



But you will be sacrificing nothing. On the contrary, you will be gaining everything. 
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「〜を犠牲にする」
  • on the contrary [kɑ́ntrèri] : 「それと反対に」
  • gain [géin] : 「得る、獲得する」
❖ "But you will be ~ "「しかし、あなたは何も犠牲にすることはない」。"On the contrary ~ "「それどころか、あなたはすべてを手に入れるだろう」。喜びを得るために、他者から奪ったり、何かを犠牲にする必要はない。喜びは真実であり、あなたはすでに神から与えられている。喜びだけではなく、愛も美も静寂も、真実のすべてを与えられている。それを思い出すだけでいい。喜びに目覚めれば、あなたはすべてを手に入れることが出来るのだ。



If you believed this, there would be no conflict.
  • conflict [kənflíkt] : 「摩擦、葛藤、軋轢」
❖ "If you believed ~ "ここは仮定法過去、現在の事実に反したことを仮定する、「もし、あなたがこれを信じるなら、もはやコンフリクトはないだろう」。しかし残念ながら、あなたはまだ信じ切れていない。したがって、あなたはコンフリクトの中にいる。



4. That is why you need to demonstrate the obvious to yourself. It is not obvious to you. 
  • demonstrate [démənstrèit] : 「実演する、実証する」
  • obvious [ɑ́bviəs] : 「明らかな、明白な」
❖ "That is why ~ "「それが、あなたが明白なことを自分自身に実証してみせる必要がある理由である」。"It is not obvious ~ "「それは、あなたには明白ではないのだ」。奪うことも犠牲にすることもなく、ありのままの自分でいることが喜びなのだと、自分自身に実証してみせる必要がある。そんな当たり前のことが、あなたには分かっていない。



You believe that doing the opposite of God's Will can be better for you. 
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「正反対の、逆の」
  • better [bétər] : 「より良い」
❖ "You believe that ~ "「あなたはthat以下を信じている」。"that doing the opposite ~ "「神の意思に反することをすることは、あなたにとってより良いことである可能性がある」と信じている。エゴを信じ、喜びを得るには奪わなければならないと思っている。あるいは、喜びを得るには数々の犠牲が必要だと思っている。



You also believe that it is possible to do the opposite of God's Will. 
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、あり得る」
❖ "You also believe ~ "「あなたは、また、that以下も信じている」。"that it is possible ~ "「神の意思に反したことをすることが可能だと」信じている。そう信じたから、神の子は神から分離したのだ。分離した結果が、奪い合いと犠牲と痛みの中に生きることだった。



Therefore, you believe that an impossible choice is open to you, and one which is both fearful and desirable. 
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、あり得ない」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • be open to : 「〜に門戸が開かれている」
  • both A and B : 「AもBも両方」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
  • desirable [dizáiərəbl] : 「望ましい、好ましい」
❖ "Therefore, you ~ "「したがって、あなたはthat以下を信じている」。"that an impossible ~ "「不可能な選択があなたに許されている」と信じている。"and one which ~ "「その不可能な選択とは、(あなたにとって)恐ろしくもあり望ましくもあるのだが」。不可能な選択とは、もちろん、神の意思に反する選択。神の意思に反することは恐ろしいことだと思う半面、神から分離し、自由勝手に振る舞えることは望ましいと、あなたは思うことがあるかもしれない。エゴの誘惑である。物欲を満たし、快楽に溺れることもまた喜びであると、エゴは囁(ささや)く。



Yet God wills. He does not wish. Your will is as powerful as his because it is his. 
  • will [wíl] : 「〜を望む、意図する」
  • wish [wíʃ] : 「望む、祈る」
  • powerful [páuərfl] : 「強い、強力な」
❖ "Yet God wills"「しかし、神は意思する」。"He does not ~ "「神は望むのではない」。"Your will is as ~ "「あなたの意思は神の意思と同じくらいパワフルである」。"because it ~ "「なぜなら、あなたの意思は神の意思でもあるからだ」。"will"という言葉と"wish"という言葉の使い分けをしている。神は可能性に期待して望むのではない。神の計画はすでに確立しており、神は強い意志のパワーをもってそれを現実化する。その現実化のパワーは、神と神の子の意志が統一されたとき、炸裂する。



The ego's wishes do not mean anything, because the ego wishes for the impossible. 
  • wish [wíʃ] : 「願い、願望、希望」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、重要性を持つ」
  • wish for : 「所望する」
❖ "The ego's wishes ~ "「エゴの望みは意味をもたない」。"because the ego ~ "「なぜなら、エゴは不可能なことを望むからだ」。エゴは幻想の中で望むだけだから、幻想の望みが実相的に実現することはない。幻想が実相に変化することは不可能なのだ。たとえば、夜見る夢の中で、あなたは大金持ちになることを望み、確かに夢の中で大金持ちになったとしよう。しかし、朝、夢から覚めたあなたは、それは単なる夢だったと気付くのだ。



You can wish for the impossible, but you can will only with God. This is the ego's weakness and your strength.
  • weakness [wíːknəs] : 「弱さ、弱いこと」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、強み」
❖ "You can wish ~ "「あなたは不可能なことを望むことは出来るが、」"but you can will ~ "「しかし、あなたは神と共にのみ、意思することが出来るのだ」。"This is the ego's ~ "「これこそ、エゴの弱みであり、あなたの強みだ」。エゴが不可能ことを望むことは可能だ。望みはするが決して実相的に現実化しない。夢に過ぎないからだ。しかし、神と共に意思することはエゴには出来ない。なぜなら、エゴとは神の意思に反したものであり、反する限りにおいて、かろうじて存在していると思い込んでいるだけだからだ。仮にエゴが神の意思通りに意思したなら、その瞬間にエゴは消滅してしまうだろう。一方、あなたは神と意志を共有できる。なぜなら、あなたは神の延長上に創造された神の子だからだ。したがって、あなたは望むことが出来るだけでなく、神のように意志することが出来る。それが、あなたがエゴに対抗できる最大の強みだ。






T-7.X.1:1 ~ T-7.X.2:7

X. The Confusion of Pain and Joy
痛みと喜びの混同




1. The Kingdom is the result of premises, just as this world is. 
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末」
  • premise [prémis] : 「前提、仮定、根拠」
❖ "The Kingdom is ~ "「王国は前提の結果である」。"just as this ~ "「ちょうど、この世界がそうであるように」。この世界が成立する前提とは、神からの分離と考えていいだろう。そこから類推すれば、天の王国が成立する前提とは、神と神の子が一体であること、神と神の子が創造を分かち合って真実を拡張すること、となるだろう。



You may have carried the ego's reasoning to its logical conclusion, which is total confusion about everything. 
  • carry [kǽri] : 「〜を運ぶ、〜を持っていく」
  • reasoning [ríːzəniŋ] : 「論法、推論、論理的思考」
  • logical [lɑ́dʒikl] : 「論理上の、論理的な」
  • conclusion [kənklúːʒən] : 「結論、決定、結果」
  • total [tóutl] : 「全部の、全体の、全面的な」
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、混同」
❖ "You may have ~ "「あなたは、エゴの論法を論理的結論にまでもって行ったのかもしれないが、」" which is total ~ "「それは、すべてにおいて、完全な混乱である」。エゴの論法とは、"tiny mad idea"「ほんの小さな狂った考え」のことだろう。つまり、神が神の延長上に神の子を創造し、神の属性のすべてを神の子が継承しているなら、神の子は神なしで神のように存在できるはずだ。神が自らの王国を創造したように、神の子も自らの世界を創造できるはずだ。こういう考えを論理的結論までもって行った、つまり、実行したのだ。神からの分離である。こうして神の子はこの幻想世界を自ら創造したのだが、その世界は分離を象徴する二元論世界であるから、相反する想念や対立概念が錯綜し合う混乱の世界となった。そもそも、神なしで神のように創造できるという考え自体が混乱であり、狂っている。なぜなら、創造の根源的なソースは神であって、決して神の子ではない。神が神の子を創造し、神の子は神と創造を分かち合って真実を拡張するだけなのだ。神の子は神と同様の根源的なソースにはなり得ない。子が親を生むことは不可能なのだ。



If you really saw this result you could not want it. The only reason you could possibly want any part of it is because you do not see the whole of it. 
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末」
  • reason [ríːzn] : 「理由、原因、根拠」
  • possibly [pɑ́səbli] : 「もしかすると、ひょっとしたら」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
❖ "If you really ~ " 仮定法過去、現在の事実と反したことを仮定する、「あなたが本当に、この(エゴの論理的)結果を見たならば、あなたはそれを見たいとは思わないであろう」。神からの分離によって偽創造したこの幻想世界の実体を目の当たりにしたなら、目を覆いたくなるはずだ。"The only reason ~ "「ひょっとして、その結果の一部でもかいま見たいとあなたが思うなら、その理由は、」"it is because you ~ "「エゴの結果全体を見ていないからだ」。エゴの論理的結論の全体像を見てしまったら、決してそんなことは望むはずもない、ということ。この幻想世界にあってあなたは物欲的な幸せを追い求め、真実を見ようとしていないが、エゴの論理的結論である実体、罪と罰に恐れ、苦と痛みに苛まれる現実を見てしまったら、この幻想世界から解放されたいと思うはずだ。



You are willing to look at the ego's premises, but not at their logical outcome. 
  • be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果」
❖ "You are willing ~ "「あなたは、エゴの前提を見てみたい気はあるだろうが、」"but not at their ~ "「エゴの論理的結果までは見たいとは思うまい」。エゴの論理を弄ぶことには興味を持つかもしれないが、それが行き着く結末までは手に入れようとしないだろう。



Is it not possible that you have done the same thing with the premises of God? 
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、あり得る」
  • same thing : 「〜と同じこと」
❖ "Is it not possible ~ "「that以下の可能性はないのか」。"that you have done ~ "「あなたが、神の前提に対しても同様のことをしていた」可能性はないのか。天の王国を成立させる前提、すなわち、神と神の子が一体となり、創造を分かち合って真実を拡張するという論を、あなたは興味を抱いたかもしれないが、実行してこなかった可能性は十分にある。



Your creations are the logical outcome of his premises. His thinking has established them for you. They are exactly where they belong. 
  • creation [kriéiʃən] : 「創作物、創造、創作」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、達成する」
  • exactly [igzǽktli] : 「正確に、厳密に」
  • belong [bilɔ́(ː)ŋ] : 「属する、所属する」
❖ "Your creations are ~ "「あなたが創造したものこそ、神の前提の論理的結果である」。あなたが神とともに真実を分かち合い、真実を拡張することこそ創造であって、神と一体であるという前提が創造に結実するのだ。"His thinking has ~ "ここの"them"は迷うところであるが、"his premises"と考えて、「神の思いが、あなたたのために、前提を確立した」。つまり、あなたが創造できるように、神が思いやりをもって前提を確立した、ということ。"They are exactly ~ "「あなたが創造したものは、まさに、あるべき場所にある」。あなたが創造したものは幻想の世界にあるのではなく、神の世界、心の世界にある。



They belong in your mind as part of your identification with his, but your state of mind and your recognition of what is in it depend on what you believe about your mind. 
  • identification [aidèntifəkéiʃən] : 「同一化、同定」
  • state [stéit] : 「状態、情勢、状況」
  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証」
  • depend on : 「〜によって決まる、〜次第である」
❖ "They belong in ~ "「あなたが創造したものは、神との同一化の一部として、あなたの心に属している」。あなたが神と一体となって真実を拡張して創造したものは、天の王国の一部としてあなたの心の中に属する。。"but your state ~ "「しかし、あなたの心の状態や、心の中に何があるかという認識は、あなたがあなたの心について何を信じているかによって決まる」。あなたがエゴに支配された心を信じている限り、あなたの心の中に天の王国は見えない。



Whatever these beliefs may be, they are the premises that will determine what you accept into your mind.
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念」
  • premise [prémis] : 「前提、仮定」
  • determine [ditə́ːrmin] : 「決定する、決心する」
  • accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
❖ "Whatever these ~ "「これらの信念が何であっても、」あなたの心について何を信じたとしても、"they are the premises ~ "「それらは、あなたがあなたの心に何を受け入れるかを決定する前提である」。エゴを受け入れればエゴを前提とし、ホーリー・スピリットを受け入れればホーリー・スピリットが前提になる。その前提次第で、あなたはエゴの思考システムによって行動するか、ホーリー・スピリットの思考システムによって行動するか決まる。



2. It is surely clear that you can both accept into your mind what is not there, and deny what is. 
  • surely [ʃúərli] : 「疑いなく、確実に、必ず」
  • both A and B : 「AもBも、ABどちらも」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する」
❖ "It is surely ~ "「that以下は確かに明らかである」。"that you can ~ "「あなたが、心の中にないものを心の中に受け入れることも、心の中にあるものを拒否することも、どちらも出来る」というのは確かに明らかだ。ありもしないエゴを受け入れることも、あなたの心に宿るホーリー・スピリットを拒絶することも出来る。あなたには自由意志による選択の権利が与えらている。



Yet the function God himself gave your mind through his you may deny, but you cannot prevent. It is the logical outcome of what you are. 
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き、効用」
  • prevent [privént] : 「防ぐ、防止する、阻む」
  • logical [lɑ́dʒikl] : 「論理上の、論理的な」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果」
❖ "Yet the function ~ "「しかし、神自身が神の心を通してあなたの心に与えた機能を、あなたは拒否できるかもしれないが、」"but you cannot ~ "「しかし、あなたは拒みきれるものではない」。"It is the logical ~ "「それは、本当のあなたであることの、論理的結果であるからだ」。本当のあなたとして生きているなら、あなたは紛れもない神の子だから、神が与えた機能を拒むことは出来ない。なぜなら、あなたが神の前提によって生きるなら、それこそ論理的な結果であるからだ。



The ability to see a logical outcome depends on the willingness to see it, but its truth has nothing to do with your willingness. 
  • ability [əbíləti] : 「能力、才能」
  • depend on : 「〜によって決まる、〜次第である」
  • willingness [wíliŋnis] : 「意欲、やる気」
  • have nothing to do with : 「〜と関係がない」
❖ "The ability to see ~ "「論理的結果を見る能力は、それをみたいと思う気持ち次第なのだが、」"but its truth ~ "「しかし、論理的結果の真実性は、あなたの意欲には関係がない」。あなたが論理的結果を見たいと思おうが思うまいが、それはあなたの自由な選択に関わることであって、結果の真実性が変化するわけではない。



Truth is God's Will. Share his will and you share what he knows. Deny his will as yours, and you are denying his kingdom and yours.
  • share in : 「〜を分かち合う、〜を共有する」
❖ "Truth is ~ "「真実は神の意思である」。"Share his ~ "「神の意思を分かち合いなさい」。"and you share ~ "「そうすれば、あなたは、神の知っていることを分かち合うことになる」。"Deny his will ~ "「あなたの意思ではないとして神の意思を否定してみなさい」。"and you are ~ "「そうすれば、あなたは、神の王国もあなたの王国も否定していることになる」。






T-7.IX.6:1 ~ T-7.IX.7:5

6. You have not failed to increase the inheritance of the Sons of God, and thus have not failed to secure it for yourself. 
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
  • fail to do : 「〜しそこなう、〜できない 」
  • increase [inkríːs] : 「〜を増やす、増大させる」
  • inheritance [inhérətəns] : 「受け継いだもの、継承」
  • secure [sikjúər] : 「〜を確保する、〜を保護する」
❖ "You have not ~ "「あなたは、神の子として継承したものを増大しそこなってはいない」。"and thus have ~ "「また、あなた自身のために、継承したものを確保することにも失敗していない」。神から継承したものとは、創造性であり、拡張性、永遠性、愛すること、喜ぶこと、分かち合うこと、真実の総体である叡智、等々、いろいろある。神の属性のすべてだ。それを神から継承しこそなったわけではなし、失ったわけでもない。ただ、忘れているだけだ。



Since it was the Will of God to give it to you, he gave it forever. Since it was his will that you have it forever, he gave you the means for keeping it. 
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
❖ "Since it was ~ "ここは"it ~ to ~ "の構文、「それをあなたに与えることは神の意思であったから、」"he gave it ~ "「神はそれを永遠に与え続けた」。神から継承したもに賞味期限も有効期限もない。"Since it was ~ "ここは"it ~ that ~ "の構文、「あなたがそれを永遠に持ち続けることが神の意思であったので、」"he gave you ~ "「神はあなたに、それを保持しておく方法を与えた」。あなたが継承した神の属性のすべてに神は永遠の命を与えた。



And you have done so. Disobeying God's Will is meaningful only to the insane. In truth it is impossible. Your Self-fullness is as boundless as God's. 
  • disobey [dìsəbéi] : 「服従しない、背く」
  • meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、重要な」
  • insane [inséin] : 「正気でない、狂った」
  • In truth : 「実のところ、実際には」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、あり得ない」
  • fullness [fúlnis] : 「充足、満足、充満」
  • boundless [báundlis] : 「無限の、広大な」
❖ "And you have ~ "「そして、あなたはそうした」。神の意思通り、あなたは、神から継承したものを保持してきた。"Disobeying God's ~ "「神の意思に逆らうことは、狂った者にとってのみ意味がある」。"the insane"は"the + (形容詞)"の形で「〜な者」の意。"In truth it is ~ "「実際、それは不可能だ」。"Your Self-fullness is ~ "「あなたの自己充足性は、神の自己充足性と同様に無限である」。



Like his, It extends forever and in perfect peace. Its radiance is so intense that It creates in perfect joy, and only the whole can be born of Its Wholeness.
  • extend [iksténd] : 「広げる、拡張する、拡大する」
  • radiance [réidiənsi] : 「輝き、光輝」
  • intense [inténs] : 「極度の、強烈な、極めて強い」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
  • be born of : 「〜から生まれる、〜のもとに生まれる」
  • wholeness : 「全体、完全」
❖ "Like his, It ~ "「神の自己充足性と同じように、あなたの自己充足性は永遠に拡張し、完全な平和のうちにある」。"Its radiance is ~ "ここは"so ~ thaat ~ "の構文、「その輝きはあまりにも強いので、あなたの自己充足性は完全な平和のうちに創造する」。"and only the whole ~ "「そして、完全なものは、完全性の中からのみ生まれるのである」。



7. Be confident that you have never lost your Identity and the extensions which maintain It in wholeness and peace. Miracles are an expression of this confidence. 
  • confident [kɑ́nfidnt] : 「確信して、信じて」
  • identity [aidéntəti] : 「同一性、自己同一性」
  • extension [ikstén∫n] : 「拡張、延長」
  • maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する」
  • expression [ikspréʃən] : 「言い回し、言い方、表現」
  • confidence [kɑ́nfidəns] : 「信頼、確信、自信」
❖ "Be confident that ~ "「that以下に確信をもちなさい」。"that you have ~ "「あなたは、あなたの自己同一性も、また、自己同一性を完全性と平和のなかに維持する拡張性も、決して失っていないのだと」確信をもちなさい。"Miracles are an ~ "「奇跡は、この確信の表れである」。非常に硬い言い回しなのだが、まず、"your Identity"「あなたの自己同一性」とは、あなたは神が創造した神の子であるということ。神から継承した属性の一つに拡張性(extensions)があるが、真実を分かち合い創造し、拡張し続けることで神の子という自己同一性が維持される。その拡張性も、完全な平和のうちに維持される。何も失ってはいない。自信を持っていい。



They are reflections of both your proper identification with your brothers, and of your awareness that your identification is maintained by extension. 
  • reflection [riflékʃən] : 「反射、反射光、現れ」
  • both A and B : 「AもBも」
  • proper [prɑ́pər] : 「適した、適切な、妥当な」
  • identification [aidèntifəkéiʃən] : 「同一化、同定」
  • awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚」
❖ "They are reflections ~ "「この奇跡は〜の反映である」。"both your proper ~ "「あなたの同胞とあなたを適切に同一化したことと、その同一化が拡張によって維持されることにあなたが気付いたこと」の反映である。あなたは神の子であり、同胞もまた神の子であり、自分と同一だと気付き、さらに、神の子という自己同一性を分かち合うことで、それを拡張拡大し、維持していく。神の子と自己同一化したこと、そして拡張によって同一化が維持されていることも気付いたこと、奇跡はそれを反映している。



The miracle is a lesson in total perception. By including any part of totality in the lesson, you have included the whole.
  • total [tóutl] : 「全部の、すべての、全体の」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、知見、見識」
  • include [inklúːd] : 「含める、〜を包含する」
  • totality [toutǽləti] : 「全体、完全、全体性」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
❖ "The miracle is ~ "「奇跡は、全面的知覚のレッスンである」。奇跡によってあなたの知覚は修正され、真実を見極めるヴィジョンへと生まれ変わる。完全性を得た知覚がヴィジョンであり、またヴィジョンは完全性を見逃さない。"By including any ~ "「レッスンの中に全体性のいかなる部分をも含めることで、」知覚を修正するレッスンに対して、つまり知覚を修正しヴィジョンを獲得するという奇跡に対して、真実のすべてを完全に知覚出できるという全体性が与えられたので、"you have included ~ "「あなたは全体性を包含したのである」。簡単に言えば、一部の真実は知覚でき、他の真実は知覚できないなどという不完全なヴィジョンを奇跡のレッスンは与えたりしない。ヴィジョンは、真実の総体である叡智へ向かう一歩手前の知覚なのだ。
 具体的に言うと、この『奇跡のコース(ACIM)』は不足もなければ余りもなく、学びとして必要十分な条件を備えている。このコースが与えるレッスンの全体を、いかなる部分も漏らさず吸収すれば、あなたが神から継承した全体性に目覚めることになる。神はすべてを包摂して自足している。ACIMは、神の属性を継承したことを学ぶ奇跡のレッスンなのだ。






T-7.IX.4:1 ~ T-7.IX.5:3

4. The Kingdom is forever extending because it is in the Mind of God. 
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • extend [iksténd] : 「拡張する、拡大する」
❖ "The Kingdom is ~ "「王国は永遠に拡張し続ける」。"because it is ~ "「なぜならば、王国は神の心の中にあるからだ」。神の属性は、分かち合い、拡張、創造、増大、等々であるから、神の属性を継承する天の王国も、神同様に拡張し続ける。ところで、以前、王国は私達の心の中に存在すると述べられていた。私達の心は神の心の拡張であり、神の心に包まれているものなので、当然、王国は神の心に存在するのである。つまり、王国は私達の心に存在すると表現しても、神の心に存在すると言っても、同じことなのだ。



You do not know your joy because you do not know your own Self-fullness. Exclude any part of the Kingdom from yourself and you are not whole. 
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」
  • fullness [fúlnis] : 「充満、充足」
  • exclude [iksklúːd] : 「〜を除く、除外する」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
❖ "You do not ~ "「あなたは喜びを知らない」。"because you do ~ "「なぜなら、あなたはあなた自身の自己充足性を知らないからだ」。"Exclude any part ~ "「(試しに)王国の一部でもあなた自身から排除してみなさい」。"and you are not ~ "「途端に、あなたは完全ではなくなる」。"fullness"「充足性」は"wholeness"「全体性」とほぼ同義語で、どちらも「全く欠けたところのない、全く完璧な」等々の意味合いをもつ。心が神から分離した後、心は散り散りに分裂し、私達は王国を忘れてしまった。私達の心の中の王国は荒れ放題に荒れている。したがって、私達の心は完全とは言えず、したがって、自己充足しているとは言えない。だから、完全性がもたらす喜びも知らないのだ。



A split mind cannot perceive its fullness, and needs the miracle of its wholeness to dawn upon it and heal it. 
  • split [splít] : 「割れた、分裂した」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • dawn [dɔ́ːn] : 「分かり始める、明るくなる」
  • dawn on : 「〜に理解され始める」
❖ "A split mind ~ "「分裂した心は、その充足性を知覚できない」。"and needs the miracle ~ "「そして、分裂した心は、全体性(を回復するため)の奇跡を必要としている」。"to dawn upon ~ "「充足性がわかり始め、その充足性をヒーリングするために、」全体性回復の奇跡を必要としている。ここの"it"は"fullness"としたが、"wholeness"としてもいい。いずれにしても、回復のためにはヒーリングと奇跡が必要。ヒーリングと奇跡が同じものだと了解してもいいだろう。さらに、ここでは、"dawn upon(理解)"もヒーリング、奇跡と同じものと考えていい。



This reawakens the wholeness in it, and restores it to the Kingdom because of its acceptance of wholeness. 
  • reawaken = reawake [riəwéik] : 「再び目覚めさせる、復活させる」
  • restore [ristɔ́ːr] : 「元に戻す、修復する」
  • restore A to B : 「Aを修復してBにする」
  • because of : 「〜のために、〜のせいで」
  • acceptance [əkséptəns] : 「受け入れること、承認」
❖ "This reawakens ~ "「これは、その中に全体性を目覚めさせる」。これとは、奇跡でありヒーリング。その中とは、分裂した心の中。分裂した心がヒーリングされることで、全体性が目覚めてくる。"and restores it ~ "「そして、分裂した心は修復され、王国になる」。心の中の王国が修復、復興する。"because of its ~ "「(心が)全体性を受け入れたのだから」。全体性が目覚め、その全体性を受け入れることで、心の全体性を象徴する王国が復興する。



The full appreciation of the mind's Self-fullness makes selfishness impossible and extension inevitable. 
  • full [fúl] : 「徹底した、完全な、全面的な」
  • appreciation [əprìːʃiéiʃən] : 「正しい評価、正しい認識」
  • self-fullness : 「自己充足性」
  • selfishness [sélfiʃnis] : 「身勝手さ、自分本位、わがまま」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない」
  • extension [iksténʃən] : 「 拡張、伸長、延長、伸展」
  • inevitable [inévətəbl] : 「避けられない、当然の、必然的な」
❖ "The full appreciation ~ "「心の自己充足性を十分正しく評価することは、自己本位な思いを不可能とし、拡張を必然的なものとする」。自己充足性は自己満足のことではない。利己的なことでもない。むしろ、自信に満ちた充実感を感じさせるもののこと。自己充足性のもつパワーは回りに波及し、分かち合われ、したがって、必然的に拡張していくのである。



That is why there is perfect peace in the Kingdom. Spirit is fulfilling its function, and only complete fulfillment is peace.
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「完璧な、完全な」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏」
  • fulfill [fulfíl] : 「遂行する、実行する」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き」
  • complete [kəmplíːt] : 「完全な、完結した」
  • fulfillment [fulfílmənt] : 「実現、成就、達成」
❖ "That is why ~ "「それが、王国に完璧な平和がある理由である」。"Spirit is fulfilling ~ "「スピリットは十分にその機能を果たし、」"and only complete ~ "「その機能が完全に果たされた所にのみ、平和がある」。



5. Your creations are protected for you because the Holy Spirit, Who is in your mind, knows of them and can bring them into your awareness whenever you will let him. 
  • protect [prətékt] : 「守る、防御する」
  • know of : 「〜について知っている」
  • awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚」
❖ "Your creations are ~ "「あなたが創造したものは、あなたのために、守られている」。あなたが人を愛したり、動物を慈しんだり、心から喜びを感じたり、美しいものに感動したとき、それは、あなたが真実を拡張した創造である。その瞬間瞬間をホーリー・スピリットは記憶し、保護してくれている。"because the Holy Spirit ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットは、あなたの心の中にいるのだが、あなたが創造したものを知っており、」"and can bring ~ "「ホーリー・スピリットにそうしてもらいたいとあなたが思うときはいつでも、ホーリー・スピリットは、あなたの意識の中にそれらを連れ戻すことが出来るからだ」。あなたが望めば、ホーリー・スピリットはあなたが創造した真実を思い出させてくれる。思い出したあなたは、その創造したものを、神への贈り物として、あなたの心の中にある神の祭壇にささげればいい。



They are there as part of your own being, because your fulfillment includes them. 
  • part [pɑ́ːrt] : 「一部、部分」
  • fulfillment [fulfílmənt] : 「実現、成就、充足感」
  • include [inklúːd] : 「含める、〜を包含する」
❖ "They are there ~ "「あなたが創造したものは、あなた自身の存在の一部として、そこにある」。"because your ~ "「なぜなら、あなたの充足性はそれらを含んでいるからだ」。神が神の子を創造して自ら充足したように、あなたも真実を拡張し、創造することで充足する。なぜなら、あなたが創造したものはあなたの子であるからだ。



The creations of every Son of God are yours, since every creation belongs to everyone, being created for the Sonship as a whole.
  • belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する」
  • belong to : 「〜に属する、〜の所有物である」
  • as a whole : 「全体として、まとめて、概して、総じて」
❖ "The creations of ~ "「神の子一人一人が創造したものは、あなたのものである」。"since every creation ~ "「なぜなら、すべての創造されたものは、すべての人に属しているからだ」。"being created for ~ "分詞構文、理由、「神の子すべてのために、創造されたのだから」。自他一如を思い浮かべればいい。他者が創造したものはあなたのものであり、あなたが創造したものは他者のものでもある。他者とあなたは神の世界で同一だからだ。






T-7.IX.2:1 ~ T-7.IX.3:7

2. Spirit knows that the awareness of all its brothers is included in its own, as it is included in God. 
  • awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚、意識性」
  • include [inklúːd] : 「〜を含める、〜を包含する」
❖ "Spirit knows that ~ "「スピリットはthat以下を知っている」。"that the awareness of ~ "直訳すると、「スピリットの同胞たちすべてを認識していることは、それ自体の認識の中に含まれ、」"as it is included ~ "「その認識が神の認識の中にも含まれるのと同様である」。スピリットとしてのあなたは、スピリットこそが本当の自分自身であると認識しているが、それだけに止(とど)まらず、他者もまた、本当の姿はスピリットであると認識している。ちょうどそれは、神が神の子全体をスピリットとして認識していることと同じだ。
 ここは、"awareness"を「意識性」として解釈すれば理解が深まるかもしれない。つまり、すべての同胞を自他一如と認識する意識性が、スピリット自体の機能の中に含まれている、という意味合いになる。それは、ちょうど、神がすべての創造物を神の拡張として認識しているという意識性をもっているのと同じである。



The power of the whole Sonship and of its Creator is therefore spirit's own fullness, rendering its creations equally whole and equal in perfection.
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
  • fullness [fúlnis] : 「充満、充足」
  • render [réndər] : 「〜の状態にする」
  • equally [íːkwəli] : 「平等に、同等に、等しく」
  • equal [íːkwəl] : 「〜と等しい、同等の」
  • perfection [pərfékʃən] : 「完全、完璧、完成」
❖ "The power of ~ "「すべての神の子と、その創造主のもつパワーは、したがって、スピリット自身の充足性である」。創造主である神と同様に、神の子はすべてをもっており、欠けるものはなく充足している。スピリット自体が神の属性のすべてをもっているという充足性が、神と同様のパワーを生み出す。真実を拡張するという創造のパワーだ。"rendering its creations ~ "分詞構文、単純接続、「そして、そのパワーは、神の創造物を等しく完全にし、完璧さにおいて平等となす」。真実の拡張を神の子全体で分かち合うことで、神と同じ創造のパワーは神の子全体を一つにまとめ上げる。分離分裂を超克した神の子は、神と同様の完全性を取り戻し、その完璧さにおいて完全に平等である。この時点に至れば、自他一如という概念自体は消滅する。単一の神の子にとって、自体一如という認識は必要なくなるからだ。



The ego cannot prevail against a totality that includes God, and any totality must include God.
  • prevail [privéil] : 「勝つ、勝る」
  • prevail against : 「〜に打ち勝つ、〜をしのぐ」
  • totality [toutǽləti] : 「全体、全体性」
❖ "The ego cannot ~ "「エゴは、神を包摂(ほうせつ)する全体性に打ち勝つことは出来ない」。ここの"totality(全体性)"とは、完全性のことであり、完全充足性、完全平等性のことだと思っていいだろう。しかし、神の子はそれを神に投げ返してこの世界を幻想し、エゴという不完全性を象徴する偶像を偽創造したのだ。不完全なエゴが、完全な全体性に勝ることは出来ない。"and any totality ~ "「そして、いかなる全体性も、神を包摂する」。神はすべてを包摂し(all-encompassing)、その全体性(totality)の中に住まう。真実のすべてを包摂する全体性こそが神である。神を欠いた全体性は語義(言葉の定義)からして成立しない。



Everything he created is given all his power, because it is part of him and shares his being with him.
  • share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」
  • being [bíːiŋ] : 「存在、実在、生命」
❖ "Everything he created ~ "「神が創造したすべてのものは、神のもつすべてのパワーを与えられる」。"because it is ~ "「なぜならば、それは神の一部であり、神と、神の存在を分かち合っているからだ」。神は神の愛(命)の延長上に神の子を創造した。命は存在そのものであって、神の子はその命(存在)を神と分かち合っている。そこに命のパワーが生み出される。創造のパワーだ。



Creating is the opposite of loss, as blessing is the opposite of sacrifice. Being must be extended.
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「反対、正反対」
  • loss [lɔ́s] : 「失うこと、喪失」
  • blessing [blésiŋ] : 「恩恵、祝福」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、ささげること」
  • extend [iksténd] : 「広げる、拡張する、拡大する」
❖ "Creating is ~ "「創造とは失うことの反対である」。"as blessing is ~ "「ちょうど、祝福が犠牲の反対であるように」。"Being must be ~ "「存在は、拡張されなければならない」。存在、すなわち命は神と分かち合うことで拡張増大する。実相的な創造である。



That is how it retains the knowledge of itself. Spirit yearns to share its being as its Creator did.
  • retain [ritéin] : 「〜を保つ、保持する」
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、知恵」
  • yearn [jə́ːrn] : 「切望する、熱望する」
❖ "That is how ~ "「存在が拡張することは、存在が存在自体の叡智を保持する仕方である」。実相的存在としての命は、自らを拡張し、命が神から継承した真実の総体である叡智を保持する。自らを拡張するとは、自ら保持している真実を神と分かち合って増大させる創造行為である。"Spirit yearns to ~ "「スピリットは、神がそうであったように、存在を分かち合うことを切望している」。ここのスピリットは命と同義。つまり存在であり、実存である。神もまた、神の延長上に自らを拡張して神の子を創造した。その神の子と命(存在)を分かち合い、叡智を保持するのである。叡智とは、したがって『神智』であり、神の命である。



Created by sharing, its will is to create. It does not wish to contain God, but wills to extend his Being.
  • contain [kəntéin] : 「〜を含む、封じ込める、抑制する」
❖ "Created by ~ "分詞構文、頭の"Being"が省略されている、理由、「分かち合うことによって創造されたので、(スピリットという)存在の意思は創造することである」。"It does not ~ "「それは、神を制限しようなどと思うことはなく、」"but wills to ~ "「神の存在を拡張しようと望む」。あたかも、すべて存在の波動が、神の存在という波動と共鳴し合い、調和し合って波動が増強され、無限に拡大されていくイメージが描ける。



3. The extension of God's Being is spirit's only function.
  • extension [iksténʃən] : 「拡張、延長」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き」
❖ "The extension of ~ "「神の存在の拡張は、スピリットがもつ唯一の機能である」。



Its fullness cannot be contained, any more than can the fullness of its Creator.
  • fullness [fúlnis] : 「充満、充足、豊かさ」
  • not A any more than B : 「Bでないと同様Aでない」
❖ "Its fullness cannot ~ "「神の充足性が制限できないように、スピリットの充足性も制限できない」。



Fullness is extension. The ego's whole thought system blocks extension, and thus blocks your only function.
  • extension [iksténʃən] : 「拡張、延長、伸展」
  • block [blɑ́k] : 「遮る、妨害する、妨げる」
❖ "Fullness is extension"「充足性とは拡張性のことである」。真実を拡張することで叡智は充足される。"The ego's whole ~ "「エゴの思考システム全体は拡張性を妨害する」。エゴは真実が拡張することを嫌う。"and thus blocks ~ "「そして、このように、あなたの機能のみを妨害する」。エゴは分離と孤立を望んでいるから、真実を分かち合い、拡張することを恐れている。そこで、あなたの機能である拡張性をブロックするのである。



It therefore blocks your joy, so that you perceive yourself as unfulfilled.
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」
  • so that : 「〜できるように 」
  • unfulfilled : 「満たされていない」
❖ "It therefore blocks ~ "「したがって、あなたが自分自身を満たされていないと知覚できるように、エゴはあなたの喜びをブロックする」。不足感、欠如感をあなた感じるように仕向ける。たとえば、愛の欠如感は否定や攻撃性を生み出し、恐れを抱くことはあっても、そこに喜びはない。



Unless you create you are unfulfilled, but God does not know unfulfillment and therefore you must create.
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • unfulfillment : 「満足感がないこと」
❖ "Unless you create ~ "「あなたが創造しない限り、あなたは不足感を覚える」。真実の拡張である実相的創造を行わないと充足感は失われ、欠如感があなたを蝕む。"but God does ~ "「しかし、神は不足感を知らない」。"and therefore you ~ "「そこで、あなたは創造しなくてはならない」。創造自体が神であるから、神は常に創造し、拡張している。そこに不足感や欠如感というものも存在しない。しかし、あなたの心が拡張と創造の手を休めると、そこに不足感や欠如感が幻(まぼろし)となって現れる。



You may not know your own creations, but this can no more interfere with their reality than your unawareness of your spirit can interfere with its being.
  • creation [kriéiʃən] : 「創作物、作品、創造、創作」
  • no more A than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
  • interfere [ìntərfíər] : 「邪魔をする、妨げる」
  • interfere with : 「〜を妨げる、〜の邪魔する、〜に干渉する」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、実相」
  • unawareness [ʌ̀nəwέərnis] : 「認識していないこと」
❖ "You may not ~ "「あなたは、あなた自身が創造したものを知ることがないかもしれない」。あなたが拡張した真実を認識出来ないかもしれない。"but this can ~ "「しかし、あなたが創造したものの実在性をあなたが妨害できないのは、あなたがあなたのスピリットの存在に気付かなくても、それがスピリットの実在性を妨害出来ないことと同じである」。あなたが気付かなくても、あなたの実存はスピリットである。同様に、あなたが自分の創造的パワーの存在に気付かなくても、あなたが創造した真実の実在性は揺るがない。






T-7.VIII.7:1 ~ T-7.IX.1:11

7. The whole purpose of this course is to teach you that the ego is unbelievable and will forever be unbelievable. 
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図」
  • course [kɔ́ːrs] : 「課程、講座、コース」
  • unbelievable [ʌ̀nbilíːvəbl] : 「信じられない」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "The whole purpose ~ "「このコースの目的全体は、エゴは信じられないものであり、そして、永遠に信じられないものだということをあなたに教えることにある」。



You who made the ego by believing the unbelievable cannot make this judgment alone. 
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力」
  • alone [əlóun] : 「独りで、ただ〜だけで」
❖ "You who made ~ "「信じられないことを信じることで、エゴを作ったあなたは、(エゴは永遠に信じられないという)この判断を一人では出来ない」。エゴと自己同一化しているあなたは、エゴは信じるに足りないものだと判断できない。なぜなら、それは自己否定につながるからだ。しかし、真の自己同一化を図るには、エゴとの同一化を自己否定しなくてはならない。その助けをしてくれるのがホーリー・スピリットであり、それを学ぶのがこのコースである、というわけだ。



By accepting the Atonement for yourself, you are deciding against the belief that you can be alone, thus dispelling the idea of separation and affirming your true identification with the whole Kingdom as literally part of you. 
  • accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
  • atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い」
  • decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
  • decide against : 「〜しないことに決める、〜に不利な判決を下す」
  • alone [əlóun] : 「独りで、ただ〜だけで」
  • dispel [dispél] : 「〜を追い払う、払拭する」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別」
  • affirm [əfə́ːrm] : 「断言する、肯定する」
  • identification [aidèntifəkéiʃən] : 「同一化、同定」
  • literally [lítərəli] : 「文字どおり、そっくりそのまま」
❖ "By accepting ~ "「あなた自身の贖罪を受け入れることで、」"you are deciding against ~ "「あなたはたった一人で存在できるという信念を撤回することになる」。"thus dispelling ~ "分詞構文、単純接続、「こうして、分離という考えを払拭し、」"and affirming your ~ "「文字通り、あなたの一部としての王国全体とあなたが真に同一であると肯定することになる」。神を裏切って神から分離したというのは夢の中の出来事だから、裏切りへの罪の意識も夢である。そんな幻想は赦してしまうに限る。こうして、あなたは自分の贖罪を受け入れる(accepting the Atonement for yourself)。夢の続きでは、神の子は自らを分裂させ、自分と他者は個々別々に存在出来ると信じているが(the belief that you can be alone)、それも夢だと知って、信念を撤回する。こうして、分離という考えを払拭し(thus dispelling the idea of separation)、自分は常に天の王国の神とともにいることを肯定する。孤独の中で幻想のエゴと自己同一化してきた自分を捨て、天の王国全体を包み込む神の一部としての自分が本当の自分自身であると宣言するのである(affirming your true identification)。なぜなら、神は神の延長上にあなたを創造したのだから。



This identification is as beyond doubt as it is beyond belief. Your wholeness has no limits because being is infinity.
  • beyond [bijɑ́nd] : 「〜の向こうに、〜を越えて」
  • doubt [dáut] : 「疑い、疑惑、心配」
  • wholeness [hóulnis] : 「全体、全体性」
  • limit [límit] : 「限度、制限、限界」
  • being [bíːiŋ] : 「存在、実在、生存」
  • infinity [infínəti] : 「無限、無限大」
❖ "This identification is ~ "「この自己同一化は、それが信じる気持ちを越えることであると同時に、疑う気持ちをも越える」。あなたが天の王国と自己同一化することは、信じる信じない、あるいは疑う疑わない、ということ以前のことである。なぜなら、それは事実だからだ。"Your wholeness has ~ "「あなたの全体性には限界がない」。"because being ~ "「なぜなら、(あなたの)存在は無限であるから」。あなたの存在を制限し、有限化しているのは、この幻想の世界である。それは、たとえば時空という錯覚があなたを制限しているのを見てもわかる。しかし、幻想のこの世界を超越し、神の王国に入れば、そこは時空のない世界であり、物理法則の支配の及ばない世界である。存在はすべて完全で、無限で、すべてを包含して豊かである。あなたの存在は、まさにそうである。




IX. The Extension of the Kingdom
王国の拡張


1. Only you can limit your creative power, but God wills to release it. 
  • limit [límit] : 「限定する、制限する」
  • creative [kriéitiv] : 「創造力のある、創造的な」
  • will [wíl] : 「〜を望む、意図する」
  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする」
❖ "Only you can ~ "「あなただけが、あなたの創造力に制限をかけることは可能だが、」"but God wills ~ "「しかし、神は、その制限を解除することを望んでいる」。



He no more wills you to deprive yourself of your creations than he wills to deprive himself of his. 
  • no more A than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
  • deprive [dipráiv] : 「奪う、剥奪する」
  • deprive A of B : 「AにBを与えない、AからBを奪う」
❖ "He no more ~ "「神が、あなたがあなた自身からあなたの創造したものを奪うことを望まないのは、神が、神自身から神が創造したものを奪うことを望まないのと同じである」。神は、神の子が神から分離したままでいることを望んではいない。



Do not withhold your gifts to the Sonship, or you withhold yourself from God! Selfishness is of the ego, but Self-fullness is of spirit because that is how God created it. 
  • withhold [wiðhóuld] : 「与えないでおく」
  • selfishness [sélfiʃnis] : 「身勝手さ、わがまま」
  • fullness [fúlnis] : 「充満、充足」
  • spirit [spírət] : 「霊、魂、霊魂、精霊、精神」
❖ "Do not withhold ~ "「あなたの贈り物を神の子に与えないでおくことのないようにしなさい」。"or you withhold ~ "「さもなければ、あなたは自分自身を神から遠ざけることになる」。"Selfishness is ~ "「身勝手さとはエゴのことだが、」"but Self-fullness is ~ "「自己充足はスピリットのことである」。"because that is ~ "「なぜならば、それは、神がそのように創造したからだ」。スピリットとしての神の子は、神の属性のすべてを継承して創造された。欠如するものは何もない。スピリットは完全に自己充足している。もし、この世界にあって、あなたの同胞が心に欠如感を抱いているなら、あなたは自分の充足感を同胞に分け与えてやればいい。



The Holy Spirit is in the part of the mind that lies between the ego and the spirit, mediating between them always in favor of the spirit. 
  • between A and B : 「AとBの間に」
  • mediate [míːdièit] : 「介在する、仲立ちする」
  • favor [féivər] : 「有利、恩恵、好意」
  • in favor of : 「〜に賛成して、〜を支持して」
❖ "The Holy Spirit is ~ "「ホーリー・スピリットは、エゴとスピリットの間の、心の一部分にいる」。"mediating between them ~ "分詞構文、単純接続、「そして、エゴとスピリットの間に立って、いつもスピリットの味方として、仲立ちしている」。



To the ego this is partiality, and it responds as if it were being sided against. 
  • partiality [pὰːrʃiǽləti] : 「部分的であること、えこひいき」
  • respond [rispɑ́nd] : 「反応する、応答する、答える、返答する、応じる」
  • side against : 「〜に反対する」
❖ "To the ego this ~ "「エゴにとっては、これはえこひいきに見え、」"and it responds ~ "「そして、エゴは、(自分が)あたかも反対されているかのように反応する」。エゴはホーリー・スピリットを敵対視している。しかし、ホーリー・スピリットはエゴを敵対視しているわけではない。存在さえしないエゴを敵に回す必要などないからだ。



To spirit this is truth, because it knows its fullness and cannot conceive of any part from which it is excluded.
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真理」
  • fullness [fúlnis] : 「充満、充足」
  • conceive [kənsíːv] : 「思い付く、想像する」
  • conceive of : 「〜を考え出す、〜を心に描く」
  • exclude [iksklúːd] : 「〜を排除する、締め出す」
❖ "To spirit this ~ "「スピリットにとっては、これは真実である」。神の子の実相であるスピリットにとって、ホーリー・スピリットが常に神の子の味方であることは思い込みでも錯覚でもない。"because it knows ~ "「なぜなら、スピリットは、自分が充足していることを知っているし、」"and cannot conceive ~ "「そして、充足が除外されているいかなる部分も思いつかないからだ」。スピリットは、神の属性のすべてをもって充足していることを知っている。神の愛のすべてを受けて、不足するものなど何もない。それには例外などない。充足から除外されるものなどない。本来、幻想のエゴなど必要ないのだ。それを教えてくれるのがホーリー・スピリットである。
 神の子が神から分離し、神の属性のすべてを神に投げ返した結果、神の子は自己を乖離してエゴをでっち上げた。エゴは不足感、欠落感、喪失感、そして恐れと敵意となる。この悪夢に対抗して、ホーリー・スピリットは真実を教える。スピリットは""wholeness"であり"totality"であることを教えるのである。






T-7.VIII.5:1 ~ T-7.VIII.6:5

5. Do not be afraid of the ego. It depends on your mind, and as you made it by believing in it, so you can dispel it by withdrawing belief from it. 
  • be afraid [əfréid] of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • depend [dipénd] on : 「〜に頼る、〜を当てにする」
  • dispel [dispél] : 「〜を追い払う、払拭する」
  • withdraw [wiðdrɔ́ː] : 「引っ込める、取り下げる」
❖ "Do not be ~ "「エゴを恐れてはいけない」。"It depends on ~ "「エゴはあなたの心に頼っているのである」。"and as you ~ "「そして、あなたがエゴを信じることで、エゴを作ったのだから、」"so you can ~ "「あなたは、エゴからエゴを信じる気持ちを取り下げることによって、エゴを払拭できるのだ」。エゴ退治の具体的な方法が書かれている。しかし、言うは易く行うは難し、である。だが、心配はいらない。ホーリー・スピリットがあなたを助けてくれるから。



Do not project the responsibility for your belief in it onto anyone else, or you will preserve the belief. 
  • project [prədʒékt] : 「〜を投影する、発射する」
  • responsibility [rispɑ̀nsəbíləti] : 「責任、義務」
  • preserve [prizə́ː(r)v] : 「〜を保つ、保存する」
❖ "Do not project ~ "「エゴを信じることに対するあなたの責任を、他者の上に投射してはならない」。"or you will ~ "「さもなければ、あなたはその信念を温存してしまうことになろう」。エゴを信じたのは、誰のせいでもない、自分自身なのだ。その責任を、投影という形で他者に転嫁してはならない。エゴを払拭するには、責任の投影ではなく、エゴと真っ正面から対決しなくてはならない。



When you are willing to accept sole responsibility for the ego's existence you will have laid aside all anger and all attack, because they come from an attempt to project responsibility for your own errors. 
  • be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する、〜に前向きである」
  • accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
  • sole [sóul] : 「唯一の、たった一つの」
  • existence [igzístns] : 「存在、実存、実在」
  • laid [léid] : 「lay の過去・過去分詞形」
  • lay aside : 「やめる、捨てる、放棄する」
  • anger [ǽŋgər] : 「怒り、憤り」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • attempt [ətémpt] : 「試み、企て」
❖ "When you are ~ "「あなたが、エゴの存在に対する唯一の責任を進んで受け入れるなら、」"you will have ~ "「あなたは、すべての怒り、すべての攻撃を放棄してしまうことになろう」。"because they come ~ "「なぜなら、怒りや攻撃は、あなた自身の誤りに対する責任を投影することからやって来るのだから」。



But having accepted the errors as yours, do not keep them. 
  • yours [júərz] : 「あなたのもの」
  • keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
❖ "But having accepted ~ "分詞構文、譲歩、「誤りをあなたの誤りだと受け入れたとしても、」"do not keep ~ "「その誤りを保持してはいけない」。誤りの出所は自分自身だと認めても、それがあなたの幻想が生み出したものだと認識して赦してしまうこと。そこが肝心。



Give them over quickly to the Holy Spirit to be undone completely, so that all their effects will vanish from your mind and from the Sonship as a whole.
  • give over : 「明け渡す、引き渡す」
  • quickly [kwíkli] : 「すぐに、速く」
  • undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元どおりにする、取り消す」
  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、全面的に」
  • so that : 「〜できるように」
  • effect [ifékt] : 「効果、結果、影響」
  • vanish [vǽni∫] : 「消える、消えてなくなる」
  • as a whole : 「全体として、概して、総じて」
❖ "Give them over ~ "「その誤りが完全に取り消されるために、その誤りを一刻も早くホーリー・スピリットに引き渡してしまいなさい」。"so that all their ~ "「誤りのすべての影響が、あなたの心からも同胞の心からも、総じて消滅するようにするため、」誤りをホーリー・スピリットに引き渡しなさい。責任は自分で取らなくてはならないのだが、ちゃんとホーリー・スピリットが助けてくれる。と言うより、より厳密な言い方をすれば、自分一人では無理なのである。ホーリー・スピリットに力を借りなければほぼ無理なのだ。ここにACIMの『絶対他力』思想が表れている。自力には限界がある。しかし、その限界を越えなければならない。そこに、ホーリー・スピリットへの他力が存在する。
 今あなたは、眠りの中で見ている夢に、文字通り夢中になっている。夢を見ていることにも気付きもしない。夢を見ていると気付かないのだから、自分で夢から覚めようなどとは思いも寄らない。悪夢にうなされる子供と同じなのだ。そんな子供には悪夢から目覚めさせてくれる母親が必要なのであり、あなたにとっての母親がホーリー・スピリットだというわけだ。



6. The Holy Spirit will teach you to perceive beyond your belief, because truth is beyond belief and his perception is true. 
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する,〜に気付く」
  • beyond [bijɑ́nd] : 「〜の向こう側に、〜を越えて」
❖ "The Holy Spirit will ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたの信じる気持ちを超えて知覚するようにと、あなたに教えるだろう」。"because truth is ~ "「なぜならば、真実は信じる気持ちを超えるものであり、ホーリー・スピリットの知覚は真実であるから」。あなたは知覚するものを実在だと信じている。それを越えなくてはならない。あなたの知覚の修正を指導してくれるホーリー・スピリットに頼っていいのだ。



The ego can be completely forgotten at any time, because it is a totally incredible belief, and no one can keep a belief he has judged to be unbelievable. 
  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に」
  • forgotten [fərgɑ́tn] : 「forget の過去分詞形」
  • forget [fərgét] : 「〜を忘れる、見落とす」
  • at any time : 「いつでも、どんな時にも」
  • totally [tóutəli] : 「全体的に、完全に」
  • incredible [inkrédəbl] : 「信じられない、信じ難い」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、〜を裁く」
  • unbelievable : 「信じられない、途方もない」
❖ "The ego can be ~ "「いつでも、エゴを完全に忘れ去ることが出来る」。"because it is ~ "「なぜなら、エゴは、まったく信じられない信念であり、」"and no one ~ "「誰でも、彼が信じられないと判断したものを保持することは出来ないからだ」。



The more you learn about the ego, the more you realize that it cannot be believed. The incredible cannot be understood because it is unbelievable. 
  • the more ~ the more ~ : 「〜すればするほどますます〜」
  • learn [lə́ːrn] : 「学ぶ、知る、分かる」
  • realize [ríːəlàiz] : 「悟る、自覚する」
❖ "The more you ~ "「あなたがエゴについて学べば学ぶほど、」"the more you ~ "「あなたは、ますますthat以下がわかってくる」。"that it cannot ~ "「エゴは信じられないと」わかってくる。"The incredible ~ "「信用できないものは、理解され得ない」。"because it is ~ "「なぜなら、それは信じられないからだ」。



The meaninglessness of perception based on the unbelievable is apparent, but it may not be recognized as being beyond belief, because it is made by belief.
  • meaninglessness [míːniŋlisnis] : 「意味のなさ、無意味」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、知見、感じ方」
  • based on : 「〜に基づいているところの」
  • apparent [əpǽrənt] : 「明らかな、明白な」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる」
  • beyond [bijɑ́nd] : 「〜の向こうに、〜を越えて」
❖ "The meaninglessness of ~ "「信じられないことに基づいた知覚の無意味さは明白であるが、」"but it may not ~ "「しかし、それが信念を越えたものであると受け入れられることはないかもしれない」。"because it is ~ "「なぜなら、それは信念によって作られるのだから」。少々、混みいっている。まず、"perception based on the unbelievable"「信じられないものに基づいた知覚」とは、ここは単純に考えて、「エゴに基づいた知覚」ととらえよう。なぜなら、"it is a totally incredible belief"「エゴは完全に信じられない信念である」からだ。エゴに基づいた知覚、あるいは肉体的知覚は意味を持たない。なぜなら、幻想の世界の錯覚で成り立っているからだ。つまり、エゴが幻想なら知覚は錯覚なのだ。しかし、その錯覚である知覚は信じる気持ちを凌駕するものでもある。"because it is made by belief"「なぜなら、それは信念によって作られるのだから」だという。たとえば、あなたは自分の五感で知覚したこの世界を実在であると判断する。実在であると信じている、というのではない。その意味では、知覚は信じる気持ちに優先する。つまり、信じるか信じないかの前に、目で見て見えるものは実在だと決め込んでいるのだ。なぜなら、あなたは知覚の正当性を確信しているからだ。信じる気持ちにより知覚を優先させているものは、その知覚に対する信念(確信)だということである。






T-7.VIII.3:1 ~ T-7.VIII.4:9

3. There are two major errors involved in this attempt. First, strictly speaking, conflict cannot be projected because it cannot be shared. 
  • major [méidʒər] : 「主要な、重要な」
  • error [érər] : 「誤り、間違い」
  • involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う」
  • involved : 「関係している、関連する」
  • attempt [ətémpt] : 「試み、企て」
  • strictly speaking : 「厳密に言えば」
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「摩擦、葛藤、軋轢」
  • project [prədʒékt] : 「〜を投影する、発射する」
  • share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」
❖ "There are two ~ "「この試みには、大きなミスが二つ含まれている」。この試みとは、エゴが他者の心にコンフリクトを投影すること。"First, strictly speaking ~ "「第一に、厳密に言えば、コンフリクトというものは、分かち合うことが出来ないので、投影され得ない」。分かち合いを基盤とする実相的な投射になり得ない。神の投射は、神自身の拡張であり、実体のある真実を投射するのだから、その実体を分かち合って増大させることが出来る。一方、エゴの投影は、神の投射を模倣したものであって、ありもしない幻想(コンフリクト)を心の外のスクリーンに映し出して虚像を弄んでいるだけだ。たとえて言えば、あなたは単に映画の画面を見ているだけであって、あなたは映画の中に入り込むことは出来ないのだ(分かち合うことは出来ない)。



Any attempt to keep part of it and get rid of another part does not really mean anything. 
  • keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
  • get rid of : 「取り除く、排除する」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の」
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、重要性を持つ」
❖ "Any attempt to ~ "「コンフリクトの一部を保持したまま、別の一部を排除する試みは、実際、何の意味も持たない」。たとえば、怒りというコンフリクトをあなたが心に抱えているとしよう。あなたは怒りを他者に投影し、他者を憎むことで怒りを排除しようとする。ところが、コンフリクトは複合的なもので、恐れや罪の意識や愛の欠如感など、怒りとはまた別の側面が複雑に絡まり合ったものである。コンフリクトの一部である怒りだけを投影によって排除しても、恐れなどの他の要因を保持したままなので、それは何の意味もない。



Remember that a conflicted teacher is a poor teacher and a poor learner. 

  • remember [rimémbər] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • conflicted : 「矛盾した」
  • poor [púər] : 「下手な、貧しい」
❖ "Remember that ~ "「コンフリクトを起こしている師は貧弱な師であり、貧弱な学習者であると、覚えておきなさい」。心にコンフリクトを起こしている者は、他者に真実を教える資格はない。また、コンフリクトの一部を投影でごまかしてしまおうという者は、真実を学ぶ資格はない。



His lessons are confused, and their transfer value is limited by his confusion. 
  • confuse [kənfjúːz] : 「混乱させる、困惑させる」
  • confused : 「困惑した、混乱した、支離滅裂な」
  • transfer [trænsfə́ːr] : 「移動、移転」
  • value [vǽljuː] : 「価値、真価、評価」
  • transfer value : 「譲渡価値」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する」
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、混同、混乱状態」
❖ "His lessons are ~ "「コンフリクトを起こした教師の教えるレッスンは混乱している」。心に混乱をきたした教師は、混乱したレッスンを教えてしまう。"and their transfer ~ "「そして、そのレッスンの譲渡価値は、教師が混乱しているために制限される」。心に混乱をきたした教師の教える混乱したレッスンは、学ぶ価値がない(教える価値が制限される)ということ。エゴの思考システムとホーリー・スピリットの思考システムが混在し、何をどう教えていいのか、混乱してしまうのだ。



The second error is the idea that you can get rid of something you do not want by giving it away. Giving it is how you keep it. 
  • second [sékənd] : 「第2の、2番目の」
  • get rid of : 「取り除く、排除する」
  • give away : 「ただで与える、引き渡す」
❖ "The second error ~ "「第二の誤りは、あなたが望んでいないものを、それを譲渡することで、排除できると考えていることである」。"Giving it is ~ "「与えるとは、それを保持する方法なのであるが」。実相的には、与えることと得ることは同一であり、与えることでそれを保持できる。しかし、この世にあっては、嫌なものを他者に押しつけることによって、それを排除できると信じられている。あなたを悩ます怒りを他者に投影してしまえば、怒りが鎮まると思い込んでいるのだ。



The belief that by seeing it outside you have excluded it from within is a complete distortion of the power of extension. 
  • outside [áutsáid] : 「外側に、外部に」
  • exclude [iksklúːd] : 「〜を排除する、締め出す」
  • within [wiðín] : 「内部、内側」
  • complete [kəmplíːt] : 「完全な、徹底的な」
  • distortion [distɔ́ːrʃən] : 「歪めること、歪曲」
  • extension [iksténʃən] : 「拡張、延長、伸展」
❖ "The belief that ~ "「コンフリクトを外側に見ることで、あなたがそれを内側から排除したと信じることは、拡張のもつパワーの完全な歪曲である」。コンフリクトを外側に見るとは、コンフリクトを投影して、他者の中にそれを見る、ということ。拡張のもつパワーとは、創造や愛が分かち合われることで増大、拡張していく、そのパワーのこと。投影はコンフリクトを排除するパワーを持っていると信じることは、実相的な拡張のもつパワーを歪曲した結果である。



That is why those who project are vigilant for their own safety. 
  • vigilant [vídʒələnt] : 「油断がない、用心深い」
  • safety [séifti] : 「安全、無事」
❖ "That is why ~ "「それは、投影した者が、自らの身の安全に用心深くなる理由である」。真の拡張は喜びを生むが、投影は、いつ相手から攻撃されるかと、心配ばかりしなくてはならない。自分の悪感情を投影したのだから、他者から悪感情をもって見られるに違いないと無意識的に分かっているからだ。人を憎めば、その人から憎まれるのは必至だ。他者の憎悪から身を守らなくてはならないと思うのだ。



They are afraid that their projections will return and hurt them. 
  • afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって」
  • projection [prədʒékʃən] : 「投射、投影」
  • return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る、返還する」
  • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える」
❖ "They are afraid ~ "「彼らはthat以下を恐れる」。"that their projections ~ "「彼らが投影したものが返ってきて、彼らを傷つけはしまいかと」恐れる。「投影したものが返って〜」とは、投影された相手が投影を返す、ということ。投影だけで済むならまだしも、肉体的な攻撃という形で返される危険性はある。どちらにしても、傷つかずにおれまい。



Believing they have blotted their projections from their own minds, they also believe their projections are trying to creep back in. 
  • blot [blɑ́t] : 「ふき取る、ぬぐい取る」
  • creep [kríːp] : 「ゆっくり近づく、忍び寄る」
  • creep in : 「はって入る、忍び込む」
❖ "Believing they have ~ "ここは分詞構文、譲歩「〜だけれど」「彼らは、彼ら自身の心から、投影したものをぬぐい去ってしまったと信じているが、」"they also believe ~ "「彼らはまた、彼らが投影したものが、元に戻って(再び心の中に)忍び込もうとしているのだとも信じている」。他者は自分を映す鏡であるから、いわば、他者への投影は鏡の中の自分に投影していることになる。投影は確実に自分自身に返ってくる。



Since the projections have not left their minds, they are forced to engage in constant activity in order not to recognize this.
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜から離れる」
  • force [fɔ́ːrs] : 「〜を強要する、強いる」
  • engage [engéidʒ] : 「従事する、関与する」
  • engage in : 「〜に従事する、〜に携わる」
  • constant [kɑ́nstənt] : 「持続する、絶えず続く」
  • activity [æktívəti] : 「活動、行動、取り組み」
  • in order to : 「〜するために」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「認める、〜を認識する」
❖ "Since the projections ~ "「投影されたものは彼らの心から離れないので、」他者に投影しても、投影される本体は心に残ったままだ。映像はスクリーンに映し出されても、フィルムは映写機の中に入ったままである。"they are forced ~ "「彼らは、これを受け入れないようにするために、持続的な活動に従事しなくてはならない」。投影したものの本体が心に残っているので、それに目が行かないように、たえず忙しく仕事に没頭していなくてはならない。つまり、次から次へと投影を続けなくてはならない。幻想に幻想を重ねるのだ。恐れから逃れるためである。映画に例えるなら、スクリーンに映し出された映像を途絶えさせるわけにはいかない。映像が途絶えたりしたら、途端に映写機の中のフィルムに関心が向かってしまう。映画は見続けなくてはならない。映画の中に没入しなくてはならないくなるのだ。



4. You cannot perpetuate an illusion about another without perpetuating it about yourself. 
  • perpetuate [pərpétʃuèit] : 「〜を永続させる」
  • illusion [ilúːʒən] : 「錯覚、空想、幻想」
❖ "You cannot perpetuate ~ "「あなたに関しての錯覚を永続させることなくして、他者についての錯覚を永続させることはできない」。逆に、自分自身への錯覚を消滅させれば、他者への錯覚も消滅する。



There is no way out of this, because it is impossible to fragment the mind. 
  • way out of : 「〜から抜け出る道」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、出来ない」
  • fragment [frǽgmənt] : 「砕ける、寸断する」
❖ "There is no way ~ "「これには抜け道がない」。"because it is ~ "「なぜなら、心を寸断することは不可能であるから」。他者に対する錯覚を保持しながら、自分の錯覚を消滅させることも、逆に自分に対する錯覚を保持しながら、他者への錯覚を消滅させることも、どちらも不可能。抜け道はない。それは、心の寸断を意味しており、心は寸断できない。つまり、錯覚を覚えながら覚醒することも、覚醒しながら錯覚することも出来ない。心は、幻想の世界で夢を見るか、覚醒して実在の世界を見るか、二つに一つである。



To fragment is to break into pieces, and mind cannot attack or be attacked. 
  • break into : 「割れて〜になる、壊れて〜になる」
  • piece [píːs] : 「断片、部分品、一片」
❖ "To fragment is ~ "「寸断するとは、割って断片にすることだ」。しかし、心を寸断することは出来ない。したがって、"and mind cannot ~ "「そして、心は攻撃することも出来なければ、攻撃されることもない」。



The belief that it can, an error the ego always makes, underlies its whole use of projection. 
  • underlie [ʌ̀ndərlái] : 「〜の基礎にある、下に横たわる」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
❖ "The belief that ~ "「それが出来ると信じることは、」それとは、心を幻想と実相に分断し、攻撃したり攻撃されたりしながら傷つき得るということ。"an error the ego ~ "「エゴがいつも犯すミスなのだが、」"underlies its whole ~ "「それは、エゴが投影を利用するすべての根拠になっている」。エゴは心のもつパワーを利用して投影するのだが、実相的な心の力を誤解している。誤解と言うより、知らない、誤用していると言った方がいいかもしれない。



It does not understand what mind is, and therefore does not understand what you are. 
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、分かる」
❖ "It does not ~ "「エゴは、心が何たるかを理解していない」。"and therefore ~ "「したがって、エゴは、本当のあなたを理解していない」。"what mind is"は「本当の心」と訳してもいい。



Yet its existence is dependent on your mind, because the ego is your belief. The ego is a confusion in identification. 
  • existence [igzístns] : 「存在、実存、実在」
  • dependent [dipéndənt] : 「頼っている、依存している」
  • be dependent on : 「〜によって決まる、〜に依存している」
  • identification [aidèntifəkéiʃən] : 「同一化、同定」
❖ "Yet its existence ~ "「しかし、エゴの存在はあなたの心に依存している」。"because the ego ~ "「なぜなら、エゴはあなたの信念なのだから」。つまり、あなたの心が信じて投影した幻想が、とりもなおさずエゴなのだ。心が神から分離したとき、心は神を恐れた。その堪え難い恐怖から逃れるために、自己を乖離し、別人格の自分を幻想の世界に投影した。それが、エゴである。したがって、"The ego is ~ "「エゴとは自己同一化の混乱である」。自己同一化の混乱から生まれたのがエゴ。神の復讐を恐れる自分を乖離し、神に対抗するエゴを自分と見立てたのだから、心は、投影した自己と投影された自己の、どちらの自己も抱え込んだのである。そこに、自己同一化の混乱が生じる。



Never having had a consistent model, it never developed consistently. 
  • consistent [kənsístənt] : 「一貫した、一貫性のある」
  • model [mɑ́dl] : 「手本、見本、模範」
  • develop [divéləp] : 「発展する、発達する」
  • consistently [kənsístəntli] : 「一貫して、変わらず」
❖ "Never having had ~ "分詞構文、理由、「一貫したモデルをもったことがないので、」一貫したモデルとは、一貫した自己同定ということ。"it never developed ~ "「エゴは首尾一貫した発展をしなかった」。その場しのぎのごまかしで生き延びてきた。



It is the product of the misapplication of the laws of God by distorted minds that are misusing their power.
  • product [prɑ́dəkt] : 「生産品、成果、結果」
  • misapplication [misæ̀pləkéiʃən] : 「悪用、誤用」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令 」
  • distort [distɔ́ːrt] : 「〜を歪める、歪曲する 」
  • distorted : 「歪んだ、歪曲した」
  • misuse [mìsjúːz] : 「誤用する、悪用する」
❖ "It is the product ~ "「エゴは、神の法を誤用してできた産物である」。"by distorted minds ~ "「自らのパワーを誤用し、歪められた心によって、」神の法を誤用してできた産物である。真実の拡張を幻想の投影として誤用した結果がエゴ。






Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp

アクセスカウンター